菅首相の言いたいことを言わせて終わらないインターネット動画「日本ビデオニュース」出演(1)

2011-01-13 12:11:22 | Weblog


 菅首相インターネット動画出演、「第508回 菅首相生出演 総理の言葉はネット届くのか」の続き。前の議論に続いて、「政治とカネ」の問題についての遣り取りが行われた。

 ――だが、もう少し好きに言わせるのを抑えられなかっただろうか――


 神保哲生「日本ビデオニュース」代表「菅さん、あのね、今の追加なんだけど、この三つの・・・・

 (《菅政権の三つの柱 「平成の開国」 「最小不幸社会」 「不条理を正す」 何のために?》のフリップを前に出す。)

 これ全部やれるか分からないけど、時間があるか。例えば、この『不条理』の中に菅さんの中には『政治とカネ』の問題を、まあ、挙げられたと。自分の原点としてロッキード裁判、ロッキード事件というのがあったということを言われたと。そこで、僕が決定的に説明が足りないと感じたことはね、実は事前にメモをいただいているんだけど、じゃあ、菅さんが考える『政治とカネ』のあるべき姿、つまり政治家にとってカネというのはどのような形が菅さんの理想とするものなのか、ということを僕は、僕らは総理からまだ聞いていないと。

 つまり、宮台さんがさっき言ったみたいに、金額を、クリーンな意味でですがね、金額を兎に角非常に厳しく制限すること、おカネをたくさん持っている人間が政治力を持つような状況が良くないのか、それとも、やあ、まあ、オバマさんがね、小口のおカネを、600億集めたとかありますけども、おカネをたくさん集めて、それを政治活動に使うのは間違っていないんだと。

 今の、例えば政治資金規正法には色々問題がある、あって、その、そういうことを直したいんだったら、本来であれば、小沢さんのその、単に政倫審問題だけじゃなくて、政治資金規正法の改正ということが本来出てこないと、おかしいんじゃないかっていうふうに思うんですがね」

 菅首相「それはやってきたんです、この30年間色々な。私が最初に携わった市川房江さんの選挙っていうのは、カンパとボランティアというのが、ま、一つのスローガンで、また、当時、イー…一千数百万のカンパが集まった。今考えてみると、当時としてはかなりのおカネだったと思います。ですが、私は例えば、オバマ大統領がですね、大統領選挙で確か5億ドルぐらい、えー、日本円で言うと、500億円近く集めてますね。

 確かそれは個人個人の人がですね、自分の政治信条の中で、市川房江さんを応援したい、オバマ候補を応援したい。そういうことでおカネが集まって、それを政党にですね、それこそテレビコマーシャルで使うのは私は全く問題ないと思っています。

 そういうことではなくて、ですが、そのためにですね、えー、色んな制度をこの間変えてきています。例えば1993年に、なぜ小選挙区制をするかって言う大議論がありました。で、それは中選挙区時代には2人、3人出ますから、政策議論では差がないですね。同じ政党ですから。そうすると結局は、そのー、色んなサービス合戦を、それが派閥の次元でですね、えー、サービス合戦をする。その派閥がたくさんのおカネを持っていればですね、えー、そこに注ぎ込む。

 そうすると、おカネのまあ、何て言うか、かかり方がどんどんエスカレートする。そういう同じ政党が2人も2人も選挙区に出るというような、中選挙区制度はおカネの問題が解決できないということで、それで導入されたのが、あー、その当時私は小さな政党でしたが、小選挙区制が小さな政党に必ずしもプラスではないんですけども、考え方としてはですね、エー、小選挙区中心にした方がおカネの問題と同時に、えー、政権の交代の可能性が出ると。

 それともう一つ同じときの改革、政党助成金です。確かに個人献金でオバマ大統領のように集まるのが理想でなんですが、なかなか現実の日本社会では、それができない。そこで、まあ、一人300円とかですね、250円というものを半ば強制的に寄付をして貰う形で、えー、財源を、税金の中から、あの、得票割とか議席割で配分すると。

 で、実際今の民主党の中で、え、そんなお金持は例外的に二、三おられるだけで、殆んどはサラリーマンや自営業者の娘や息子ですから、そういう制度になったからこそ、今の民主党は存在できてるんです。

 もうご存知の方もたくさんおられると思いますけども、そういう制度がなければですね、やはりかつての自民党の派閥制度のように、どっかから、あのー、そういうおカネをですね、えー、集める力のある人が集めたものを、おー、受け取らないと、ですね、選挙を戦えなかったですね。ですから、そういう意味では私は、かなり、少なくとも30年前に比べれば、あの、進んできていると思います」

 しかし、自民党敗北、民主党勝利の政権交代を決した決定的要因は選挙区制度ではなく、世論である。菅首相はこの点を抜いている。元々合理的認識能力・合理的判断能力がゼロに近いから、こういった手前勝手な、支離滅裂なことが言える。

 1994年の衆議院選挙で小選挙区比例代表並立制(小選挙区300、比例代表200)が導入された(「Wikipedia」)ということだが、政権交代は2007年の参院選与党自民党大敗、野党民主党大勝に続く、2009年衆院選野党民主党大勝まで、13年間待たなければならなかった。中選挙区、小選挙区と言った選挙制度を乗り越えて、世論が力となったのである。

 菅首相が言っているように小選挙区制度となって集金能力のある人間が一つの党を支配する政治メカニズムが力を失ったからでもなかった。そのことは自民党が最後まで党内最大派閥の森派のボス森喜朗が選挙でも人事でも力を発揮していたことが証明している。

 菅首相は「私が最初に携わった市川房江さんの選挙」と言っているが、最早市民派を原点とすることは許されない。例えその選挙がカンパとボランティアをスロ-ガンとしていたとしてもである。特に沖縄基地問題に関わる過去の言動を首相に就任以来180度転換、沖縄県民だけではなく、沖縄県民を支援する立場から沖縄の米軍基地に反対する、あるいは少なくない数の基地撤去望んでいる本土の多くの市民を裏切って国家権力の意志を優先させているからだ。「国民参加の外交」が聞いて呆れる。

 ここにも菅首相の狡猾さが現れている。

 菅首相は「政治とカネ」の問題の悪例として中選挙区制度を取り上げて、「中選挙区時代には2人、3人出ますから、政策議論では差がないですね。同じ政党ですから。そうすると結局は、そのー、色んなサービス合戦を、それが派閥の次元でですね、えー、サービス合戦をする。その派閥がたくさんのおカネを持っていればですね、えー、そこに注ぎ込む」から、金権選挙になるようなことを言っているが、ここにも誤魔化しがある。

 確かに同じ政党なら、「政策議論では差がない」。但し自民党の候補者同士のみの選挙、他の政党の候補者が存在しない選挙ならそのように言えるが、民主党も社会党、1996年社民党に名称を改称してからは社民党も、共産党も、あるいは公明党も候補者をすべての選挙区ではないにしても、いずれかの野党が殆んどの選挙区で立候補していたはずだから、「政策議論では差がない」ということはなかったはずだ。

 それをさも自民党の候補者のみの選挙であったかのように説明している。

 要するに中選挙区制度というのは自民党の中の派閥同士の戦いであると同時に政党同士との戦いを兼ねた二面性を持っていたということであろう。それとも民主党も自民党に右へ倣えで同じ派閥・金権選挙を行っていたというのだろうか。

 だとしても、政党同士の選挙でもあるのだかだから、政策議論で差があったはずだ。

 要するに集金能力のあるボスのカネを受け取らなければ資金的に選挙が戦うことができなかったとしても、それが通用したとしても同じ政党の他候補限定であって、他政党との戦いに関してはカネの力が部分的に通用したとしても、政策議論の違いが勝敗の主たる決定要因となったはずだ。

 もしカネの力が他政党の政策を無力にしていたというなら、殆んどの有権者がカネで動いたことになる。 

 また、「個人個人の人がですね、自分の政治信条の中で、市川房江さんを応援したい、オバマ候補を応援したい。そういうことでおカネが集まって、それを政党にですね、それこそテレビコマーシャルで使うのは私は全く問題ない」なら、中間選挙区制度であろうと、小選挙区制度であろうと、選挙法と政治資金規正法に触れない範囲内であったなら、例えそれが小口の個人献金であろうと、大口の企業献金であろうと、どれだけのカネをどう使おうと間違っていないことになる。

 菅首相は法に触れる触れないを無視して、さもカネを使う選挙はすべて悪であるかのように歪曲して議論を進め、自分の発言がさも正しいかのような狡猾な誘導を行っている。

 菅首相は、「今の民主党の中で、え、そんなお金持は例外的に二、三おられるだけで、殆んどはサラリーマンや自営業者の娘や息子ですから、そういう制度になったからこそ、今の民主党は存在できてるんです」とも言っているが、世論の一部が一般家庭からの出身者を対象に支持が集中していることが可能とした現在の民主党の存在性であって、それが金権的纏わりに対する忌避の反動からの傾向であったとしても、それが継続的に通用する、あるいは価値を維持するのは民主党が提示する政治が大多数の国民の利益に適うかどうかにかかっている。

 適わなければ、サラリーマンの娘や息子あろうと自営業者の娘や息子であろうと、意味も価値も一切失う。自身をサラリーマンの息子だと出自に価値観を置いている菅首相自身が既にそのことを証明している。それが気づかない愚か一辺倒の菅首相となっている。

 神保代表「進んできた、きたけれども、まだ『政治とカネ』の問題があるということなんですか。菅さんの考え方として」

 菅首相「ですから、かなり少なくなってきたと思うんです。もう私の気持の中では、もうそろそろですね、少なくとも政治の大きな、あのー、問題に、その問題になる時代は、もう終わっていると思うんです。早く終わって欲しいなということなんです」

 神保代表「ここにね、ちゃんと説明して欲しいって(視聴者の声が)あるのは、やっぱり、その小沢さんの『政治とカネ』の問題の、そのー、一体何が、本質は何なのか、ということをね、ちゃんと聞いていないという声を結構あるわけなんですね。

 まあ、検察が捜査をしたけども、基本的には起訴になったけど、検察審査会って形で。今まだ続いていますけどね。そうなると、なぜ、ここで、『政治とカネ』の説明が必要かについて、ただ一般的に世の中のみなさんが、あのー、世論調査をすると、説明しろって言っているからだけでは、如何にも説明不足じゃないかっていう声が僕は強いと思うのですけども」

 菅首相の言いっ放しにさせずに執拗に食い下がる。

 要するに菅首相は選挙でカネを使うのはすべて悪だと誘導することで、集金力のある小沢氏がさも不正なカネを不正に使って選挙を不正に操作しているかのような印象を与えて、小沢氏を悪者にすることに成功している。

 菅首相「ま、これはですね、ま、例えば政治団体が、あの土地を買うと、確かに今の法律では、あのー、おー、今変わりましたけども、新たに買えなくなりましたけども、ですから、そういうふうにですね、あのー、政治活動に、イー…、サポートするための、政治団体ですから、あの、別にそれで収益を上げたりする団体じゃありませんから、ま、そんな色んな課題があります。

 あるいは党の運営の資金をですね、どういうルールでみんなに配分するか、ま、それによってでもですね、えー、そのー、党全体のことを考えて、ルールの元に、公平と言っていいのか、適正と言っていいのか配分するよな、ことがきちんとできない。

 ですから、私が代表選に出たときには、クリーンでオープンな政治ということを代表選で言ったのは、そういうことが、アー、頭にあって言ったことです。ですから、そういう形で、民主党という政党はほぼなっているんです。ですけれども、若干問題があるとすれば、それをですね、早くクリアして、えー、次の時代に進んでいきたいと、ま、こういう思いです」

 菅首相は政治団体は収益を上げたりする団体ではないと言っているが、小沢氏の政治団体の土地購入問題は検察の聴取を経て不起訴処分となっていることから、利益団体ではないとの根拠を持ち出して、さも収益を上げているかのように見せかけ、ここでも小沢悪者論への狡猾な誘導を図ろうとしている。

 実際に収益を上げているのかどうか知らないが。例え収益を上げても、それが最終的に政治活動に活用されるなら、不法行為とは言えないはずだ。善良な人間ふうにニコニコ笑ってはいるが、その笑顔の下で人を嵌めようとする陰険な意図を働かせている。さすがはエセ元市民派だけのことはある。

 神保代表「でもね、政治団体の不動産取引なんか、あるいは組織運営費のね、その不透明な使途っていうようなことは、これ、まあ、民主党の中で、まあ、これはやめるべきだっていう措置を取るべきか、あるいは事実関係を追及するか、あるいは政治資金規正法を改正して、政治団体は不動産取引はもうすべきでないってことで、すれば、いいという――」

 菅首相「もうできなくなっています」

 神保代表「今はね」

 菅首相「新たにです」

 神保代表が言ったのは、民主党の中で処理するか、政治資金法を改正するかで解決すべきではないかと手続きを提案したのである。それを単純に土地購入の法律問題でのみ受け止めて、「もうできなくなっています」、「新たにです」と答える理解能力しか示すことができない。

  《菅首相の言いたいことを言わせて終わらないインターネット動画「日本ビデオニュース」出演(2)》に続く


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菅首相の言いたいことを言わせて終わらないインターネット動画「日本ビデオニュース」出演(2)

2011-01-13 11:27:59 | Weblog


 宮台「何が分かりにくいと言うことはね、僕なりに噛み砕いて申しますね。あのー、例えば、そのー、土地におカネを、おカネを土地に代える、持つとか。あるいは預金担保融資という形でおカネを借りて使うとかっていうのは、例えば、これはロンダリングではないか。出所を隠すために、あるいは綺麗なカネにするための仕組みじゃないか、みたいなね、疑問というのは、それは、それが合法であれ何であれ、存在することは事実です。

 で、先ずそういう問題、先ずどういうことかって言うと、あのー、おカネを使って人々を動かすっていうのを、遣り方がね、狡いのか、公正なのかっていう、違いが先ずありますよね。これをどう評価するのかという問題があります。

 それとは別におカネの本当の出所ですね。これが例えば個人献金のようなものによって、例えばオバマさんの一人大体10ドル以下ね、募金みたいな形で集めるのがいいのか、あるいはまあ、簡単に言えば、後援会というのか、要するに企業、あるいは自分たち企業から見たら自分たちにとって得になるような政策を遂行してくれると期待して、出す。政治献金というものはそういうものに決まっているわけですね、大体が。企業が出す場合はですね。

 おカネを帳簿にちゃんとつけないで、帳簿につけないから、つまり人があとから検証できないような形で、不透明に使うからいけないのか、あの、どこがいけないのか。

 あるいは何が許されるのか、例えば今申し上げた話で言えば、個人献金を使っていて、帳簿を簡単につけていて、情報公開ですべてのおカネの流れがはっきりしている。あるいは団体からおカネを貰っていたとしても、全部帳簿の流れが分かるので、団体の利益になる質問をしたのかどうかって言う活動のチェックも国民からちゃんとできる、みたいなことがあれば、おカネをいくら使ってもいいんだって考えていいのか。

 それとも政治家の本意って言うのはおカネは二の次で、本当は政策で勝負すべきだというふうに考えるべきなのか、その辺ね、『政治とカネ』って言うときの、最終目標、先程のアリストテレスの話じゃないですけどね、それがよく分からないんですよ」

 よく分からないのは当たり前で、クリーンでオープンと位置づけた自分を小沢氏はそうでないと印象づける対比へと誘導するための詭弁、不正に選挙を行っている悪者と見せかける詐術を働かせているのであって、これは小沢排除で自身の支持率を上げたのと同じ手法を用いた言葉の数々に過ぎない。

 菅首相「基本は透明性でしょうね。まあ、あの、私はかつてコモンコーズという、アメリカの、政治団体、そういうものをチェックする、あの、市民団体も、もう30年前に行ったことがありますけれども、やはり、あのー、先程言ったように、あのー、政治参加とは、ボランティアで応援に行くのも、あるいはそれこそ20ドル出すのもですね、一つの政治参加ですから、私は、それは大いにあっていいと思うんです。

 で、そのときに、えー、それが、そのどういう形でですね、あのー、影響するのか、まあ、特にアメリカの場合はクロスボートでしたから、それによってですね、どういう団体から、どういう人がどういうおカネを貰って投票したということを、ま、例えばライフル協会からおカネを貰うとかですね、そういうふうにオープンにすることによって、まあ、そのー、そういう影響力に対しての、まあ、ある種の、何て言うんでしょうかね、おー、バランスというか、カウントパワーを、オー、生み出して、逆に今度はそういうのを反対するグループからは、そういうところの、オー、対して批判するとか。

 ですから、それ、全体のプロセスは一つの民主的なプロセスですから、そのこと自体は大いにあっても私はいいと思っています」

 献金という名のカネの流れをチェックする団体があると言うことは不正なカネの不正な流れの存在を逆に証明する。チェックとは良し悪しの判別が目的であろう。だが、小沢氏の問題は検察がチェックして不起訴処分とした。それを不服として、検察審査会が強制起訴したということなら、強制裁判のチェックを待つしかないはずだが、菅首相は小沢氏がさも汚いカネで選挙をしているかのような印象づけの方に力を入れているに過ぎない。

 宮台社会学者「菅総理、それ大事な発言でね。あの、日本人の実は多くのマスコミを含めてね、政治家がおカネを使って何かをすることがいけないかのような勘違いをする。で、今言ったコモンコーズ的な図式はそうではなくて、アメリカって、アソシエーショニズム結社の社会だから、結社が自分たちにとって利益になる政治にカネを出すのは当たり前なんですね。

 それがアメリカの政治文化だから、企業団体献金、オッケーに決まってるわけです。だから、帳簿に書いて、国民がチェックできるようにして、どういう団体の影響が彼らのどういうふうに及んでいるのか、国民がチェックした上で、投票のときに参考にできるようにする。

 ところがヨーロッパは全く違って、伝統で、ヨーロッパはアソシエーショニズムではない。ですから、基本的には、あの、まあ、分かりやすくいえば、その方がむしろ日本に近いから、知らないところがある。自分の頭で考えて、自分の背後にいるのがアソシエーションよりも地域社会だったり、家族だったり、するんですね。

 で、自分たちの家族、自分たちの地域のために遣ってくれているかなあって思った個人が献金をする。それ以外の企業っていうのは、家族とも共同体とも関係のない、別の原理で動く生きものだから、その企業に献金をさせるってことになると、政治家が地域や家族を守ることじゃない活動をしてしまう。

 これはヨーロッパの発想ですよね。今のコモンコーズ的な発想というのは前者の発想ですから、これは重要な発想なんだけど、日本人は何かカネがいけないみたいな、やっぱり考えているみたいなところがありますよね」

 それを利用して菅首相は小沢氏を一生懸命に悪者に仕立てようとしている。

 神保代表「献金というものは2年3年以内に禁止するということに民主党としてはっきり決めているのですか」

 菅首相「法律を変えて、経過期間として3年ということは決めています」

 神保代表「だから、企業献金はやめると」

 菅首相「この議論もですね、実は、あのー、おー、かなり私も、その最初の頃に、市民運動やっていた頃に、あの色々議論しました。で、真っ白と真っ黒じゃないんですね。例えば、その女性のですね、えー、社会参加のために、えー、活動をしている、ウー、女性の政治家に献金をする。それは広く言えば、女性の、おー、まあ、あのー、プラスになるような。

 それが狭くなるとですね。ある団体の活動にと、なると、それがまさに企業になるとですね、今度は必ずしもそういう広い意味の社会的な、えー、目標ではなくて、中には義理的な目標になる。

 ですから、色んな要素があるわけですよ。ですから、それは一定のルールの元に、それをオープンにして、あまり、そのルールのですね、そのー、ま、例えば、えー、ですから、例えば、よく労働組合を企業のことも言われますが、若干性格が違うわけですよ、企業というのは利益を上げるための組織体で、労働組合というのはある意味で、その組合員のいろいろな意味のですね、この、おー、福利厚生であり、あるいは発言力を組織をつくることによって、影響力を高めようとする、ま、ある意味で組合員の組織なわけで、そういう意味では若干違うんです。

 市民運動も違います。色んな性格が違うわけです。そういうものが勿論、あのー、混在して社会を構成しているわけですから、そこは一定のルールと透明性ということで、エー、そういうことの中でやってきているし、私は日本も30年前に比べると、ずっとよくなっていますから、ですから、それは、あの、もうその問題をあのー、議論しなくても、大丈夫というところまで、もうすぐ行くんじゃないでしょうか」

 企業であろうと労働組合であろうと市民団体であろうと中身は違っても、何らかの経済的・物理的利益を目的とした組織体であることに変わりはない。その利益には労働環境や生活環境、あるいは地位の向上を通して金銭に還元される場合もある。

 菅首相は「一定のルールと透明性」を言うことによって、ここでも反意味的に小沢氏を「一定のルールと透明性」を体現していない存在とする誘導を密かに行っている。指導力がない割には、指導力を埋め合わせる形であろう、そういった人を陥れようとする陰謀に長けているところがあるようだ。

 神保代表「でも、これだけ透明になっていても、例えば、そのー、まあ、民主党のね、元代表である小沢さんがやはり出てきて、『政治とカネ』について、何か釈明しなくちゃいけない状況なんですか?そこでこれだけオープンになっているにも関わらず」

 菅首相「まあ、少し全体のシステムの問題とですね、あの今の個別の問題と、あのー、ありますけれども、やはり多くの場合は、イー、国会議員は、えー、そういうことに対して、説明を求められるわけですから、国会の場で説明をするという、いうふうにご本人がいわれたわけですから、それはやはり果たされるべきじゃないでしょうか」

 神保代表「やっぱ本人がやったかどうか別にして、やっぱり説明すべきことがある、というお考えですか。菅さんとしては小沢さんのの『政治とカネ』の問題というのが厳然たる問題としてあるという考え方ってことしぃうか」

 食い下がる、食い下がる。

 菅首相「それはあると思いますね」

 離党、あるいは議員辞職に追いつめるまで誘導しようとしているのだから、当然の答え。

 神保代表「『政治とカネ』の問題はある?」
 
 菅首相「問題があると言っても、その問題があるということを断定的に言っているのじゃなくて、説明される、説明すべき問題は、あのー、あると思いますけど」

 菅首相はシーソーで有利な立場に自分を立たせている。小沢氏がシーソーの片方に座って地面につくことによってもう片方に座っている菅首相は身体を上昇させることができる。

 神保代表「つまり、不透明な問題はあるという意味ですね。そうすると――」

 宮台社会学者「じゃあ、噛み砕いて申しますとね、検察が今まで2回不起訴にした問題について、やっぱり疑念があるっていうことで、透明な説明を要求していらっしゃるのか、あるいは93年当時の自由党を解党するときの、そのおカネをですね、例えば、どう使ったのかみたいな問題であるとか、あるいは党の活動費、これは幹事長の権限で使えるおカネを、その権限を使って、恰も自分から売った恩であるかのようにね、おカネを配ったりした、疑惑がないのかどうかみたいなね。

 そうした、つまり、政治手法のあり方、政策で人を誘導するのではなくて、カネで恩を売って誘導するような遣り方じゃないかみたいなね、ことについての疑惑があるのか、何の疑惑かっていうことが結構大事なことなんですね?」

 菅首相「私が予算委員会に出ると、私に質問されるわけですよ。あの、多くの野党。しかしこの種の問題は、これがその子ども手当とかですね、あるいは場合によったら税制とか、ま、一つの党ですから、一定の合意がありますから、それは当然私が答える、あるいは財務大臣が答えるわけです。

 しかし、あのー、個人の『政治とカネ』の問題というのは他の人は答えようがないんです。どういう疑問であるかを越えてですね。ですから、そこはご本人が、あの、国会で答えるというふうに約束されたんですから、それは当然、約束は守られるのは、あのー、当然の筋だろうと。それをですね、それを代りに、それを答えることできません」

 検察が不起訴としたのだから、例え検察審査会が強制起訴に持っていったとしても私は検察の不起訴処分を信じます。政倫審出席も証人喚問も必要としません。そう言えば済んだことを一度『政治とカネ』の問題で自身の支持率上昇を企んだばかりに、その陰謀から抜け出ることができなくなって、野党の追及を執拗なものとし、却って自分で自分の首を絞めることとなった。バカな男だ。

 仮に、万が一そうはならないとは思うが、強制裁判で有罪となったとしても、具体的なことは知りようがないのだから、検察の取調べを信じるのは当然だと言えば済む。

 要はそうするだけの度量がなかった。逆に一時は仲間とした人間を陥れて逆に自分の助けとしようとした。

 神保代表「その手法の問題っていうのは、菅さんはどう思われますか。つまり、ロッキード事件出されたけれども、ロッキードの話をされたけれども、田中角栄氏以降の、ある種手法としての、やっぱり物凄いたくさんの政治資金力というものを持って、それをいろいろな形で政治力の源泉として来る、源泉としてきたっていう政治スタイルっていうのは、まちがいなくあるわけですよね。

 で、ある種、小沢さんがそれを引き継いできたというところは勿論議論はあるでしょうけども、おカネの遣い方としては、勿論政治活動そのものもおカネがかかるけども、やっぱ、例えば、子分という言い方が悪いかどうか分からないけど、色々な議員をおカネで援助して助けることによって、その人が自分の派閥を形成するような、手法っていうのは自民党時代からずっとあったわけですよね。それについて手法の問題ってあるのかどうか、どうですか」

 菅首相「ですから、先程来申し上げているように、そういう形でなくてもですね、若くて能力があって、志のある人が、国政にも出ていけるようなということで、制度をつくってきたんです。で、それに添って今の民主党の大半の若い候補者は、あのー、党の支援でですね、えー、当選してきているんです。

 ですから、私もそれはそういう新しい仕組みの中で、あのー、やっていくべきだと、またやっていくことは可能だと、今の民主党そのものの存在がそうです。ですから、ですから、私にとっては民主党というのは少なくとも、長い間自民党との対比で自分のことも見てきましたから、自民党のそういう古いですね、どちらかと言えば、それは親分・子分であったり、ある程度はおカネの関係もあったりするのは、その、いいとか悪いとかってことは超えて、やはり一つの古いスタイルの政治で、それに対して民主党というのは、もっと一般の人が参加して、えー、選挙にも当選可能性があるということですね。

 そういう新しいオープンの政治だと。で、こういう新しいオープンな、クリーンでオープンな政治を、その民主党がやっていくいくべきだというのは、私の考えです」

 「クリーンでオープンな政治」は結構だが、政策構築能力、内閣、あるいは党を率いて構築した政策を実現する指導力と実現可能能力がなければ、「クリーンでオープンな政治」は意味を失う。「長い間自民党との対比で自分のことも見てきましたから」と言うなら、自民党歴代首相の政策構築能力、指導力と政策実現可能能力も見てきたはずだ。だが、菅首相のいずれの能力の欠如は自身が掲げる「クリーンでオープンな政治」とは滑稽な逆説となっている。

 神保代表(宮台氏に)「『政治とカネ』の問題でまだあります?」

 宮台社会学者「最後に纏めておくとね、あの一言で簡単に言うと、お役人と言うのは人事と予算が最大の関心事(「かんしんごと」と言った)。彼らにとって最大の武器は法律・条令、なんですね。それに対して政治家っていうのは、何が最大の武器かって言うと、ま、一つは理念。ポピュリズム的なものですけど。理念とやっぱ権益の配分なんですね。

 権益の配分で、それが必ずしもおカネっていうことであるとは限らない。地域をもっと良くするってことを含めて。例えば他の地域でなくて、その地域であれば権益の配分になるってことがあるんですよ。

 なので、実は行政官僚がおカネに関わる法律や条令使って自由自在に政治家を恣意的に追い落としたりする可能性が出てくるので、それは先ず気をつけなければならない面である」

 菅首相「ですから、これはあのー、例えば、色んな法律が色んなところから出てきておりますけども、そのー、ある時期からですね、あのー、電話かけるアルバイト、というのが、その運動員買収という言葉で、逮捕者が出て、で、資格が剥奪される。あるいは中にはビラを配るということもですね、その作業員としてならいいけど、何かその菅をよろしく何て言うとですね、それがアルバイト扱いだとダメだとか、あの、私割と詳しい方ですけど。予想を超えてですね、あの、そういう、何と言うんでしょうか、あの、ま、ある意味で政治家をやめなければいけない、厳罰ですから、そういうことになっている例があります。

 ですから、私などは、そのー、そういったですね、アルバイトとボランティアで、これはしていいけど、これはしちゃあいけないという区分が非常に曖昧な法律に選挙はなっていますから、そこはやはりきちんと、はっきりするように、という理屈で、これはいけなくて、どういう理屈でこれはいいか、はっきりした方がいいと思います。そういうことは気をつけなければいけないことはたくさんあります」

 宮台氏は内心呆れ返って菅首相の言葉を聞いていたのではないだろうか。宮台氏は『政治とカネ』の問題を論じる中で、「行政官僚がおカネに関わる法律や条令使って自由自在に政治家を恣意的に追い落としたりする可能性」を言ったのであり、アルバイトやボランティアが犯す些細な選挙違反に関連した政治家への影響ではなく、選挙での買収、政治資金規正法や収賄罪等の大きな網を利用した違法献金や贈収賄、利益誘導等の摘発を指していたはずだ。

 それを『政治とカネ』の問題から外れてアルバイトやボランティアを持ち出して、たいしたことのない選挙違反を念頭に合理的判断能力を働かすこともできずに、「私割と詳しい方です」と自慢する感覚は話にならない単細胞としか言いようがない。

 政策構築能力、内閣、あるいは党を率いて構築した政策を実現する指導力と実現可能能力を全く欠いていることが納得できる一連の発言となっている。欠いているからこそ、自己存在性を高めるために小沢氏の『政治とカネ』の問題を餌とする必要が生じたのだろう。消費税発言で国民の支持を失うと、鳩山前首相と小沢幹事長の辞任をキッカケに民主党の支持率V字回復を思い出して、利用することを思い立った。

 だが、支持率は下がるばかりで、『政治とカネ』の問題が有効に作用してくれない。そこで躍起となって、なおさら『政治とカネ』の問題にしがみつくことになっている。必要なことは『政治とカネ』の問題で自身の支持率を上げることではなく、指導力、政策実現可能能力だということに気づいていない。その自縄自縛にかかっていることに。

 話はマニフェストの問題に移った。次の機会に譲ることにしたい。


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