明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


ユーチューブを観ていたら、60年代の映像で、ピーター・グリーンがスライドで『シェイク・ユア・マネーメーカー』を演奏していたが、弾いてるギターはレスポールのイメージが強いグリーンが、KAYの3ピックアップを弾いており、私が持っているのと同じギターだった。「おいおい」。ホコリをはたいて急に磨き出す私。こんなことで愛情が再燃するところが、ギターの方からはさっぱり愛されない理由であろう。というより嫌われている。 立ち姿の北斎、着彩。背景の赤富士は横位置の画面だが、私の作品はほとんど縦位置である。蛸と北斎は、蛸と海女のオマージュであるから春本の見開きページと同じ縦横比にしたが。富士見の北斎も縦位置にしたい。配置する物があれば、個別に撮らなければならないが、背景の赤富士の他に配置するものがないので撮影も短時間で終わるだろう。 最近の手法はまさに切り貼りであり、背景と馴染ませる必要もない。今まで陰影を案配し、影を捏造してきたことを考えると実に自由である。かつての日本人は陰影を描くことにより生じる不自由さを知っていて、やりたい放題の自由さを選んだのではないか? 立体を作るということは陰影を作りだすことにほかならない。その自ら作り出した陰影を排除するということは、立体作品の作者としては簡単なことではない。はずだったが、一歩踏み出してみたら案外あっけなかった。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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