昨晩の地震で停電。子供の頃は頻繁にあったが。月が出ていたのか窓越しの空は意外に明るい。子供の頃、夜中に地震で目が覚めると、父はすでに電気も着けずに茶の間に一人座っている。これが不思議でならなかったが、実は地震が苦手であったことを知ったのは随分後で、長年の疑問が解けた。たった今慌てていたはずが、ずっと座っていたような顔していたのを思い出すと可笑しい。 雪舟描く『慧可断臂図』は岩壁に向い座禅する達磨大師に後に第二祖となる慧可が教えを乞うが、相手にされず、己の左腕を切り落とし、覚悟の程を見せる、というモチーフである。これは雪積もる場面である。今年はすでに数回雪が降り、翌日雪の予報の時は雪を撮影に行こうと思ったが、この場面のために本物の雪を撮影に行く気になれなかった。そうこうして、昨日、積雪の光景を描くアイデアが浮かんだ。もちろん陰影が無いからこそ出来ることである。