なぎのあとさき

日記です。

つるべおとし

2020年10月21日 | 日々のこと




モンちゃん、あまり上がってほしくない、いろいろ物の乗っている棚に上がって、ワー!と鳴く。
「モンちゃん、下りて!」というと、何食わぬ顔で前足をペロッとし、また「ワー!」
そこから押入れの上段に入りたいんだろうけど、庭にちょろちょろ出るモンちゃんの足は汚れてるので、布団の入ってる押入れには入れられない。

でも雨で庭に出られない日は解放してるので、モンちゃんは押入れに入りたい。

「ワー!」「モンちゃん、下りて!」
前足ペロッ!「モンちゃん、下りて!」「ワー!」
「モンちゃん、下りて!」(しばらく繰り返し)

Tを呼び「ちょっとモンちゃんに降りるように言ってくれる?」
T「モンちゃん!」
すかさずモンちゃんは下りた。
ついに!モンちゃんも私をなめくさり出した?

10月中旬、前線の停滞で、パッとしない天気が続く中、日がどんどん短くなっていく。
日に日に下がっていく気温や、家に入る光の弱々しさが、去年の今頃の記憶をありありとよみがえらせていた。
朝から晩まで、捨てて拭いて消毒する日々。

そこにはビーがいた。
あの日々の記憶は特別に強いから、そこにいるビーのこともありありと思い出せる。
部屋が片付いてくるにつれて、ビーのむしゃこいが戻っていくことが、何より嬉しかった。

と、私はいまだに何かにつけてビーを思っては涙する毎日。
失うものなど何もなかった若い頃から、つるべ落としの季節は寂しいんだから、仕方ない。

毎日2回、決まった時間にしていた投薬と、月1回か2回、ときに週1回の通院がなくなって、日々にメリハリがないというか、毎日がぐにゃぐにゃしてる感じ。



ビーの絵を描くほかに、ビーにもらったアレンジメントの花を継ぎ足したり取り除いたりして、生け花するのも今の習慣になった。花の美しさ、かわいさが、元気をくれるのは確か。
今庭のあちこちで咲いてるホトトギスも、切り花にできる。

昔からビーは花にたとえるとダリアのようだ、と思っていたダリアを買ってきたら、ダリアの花びらの手触りが、フワフワで柔らかくてビーによく似ている。



18日は海へ。どんよりの曇り空。高速はアワダチソウが一気にきた。キョウチクトウの花もまだ残ってる。

着いたのが16時頃で、すでに薄暗かったけど、着替えてボードに乗って海に出ると、それほど寒くもなかった。
時々ボードから降りて泳いだ。潮は濁り気味で、まだぬるい。
西の空の雲の切れ目から太陽が出てきて、橙色にきらめく海の上でゆるい波にゆられながら、沈む夕日を見ていた。富士山がくっきり見えちゃった。

日が落ちると寒くて早着替え。


10月も後半に入った今週は、晴れてほんのり暖かい。
仕事の前、庭に出てNくんの書いた小説を少しずつ読んでいる。
よるべなさ、生きにくさを感じている《私》にとっての友人Kが、なけなしでもあるとないとでは全然ちがう、小春日和の日ざしとリンクして、ほんのり、ほのかに暖かい小説で、楽しい。




モンちゃんも一緒に庭に出て、草の匂いをひとつひとつ嗅いだり、日向ぼっこしている。

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