政治の権威失墜回復の良薬は衆議院解散・総選挙

2008-03-30 04:28:08 | Weblog

  政治の権威失墜をつくり出した安倍晋三

 08年度予算案が与野党逆転の参院否決を受けて両院協議会で協議、衆議院議決優先の憲法60条の規定に従って昨夜21時頃、言ってみればすったもんだの末に成立の運びとなった。

 昨日29日朝のNHKテレビ。

 大島自民党国会対策委員長(声を張り上げ、憤懣やる方なしの体で)「この混乱の最大の、元は国会の参議院の権威すら傷つける歳入法案を4週間もほったらかにした民主党の姿であると・・・・」

 対する民小党山岡国対委員長「参議院で審議拒否しているのは与党であってですね、それを如何にも野党や我々が審議拒否をしたり、協議に応じない、宣伝を言う。非常に悪質です」

 すべてのすったもんだの原因は参議院の与野党の力関係の逆転からスタートを切っている。それを見事演出したのが安部晋三前首相であろう。それをキッカケとして、「参議院の権威」どころか、政治全体の権威を貶めてきたのである。

 いわば日本の政治の権威失墜の病状進行は参議院選挙の与野党逆転と共に始まっている。となると、安倍内閣の置き土産に過ぎない政治の権威失墜なのだが、大島は物事を表面的に見る目しか持っていないらしく、何も気づいていないらしい。07年参議院選挙での野党大勝利・自民党大敗北の国民の審判が下されながら、安倍晋三は首相の地位にしがみつくことで現在の政治混乱に於ける政治の権威失墜に手を貸す人となった。

 参院選挙敗北後の臨時国会の所信表明演説で「職責を全うする」などと勇ましく決意を述べながら、そのたった2日後に退陣表明の記者会見を行う君子豹変の見事な離れ業を見せたが、それは政治の権威失墜の上塗りに過ぎない。それに対して与党は何ら手を打つことができなかった。いわば自民党にしても公明党にしても与党として政治の権威失墜の共犯者の立場に自らを立たしめたのである。

 安倍前内閣の涙がチョチョ切れる程の有難い置き土産である参院与野党逆転状況の歴史的大功績ではあるが、衆議院を通過したが参議院で否決された新テロ特措法を衆議院に差戻して異例の3分の2以上の多数決で再議決・再可決を行ったことも、小沢民主党が言っていた「7月の参院選の結果が直近の国民の意思表示。政を行う人たちはきちんと認識しなくてはならない」を裏切る、政治の権威を失墜させる政治行為であった。

 参議院で否決、衆院に戻されて再議決、与党賛成多数で成立したことに対して民主党の鳩山由紀夫幹事長は「直近の民意は参議院だから、再議決は暴挙」と非難。伊吹自民幹事長は「参議院も民意、衆議院も民意」だと、再議決を肯定。

 「過去の事実」に過ぎない「衆議院与党絶対多数」なる民意は「参議院与野党逆転」の直近の民意を否定する政治に対する権威失墜以外の何ものでもない。そのことに気づかずに政治空白をつくることは許されないを口実に政権にしがみつき、次々と政治の権威を失墜する愚行を積み重ねてきた。

 その何よりの証明は、世界に信用されるかされないかの問題にもつながる一国の中央銀行のトップ人事である与党の提案による日銀総裁人事が参議院で否決されて空白状態に曝され、仕方なく副総裁を総裁代行に宛がわなければらなかった事態に典型的に現れている。

 この日本の政治の権威を失墜せしめている数々の無様な政治停滞は衆議院の民意以上に参議院の民意が強力であることの証明であり、と同時に衆議院の民意が過去の事実でしかないことを提示している。そして何よりも伊吹の「衆議院も民意」がこじつけでしかないことを曝すこととなった。本人及び自公の面々が気づいていないだけのことである。

 再可決に供する数の力には役に立っても、政治の権威失墜の防止には何ら役に立たないからだ。いわば政府・与党が「衆議院の民意」にしがみつくほどに、そのことと比例して政治の権威は失墜していく泥沼の比例関係にあるにも関わらず「衆議院の民意」にしがみつく倒錯にどっぷりと浸っている。

 そして道路特定財源の一般財源化問題と暫定税利率廃止問題。福田首相は3月27日に道路特定財源制度を廃止して2009年の来年度から一般財源化するなどの踏み込んだ提案を行なったが、参議院与野党逆転状況がなければ行わなかった提案であろう。そうせざるを得なくて止むを得ず行った提案であった。対して結果の是非はともかく、民主党以下の野党は参議院の民意を背景にその提案を拒否、3月31日期限切れのガソリン税などの暫定税率の時間切れ一時失効は確定的となり、その回復に福田内閣及び与党は参議院での否決を計算の上衆議院での3分の2以上の再可決を視野に入れているが、このもたつきも政局の混乱に拍車をかける政治の権威を失墜させる予定行動と言う他ない。

 町村信孝官房長官「確かに25円、一旦下がるんでしょうけれども、一刻も早く、その、参議院で否決でも可決でもいいです。それをいただいた上で、もう一回、ええ、大変恐縮でありますが、ご迷惑おかけいたしますが、また25円、上げさせていただきたい」(29日NHKニュース)

 法案可決をキャッチボールし合うようなこのような政治の権威を失墜させるもたついた政治プロセスから抜け出すには衆議院を解散、総選挙を行い、過去ものである「衆議院の民意」を「直近の民意」に問い替える以外に他には方法があるのだろうか。

 勿論自民党と公明党が総選挙で勝利したとしても、参議院与野党逆転状況は今後とも続くが、参議院の民意を「直近」から「過去」へと後退させ、衆議院の民意を「過去」から「直近」へと昇格させる効果を見い出すことができる。衆議院の民意こそ直近の民意だと、それを葵の印籠とした場合、例え議席を減らして3分の2以上の賛成多数の力を失っても、政権運営の主導権・主体性は握れるはずである。

 昨年7月の参議院与野党逆転の民意を受けた時点で、我々政治に素人ではない現役の政治家たちは今日の政治混乱・政治停滞を見越して早い時期に衆議院を解散・総選挙で政権の主体選択の民意を問うべきだった。

 だが、参院選で「私か小沢さんか、どちらが首相にふさわしいか」と有権者に政権選択を迫る態度を取りながら、歴史的敗北を受けても「私か小沢さんか」の舌の根が乾いてもいないはずなのに安倍晋三は折角手にした戦後生まれ初の首相という地位にしがみつく自己保身のみしか頭になかったらしく、参院敗北を受けた内閣改造後程なくして理解していなければならないテロ対策特別措置法の扱いでつまずき、政権を投げ出す政治混乱を自らつくり出す政治の権威失墜を演じることとなった。

 安倍晋三が為すべきことは政治の権威を失墜させることではなく、衆議院を解散して一度口にした「私か小沢さんか」に決着をつけることだった。例え民主党に政権が移ることになったとしても自民党が野党に下ることとなるが、日本の政治の権威失墜開始の幕上げとはならなかったろう。

 実際にやったことは野党に下る恐れから逃げることばかりを考えて政権にしがみつき、結果として後継の福田内閣共々日本の政治の権威失墜を演じることとなった。

 当然のこと安倍晋三の罪は議員辞職に相当する。だが、今以て議員の地位にしがみついている。

 民主党の小沢代表はガソリン税などの暫定税率の期限切れ等によって福田内閣の政権運営が行き詰まり、早期解散の可能性が出たと選挙準備に入ったことをNHKのニュースが伝えていた。

 福田内閣は政権運営が行き詰まるところまで政治の権威が失墜するのを野放しにするのではなく、逆に自分から衆院解散・総選挙の手段に打って出て、例え野に下ることになっても、より重要なことである現在以上の政治の権威失墜の防止に努めることであろう。

コメント (1)
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