菅首相の各種最新世論調査から見る与謝野馨の人間性に対応した人間性

2011-01-17 08:57:01 | Weblog


 朝日新聞世論調査・NHK世論調査・読売新聞世論調査・毎日新聞世論調査を見てみたいと思う。WEB記事に記載してある範囲内での評価となる。

 菅内閣支持率

     「支持する」   (前回)      「支持しない」  (前回)

(朝日) 26%    (+5ポイント)      54%    (-6ポイント)

(NHK) 29%    (+4ポイント)       59%    (+1ポイント)

(読売) 34%     (+9ポイント)       55%    (-10ポイント)

(毎日) 29%    (+5ポイント)       49%     (-7ポイント)

 新たな再出発を国民に印象づける、いわば新規巻き直しの内閣改造でありながら、再出発と言える程の印象も、新規まき直しと思わせる程の印象も与えていないと見ることができる僅かな上昇で終わっている。菅首相としたら、仕切り直しだ、さあやるぞと意気込んだろうが、自身が意気込む程にはその意気込みが国民には殆んど伝わっていない、空回りしているといったところか。

 だが、支持率・不支持率を侮ってはいけない。菅首相は「私はこの1年半前からの政権交代後に民主党あるいは民主党政権でやったことは、大筋間違ってはいなかったと思っております」と世論の判定を否定しているが、菅内閣が間違っていることを認めたくないための思い込みに過ぎないかもしれないし、例え思い込みでなくても、世論は春の統一地方選挙にも影響するし、ねじれ国会運営にも影響していく。


 (朝日)    「支持理由」     「不支持理由」  

首相が菅さん     19%        2%           
民主党中心の内閣    6%         11%        
政策の面       23%          27%         

(NHK)           「支持理由」      

「ほかの内閣よりよさそうだから」  50%、
「支持する政党の内閣だから」    20%

               「不支持理由」

「実行力がないから」       42%、
「政策に期待が持てないから」    38%

 因みに「時事ドットコム」の「支持・不支持理由」

「支持理由」

「他に適当な人がいない」 9.4%
「だれでも同じ」     5.0%、
「首相を信頼する」    3.8%

「不支持理由」

「期待が持てない」     36.0%
「リーダーシップがない」  34.5%
「政策が駄目」         2.0%

 「朝日」のみが積極的支持として「政策の面」が23%に達しているが、しかし不支持理由としても「政策の面」で支持以上に27%に達している。その他はほぼ情緒的、あるいは消極的支持で終わっている。実行力、リーダーシップとなると、菅首相に対する評価としてこれまでの世論調査を通して一貫して欠けていると受け止められている。一国のリーダーとしてこれは致命的な欠陥となる。

 菅首相に対する今後の期待感。

 (朝日)(択一)
大いに期待する     6 (±0ポイント)
ある程度期待する    29 (+1ポイント)
あまり期待しない    40 (-3ポイント)
まったく期待しない   23 (+1ポイント)

 読売

「政策面で実績を上げられると思うか」

「思う」    22%
「思わない」  70%

 (支持率と対応する期待値なのだから、当然の数値であろう。政策面や指導力の面からの支持ではなく、情緒的・消極的支持者の中には今後の期待となると否定的評価を与えるケースも存在するに違いない。

 人事

 (朝日)

 仙谷官房長官交代

「評価する」   47%
「評価しない」  34%

 枝野官房長官起用
 
「評価する」   41%
「評価しない」  39%

 菅首相の社会保障・消費増税への姿勢

「評価する」  39%のうちの与謝野氏起用評価

「評価する」   42%
「評価しない」  45%

「評価しない」  48%のうちの与謝野氏起用評価

「評価する」   26%
「評価しない」  60%

 全体としての与謝野氏起用評価

「評価する」   31%
「評価しない」  50%

 (読売)

 仙谷官房長官交代

 「適切だ」  67%

 (毎日)

 仙谷官房長官交代

 「評価する」  53%
 「評価しない」 39%

 枝野官房長官起用

 「評価する」   44%
 「評価しない」  46%

 仙谷官房長官の交代はどの世論調査でも評価がかなり上回っている。但し枝野官房長官起用は評価が割れていて、ほぼ拮抗した肯定・否定の判断となっている。

 だが、私自身は枝野氏をこれまでの発言から人間的に口達者な詭弁家の印象しかなく、信用していない。

 既にブログに取り上げたが、昨年の参院選中、まだ選挙結果が確定しないうちから、幹事長の立場から他党との連携を呼びかけた。各種世論調査は民主党の過半数獲得に対して悲観的状況を示していた。絶望的と言ってもよい。

 敗北を予想したからこその連携の呼びかけであったはずだ。過半数獲得の勝利を予想できる状況にあったら、連携は必要としない。

 枝野「参議院選挙が終わったら、政策が一致したり、近い部分では、どの党とも協力できるところは協力できる。・・・・みんなの党とは、行政改革や公務員制度改革のかなりの部分で一致している。政策的な判断としては、いっしょにやっていただけると思う」

 この発言は当のみんなの党からばかりではなく、他の党からもマスコミからも批判を浴びた。厭、党内からも批判を受けた。

 参院選敗北後、謝罪している。

 枝野「(みんなの党に連携を持ちかけたと)そう受け取られたことに対しては責任を感じています。言ったことは、例え民主党が過半数を取ろうと、過半数を割ろうと、どの党とも協力できる党とは協力して政権運営していくということを言ったのであって、過半数を割ることを予測した話ではなかった。協力できる党の一つの例としてみんなの党を挙げたのだが、あの当時みんなの党が、みんなの党がと騒いでいて、さもみんなの党と連携すると言ったかのように取られた。そのように受け取られたことに対しては反省しています」

 過半数獲得が予想できたなら、誰が他党に連携など呼びかけるだろうか。詭弁を用いた薄汚い弁解に過ぎない。「みんなの党とは、行政改革や公務員制度改革のかなりの部分で一致している」と言っておきながら、「あの当時みんなの党が、みんなの党がと騒いでいて、さもみんなの党と連携すると言ったかのように取られた」と、そう受け止めた側に責任をなすりつけている。

 尖閣沖中国漁船事件後の中国対日圧力に関しての発言も物議を醸した。

 枝野「中国との戦略的互恵関係は、外交的な美辞麗句だ。中国は悪しき隣人でも隣人は隣人だが、日本と政治体制が違う。

 政治的システムや、法治主義、人権に対する考え方を見ると、日本と米国のような同盟関係を中国との間で期待することは間違っている。法治主義が通らない国だという大前提でお付き合いしないといけない。

 中国に進出する企業、取引をする企業はカントリーリスクを含め自己責任でやってもらわないと困る」

 日本企業の中国進出、中国との貿易取引、観光客訪日等で日本の国そのものが利益を受けているだけではなく、国民の生命・財産を守る国としての義務と責任を無視して、「カントリーリスクを含め自己責任でやってもらわないと困る」などと言う。責任放棄そのものであろう。

 枝野新官房長官は内閣改造後の記者会見で「中国悪しき隣人」論について次のように発言している。

 枝野「(あしき隣人」と呼んだことについて)当時の私の発言そのものを見れば、特定の国を名指ししたという認識はない。中国との間にいくつもの解決すべき問題があるのは間違いない。譲れない国益はしっかり主張し、共通の利害では協力関係を進める。」(時事ドットコム

 「中国」と言う言葉を用いていながらの、それを平気で無視して「特定の国を名指ししたという認識はない」とするのだから、これは詭弁家であることを通り越して、もはやウソつきである。

 ウソをつくとは人を騙すことである。閣僚がウソをつくということは勿論国民を騙すことになる。当然ウソつきと言うだけではなく、国民を騙す人間と言える。

 中国が枝野官房長官就任に警戒感を示したと言うことだが、ウソは国益にも関係することになる。

 こういった枝野官房長官のマイナスの人間性からすると、官房長官就任は否定的評価となってもそさそうだが、相半ばしている。政治家として実力者として名を上げるにしても口達者な詭弁とウソの使い回しでのし上がったに違いない。決して過去の言動を忘れずに記憶に残しておき、厳しい監視の目を向けなければならないはずだ。 

 このように人間が信用できない点に於いて、与謝野も多くの国民がそう思っているであろうように枝野と変わりはない。

 昨日のブログ記事にも取り上げたが、1月15日のツイート。

 『民主党が日本経済を破壊する』という本を出した与謝野馨を菅内閣に入閣させたということは、民主党の経済政策が日本経済を破壊すると認めたということなのか。本来なら破壊しないこと、逆に日本経済を発展させることを証明しなければならない立場にあるからだ。いわば与謝野経済理論の軍門に降った。posted at 11:06:00

 要するに菅内閣の経済政策は日本経済を破壊する、破壊してはならないから、与謝野馨を菅内閣の経済財政担当相に迎え入れたということなのだろう。

 菅首相の与謝野評価はそうなっている。

 菅首相「私なり、民主党の考え方とも大きな流れとしてはかなり共通性の高い政治家だとこのように、これまでも認識していたし今でも認識している」(Bloomberg.

 いわば民主党の経済政策(=菅内閣経済政策)は日本経済を破壊するとの共通認識に従来から立っていた。

 実際には野党を社会保障と税の一体改革議論の同じ土俵に引き入れるための与謝野起用だろうが、菅首相は愚かにも与野党攻守所を変えて丸呑みさせられる立場に立たされる可能性も考えずに1998年金融国会で参院で野党の立場で自由党、公明党と共に多数派を占めることとなっていた民主党が金融再生法を与党自民党に丸呑みさせたことをねじれ国会乗り切りの例として挙げたが、例え野党を同じ土俵に引き入れたとしても、その土俵は与党としての主体性も与党案の主体性も許さない、いわば与党主導ではない、野党主導の妥協、あるいは丸呑みを強いる力学が否応もなしに働く土俵となることは1998年金融国会そのものが教えている。

 ただ菅首相は合理的判断能力を欠いていたから、そのことに気づかずにねじれ国会乗り切りの例に挙げることができた。

 「朝日」の「全体としての与謝野氏起用評価」が枝野の相半ばする評価と違って、「評価する」――31%、「評価しない」――50%と否定的評価が大きく上回るのは、09年総選挙選挙区落選、比例区当選の立場にありながら、自民党を離党、新党を立ち上げ、その新党を離党して直ちに散々に批判してきた民主党の菅内閣入閣といった離れ業に見る与謝野氏の人間性、人物、言動を多くのマスコミが枝野に関するよりもより頻繁に報道していることの影響があるに違いない。

 多くの国民の与謝野馨に関する眠っていた記憶を呼び覚ましたか、改めて思い起こさせたといったところだろう。

 だが、このような人物の起用は菅首相自身の人間性をも炙り出さないではおかない。与謝野馨という人間にも見ることができるなり振り構わないという無節操・ご都合主義の人間性の菅首相に於ける現れである。内閣を改造しながら、大きく支持率を伸ばして不支持を上回る逆転状況をつくることができなかったことはこういったことも関係していた国民の評価に違いない。

 勿論、なり振り構わない無節操・ご都合主義の人間性は指導力欠如・リーダーシップ欠如と相互反映した人間性でもあるはずである。


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