殿ちん、雪の残る寒い夜に
2時間以上も外に出てたけど、
鼻水ひとつたらさない。元気!
海は凪で引き潮、明るく光る。
しばらく浜辺にいて呼吸に集中してると
勝手に足が動いて水に入る。
自然のもとでは呼吸に意識を集中するだけで
幸せが体に広がる。
(PMなんとかで「無駄な外出は」
とかいってるけど外出は無駄なほど楽しくて
つまり無駄な外出なんてない。
呼吸と無駄な外出という幸せを忘れて
空を曇らせて昼間からヘッドライトつけて
移動する人たちはどこに行きたいんか、
幸せのある場所でないことは確かだ)
お寺の裏山でよく会う、
スミレちゃん(仮)という犬を連れたおじさんがいる。
遅い時間に行くので、そこにいるのが
私とCとスミレちゃんとおじさんだけ、
ということがよくある。
おじさんは基本的にこっちを見ない。
スミレちゃんはめちゃめちゃ賢い子で、
私が挨拶しようかな、とスミレちゃんを見ると、
「いえ、大丈夫です」という顔をする。
前に上の境内で話したときも、
スミレちゃんは私にさんざん撫でられてたけど、
「また(雨が)降るかもしれないから、そろそろ行かなきゃね」というと、
さっと私から離れた。
今思い出したけどその日は雨で傘さして山を上り、
上で会ったスミレちゃんは毛皮が濡れていて、
私のジーパンに濡れた毛皮をこすりつけていた。
で、こないだは鳥居の下の狭いところですれ違ったので、
聞こえるか聞こえないかの声で
こんばんわ、と言ったけど返事はない。
その後でスミレちゃんがリードを放たれ
(そんなことは初めて)
暗い闇の中を駆け回り出した。
その日は闇がいつもより漆黒に見えた。
春になって湿度が出たからなのか、
雪が残っていて地面が光ってるからなのか。
スミレちゃんは山肌をかけ上っていた。
真っ暗でも、犬の体が少しだけ光っていて
どこにいるか分かる。
そのうちスミレちゃんは戻ったらしく、
おじさんと帰った。
その二日後、そのお寺とは近くもない、
けっこう離れた葉山の浜辺にいると、
顔まではよく見えないくらいの遠くに
スミレちゃんに似た犬を連れた、
おじさんにそっくりな人がいた。
おじさんはこっちを全く見ない。
スミレちゃんらしき犬は、
私とCの方を二度見の感じで見て、
しばらくこっちを観察していた。
Cは「ゾッとした」と言ってたけど
私はそのおじさんと私たちが志向のような、
趣向のような、何かがすごく合うのだろうか、と思った。
自然とがっつり触れ合ってるときは、
挨拶が面倒な気持ちも分かる。
近所の河原でも夕陽中に
よく知らない人に声かけられるとイラッとくるし。
(人の時間に土足で踏み込むのは
アーキモッチィーのオヤジと同類)
前に河原で知らない人に声かけられて写真を撮られて
後でもらったアドレスで見たら写真もいまいちな上、
こっぱずかしくなるようなセンチメンタルなコメントがついてたりした。
(その後で一度会って声をかけられ、うんざりだった)
稲村で写真を撮られた時も、後でCが見たら
「セクハラな」コメントがついてたそうだ。
浜辺には中型の群が浅瀬にいた。
森戸で、小魚の群がいっぱい。
沈丁花七分咲き。
お寺は明るいうちに上まで。
リスが数匹、忙しそう。
ここの沈丁花はまだ。
蝋梅、水仙の匂いが濃い。
空気は冷たいけど、
冬とは違って気があるのが分かる。
久々に浅草にも行った。
面白い席。ブルー(カラー)にこんがらがって。