GetUpEnglish

日常よく使われる英語表現を毎日紹介します。毎日日本時間の午前9時までに更新します。英文執筆・翻訳・構成・管理:上杉隼人

PREFACE TO SPRING AND ASHURA

2020-05-14 01:29:53 | 英語学習法

 わたし上杉隼人は英日翻訳だけでなく、日英翻訳と、英語で直接書く仕事も同じくらいしているのですが、時々日本語があいまいで意味が取れないということがあります。
 たとえば宮沢賢治の「『春と修羅』序」に次の表現がある。

 おそらくこれから二千年もたつたころは
 それ相当のちがつた地質学が流用され
 相当した証拠もまた次次過去から現出し
 みんなは二千年ぐらゐ前には
 青ぞらいつぱいの無色な孔雀が居たとおもひ
 新進の大学士たちは気圏のいちばんの上層
 きらびやかな氷窒素のあたりから
 すてきな化石を発堀したり
 あるひは白堊紀砂岩の層面に
 透明な人類の巨大な足跡を
 発見するかもしれません

 最後に、

 透明な人類の巨大な足跡を
 発見するかもしれません

とあるが、

 透明な人類の巨大な足跡を

というが、「透明な」のは、「人類」か、それとも「足跡」か?
 普通に考えれば、おそらく「足跡」ではないかと思うが、宮沢賢治となると話は別だ。もし本気で訳して出版するとなれば、宮沢賢治の研究者にお尋ねするということになるが、それでも多分意見は分かれてしまうと思う。
 その場合はどうするか?
 ひとつにはいろいろ調べて、権威ある方にお尋ねしてみるということになる。
 それでもわからなければ、翻訳者がこうだと判断して訳すしかない。

 あるひは白堊紀砂岩の層面に
 透明な人類の巨大な足跡を
 発見するかもしれません

 であれば、

 A
  Or they might just stumble
  Upon the giant footsteps of translucent man
  In a stratified plane of Cretaceous sandstoneか、

  B
 Or they might just stumble
 Upon the translucent giant footsteps of mankind
  In a stratified plane of Cretaceous sandstone 

 あたりになるだろう。
 「足跡」が「透明」だったら見えないんじゃないか、と普通の翻訳者であれば自分で突っ込んで考えるだろし、それをいうなら「人類」が「透明」でも見えないだろうと考え直すこともあるだろうから、「英語として自然な表現にする」というのもひとつの判断材料になるだろう。
 この場合どっちがよいか?
 もう少し英語力を磨いてから、再度考えてみたい。訳してみたい日本文学もある。

 

Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『インフィニティ・ウォー』... | TOP | The Last Leonardo: A Maste... »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 英語学習法