なぎのあとさき

日記です。

HANA-BI

2005年03月18日 | 映画の話(ネタばれ)



CSで「HANA-BI」をやってたので、今日は最初から見る。
今日のイライラ気分が吹き飛んだ。
武がチンピラどもを殴るときの底なしのイライラ感に比べたら、
私のイライラなんてライトなもんだった。
あまりの緊張感に、イライラなんかしてる場合じゃなかった。
暴力シーンを見てたらすっきりした。
やられる人はくずばっかりだし、無駄な動きがないしかっこいい。
鐘前にキナ臭い映画ははまる…。

青い海、青い花、青い空。青っぽい画面がきれい。
海と空が同じくらいの青になってる東京湾がきれい。

大杉漣のシーンがどれもいい。
桜のシーンはきれいすぎて、あの世とこの世の狭間のようで、
不吉な予感がした。陽炎座の桜のシーンみたいに。
深遠から戻ってくる人間を、何度かの短いカットだけで見せるのに、
あの絵は不可欠だ。レンレンの心情だけじゃなくて、時間の経過もわかる。

武が奥さんを笑わせたり、守ったり、肩を抱いたり、相手を思いやる動きが美しい。
嬉しそうに笑う奥さんがかわいい。
夫婦の日々には、言葉はなくとも、伝わりあうものがある。
それは多分、生命そのもの。
夫婦が、惜しみなく与え合うもの。

武がお寺の鐘を鳴らし、野良猫たちが鐘の方を眺めるシーンがよかったな。

ダーから電話。
朝、イラついてた私は彼を平手打ちしたのに、
いつもの明るい声で「今打ち合わせ終わって会社戻って校了やって」うんぬん、
としゃべってる。
「帰るときまた電話するから」
「もう寝るから電話いらない」
「うん、じゃあ早く終わったら電話するよ」(今午前1時なんだけど…)
「じゃーね」思いっきり不機嫌な声で切る。
怒ると怖いってとこ見せないと、何もしないんだから。

彼は私を笑わすすべをよく知ってるから、
向き合って話なんかしてると、
しまいには笑っちゃってダメなのだ。
だから、家のことを私に任せきりなことを改心するまでは、
なるべく顔を合わさず話さずにいるつもり。

改心してくれたら、惜しみなく何でも与えるつもり。

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