菅仮免の浜田人事に見る復讐心の強さから人の厭がることをしてザマー見ろと溜飲を下げる愉快犯的性格

2011-06-28 11:47:57 | Weblog


 
 復興基本法が6月24日(2011年)成立、6月24日施行。菅無能仮免は復興担当大臣に松本龍防災担当大臣を任命、副大臣に平野達男内閣府副大臣。

 そして復興担当相新設に伴う政務三役人事で自民党の浜田和幸参院議員(鳥取選挙区)を政務官に起用。浜田議員は引受け、自民党席のままでいいと思うのだが、自民党に離党届を出した。

 どのような経緯が展開された結果の一本釣りだったのだろうか。一人二人味方につけたからといって、参院与野党逆転の数字そのものはたいして変わるものではないが、出す法案によっては自公が反対で纏まっても少数野党の態度が割れて、賛成多数を形成する可能性無きにしも非ずとなる。

 《菅首相:自民議員を政務官に検討…浜田和幸氏、離党の意向》毎日jp/2011年6月27日 2時34分)

 〈浜田氏は58歳。10年参院選鳥取選挙区で、自民党公認として初当選した。国際政治学者で、青山学院大講師や米戦略国際問題研究所主任研究員などを歴任。〉

 与党幹部からの伝達として、浜田議員は自民党の党運営を批判していたという。与謝野肇と似たような経歴かもしれない。

 浜田議員「自民党は大連立もやらないし、新たに設けられる復興対策本部にも参加しない。このまま自民党にいても、震災復興に協力できない」

 記事は解説している。

 〈与党は参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」解消をにらみ、自民党参院議員に離党を働きかけてきた。一方で、赤字国債発行に必要な特例公債法案の成立に向け、自民、公明両党と与野党協力を進めてきただけに、今回の自民党参院議員の引き抜きにより、今後の与野党協議に悪影響が出るのは必至だ。

 自民党幹部は26日夜、参院の野党議員取り込みを図る政府・与党側の動きについて「民主党との信義も何もあったものではない。徹底抗戦しかなくなる」と不快感を示した。〉――

 もう一つ、浜田議員の発言を見てみる。《自民・浜田議員 離党の意向伝える》NHK NEWS WEB/2011年/2011年6月27日 12時18分)

 記事は経歴を次のように紹介している。〈浜田氏は58歳。国際政治学者として、テレビのコメンテーターなどを務めたあと、去年の参議院選挙の鳥取選挙区に自民党から立候補して初当選――〉

 枝野官房長官から政務官への就任を要請され、これを受け入れたいとして、自民党を離党する意向を固め、参議院自民党の幹部に伝えたという経緯を辿ったようだ。

 浜田議員「枝野官房長官からは、26日の夕刻、復興対策本部に政務官として入って貰いたいという申し出があった。国際協力などの経験を生かして協力してもらいたいということだった。1人の国会議員として大きな岐路に立っており、決断すべきときだと考えている。国難の中で、菅政権の足を引っ張っているような時間はなく、与野党が協力する道筋をつけたい。27日中に結論を出したい」

 「国難の中で、菅政権の足を引っ張っているような時間はなく、与野党が協力する道筋をつけたい」は一見立派なことを言っているようだが、政治の主たる受益者は国民であるという関係から言うと、有能なリーダーの足を引っ張るのは国民に被害を与えるが、無能なリーダーの足を引っ張るのは国民に降りかかる無能政治の被害を逆に最小限に食い止める国民に対する貢献となるはずだから、浜田議員の発言は正しいとは決して言えない。

 震災の被災者は菅政府の対応遅れによってこれまでも半端ではない被害を蒙ってきた。今後2か月も同じような被害が続くと覚悟しなければならない。

 記事は最後に書いている。〈菅総理大臣が、今回の人事で自民党の参議院議員の取り込みを図る動きに出たことについて、野党側が反発するのは必至で、延長国会の法案審議にも影響を与えることが予想されます。〉

 二つの記事から分かることは要するに浜田人事にはプラスマイナスがあり、今後の展開によっては菅内閣にとってマイナスに働かない保証はないということであろう。本人の意思はともかく、与党幹部の間では8月中の辞任で意見を纏めている。あと2か月、民主党内に人材がいないわけではないはずだから、事を荒立てることはあるまいと思うのだが、決して事を荒立てることにはならない人事なのか、その逆なのか。

 後者の予感を世耕弘成(せこう ひろしげ)自民党参議員のツイッター「SekoHiroshige 」から窺うことができる。27日夜の投稿。

 〈まだ浜田議員から参議院執行部への最終報告は入らない。しかし今日昼、小坂幹事長代理、脇国対委員長、山本政審会長、世耕(幹事長代理)の前で明言した「自民党を離党しない」との言葉の通りに行動してくれるはずだ。ということは政務官ポストなど受けるわけがない。》

 〈我々にウソをついたということです。昼には幹事長の前で『離党する気は毛頭ない』と言ってました RT @gosenneo: @SekoHiroshige 浜田議員、離党しましたよ。自民・浜田氏、離党届を提出 - MSN産経ニュース http://t.co/gdFzzDQ

 〈浜田氏の離党届。秘書が幹事長室職員に届けただけ。サインもなし。説明もなし。こんなもの受理できませんね。〉

 嵐の前の静けさを予感させる文言となっている。

 菅仮免自身は昨夜の首相官邸記者会見で浜田人事について2人の記者から質問を受けている。首相官邸HP「菅内閣総理大臣記者会見」から。

 田中毎日新聞記者「毎日新聞の田中です。総務政務官に浜田さんを起用された人事について伺います。浜田さん、自民党からの起用、離党なさいましたけれども、自民党からの起用ということで、野党、自民党を中心に野党がすでに猛烈な反発をしております。総理が先ほど示された三つの法案を成立させるにあたり、野党との協力関係が不可欠だと思うんですが、その条件を壊すような形になったことについて、民主党内でも冷ややかな空気が流れてる状況になっております。総理として浜田さんをどういうつもりで起用なさったのか、現在野党が反発しているこの状況をどういうふうに打開していこうと考えていらっしゃるか、それをお聞かせください」

 まさに後者の、事を荒立てる気配濃厚の人事扱いとしている。

 菅仮免「私は浜田議員が今のこの大震災を経験する中で、是非とも復旧・復興に自らの力を、是非そういう場面で自分の力を発揮して、そういった復旧や復興に貢献したいという、そういう思いを強く持っておられて、そういう中でそういった役割を担うということの思いの中で判断をされ、そのことが私のところにも伝わってきましたので、そういう趣旨であれば是非一緒に復旧・復興に携わっていただきたいということで、そういった位置付けをさせていただいたところであります」

 民主党には復興担当の政務官を務めるに相応しい人材は皆無だと宣言する無茶苦茶な発言となっている。「自分の力を発揮して、そういった復旧や復興に貢献したいという、そういう思いを強く持って」いる人材は民主党内に存在しない。だから、参議院自民党に相応しい人材として浜田議員に白羽の矢を立てた。民主党内からは復旧・復興の役割を担おうという強い思いが菅のところには伝わってこなかった。

 何という民主党無視の発言だろうか。

 尤も人材不足の墓場民主党の頂点に立つ無能なリーダーという当然の関係がそこに成立していると考えると、何もかも矛盾のない整合性を認めることができる。

 青山日本テレビ記者「日本テレビの青山です。先ほどの浜田参議院議員の件なんですけれども、そういう強い思いを持っていたから加えたというのでは、あまりにも、菅総理が今後、野党側の協力をどのように得ていくのか、法案を成立させていくのかという、その戦略というか考え方が分からないんですけれども、こういった参議院議員を一人ひとり切り崩して、ねじれ国会を解消していくという方向に道筋を付けようとしていらっしゃるのか、それともやはり野党側との法案協力の姿勢を導き出したいと思っていらっしゃるのか。それとも先ほど言った3つの条件の法案を通すために、私を辞めさせたいなら、その法案を通せというような、この前総理がおっしゃったような方法で迫っていくということを考えているのか、今この段階で総理はどのようにこの法案成立の道筋を付けていこうとお考えなんでしょうか」

 菅仮免「先ほどお答えしたのは、浜田議員が自らこの大震災に当たって、国際的にもいろいろなつながりがあると、そういうものを活かしていきたいという、そういうお話の中で行動されたということについて申し上げたところです。この大震災に当たっては、従来から党派と言いましょうか、そういうものを超えて協力をしていただきたい、あるいは協力をして欲しいということを、いろいろな機会に申し上げて参りました。例えば今回の基本法などでは、改めて自民、公明、民主で法案を出し直す形で協力の上での法案が成立したことは大変良かったと思っております。

 また例えば、大臣や副大臣、政務官の数が大変制約をされておりまして、今回のこの復興本部の立ち上げにおいても、非常に、日常的な各省庁の仕事と、この震災復興のための、例えば現地に派遣する本部長の仕事と、もう少し政務三役に委任を、参加をさせてもらいたいと、こう思っているわけですけれども、まだこういった分野ではなかなか合意が得られておりません。いずれにしても、政党間の問題ではなくて、国民の皆さんにとって、あるいは被災地の皆さんにとって何が最も必要なのかと、こういう観点にお互い立つことが出来れば、私は多くの課題について前進が出来ると、このように考えております」
 
 先ず菅仮免は党派を超えた協力を要請している。勿論、党を離れる離れないはそれを決める議員の自主的判断によるが、党派を超えた協力とは所属する党を離党しての協力を言うのではなく、それぞれが所属する党に立ち位置を置いた協力を言うはずである。党の垣根を取り払った協力と表現可能ではあるが、これも離党は条件としない。

 当然、浜田人事は党派を超えた協力とは似ても似つかない性格の協力となっていて、言っていることは詭弁に過ぎない。

 また、今回の復興基本法の成立を党派を超えた協力の好例として挙げているが、それぞれが自身の党の立場に立ちつつ、それぞれが議論し合い、相談し合う相互関係性を維持した中での協力であって、いわば党対党、組織体組織を基本的な足場としている。

 だが、浜田人事は党対党の関係を基本的な足場として話し合い、決定した人事ではない。党対個人の関係性のみに立った決定であって、党派を超えたとは決して言えない。似ても似つかない事柄を似ているとする強弁、詭弁で以て言いくるめようとしたに過ぎない。

 また、「政党間の問題ではなくて、国民の皆さんにとって、あるいは被災地の皆さんにとって何が最も必要なのかと、こういう観点にお互い立つことが出来れば、私は多くの課題について前進が出来ると、このように考えております」 と言っているが、政務官人事は主たる人事ではなく、復興担当相人事こそが主たる人事である。

 民主党に政務官をこなす人材が存在しないということなら政権与党としての資格を失い、存在するにも関わらず他党の人材を主たる人事ではない準人事を党対党の関係で話し合って決めたのではなく、党を無視して個人との関係で用いたということなら、明らかに「政党間の問題」となって立ちはだかることが予想され、このことが国会運営の阻害要件となり、ひいては政権運営を阻害することになった場合、「被災地の皆さんにとって何が最も必要なのか」と言っている自らの発言を自ら裏切ることになりかねない矛盾に気づかない鈍感さを見せている。

 浜田人事は党対個人の関係で決定したと書いたが、その党自体が果たして党の立場に立って関係づけていた対個人なのかどうか怪しい。今朝の『朝日』社説は、参院での自民党の切り崩し工作も、亀井氏の助言によるもので、党幹部と十分なすりあわせはなく、首相の独走に近かったと書いている。

 とすると、相手の党を無視した極めて個人対個人の関係で決められた人事ということになる。

 《首相巡る状況 一段と厳しさ増す》NHK NEWS WEB/2011年/2011年6月28日 4時20分)

 自民党「浜田氏の起用は、片手で握手を求めながら反対の手で殴るような対応だ」

 安住国会対策委員長「菅総理大臣は、国会の厳しさを分かってやっているのか、疑問に思う」

 自ら招いている厳しい状況との趣旨の記事となっている。

 是が非でも他党から引き抜いてでも優秀な人材を据えなければならないという主たる人事ではなく、民主党にもそれ相応の人材がゴロゴロと転がっているはずの準人事でありながら、今後の国会運営、政権運営を難しくすることが予想される人事をなぜ行ったのだろうか。

 元々状況判断能力は著しく欠いていた。欠いていたからこそできた、お粗末な状況判断能力に整合性を持たせ得るお粗末な人事だと言えはするが、結果的に自身を苦しめることになる状況設定をそれだけが原因で招くようには思えない。

 菅仮免には首相就任以来、同種の事態を招いた前科がある。いわば浜田人事は性犯罪者が出所して同じ性犯罪を繰返すような再犯行為に当る。

 鳩山前の跡を引き継いで民主党代表となり、2010年6月に首相に就任以来、小沢氏と小沢グループ排除に動いた。だが、当時は民主党はまだ参院でも過半数を握っていた。そして就任から約1か月後の7月の参院選で大敗、第一党は維持したものの、与野党逆転の勢力を許した。

 当然、国会運営、政権運営共に困難となる状況に立たされながら、小沢氏と小沢グループの主たる人事からの排除に手を緩めなかった。

 これらの排除が党内対立、党内混乱を招き、自身の党に対する統制能力に関係してくることが自明のことと分かっていながら、手を緩めなかった。

 参議院の勢力逆転図を補うためにも党派を超えたではないが、それぞれのグループ派を超えた協力、小沢氏と小沢グループの協力を必要としながら、そのような協力関係、党の統一を無視して小沢派排除にエネルギーを注ぎ、自分で自分の首を絞めていくというパラドックスを演じ続けた.。

 この排除・パラドックスを支えたのは小沢氏に対する異常なまでの敵対意識であったろう。菅本人は「政治とカネ」の問題としていたが、小沢氏には「政治とカネの問題」だけでは片付けることはできない能力を持っているはずだ。

 それは指導力であり、実行力であり、それを可能とする幅広い人脈と長い過酷な政治経験を挙げることができる。このすべてに於いて菅仮免に一つでも上回る能力を示すことができるだろうか。答はノーである。

 同じ1年というスパン取って比較したとしても、その経験と能力の質・量共に小沢氏は上まわるに違いない。

 小沢氏と菅仮免と争った2010年9月の民主党代表選前の9月1日共同記者会見で菅は小沢氏の経験を甘く見る浅はかな判断能力を示している。

 菅仮免「国会における総理大臣としての行動についても、率直に申し上げて、私にはあまり想像がつきにくいんですね、予算委員会に長い間、小沢さんが座っているなんて場面がなかなか想像ができないものですから、そういうことについても、自分が総理大臣になったら、これまでの総理大臣とここが違うんだと、そのことを『政治とカネ』の問題だけでなくて、しっかりとお伝えいただく中で、ぜひ国民の皆さんに、どちらが次の総理大臣としてふさわしいのか、意見を、それぞれの地域で発していただきまして、この総理大臣選びに参加をいただきたいということを重ねてお願い申し上げておきたいと思います」

 小沢一郎元民主党代表「私が委員会席で、座っている姿が想像つかないというお話ありましたけれども、私も20年以上前に既に閣僚を経験し、長時間、予算委員会に座って、いろいろな答弁に答えてまいりました。そういう意味におきましては、別に特別な、私が心を入れ替えてというつもりはありません。自分自身の持ち味で、誠実に淡々と役職をこなしていくことができるのが、総理大臣、政治家としての資質だと思っております」(MSN産経記事から)

 当時の世論調査は「政治とカネ」の関連からの小沢アレルギーが菅支持に向かう反動を生じせしめていたが、指導力に関する質問項目では菅仮免を上回る支持を集めていた。

 指導力や政治能力の欠如を補って支持を集めるために反小沢を利用した一面はあったとしても、支持率の上昇はあくまでも一時的傾向で終わって、小沢氏を対立項として置かずに国民に対して一人で対峙した状況下では支持率を徐々に下げていったことと、反小沢が党運営、政権運営を却って難しくし、自身の立場を悪化させ、自らのクビを締めていった同じ展開を今回の浜田人事でも繰返しかねない事態を自ら招いていることを考え併せると、支持率稼ぎということよりも、別の要素を考えなければならなくなる。

 菅仮免にとって自身が優秀な首相となれるかどうかはあくまでも小沢氏の存在にかかっていたはずだ。小沢氏が次の首相となって、持ち前の指導力と政治力、人脈の広さを駆使してねじれ国会を早々に解消して政権基盤を強化し、官僚をも使いこなして悪化した財政を騙し騙し手当しながら国家運営を軌道に乗せた場合、前任者としての菅仮免はタダでさえ歴史に任せると誤魔化している自身に対する評価を決定的に地に落としめることになる。

 いわが菅仮免は小沢氏の存在を恐れていたからこその排除ではなかったのではないだろうか。その指導力、実行力、幅広い人脈と長い過酷な政治経験を恐れていた。激しい敵対意識さえ持ったはずだ。

 だが、相手の優れた能力に敵対意識を持ったとしても、まともに太刀打ちして敵対意識を晴らす能力が自らにないときに敵対意識は増幅して復讐心と化し、晴らすことができないゆえに逆にコンプレックスとなって心の底にわだかまることになる。

 多分、それらはカネをばら撒いて得た能力だと自身に言い誤魔化していたに違いない。だが、誤魔化し切れる能力ではないことは現実が教え続ける。カネをいくらばら撒こうと手に入れることができる能力の数々ではなく、自身の素の能力と経験の積み重ねが与える能力であるはずだからだ。

 いわば菅仮免にとっては恨みつらみを抱いたコンプレックスとなっていた小沢氏の数々の能力であり、その克服方法が小沢氏排除というコンプレックスの裏返しとしてあった、その解消行動であったからこそ、却って自らの政権運営を悪化させる事態にまで目を向けることができなかった。

 もしコンプレックスから出た小沢排除ではなかったなら、参議院の与野党逆転状況も計算した冷静な判断能力を示して、「政治とカネ」の問題は野党の追及だけに収めて、党の統一をより重要視したはずである。

 だが、排除でコンプレックスは解消できはしない。小沢氏一人が相手ならその政治生命を絶つことで可能かもしれないが、大勢の同士がいる。排除がなおさらの状況悪化というマイナスの局面を否応もなしに同時進行させるし、事実事実同時進行させてきた。 

 排除が自身の支持率獲得に一時的に成功して代表の座を射止めてコンプレックスが一時的に癒されたときは、人の厭がることをして怒らせ、それを見て、ザマー見ろと溜飲を下げる愉快犯のように内心、快哉を叫んだのでないだろうか。

 このような小沢氏に対する経緯を同じ状況を招きかねない再犯に当る浜田人事に当てはめてみると、敵対意識の対象、敵対意識を燃やしても太刀打ちできないためにそれが復讐心と化し、コンプレックスとしてわだかまりを持つまでに至った対象は参院自民党ということになる。

 参議院の国会質疑では殆んどの野党から、特に自民党から中国人船長逮捕と釈放問題、尖閣の領有権問題、中国首脳との会談の中身、震災対応・原発事故対応、外国人献金問題等で散々に苦しめられて一国のリーダーとして自らは優秀だと自任している体裁を失わされ、痛い目、厭な目に遭わされてきた。

 一国の首相でありながら、相手が常に優勢に立ち、自身は常に守勢に立たされてきた。その恨みつらみ、敵意は計り知れないものがあったろう。

 敵対意識をまともに晴らすことができずに恨みつらみの歪んだコンプレックスと化していた。

 浜田人事が単に相手を一時的に怒らせることには役立っても、その一時的な役立ちに反して後々困難な状況を招くことになる危険性を計算に入れていない人事である以上、積もり積もった恨みつらみ、敵意を晴らして復讐心を満足させ、ザマー見ろと溜飲を下げる愉快犯並みのコンプレックス解消行動に過ぎないとどうしても看做さざるを得ない。

 少なくともそういった経緯を辿ることが予想される浜田人事となっている。


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