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『若い読者のための宗教史』、発売当時からずっと動きがよく、オンライン書店の宗教史ランキングで、No.1!
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『若い読者のための宗教史』、「訳者あとがき」より
生きている限り悩みはある。苦しい、悲しいこともたくさんある。世の中も不安定だ。だからこそというべきか、祈るしかないことも多く、神頼みの神がいなくては困る。だが、日々の生活に追われる人たちは、宗教が成し遂げたことの多くを称賛することもあるものの、その土台となる超自然的な信仰を受け入れることはもはやできない。
著者は宗教が現在多くの地域で凋落傾向にあることに憂いを抱いているが、このように感じている現代人が現在どのように宗教に取り組んでいるかを紹介しつつ、本書の幕を閉じる。
世俗的ヒューマニズム。著者が最終章で紹介するこの宗教観は、すでに日本で実現している。たとえば親から教えられた宗教があったとしても、知識が増えるにつれてもはや子供の頃のように無心に教会には通えなくなり、それでも神社や仏壇の前では自然と手を合わせるという人たちも少なくないように思う。
本書はさまざまな宗教を紹介する歴史物語として楽しめるだけでなく、このように現代の宗教のあり方についても一歩踏み込んで論じている。宗教を持つ人にも、持たない人にも、多くの方に興味を持っていただけたら、訳者としてとてもうれしい。
2019年3月
訳者代表 上杉隼人