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日本語には差別用語というものがある。
Wikipediaには、
「他者の人格を個人的にも集団的にも傷つけ、蔑み、社会的に排除し、侮蔑・抹殺する暴力性のある言葉。使用したことにより、名誉毀損罪など、法的に損害賠償責任が発生する可能性が高い言葉」であり、公の場で使うべきでない言葉の総称である。差別語(さべつご)とも」
とある。
文学ではなく、ごく事務的な文章であれば、誰かが不快な気持ちになるのであれば、使わないほうがいい。英日翻訳の際にはいつも注意している。
derangeも「錯乱した」という意味だが、辞書にある定義をそのまま記すと差別用語になる可能性がある。
今日のGetUpEnglishはこの語を学習しよう。
次のような英文も、十分に配慮した日本語にしたほうがよい。
○Practical Example
"The accused is mentally deranged, and not fit to plead."
「被疑者は錯乱していて答弁できる状態ではない」
たとえ英語の意味が「薄れてしまう」としても、誰かが不快になるのであれば、(繰り返しになるが、文学は別として)仕方ないと思う。
●Extra Point
だが、日英翻訳であれば、このderangedを使って、日本語では表現できない意味を存分に示すことができる。
『ディズニーヴィランズタロット』には、原書にないキャラクターの説明を一言ずつ加えたが、その部分はすべて英訳してディズニーに許可を取る必要があった。
わたしは日英翻訳もするので(というか、英日翻訳より日英翻訳のほうが、質は別として、得意かもしれない)、この仕事を担当した。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/ccfb09922f5cc35a04455b85a68a039a
「ハートの女王」などは次のように訳した。
◎Extra Example
「ハートの女王は、『ふしぎの国のアリス』に登場するヴィラン。精神的に不安定で、気に入らないものはすぐに処刑しようとする」
“The Queen of Hearts is the main antagonist of Alice in Wonderland. She is the tyrannical and deranged ruler of Wonderland with a sadistic penchant for beheadings.”
桐生タイムスの連載コラムもぜひご覧いただきたい。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/2a36c86f7af32f3de745be14a4dec847