そう、「古い自民等をぶっ壊す」と言って有権者を惹きつけた小泉元首相の向こうを張った「ムダ遣い自民党政治をぶっ壊す」である。
自民党政府は「道路特定財源」の「一般財源化」反対と「暫定税率の廃止」反対の既得権益にしがみついていたが、参議院の与野党逆転状況の芳しくない形勢に加えて道路特定財源を打ち出の小槌とした政治家たちの政治道路に費やしたムダ遣いと官僚や天下りたちの自分の仕事を作るためだけの採算を度外した各種事業にばら撒いたムダ遣いが次々と明るみに出てなお形勢が悪くなり、自民、公明両党は暫定税率維持はそのままに道路特定財源09年度から一般財源化し、10年間で最大59兆円を投じる道路整備中期計画の見直しを打ち出した。
全国知事会もその辺の事情は飲み込んでいるらしく、これまでは政府案におんぶに抱っこで「道路特定財源」の一般化と「暫定税率の廃止」反対を主張していたが、暫定税率維持を前提に与野党に対し(1)10年間の暫定税率延長期間の短縮(2)10年間で59兆円を投じる道路整備中期計画の見直し(3)一般財源化枠の拡大と地方への重点配分―などについて協議するよう(≪全国知事会 一般財源化拡大協議を 与野党に要請へ 道路財源で主張を転換 暫定税率は維持≫2008/03/21付 西日本新聞朝刊=)、やはり政府の動きにおんぶに抱っこの、止むを得ずのだろう、提起をするとしている。
だがである。何もムダ遣いは国交省やその関連法人、かつての道路公団やそれらとつるんだ道路族の政治家ばかりの生業ではなく、国民の税金から出た予算を裏ガネの原資とした飲み食い、旅行、あるいは随意契約を手口とした利益の遣り取り・私腹肥やし、さらに天下りを利用した私利私益の獲得に費やされたムダ遣いはすべての省庁、その関連法人に亘っていたといっても過言ではなく、その手のムダ遣いを日本の政界・官界の美しい歴史とし、美しい伝統・文化としていたのである。
昨年12月に発生した海上自衛隊横須賀基地停泊中の護衛艦「しらね」の火災の修理にかかる損害額60億円にしても、隊員が事前申請せずに無許可で持ち込んだ家電が艦内の電圧と異なるにも関わらず変圧器を取付けずに使用して発生させた火災だと言うから、ムダ遣いに当たる60億円であろう。
イージス艦「あたご」の漁船との衝突も見張り員が規定の見張り任務と連絡任務を行っていなかったことが主原因だと言うことだから、行方不明者の捜索や漁船や漁協に対する損害賠償にかかる費用にしても乗務の責任と義務を果たしていたなら払わずに済む「ムダ遣い」に入るだろう。
年金特別便等、年金の記録回復に必要とした億単位のカネも(特別便の関連経費だけで07年度補正予算案に155億円を計上したということだが)社保庁職員その他が通常任務の責任と義務を果たしていれば出費せずに済んだムダ遣いとしなければならない。
そういった諸々のムダ遣いがなかったなら、とっくの昔に「暫定税率」など廃止できたであろう。消費税さえも設けなくてよかったかもしれない。国民が消費税を含めて各種税金を納める形で国の予算を形成しているが、自民党・官僚のムダ遣い体質が国の経営に関わる金銭感覚をも麻痺させていて、国民の納税だけでは手当てすることができず、国の借金は増えるばかりとなっている。
ムダ遣いする人間が満足な金銭感覚を持ち合わせるはずはないからである。
しかもムダ遣いをやめずに、いや、ムダ遣いの方式を温存させたまま、さらに消費税率のアップを狙っている。
親が金遣いが荒くて人からカネを借りてまわる息子の借金を返してまわる話はよく聞くが、それと同じで、この日本国では親に相当する政府がムダ遣いばかりして国家経営の採算を度外視しているから、子である国民がどんぶり勘定で生じた経営の破綻の手当てに追われることになる。
自民党と官僚のムダ遣いによって生じた不採算・非効率を国民はこれまで税金を無駄に払い続けることで完全には埋め合わせし切れないながらも埋め合わせてきた。
長期政権によって日本の政界と官界の美しい歴史・伝統・文化と化した自民党と官僚のムダ遣いをぶっ壊さない限り、日本の将来はない。暫定税率の廃止も覚束ない。自民党と官僚のムダ遣いをぶっ壊すとは、政権交代を意味するのは言を俟たない。
自民党と官僚のムダ遣いに目をつぶり、その存在を許している公明党も、その代表者は冬柴だが、ぶっ壊さなければならない。
次の総選挙の民衆等候補者は選挙カーに自民党・官僚のムダ遣いの前科を一覧表にして書き付けた同じ看板を取り付ける統一させた選挙スタイルを展開させることで如何にムダ遣いしてきたかを有権者に知らしめ、「ムダ遣い自民党政治をブッ壊す」を合言葉に、そのことが日本の将来にとって如何に大切かを、日本の政治にとって如何に必要かを訴えたらどうだろうか。
選挙カーに取付けることが可能な大きさの看板では書き切れない程の前科がある恐れがあるから、巨大フリップに仕立てて、街頭演説のたびに車に立てかけて、その前で「ムダ遣い自民党政治をぶっ壊す」街頭演説を行えばいい。「こんなにもあるんですよ。これ以上ムダ遣い自民党政治をぶっ壊さずに許せるんですか?」と。
ムダ遣い自民党政治をブッ壊さずして日本の明日はない――
* * * * * * * *
しらね 無許可家電付近から火(NHK/08.3.21)
この火災は、去年12月、海上自衛隊横須賀基地に停泊中の護衛艦「しらね」でCIC=戦闘指揮所から火が出て、およそ8時間にわたって燃えたものです。事故調査委員会の調査結果によりますと、現場の焼け方から、CICの中の冷蔵庫の上に置かれていた缶コーヒーなどを保温する家電製品の付近から初めに火が回った疑いがあることがわかりました。この家電製品は、隊員が事前の申請をせずに無許可のまま持ち込んでいたほか、艦内の電圧と違うのに変圧器を使っていなかったということです。焼け方が激しいため出火した場所や原因を断定することはできなかったとしていますが、海上自衛隊では、家電製品の艦内への持ち込みや使用について審査などを徹底するほか、これまでCICに取り付けていなかった火災感知器の設置を検討して再発防止を図るとしています。「しらね」は修理をして再び運用される予定ですが、修理にはおよそ60億円かかる見通しです。
* * * * * * * *
イージス艦 見張り配置つかず(NHK/08.3.21)
千葉県の房総半島沖でイージス艦が漁船と衝突した事故で、通常はデッキなどに出て船の見張りに当たる隊員らが事前に雨が降ったために艦橋内にいたことや、レーダーを監視する隊員の一部が事故の10分ほど前までは常時配置についていなかったことが、事故調査委員会の中間報告でわかりました。
今回の事故で、海上自衛隊の調査委員会では、イージス艦「あたご」のおよそ300人の隊員のうち、およそ70人から当時の状況について聞き取りを行いました。
公表された中間報告によりますと「あたご」は、事故が起きる30分ほど前の時点で前方に複数の漁船がいることを確認していました。
この時点では、距離が10キロ前後あり衝突の危険がないと判断していたということです。
その後も複数の漁船を認識していましたが、結果的に「清徳丸」とみられる漁船を確認したのは衝突の1分前でした。
隊員の1人は、当直責任者の当直士官が「この漁船近いなあ」と話したのを聞いて窓から見たところ、清徳丸とみられる漁船が進行方向の右70度ほどの方角の100メートル先付近に近づいていたということです。
この時点で当直士官が、あたごを停止させ後ろ向きに進む措置を取りましたが、衝突したということです。
海上衝突予防法では、「清徳丸」を右側に見ていた「あたご」側に回避する義務があったことになり、海上自衛隊では「あたご」が取った措置は十分でなかった可能性が高いとしています。
事故直後の調査で見張りの隊員が、事故の12分前に「清徳丸」とみられる船を確認し、2分前には「緑色の明かりを見た」と証言した内容については、今回は確認出来ていないとしています。
一方、監視態勢については、通常、艦橋の左右のデッキなどで、周辺の船の監視に当たる隊員らが事前に雨が降ったために、事故当時は、いずれも艦橋の中にいたことがわかりました。
また、CIC・戦闘指揮所で通常7人いる当直の隊員が、事故の10分ほど前までは3人か4人しかおらず、レーダーを監視する2つの機器のうちの1つには、常時、隊員が配置されていませんでした。
さらに、こうした当直体制の変更は、責任者の許可を得ずに勝手に行われていました。
結果的にレーダーでは清徳丸を認識できておらず、こうした状況から海上自衛隊では「あたご」全体として見張りが適切に行われていなかったとしています。
元護衛艦長“当直体制は厳しく”
イージス艦の衝突事故に関する海上自衛隊の中間報告で、事故当時、見張りの隊員が艦橋の外ではなく中にいたことがわかったことについて、護衛艦の艦長の経験がある海上自衛隊の元幹部は「太平洋の真ん中など周りに船がほとんどいない海域で、大雨のときなら見張りの隊員を艦橋の中に入れることもあるが、事故現場付近など日本の沿岸まで近づいたときは相当な理由がないかぎり、視界も広く周りの音も聞こえる艦橋の外で見張るのが通常の判断だと思う」と話しています。
また、CIC・戦闘指揮所で当直の隊員が通常より少なく、2つあるレーダー画面のうち1つには常時、隊員が配置されていなかったことについては「2つあるレーダーは、1つを長距離の監視用にして、もう1つを短距離の監視用に使いわけることで、周りへの注意をよりきめ細やかに行うことができる。当直の態勢は責任者が厳しく管理するもので、なぜ少ない人数で当直に当たっていたのか詳しく調べる必要がある」と話しています。
防衛省 事務次官ら88人を処分
石破防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、イージス艦と漁船の衝突事故など海上自衛隊で相次いだ一連の問題を受けて、増田事務次官や吉川海上幕僚長ら幹部を含む関係者88人に対する処分を明らかにしました。
石破防衛大臣は、21日イージス艦「あたご」が漁船「清徳丸」に衝突した事故やイージス艦についての情報流出事件、それに護衛艦「しらね」の火災の3つの問題について関係者の処分を発表しました。
それによりますと「あたご」の衝突事故では、11人の幹部が対象となり、事故が起きたことの責任と、事故発生の大臣への1報が遅れるなど、事故後の対応が不十分だったとして、増田事務次官や吉川海上幕僚長らを減給や訓戒などにしています。
そして、イージス艦に関する情報流出事件と、護衛艦「しらね」の火災をあわせた処分の対象者は、あわせて88人に上ります。
その一方で、「あたご」の乗組員については、事故の原因が明確になった時点で処分を行うとして、今回の対象から外れています。
また、石破大臣は、みずからの責任として大臣給与の手取り分2か月を国庫に返納するとしています。
これを受けて、吉川海上幕僚長は、来週24日付けで退職することにしています。
石破大臣は「あってはならない事故や不祥事が起きたことについて深くおわびしたい。対症療法ではなく、問題の背景に何があるのかよく考え、実効性のある再発防止策を速やかに着実に実行したい」と述べました。
また、この記者会見で、石破大臣は「あたご」の衝突事故について、海上自衛隊の事故調査委員会による調査の中間報告を公表しました。
この中では、見張りの態勢について、艦船中枢部の戦闘指揮所の当直員は、7人いるべきところが、事故の12分前まで4人しかいなかったことや、通り雨があったため見張り員は艦橋の外から中に移っていたことを明らかにしたうえで、全体として見張りが適切に行われていなかったと指摘しています。
そして、「清徳丸」は「あたご」の右側から近づいた可能性が高く、「あたご」は回避の義務があったにもかかわらず、適切な措置をとっていなかったなどとしています。
その一方で、中間報告では「事故の12分前に『清徳丸』に気づいていた」などとしていた当初の防衛省の説明について「情報が得られていない」として、正しかったかどうか確認できないとしています。
こうした点について、石破大臣は、海上保安庁の捜査に配慮する観点から、すべての乗組員に調査ができているわけではないと説明し「裏付けがとれたものから説明責任を果たすべきだと考えた」と述べました。