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イギリスへの留学を考える方にIELTSやTOEFLの指導をしているが、そのために参考になる本をいつも探している。
すでに2022/10/09のGetUpEnglishで紹介したが、
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/36833225cbabc6055538ff24bad8c30a
Joe Normanの The Super Tutor: The best education money can buy in 7 short chaptersがいちばん参考になる。
https://www.amazon.co.uk/Super-Tutor-education-money-chapters/dp/1780723865
イートン校などの名門に入るために読んでおきたい本を紹介し、それをどう読むべきかが豊富な用例とあわせて実にわかりやすく説明されている。
本書を読んでいると、イギリス文学、ヨーロッパ文学の成り立ちと歴史も自然と理解できる。
本日のGetUpEnglishもこの本の一節を紹介しよう。
ノーベル賞作家、Kazuo Ishiguroについて次のように書いている。
Does the English-Japanese novelist Kazuo Ishiguro only read books by English-Japanese writers? No; he wrote The Sleeping Giant, a story in which the mythical Arthurian (white, male, medieval) knight Sir Gawain plays a major part. Ishiguro has presumably read the Arthurian myths, even though they contain no Anglo-Japanese characters. He also wrote The Remains of the Day, about a white working-class butler who worked for a Nazi-sympathising aristocrat in England in the 1930s.
日系イギリス人作家のカズオ・イシグロは、日系イギリス人の作家しか読まないだろうか? そんなことはない。イシグロは2015年に『忘れられた巨人』*を発表したが、この小説においては伝説上の王であるアーサー王の甥ガウェインが重要な役割をはたす。イシグロはおそらくアーサー王(五世紀後半から六世紀初めのブリトン人[白人])の神話を読んだはずだが、そこにはもちろん日系のアングロサクソン人は登場しない。また代表作『日の名残り』では、ナチスを支持するイギリス貴族に仕える白人の労働者階級の執事の物語がつづられる。
『忘れられた巨人』(早川書房)は、イシグロの10年ぶりの意欲的長編。ブリトン人の老夫婦が息子を訪ねて旅をする話。