なぎのあとさき

日記です。

19号の夜

2019年10月24日 | 日々のこと


K地くんが久しぶりにメールくれて、殿のことを伝えたら、親と暮らした年月より長いね、と言われてそれに気づいた。
その間スキンシップは対ヒトどころではない。誰より親密な間柄。

木曜の河原は小さめのアオサギがいて、川の水は澄んで水位が低く、魚の群で水面が盛り上がっていた。たまに跳ねた。

モロイ読了。
後半はモランがモロイを探すため、息子を連れて出かけ、戻ってくる。

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19号はすごいと木曜からEちゃんが騒いでいて、衛星動画を見たら確かにすごい
、でかい。目が厚い。見たことない衝撃映像。史上最強と言われてる。

Eちゃんは水買った!電池買った!携帯バッテリーも!とハイテンションでLINEを次々くれるけど、私はローテンションなまま、仕事帰りにスーパー行ったら見たことない行列で、売り場に近づけないし、気圧のせいかだるいし眠いので買い物はすぐに諦め、すいてたカルディでカップ麺、お菓子、サバ缶など買ってみた。
サバ缶はいざとなったらビーも食べれる。
あと八百屋でリンゴ。

ビーは元気にお目めくりん、とさせて、台風接近も気にならないみたい。
私のほうが頭痛いし耳鳴りがした。

で、12日土曜日、日中は暑くて夏日、ダーも休み。私は実家の心配ばかりしていて、自分たちはなんとかなるっしょ、と特に備えもしなかった。お風呂に水貯めたくらい。

夕方、家の前の道が冠水し始めた。
マンションの住民たち、消防庁の人で土嚢を積み上げた。
が、一番道路側の家の庭に水が流れこんできた。

一階通路にも水が入り、家に戻って玄関前に土嚢をおいたけど焼け石に水、玄関の浸水が始まった。

うちの区は、避難所はペット不可とされてるから避難の選択はなかったし、家にいてやりすごすつもりだった、が。

玄関の浸水は、かき出してもかき出しても収まらない。
さらに、庭側からも浸水してきて、電気が消えた。

水はどこまでくるかわからない。ここにはいないほうがいい、と私はビーを連れ、ダーはモンちゃんを連れ、適当に猫のご飯とお薬、お菓子、タオル、お金など持って家を出ようとしたら、玄関が開かない。
庭側の窓から出て、端の家の庭まで行ったら鍵が閉まってたので、乗り越えた。8キロのモンちゃんしょって。
で、上階に行った。

階段の踊り場で、風雨はなんとかしのいで、荒れ狂う19号を見ていた。
多摩川氾濫の恐れ、と、ひっきりなしに避難勧告が放送されている。

ビーがかごの中でずっと鳴いてるので、かごから出して抱っこした。
モンちゃんは怯えて、バッグの中で固まったまま目をぱっちり開けていた。

日中暑かったのでTシャツにカッパだけで、しかも湿っていて寒かった。
カッパの中に入れて抱えているビーが暖かかった。
暴風雨の中、外に連れ出されたビーは、だんだんイライラしてきた。
抱っこしててもフシャーッと鳴く。
私はひたすらなだめていた。

どれくらいそうしてたかわからないけど、上階の親切な人が声をかけてくれて、猫ごと家に入れてくれた。おにぎりと、ギョウザと、猫の水飲み用の器を用意してれた。

モンちゃんは怯えて固まってるのに、バッグを少し開けてカリカリを差し出すと、顔だけ出して食べた。

人のおうちなので、猫のウンチシッコが気になる。2匹ともこの日は寝てばかりだったから、夜のおトイレに行ってない。
台風のピークが過ぎた頃に、なんとか家に戻れないかと、庭から家に戻った。

家の中は畳が浮いて大惨事だったけど、バスルームは無事だったので、そこに猫トイレを運び、避難所を作って4階のおうちで待っていた猫たちを連れて帰った。
二人とも、チッコ完了。

狭いバスルームに連れてこられて、またビーはイライラ。フシャーッ!必死になだめる。

で、一息つくまもなく、なぜかまた浸水の水位が上がり出して、バスルーム手前の洗面所にじわじわ水がきた。
Nちゃん、これ水来てるの?
来てるね、やっぱりだめだ。
このときは、マジホラーだった。
再び、2匹連れて外へ。

そのあとはもう、ビーを抱っこして、モンちゃんは安全なエレベーター前に置いて、ほかの1階の若い夫婦と、道路の冠水を眺めて笑っていた。
シャイな感じでこれまでろくに話したことのない旦那さんは、ワインで酔っぱらっていた。

道路は膝上まで冠水してたけど、人がジャブジャブ歩いてた。チャリの若者たちも通った。
ポストの足がどれだけ見えるかで、水がひいてきたのを見ていた。

1階のしっかり者のお宅の息子が、家の前の水をかきだして、道路の写真も撮っていた。

台風が去り、澄んだ夜空に満月1日前の月が輝いていた。それはそれは見事。雲もきれいだった。

寒いので、親切なおうちに猫たちも連れて戻り、寝た。

恐ろしい夜だったけど、ビーを抱っこして、一緒に無事にあの夜を越えられたことが、何より嬉しかった。ビーを守り抜くことだけ考えていた。ほかに何もいらなかった。家の浸水も大して気にならなかった。若くて頑丈なモンちゃんはどうにでもなると思ってバッグに入れっぱなしだったけど(4階の通路で一度だけバッグから出してダーが抱っこしていた)、ビーは日々ストレスに気づかう19歳。
ビーはご飯は食べなかったけど、水を飲ませて、あの状況で投薬もこなした。

次の朝は晴れて、キンモクセイが香っていた。

この日から、怒涛の片付けの日々が始まった。つづく
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