おフランス行きが決まったので、
フランス語の教科書と辞書を引っ張り出して、
文法の基礎をおさらい中。
「j’ai,tu as,il a」
と声を出しながら勉強していると、
ビーが何事?とやって来て机に上がる。
教科書と辞書を踏んで歩いて、
いいぐあいに辞書の上にお腹を乗せて、
教科書に足を投げ出して寝る。
勉強を中断してビーを撫でていると、
毛が抜ける抜ける。
テーブルの上が毛だらけになり、
私の顔も毛だらけに。
コロコロを取りに行くと、
ビーは逃げる。
勉強を再開すると、
またビーが来て辞書と教科書の上にごろん。
パソコンでも勉強でも、
殿とアホ姫様はほぼ無関心なのに、
ビーはどっかりと邪魔をする。
連休中、ダーと喧嘩になって、
寝室で泣いていると、
すぐに駆けつけたのはやっぱりビーで、
私が泣いたり、
ダーに怒鳴ったりしてる間も、
ずっと私の側を離れなかった。
ブラウン管ちゅきなのに!
連休最後の日は、
天気が崩れたので家にいて、
庭を眺めて猫たちとたらたら。
エリザに続いてフレンチレースも咲いた。
アプリコットがかったクリーム色で、
他の花にはない花色。香りもいい。
隣の薄ピンクのマーガレットも満開で、
そこにマルゴの蕾のオレンジが並び、
可愛い景色。
猫たちは、
お気に入りのブラウン管テレビがなくなり
液晶テレビに変わったのが納得いかないらしく、
新しいテレビを見上げたり、
裏にまわったりして入念にチェックしていた。
液晶が壊れたら大変なので、
だっこして上から見せて、
「このテレビは薄くて乗れないのよ~」と、
1匹ずついってきかせる。
それでもビーが、
いつものノリでテレビに飛び乗ろうとして、
失敗して前足でぶらさがり、
後ろ足を液晶画面にひっかけようとして、
画面にスジがビシッと走ったときは
どうなることかと思った。
無事だったけど。
アホ姫様(モンチ)も、
なんとかして登れないものかと、
何度もテレビを見上げては、
ダーに「モンチ!」と怒鳴られて、
そそくさと逃げていた。
晩ご飯は出前のお寿司。
5日が6回目の誕生日だった殿にはタイを少し。
生ものはあまり好まないビーも、
トロは美味しそうに食べた。
「ビーにはあげなくていいよ!」
「自分がトロだから?」
「大トロだから」
ヨコスカから戻ると、
シーバの箱が転がり小袋5袋がカラに。
ダーがピシッと叱って、
叱りタイムが終わるとすぐに、
ダーがポンポンして猫たちは悦に入っていた。
「モンチは叱らないの?」
「無駄だから」
ベッドの上で猫たちを撫でるうちに寝てしまい、
Cが来てあわてて目をさます。
猫たちも一緒になって寝ていた。
Cの彼の電子レンジが、
わけあってうちの物置に置いてあるのを取りに来たC。
そのまま用賀でお茶。
「終わったかもしれないのに、
何持ってるんだろう、あたし」
江ノ島で、猫を見るときの表情で、
百年の恋が冷めたという話。
悲しみに浸されたCはきれいだった。
「猫はゆずれないもん」
「しっぽだけでもゆずれないよ」
「ひげ1本だってゆずれないよ」
結局電子レンジは、
またうちの物置にしまうことになった。