帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

ウインドサーフィン フォイル考 2024

2024年09月26日 | ウインドサーフィン 

ウインドサーフィンが大好きな翔ですが、 このところ”その一つのカテゴリー”でもある、ウインドサーフィン・”フォイル”について少し違和感を感じている。

というのは、それが一部のセイラーだけの話ならともかくも、ショップ含めてウインドサーフィン業界全体が、口を開けば「フォイル!、フォイル!!、フォイル!!!」って、 バカみたいに二言目にはフォイルを押してくることで、

果たしてそれって良い事なのかね?????という事なんです。

 

確かに、フォイルが”それなり”に面白い事は間違いないのですけど、 だからといって別にフォイルだけがウインドじゃ~無い。

自分はフォイルを常時ボードの下に取り付けて乗っているけど、そのセッティングは様々で、常にフライトさせるようにしているわけでは無くて、逆にフライトしにくいようにしている事が多い。

オーバーコンディションで、しかも大きなセイルで乗るために、簡単にフライトされては困るわけです。

 

フォイルを付けて居る理由は、 フィンよりプレーニングするまでがとにかく早く、それが使用している主な理由でもってフォイルにしているというのが自分の確固たる考えだ。

なので、フライトさせなければならない!という事は、頭の片隅には全く存在していない。

飛ぼうが飛ぶまいが、それをあえて好むとき以外は、どうでも良いわけだ。

 

というのは、ウインドサーフィンは水と親和しながら乗ることにこそ、本来の楽しさがあると思っているからで、

乗り始めてすぐの初心者の頃は、とにかくドボン。

常にドボン、 どうやって落ちないようにしても、ドボンと落ちまくり。

やがて、少しずつ乗れるようになり、それに伴ってバランス取れないが故のドボンは減ってくるが、今度は速度や

風、海面の状態の少しの変化でドボン。

 

何度も水を飲んで、いい加減にウンザリして、しかしながらやり続けていると前回出来なかった事が出来ていたりして、

それがとても嬉しいし、楽しいし、それが故に、次にどれをするか?という課題にもなって、やがてはプレーニング出来るようになる。

 

プレーニングが出来るようになるという事は、風に翻弄されるだけの自分から、それを境にして自然の力をコントロールするという立場に入れ替わることで、そこで初めて感激を覚え、以降はやみつきとなって、どんどんと腕も上がるし、上達するほど条件の厳しいところで乗れる。

それがまた良くて、楽しくてウインドをやる。

自分はこうして今に至っているわけだけど、 他のセイラー達も殆ど同じようなコースをたどってきているのではかと思う。

 

ウインドサーフィンの醍醐味は何と言ってもプレーニングであり、もう一つの醍醐味はジャイブにある。

で、この二つに共通する物は何か?というなら、常に水との触れ合いと語らいがあるということ。

 

風はウインドを走らせる重要な要件だけど、感覚はどちらかというと水の方に有り、それは海で有ろうと湖で有ろうと、ボードが接水して走る際に足の裏から伝わって来る感覚と音、ジャイブ時にボードの向こうに跳ね上がる派手なスプレーほど気持ちの良い物は無い。

まとめると、ウインドサーフィンは基本的に水との語らいがあるから楽しいわけだ。

 

ところが、フォイルが出てきた辺りから、ボードを水面から離脱させて空中を飛んでいく、すなわちフライトになるわけだけど、それに対して、それがメッチャ楽しいのか?というと、自分だけの感覚かは判らないけど、

そんなに楽しくは無い、ハッキリ言ってだ。

それどころか、フォイル至上主義的な風潮に対して違和感が有りまくりだ。

 

確かに、僕もあえてフライトさせて乗る時も有るけど、それ以外はほぼ80%は普通に着水させて乗っているわけで、理由は何か?というなら、 上記の様に”水とのふれ合い、語らい”があるからこそで、楽しいからだ。

 

フライトの感覚はこれまた違う感覚で楽しいが、着水させてプレーニングさせる事や、ジャイブの醍醐味と楽しさには全く敵わず、

だからこそ、自分はフォイルを余り飛ばないセッティングにしている。

すぐにフライトするセッティングもできるが、できるだけ飛ばないようにして、それでも限界速度越えてフライトした時はそのまま飛ばすが、微風の時からフライトして乗りたいなんて思ったことは、ほぼ無い。

一番楽しい、水との触れ合いを拒絶するような感覚がどうにも馴染めないからだ。

 

なんかね~ ウインドギアのメーカーも、何かにつけてはバカみたいに フォイル、フォイルで、これって、有る一部のユーザーが歓迎している志向を、さも全てのユーザー全体が望んでいるかの用に振る舞って、尚且つ全体に押しつけているようにしか思えないんだけど、なんかおかしくは無いだろうか?

 

ウインドサーフィンは難しい乗り物で、 ある程度楽しめるようになるまでかなりの時間を必要とする。

そして、上達するにしたがって、乗れる風域を広く求めるようになる事から、道具の数も増えていくし、ボードも枚数も増える。

で、当然そんな感じで増えていく道具を載せる車も、普通車からワンボックスカー、しかもハイエースとか大きな物になっていく。

金がかかるわけだ!ハッキリ言って。

 

セイル、マスト、ブーム、ボード、どれもこれも中古であろうがなんだろうが、それなりに大きな額の支払いが必要になる。

どれも使っていると必ず壊れる物故に、定期的に財布からの持ち出しがあるわけで、それは決してバカになる物では無い。

ではフォイルはどうか?というなら、 基本のセットを一セット買えばそれで済むという物では無く、

自分の希望する走り、すなわち風や海面の状態、それによって使用されるボードとリグが換わるように、フォイルも

フロントウイング、リアウイング、フューサレージも変更を迫られる。

出来ればメーカーも数種類揃えたくなる。

 

自分の場合、使っているのはハイウインド用の物で、AS105と F4のコースレース・ハイウインド用の

セットだけで、 それのフロントウイングを替えたり、リアウイング角度をチューニングしているのだけど、

これを、自分の持っているリグ全てに対応させるためにウイングを揃えでもしたひにゃ~、一体いくらかお金が出ていくだろうか。

 

F4のフロントウイングは サイズを変えようとして購入すると平気で10万円とか出て行く、たった一枚でだ。

風と海面の状態に合せて、常にフライトさせるためのベストを狙うと、自分が使っているようなプロも使うレース用の新品で、基本セット70万円、必要に応じてウイングを買い足していくと、多分総額150万円は平気で越える。

 

「バッカじゃ無かろうか!!」 フォルを生産するコストは、半分手造りで手間の掛るボードやリグに対して圧倒的に安く済むことは明確で、しかも職人が一本一本ウイングを研ぎ上げているわけじゃ~有るまいし、使用されている材料と生産工程から、おそらくは原価数千円の物を、10万とかで売っていることは間違いなく、生産する方にしてみればメッチャ儲かるわけだ。

 

業界挙げて、「フォイル!フォイル!フォイル!」=「儲かる、儲ける、儲かって仕方ない!」フォイルという言葉を聞く度に、そう言うように思えてならないのは、僕だけだろうか?

 

そんなことだから、ボードもフィンで乗るものは二の次となり、フォイル専用ボードをつくって強引に押し出してきて、 それまであったいわゆる普通のフィン向けのボードはどうでも良いという感じが満々。

”フォイルに乗らずんば,ウインドサーファーに有らず!”というかんじで、これが半端なく歪でおかしく思えるのは自分だけだろうか?

 

フォイルはあくまでウインドサーフィンの中の一つのカテゴリーではないのか? まるでフォイルというカテゴリーが

まず全てであって、その後ろにフィンが有り、それにボードが恥ずかしそうについてくる、そんな感じになっているのってただしいのか?

なんだろうね~、つまらなくなって来ちゃっているよね、最近のウインド業界は。

 

余談だけど、 そんな感じでウインド業界が変な風になってきているのを、一番とばっちり受けているのは初心者で、

その中でも若い人は、半端なく大変なわけで、 セイル10万、 ボード30万、 リグ10万程度だったのが

今ではそれに+50万(フォイルのベーシック基本セット)なわけで、しかもそれは上にも書いた様に使用していく過程でドンドン壊れていくわけで、消耗品なわけだ。

ボードはフォイル専用の物はフィンで乗ると性能的にうまくないので、初めはフィンで乗れるボードを必要として、ところがある程度乗れるようになると、”フォイルにあらずんばウインドサーフィンに乗っている事にならず!”という風潮だから、フォイル用のボードまでも必要となり、当然この二つのボードは方向が違うので両方とも揃えねばならない。

フィンだけで乗って居ると、あたかもいけないかの様な空気、「なんかへんだろ!」

本来有った、水という存在を拒否するかのようなフォイルの為の莫大な出費は、この先新たにこのスポーツを始めようとする人にとって、初めから諦めさせるような事にはなっていないだろうか?

フィンでプレーニングが出来るようになるまですらそれなりに大変なのに、そこに来てフォイルでなければウインドじゃ無いぜ!的な風潮。

+金、金、金、金!

衰退していくわけだよ、このスポーツは・・・・

業界もいい加減に方向転換してくれればいいのだけど、 駄目だろうね、多分。

 

 

 


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