「日本人拉致首謀者は金正日」は想像できたこと

2008-03-12 18:01:19 | Weblog

 「asahi.com」が昨日の記事≪地村・蓮池さん拉致工作、2幹部浮上 総書記の直属≫で、金正日総書記の側近と見られている北朝鮮工作機関「対外情報調査部」(現35号室)の幹部2人が地村保志夫妻と蓮池薫夫妻の拉致に関与し、実行犯に指示したとの疑いが警察の捜査で分かったと伝えている。

 「対外情報調査部」とは金総書記直属機関で拉致の計画・実行部門であることから、記事は金正日と「拉致部門」とが接点を持つこととなり、金正日将軍様が拉致について何らかの情報を持っている可能性が出てきたと解説している。

 このことは驚くに当たらない。記事は夫婦共々香港から北朝鮮に拉致されて金正日の指示のもと映画製作に携わった、現在は故人となっている夫の韓国映画監督の申相玉と共に金将軍様とも面識のあった夫人の女優崔銀姫に事情聴取を行い、関係者らの証言とも総合した結果の結論だとしているが、当ブログやHPに書いていることでもあるが、拉致が北朝鮮が証言したように「特殊機関の一部が妄動主義・英雄主義に走って行った」ことで金正日将軍様が関与していないが真正な事実なら、「拉致全面解決」は当事者の処分で済み、朝日国交正常化の障害とは何らならない。

 ところが日本側が国交正常化の譲れない条件とした「拉致の全面解決」を北朝鮮側は「解決済み」として拒み、国交正常化で手に入る日本からの戦後補償と経済援助を自らお預け状態にしている。

 朝日国交正常化のお土産である日本の戦後補償と経済援助が危機的状況にある北朝鮮経済立て直しの大きな一助となり、そのことが飢餓・餓死状態に見舞われている多くの国民をその窮状から救い出し、一部特権階級御用達の将軍さまではなく、ほぼ等しく全国民の将軍様となることが金正日将軍様が自らの独裁権力体制を安泰無事に維持する要件であり、父親の金日成から権力を引き継いだと同じく自分の子どもに権力を無事引き継ぐ将来的な権力の父子継承の保証にも力ともなるにも関わらずである。

 ここから読み取ることができる構図は朝日国交正常化が北朝鮮経済の建て直しのカードとはなり得ても、「拉致全面解決」が金正日独裁体制保証と権力父子継承保証のカードとはなり得ないということであろう。だから、「解決済み」の態度を取らざるを得ない。

 ここに金正日が拉致行為首謀者とする根拠がある。

 日本政府は「金正日拉致首謀説」に立って外交を進めてこなかった。小泉首相は「日朝平壌宣言を誠実に実行に移すことが重要」を決まり文句としていた。北朝鮮は金正日の国だから、拉致首謀者の金正日の「誠実さ」に期待したのである。見事な逆説ではないか。
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 ≪地村・蓮池さん拉致工作、2幹部浮上 総書記の直属≫(asahi.com/2008年03月11日03時02分)

 <北朝鮮による日本人拉致事件で、地村保志さん(52)夫妻と蓮池薫さん(50)夫妻の拉致に関与したとされる北朝鮮の工作機関「対外情報調査部」(現35号室)の幹部2人が、実行犯に拉致を指示した疑いがあることが10日、警察当局の調べでわかった。警察当局はこの幹部2人が金正日総書記の側近だったとみている。一連の拉致事件で金総書記と直接接点のある政府幹部の関与疑惑が浮上したのは初めてで、立件に向けた詰めの捜査を進めている。日本側が「拉致問題の進展」を求めている日朝国交正常化交渉にも大きな影響を及ぼしそうだ。

 関係者によると、幹部は対外情報調査部の李完基(イ・ワンギ)・元部長と姜海竜(カン・ヘリョン)・元副部長。これまでの調べで、2人はそれぞれ部長、副部長だった78年ごろ、日本人の拉致を計画、指示した疑いが持たれている。調査部の工作員辛光洙(シン・グァンス)容疑者(78)=地村さん夫妻と原敕晁(ただあき)さんを拉致した容疑で国際手配=や通称チェ・スンチョル容疑者=蓮池さん夫妻拉致容疑で国際手配=らに男女のアベックの拉致を指示し、実行させた可能性がある。地村さん夫妻は78年7月7日に福井県小浜市で、蓮池さん夫妻は7月31日に新潟県柏崎市でそれぞれ拉致された。

 警察当局は調査部の実態解明を進める過程で、今年2月中旬、78年に北朝鮮に拉致された韓国の女優崔銀姫(チェ・ウニ)さんから事情を聴いた。関係者らの証言とも総合した結果、(1)調査部は金総書記直属の機関で、拉致を計画・実行する部門だった(2)李・元部長らが拉致を指示する立場にあった(3)元部長らが地村、蓮池両夫妻の拉致について「指示したのは自分だ」と関係者に話している――ことが分かり、地村、蓮池両夫妻の拉致を指示した疑いが強まったという。警察当局は、金総書記と李・元部長がともに写った写真なども確認しており、金総書記が拉致について何らかの情報を持っている可能性があるとみている。

 警察当局は元部長らについて国外移送目的略取、国外移送などの容疑を固めるため、さらに複数の関係者から事情を聴くなどの捜査を進めている。

 日本政府は、「日朝間の不幸な過去を清算し、懸案事項を解決」するとの日朝平壌宣言(02年9月)に基づき、6者協議の日朝国交正常化作業部会などを通じて交渉を進めてきた。北朝鮮側には、すべての拉致被害者と特定失踪(しっそう)者の生存者の全員帰国、真相究明、拉致実行犯の引き渡しを要求している。北朝鮮側は、02年9月に小泉首相(当時)が訪朝した際に、金総書記が「特殊機関の一部の妄動主義者による犯行」と述べたが、その後は「拉致問題は解決済み」との立場を取ってきた。

 指示にかかわった幹部の存在が浮かんだことで、北朝鮮が2人の現在の消息や、金総書記と2人の関係について、どう説明するかなどが今後の日朝交渉の焦点となる。ただ、日朝国交正常化作業部会は、核問題をめぐる6者協議の停滞もあり、昨年10月以来、開かれていない。

 北朝鮮は、核開発の申告などの見返りに、米国のテロ支援国家指定の解除を求めているが、日本政府は解除に当たって拉致問題の進展を考慮するよう米国側に要請。米政府も、2月に訪日したライス国務長官が拉致問題について「日本と相談していく」と述べている。>
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 ≪北拉致経験の申相玉監督が死去・「金総書記の指示」著書で証言≫    
                       (06.4.12/朝鮮日報)
 【ソウル12日上田勇実】韓国映画界の大御所的な存在で、北朝鮮に拉致された後、韓国に脱出するなど波乱万丈の生涯を送った申相玉監督(80)が11日夜、ソウル市内の病院で死去した。

 申監督は1978年、妻で女優の崔銀姫さんとともに香港で北朝鮮に拉致された。映画に格別の関心を抱き、体制維持に巧みに利用した金正日総書記の計らいで、惜しみなく制作費を使い映画を作ったが、その特異な体制になじめず86年、崔さんとともに在ウィーン米大使館に駆け込んだ後、韓国への帰還を果たした。

 申監督夫妻による著書「闇からの谺(こだま)」には、金総書記の人となりが克明に描写されているほか、拉致は金総書記の直接の指示によるものだったことを、金総書記から直接聞いたという話も出て来る。(2006/4/12 21:07) とともに香港で北朝鮮に拉致された。映画に格別の関心を抱き、体制維持に巧みに利用した金正日総書記の計らいで、惜しみなく制作費を使い映画を作ったが、その特異な体制になじめず86年、崔さんとともに在ウィーン米大使館に駆け込んだ後、韓国への帰還を果たした。

 申監督夫妻による著書「闇からの谺(こだま)」には、金総書記の人となりが克明に描写されているほか、拉致は金総書記の直接の指示によるものだったことを、金総書記から直接聞いたという話も出て来る。

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