午前中、ピンポ-ンと呼び出しの音。荷物かな、と言いながらPapasanが出た。子どもの声で、「まな小ですがインタビューに来ました」
何のインタビュー?ま、それはともかく、どうぞ。学校の社会科で調べているのだという。「で、何が聞きたいの?」というと「福祉について」「福祉って言っても広いからなぁ、福祉の何を知りたいの?」と聞くと、「障害者にとって真鶴町は優しいかやさしくないか?」という。それもいいけど、この子たちの背景はどの程度なのだろうといろいろ聞いてみた。「福祉ってどういうことか、知ってる?」と聞くと「知らない」という。
学校の社会科で福祉についてインタビューをしたりして調べてくるように言われたのだそうだ。「どうしてまずここに来たの?」と聞くと「議員だから」だという。議員に話を聞くのもいいけど、まずは役場の福祉担当のところに行って、町では福祉をどう考えているのか、そして障害者のことを聞きたいなら、障害者と呼ばれる人がどのくらいいて、障害者にも重度と軽度があるから、そういうひとたちへ実際にどういうサービスをしているか聞いてきなさい。いちおう、町でやってる目の不自由な人への朗読ボランティアや授産施設のヒマワリの家も教えておいた。小さい町だから、いいこともあるんだよ。
そして障害者福祉をしている施設があるから、実際に訪ねて見て来なさいなどなど教えた。
「福祉というのは、本来はだれもがお互いに幸せに生きるために、助け合って行こうというのが基本。ただ家庭とか隣近所みたいな小さなところでは扱いきれないところがあるので、社会で面倒を見るのが社会福祉制度というのよ。これは大事なことだから覚えていておいてね。人間だれしも明日障害者になるか、寝たきりになるかわからないでしょう。働きたくても働けない人になってしまうこともあるの。障害者だけでなく、お年よりもそうよ。いえいえ、君たち子どもも福祉の恩恵は受けているんだよ」
特別学級に入れない子どもがいるかどうか、そういう子どもはどこへ預けられているのか、そういう君たちの友達のことも調べた方がいい。
4年生じゃぁ、どの程度理解できるかな。
ついでに行政の仕組みと議会の役目も教えてやった。理解できたかどうかは分からないけど。1000円のお金を例にして。
学校の社会科で福祉をどう取り上げているのか、ちょっと気になった。この子達の話だけでは分からない。たぶん、漠然と福祉という言葉だけで覚えているのだろう。教える側は分かっているのかな。
「福祉って障害者のことだけだと思ってた?」ってきくと「はい」という返事。ほかの生徒達が、どういうところに聞きに行ったかどうか分からないけど、ちょっと心配だねぇ。