
おれ、やったぜ!
それまで寝てた私も目が覚めて、Tが、庭に猫がいる、と言いにきた
飼い猫か野良猫が迷いこんで来たのだろうと、油断していた
植え込みの奥の壁際に子猫がうずくまっていた
すぐ側でモンちゃんに叫ばれても動かない
しっかり目力はある、けどガリガリに痩せて、ひどく汚れている
歩けないのかもしれない
モンちゃんを部屋に戻して、ちゅーるを器に出して子猫の前に置いた
いったん離れると、ちゅーるを全部食べた
手を伸ばすと逃げようと立ち上がった、わさわさ繁った植え込みの奥なのですぐに手は届かない、子猫はよたよた、後ろ足をひきずるように奥へ逃げる
フェンスの隙間まできたけど、外に出なかったので捕まえられた
思い切り左手人差し指をかまれただけで捕獲できた
タオルでくるんでバスルームへ
ご飯、お水、タオルで寝床を用意して、しばらく場に慣れてもらう
時刻は8時半、病院が開くのは10時
それまで時々様子を見ると、タオルの上でじっとしてる
激やせで小さいけど、足の長さを見ると4、5ヶ月
1時間くらいしてから近づいて状態を見ると、かなりまずい
お腹に深そうな傷、それも一か所ではない、骨折もありそう
でも目力、ちゅーるを食べたこと、私を噛んだ時の力強さ(血が出るほど)
この子は生きられる!
そのためにうちの庭に来たんでしょ、こんなぼろぼろの体で、猛暑のさなかに
もう大丈夫!助ける!
死に場所を探しにきたのかもとか、なら病院よりこのまま自然の中でって一瞬だけ思ったけどすぐ消えた
この子は生きる!
下僕道20余年、目を見たらわかる
病院へ、キャリーには自分から入った
マオちゃんのワクチンのときの若い先生
1.5キロ、一番大きい傷ははいのうしている
検査の間、しばらく待った
待合室で本も読めないほどの緊張なんて、ずいぶん久しぶり
若先生だけ戻り、何かにしつこく噛まれたようで一か所は貫通してる傷がある、怖いのは、膀胱など内臓が破裂していないか、、、その場合、処置したところで、、うんぬん
それから処置したとして、後のことはどうしますか、と聞かれ、は?と思いつつ、うちで飼いますと即答
後で、連れてくるだけ連れてきて後は知らんぷりの人がけっこういることを知った
リリースしないですか?と念をおされたので、おいおいおい、こちとら下僕やるために人間やってんだよ、とは言わなかったけど
こんなときのための一枠開いてます、と説明
生死に関わる状態であれば院長に相談してくださいと、こっちも念をおすと、上の検査室で院長も一緒に診てますとのことで、だいぶ気がらくになった
一度帰って、細かい検査の報告を待った、何も手につかない、ご飯も食べられない
お昼頃電話あり
内臓無事、白血病エイズなし、ご飯少し食べた!!
前半身は怪我もなくてきれい、年齢的に抗生剤治療OKここまで朗報
問題は、大腿骨に骨折あり
ちょっと複雑で、何かに噛まれたというよりも、轢かれた可能性がある、これはちょっと難しい外科的手術になる、費用もそれなりに、と
突然きた、やりますかやりませんか、だったけど、内臓は無事、やるしかないでしょ!手を尽くしてくださいがんばってください宜しくお願いします
と頼んでまた待ち
何も手につかない中で思うことは、あんなボロボロの体で、台風直撃寸前の猛暑の日に、うちの庭に来た子猫
モンちゃんに吠えられてもびくともせず、私が見つけるまでじっとしていた子猫
よく来てくれた、ここまでがんばってくれた、あとは一緒に、がんばって乗り越えよう
これはうんみょん(運命)、猫神様の采配
夕方、万全の体制のためにモンちゃんをワクチンに連れて行った
2年ぶり
モンちゃんには小さいかごで特盛状態で固まってるのを出して診察
8.6キロ、心臓よし、肺よし、内臓立派、腸は柔らかく健康、目よし、ノミなし、年相応の歯肉炎あり
注射のときは可愛らしく、立って私の肩に抱きついていた
若先生、モンちゃんが見つけてくれたんだ、今日見つけなかったら、手遅れになっていたかもしれないです
子猫は左足骨折、外傷多数、一か所3針縫合、全身に打撲もあり、数日何も食べてなかったらしく血液検査の結果は血小板(凝固系)、肝臓の数値がかなりわるい
目力と回復力が強いので、数値が信じられず2回検査した、と
腎臓値は問題なし
骨折は、5日~1週間前かと思われる
よくここまでがんばったし、今もがんばっている、と先生
2、3日は抗生剤治療をして、栄養をとって、ある程度状態がととのってから手術になる
院長も一緒に診ていて、Nさんが飼うならなんとかして助けたいと、執刀は院長がやってくれる
面会
リンゲルの点滴を受けながら、お目めぱっちりでじっとしている
病院に来る前は、触ろうとするとカッと嫌がってたけど、もうカッといわず、撫でてもいやそうじゃない
無傷の頭とあごをなでなで
けさ会って一緒にいたのはまだ1時間半程度だけど、いとしくて可愛くて、この子のためになんでもやるぞという気になっている
元気になろうね、がんばろうね、怖いことなんか、もう何もないからね
子猫の目に、心なしか、安堵の色を感じた
周りでワンワン大騒ぎなので安堵はまだ早いかもだけど、少し眠った時間もあったそう
後で猫だけの静かな場所に移してくれるそう
汚れがとれてあらわになったお腹はほんとに傷だらけ
どんなに辛い思いをしたのかと考えると泣けてくる
連日35℃越えの東京で
数日前にはゲリラ豪雨の日もあって
ほんとに、よくぞ、よくぞ生き延びて、私のとこまで来てくれた
ラッキーだったのは背骨と肺がぶじだったこと
右足も無事できれいな骨(レントゲン見た)
数値がわるいので、これから3日くらいが勝負、栄養は口からとらないといけないので、この子自身の力にかかってる、この子のすごいのは怪我から数日で何かで擦ったか、ひきずられたかでできた擦り傷が、どんどん回復してきてること、と先生
ご飯のない中それはほんとにすごい
若先生はエイズと白血病の検査でマイナス線が出たのをわざわざ見せてくれた、子猫の生命力に、命って神秘だといってた、モンちゃんの器の大きさをほめて茶トラのオスの性格は最強、って話で盛り上がった
若いけど、最初の印象どおり熱心で感じよい
それにいちいち、「院長の見立てで」「院長と話して」、と言うので信頼できる
預けてる間に私にできることは祈ることと、いろんなフードを用意しておく
殿と出会って22年、2022年のにゃん年の夏
何かに導かれてきたとしか思えない瀕死の子猫
子猫から育てるにはぎり年齢の私、でも在宅仕事になって下僕として理想の生活スタイルを手に入れ収入も増えた私のところに、猫神様は降りてきた
台風で予定なしのお盆休みは一転、命、託された