自宅に届いたポータブルトイレ Dometic 970。
安くて最新型、高性能という事ですが、早速トラブル発生。
このトイレ、水洗式で、汚物を流す際に水をフラッシュさせるのに清水タンクへ空気を加圧する方法をとっています。
届いたトイレに早速水を入れて空気を加圧、すると・・・「れれれ?」なんか水がジワジワと漏れてくる。
清水タンク部を持ち上げて底を見ると、乾いた状態では見えないほど小さな亀裂(長さ5mmほど)が入っており、空気をポンプで加圧するとそこから漏れてくるわけです。
「でたよ~」 と、即思うわけですが、こうした品質管理の問題というのはヨーロッパ製にはいつもついて回る。
当然このまま使い続ける訳にはいかないので、さっそく購入元のニュージャパンヨットへ連絡。
すると即交換ということで、大変気持ちよい対応を頂きました。
だから僕はここで用品を買うのですね。
さて、せっかくトイレが来たのだから、このDometic 970を紹介しているHPが少ない以上、
「ここで紹介してしまえ!」となんの脈絡も無いのですが、多少細かい写真を混ぜて説明なんかをしてみたいと思います。
さて、これが外見 上の白い部分が清水タンク、下のグレータンクが汚物タンク。
材質はハイインパクトレジスタンスとのことで、耐衝撃性にすぐれたプラスチックという事ですが。
基本的にABS樹脂
ハイインパクトなのに何で新品から割れ入ってるの?という感じでもありますが・・・。
このトイレの特徴として写真右下に楕円形の窓があり、そこから内容量を確認できるようになっています。
これがないとどれくらい貯まっているのか分りませんから、常にそれを気にしなければならなくなります。
シンプルですが、一番確実で故障のない表示方法です。
そしてこれが横の写真。
ごらんの通り安定感のあるフォルムです。
これが後ろ、
便座の高さは、座ると丁度良い高さで、低くもなく高すぎることもないくらい、これが低すぎると膝が立って不快だし、高すぎると座り心地が極端に悪くなるので、ポータブルトイレには結構重要なポイントでもあるわけです。
ちなみに写真の物は18.9Lの汚物タンクでだいたい30回くらいは使用可能。
二人で一週間くらいの使用は大丈夫です。
もうひとつ10Lという製品の有りますが、当然すぐ満杯になることから、先も書いたように2-3日で常に汚物量を気にしなければならないという事になり、処理の問題からキャンプの思い出より汚物を気にする記憶しか残らなかったなんて事になります。
現実、そうした経験のある僕は、当然に19Lのものを選択しています。
ちなみに上蓋を開けた状態がこれ、セットフォード社のポルタポッテイよりボウルが大きく思えるのですが? ボウルの大きさは大量に便をしたときに生じる独特の不安が無く、安心して使うことが出来るのでこれまた重要。
さらに小便が飛び散らずに旨く流れるよう設計されているのは、ホースでチョチョロ実験してみてわかりました。
もっとも、勢いよく真ん中のバルブ部分目指して当てればお釣りが全く無いとは限りませんが(笑)。
蓋にある注意書きおよび取り扱い説明。
便座をあげた状態。
水洗式のトイレですが、フラッシュ時の水流は結構気になるところ。
水の流れはまず便器左右のノズルからそこへとメインの水がながれ(青色の矢印)、同時にノズルのサイドからも水が噴出され、それが水色の水流となって便器全体を洗い流すようにして前と後ろで合流して底へ流れていきます。
実際加圧して水を流すと、説明書にあって想像していたより流れは貧祖で、次の写真にある加圧ポンプで規定回数の15回空気加圧をしてみましたが、思っていたほどの鮮やかな水の流れというものは感じられませんでした。
もっと加圧すれば勢いよく流れるのか? と疑問も浮かびますが、何しろ清水タンクのそこに亀裂が入っているのもあってやる気が起きない。
又、この加圧ポンプが壊れやすいという話もあるようなので、あまりガシガシやるような物ではないようです。
何となく物足りなく感じるこの水流ですが、これまでキャンピングカーのトイレを使ってきた経験からすれば、まったく問題になるようなものではなく、これまでのように一方向からのフラッシュより遥かに優れていると思います。
ポンプの操作ですが、初めに加圧をしてから用をたすか、用を足しながら暇なので加圧するか?と悩むところですが、自分の場合は初めに有る程度水をボウルに貯め、ちり紙を少し丸めて放り込んでからやるので、初めに加圧することになりそうです。
ここで、なんでちり紙を?と疑問に思われる方がいると思うので簡単に説明。
キャンピングカーの場合、便器のボウル容積が家庭用のものより小さく、そのためにもし堅いうウンチでも出よう物ならポチャン!と跳ね返りの可能性が高くなります。
それが嫌だとばかりに、全く水を貯めずに用を足すと、後で紹介するメインバルブとウンチがべったりこんと仲良しになる上に、流すときにそれらが張り付いたり引き延ばされたりと大変なことになる・・・・
余り考えたくない (笑)
そのため、少し水を貯めてうんちの張り付きを防止すると同時にポッチャン防止もする、そのためにちり紙を少し丸めて投げ込んでおくのですね。
こうすると、用足し終了後にスムーズに下のタンクへ流れますし、次の人も気持ちよく使えるわけです。
長い間キャンピングカーに接しているとこうした独特のテクニック?が身につきます。
ちなみにですが、自分は家庭トイレでも初めにちり紙を丸め、少し放り込んでいます。
次が清水タンクへの吸水口、安全の為に内部の圧力が異常に高まった際(夏場などで車内温度が高まったときなど)に圧を逃がすバルブがついています。
そして、次がフラッシュボタン。
これを押すと、ポンプで加圧されたエアの力で清水タンクの水がノズルより噴出されます。
さて次が清水タンクを取り外した汚物タンクの写真。
汚物排出ノズルが回転して出るように出来ています。
実はこのノズルとそれが取り付けられている場所が、このようにタンク上部に集結されて無いポータブルトイレがあります。
例えると、汚物タンク後部サイド等にねじ蓋式で排出口が付いているやつ等です。
よくヤフオクで介護用ポータブルトイレとして5000円程度で売っているやつがこれなどですが、
安い分とんでもないリスクを抱え込むことになるので、キャンピングカーには適しません。
よくあるのが、蓋部分のシールが劣化する問題で、気がついたら液状化したウンチ君がジワーと漏れてくれたりします。
また締めが弱かったりするとくてこれまたジワー。
さらに、本体材質がポリエチレンでも蓋が異なる材質だったりして、温度の変化や圧力に弱く、寒いときなどパッキリ割れたり、室温が上がって内部空気が膨張して同じく蓋が割れるなど、こうした介護用の安物はあくまでも使用後に即処理して使うという想定でしょうし、基本的にトイレ下には漏れても大丈夫なように防水パンやブルーシートを置くなどの安全対策が必要になります。
畳の上にでも漏れたらそれこそ畳交換。
怖いのは満タンなるまで放って置き、内部で発酵ガスなどがたまって蓋にクラックでも発生したら室内全面にウンチ&おしっこ君が霧状に飛び出すことになります。
そうした事から、このポータブルトイレのように開口部が全て上にあるのは。万が一の事を十分に考えてのことであると同時に当然の安全設計でもあるわけです。
もともとこのポータブル自体がヨットで使用されることを当然の想定として設計されているために、漏れに対してよく考えられているわけです。
次が、エア抜きバルブ。
汚物を処理する際に、この弁を開けると内容物がスムーズに流れるように付いています。
これがないとノズルから中身が出る際にガボッ!ガボッ!と空気と入れ換えと共に流れることになるので、下手すると飛び跳ねが自分のズボンなどに返ってきます。
便利ですが、注意しなければならないのは、処理後にはこのバルブをきちんと閉めなければならないということ、閉め忘れると御想像どおりになります。
つぎがメインバルブ。
汚物を流す際に手前の取っ手を引くとこのようにバルブがあいてタンクの中へと流れ込むようになっています。
このメインバルブの機密性はしっかりしており、かなり内圧が高くなるまで耐えます。
上の二枚の写真はこのポータブルトイレの優れているところ。
実は以前、セットフオード製のポルタポッテイを使ったことある僕。
夏場のしかも山の上でとんでもない目にあったことがあります。
このバルブの機密性含め、ポータブルトイレの汚物タンクは完全密封されていることから、内部圧が高いときにバルブをいきなり開けるとブシュ!っと内部のエアが抜けてきます。
そのため、ポータブルトイレのバルブ操作は基本的に上蓋を閉めて操作することが基本となっています。
しかし面倒だった僕、上蓋締めずにバルブを開けた瞬間・・・・・
今思い出しても嫌な記憶です。
ポルタポッテイにはそうしたブシュ!対策が何にもなかった、今はどうか知りませんが、おそらく旧態然としてろくな物ではないと思います。
ところが、このDometic 970 には完全な対策がされている。
これを選んだ最大の理由がこれと言っても過言ではない、メインのバルブ手前に有る二つの穴。
これだけの物がこの恐ろしいブシュ!から守ってくれるのですね。
レバーをひいていけばメインバルブは当然に開きます、ところが旨くできていて、この二つの穴がまず先に開くようになっており、これにより内圧を逃がした後にメインバルブが開くという構造になっているのです。
これがこのトイレの最大の利点と言っても良いかもしれませんし、これの有る無しがトイレの天下を分ける!といっても良いかもしれません。
さて、ずらずらと書き連ねてきたトイレの紹介ですが、いよいよまとめ。
ポルタポッテイはデザインが悪い、色がださい、ブシュ!、ボウルが小さい?等々問題が多いにも関わらず値段はこのDometicより遥かに高い。
「構造を考えると単なるぼったくりじゃね~か!」 (ーー”)b
なんて思うわけですが、値段が安くてデザインがよく、色が綺麗、ブシュ!も無いし、おまけに値段がやすい。
「どちらを選ぶか?」ですが、当然僕はこちらにしました。
さて、こんな良いことずくめに見えるこのトイレですが、一つだけ欠点がある。
というのは、ぼくが調べたところではフラッシュ用のエアを加圧するポンプの耐久性に今ひとつ問題があるようで、もし駄目になるとこの部分をそっくり交換しなければならないわけですが。
その価格がなんと8000円くらい(Dometicに確認済み)と、本体16800円で、ポンプ8000円て、どんだけ人をなめた価格設定しているのかと思うわけです。
パッキンセットやオーバーホールキットで1500円程度の設定なら文句はないわけですが、
ユーザーの困る心理につけこんでまでお金をふんだくりたいという姿勢が丸見えで、それが薄汚なく見えてしまう以上、満足度は60%を超えることもなく、ましてや100%には絶対にならないのですね。