2012年2月29日党首討論/野田発言、ここが問題だ !!

2012-03-01 12:11:12 | Weblog

 テレビのワイドショー番組ばりにちょっとセンセーショナルに題名をつけてみた。谷垣総裁の中途y半端な追及の方こそ「問題だ!!」としなければならないのかもしれない。

 2月29日(2012年)午後3時から野田首相VS谷垣自民党総裁、次いで野田首相VS山口公明党代表の党首討論が行われた。谷垣総裁は攻めどきで野田首相の発言の矛盾に気づかず、少なくとも慌てさせることができる折角のチャンスを見逃してしまった。次の記事を参考に谷垣発言の2箇所を取り上げてみる。

 《(4完)山口氏、国会議員歳費「2割削減を」》MSN産経/2012.2.29 19:55) 

 党首討論の全発言をその日のうちに文字に起こすこういった記事があるのは大変助かる。野田内閣が消えてなくなっても何も困らないが、こうった記事がなくなったなら、大変困ることになる。

 記事題名は山口公明党代表の名前が出ているが、谷垣自民党総裁の最後の発言部分を含んでいる。ここが攻めどきの最も肝心な箇所と見たから、最初に取り上げて、次に前に戻る。

 読みやすいよう段落を少し変える。

 谷垣自民党総裁「野田さんね、総理、これは一生懸命消費税をやろうとされているのはよく分かります。それで今までですね、私どもも増税にはいろいろ取り組んでまいりました。そのときにですね、何が問題かというと、結局最後は、結局最後は負けるときは、うまくいかないときは自分の足元が崩れるんです。それで、今、私が申し上げたいことは、私が申し上げたいことはですよ、総理が本当におやりになれるかどうか、われわれは注目していますよ。だけど一番の問題は総理、足元が乱れてきているじゃないですか。

 小沢(一郎)前(元の間違い)代表、小沢前代表はこれ、相当なことを言っておられますよ。あのー、要するに法案の閣議決定や、採決時の反対を明言しておられるじゃないですか。それから国民の生活が第一とする政権を作り直すことも考えなければいけない。これは倒閣を示唆しているわけですね。今、それは小沢さんは党員資格停止かもしれません。しかし、あなたの中の、あなたの党の中の有力なメンバーであることは間違いありません。

 それからそこに自見(庄三郎金融担当)大臣がおられますが、自見大臣の国民新党の亀井(静香)代表はですよ、連立の相手がやめなさいという状況でやれない。説得できるんですか。足元をしっかり固めていただかなきゃなりませんよ。私が今までいろんなことを申し上げてきたのは手順、段取りを踏まないと、この足元が崩れてしまうぞということを申し上げているわけですよ。そこのところをお答えください。

 野田首相「あの、いろいろご心配いただいて恐縮でございますけれども、手順を踏んでという話がございました。手順は踏んできているんです。去年の6月に成案をまとめました。成案をまとめましたときには、これは政府と党が一体でまとめたんです。それを踏まえて8月の代表選で明確にそれを具体化していくと申し上げました。そして、素案として1月6日にまとめました。これも多くの時間をかけながら、多くの人が参加をして、熟議を重ねながら、最後はこれは拍手で、そして握手で終わっています。深夜までかかりました。

 党内のプロセスは民主的なプロセスを踏んでしっかりやってまいりました。その素案を閣議決定したら、もしかすると与野党協議に応じていただけるかもしれないという話があったんで、閣議決定しました。大綱にしました。そのときもいろいろ議論がありましたけれども、きちっと手順を踏んで、党議として今の方向を決めております。

 そして今度は年度内に法案を提出する。これも与党のご了解を得ていきたいと思います。51対49の党内世論でも、手続きを踏んで決めたらみんなで頑張っていくということをぜひ、皆さんの前にお示しをしていきたいと思いますし、あの、今、国民新党の話もありましたけれども、これまでのまさに手順の中では党内でさまざまな意見がありましたけれども、ご理解、ご了承をいただきながらやってきておりますので、同じような方向をたどっていきたいと思います」

 そこで、御党も2010年の参議院のマニフェストが一つの党議だったはずです。そして、先ほどのいわゆる(基礎年金の国庫負担)3分の1から2分の1の償還の財源は明確に消費税とお話しされました。というお話の中であっても、ということは党議は消費税を上げるということだと思うんです。そうあってもさまざまな委員会で質問があると、今すぐ上げるのはおかしいと。その議論をするのはおかしいという人もいるし、そうではなく、政局ではなくて、一緒に胸襟を開いて話しましょうという方もいらっしゃる。

 それを私はあえて御党の誰がこういった、ああいったとは言いません。お互いに党内にはいろいろあると思いますが、51対49でも党で決めたらしっかりと野党の皆さんと協議をする。みなさんもぜひそうしていただきたいというふうに思います」

 谷垣自民党総裁「まあ、野田さんがそこまでおっしゃるならば、やっぱり党内をきちっと掌握されて、方向性をきちっと定められるのを私どもも固唾をのんで見守ってまいりたいと思います。

 ただ、ただですね、私申し上げたいのは、もう一つやっぱりこの際に申し上げたいことがあるんです。今のいろんな混迷がございます。政治がなかなか問題を解決できないというご指摘もある。実は今日、いろんな多岐にわたってしまって、必ずしも十分に申し上げられなかったんですが、まず、そのマニフェストをお作りになって、そのマニフェストがなかなか困難にぶち当たっている。しかし、それを撤回して消費税なんかいろいろとおっしゃっているけど、誰が考えたってこれはマニフェスト違反ですよ。だけど必要だから進むと、野田さんはおっしゃっているわけですね。

 で、ところが、野田さんの党内を拝見しますとね、いろんな考え方があって、どっちに進んでいくか分からない。先ほどですよ、大綱等々のいろんな問題を申し上げましたけど、結局のところは大綱にいろいろ書き込んであるけれども、議論をしていくと、消費税の問題だけじゃなくて、マニフェストに書き込んだ、できもしないことがいろいろ書き込んであるから、結局のところ、デッドロックに乗り上げるんじゃないかという心配をわれわれはしてるんです。要するに、最大の政党である民主党がですね、マニフェストというものを抱え込んで、マニフェストの正当性を立証できないから、方向性がはっきりしないところに、今の政治の最大の問題点があるんじゃないですか。私はそのことは指摘させていただかなければいかんと思います。いかがお考えでしょうか」

 野田首相「あの、マニフェストについては昨年の8月、当時の幹事長の、今の岡田(克也)副総理のもとで検証しました。マニフェストの中で実施していないのは6%です。その中でやってきたことは、特に政権交代したことによって変わったことは、社会保障をしっかり維持していこうというところです。そこは初年度の予算編成でも、従来では自公政権の時代には2200億円削ってきたものを9.8%増やしました。社会保障をしっかりしてほしいと思っている国民は多いんです。それを支えるためにどうしても安定財源が必要である、それが消費税であるということをご説明することによって、国民の皆さまにご理解をいただきたいというふうに考えておる次第であります」

  谷垣自民党総裁「最後に申し上げます。野田総理ね、私、2つ問題があると思うんですよ。野田総理が本当に消費税を成し遂げたいとするならば、まず党内をしっかりまとめていただきたい。これが1つ。もう1つは、国民との信頼関係をきっちり作り直していくこと。つまりそれは(衆院)解散ですよ。それをきちっとおやりになれば、私どもと方向性があって、その先に協力する道はいくらでも開ける。このことを申し上げて終わります」


 谷垣総裁の消費税増税民主党内反対派の無視できない存在とその存在への説得なしに増税は実現不可能ではないのかといった指摘に対して野田首相は消費税増税決定は「党内手続きを踏んだ」「民主的プロセスを踏んだ」「党議として今の方向を決めた」と党決定に問題はないと盛んに強調している。

 但し「民主的プロセスを踏んだ」と言うことは、例え最少僅差であっても、賛成多数を得たということでなければならないから、賛成多数を得た消費税増税の間違いのない決定だということになる。

 自分の人柄をドジョウに譬えて朴訥だとしている野田首相の言うことにウソはないはずだ。

 そして消費税増税を51対49の党内世論でも、手続きを踏んで決めたらみんなで頑張っていくということをぜひ、皆さんの前にお示しをしていきたいと思います」と言い、51対49でも党で決めたらしっかりと野党の皆さんと協議をする」と、党内世論が「51対49」の僅差の反対多数であっても、与野党協議を進めていくと決意を述べている。

 「民主的プロセスを踏んだ」賛成多数がとしながら、党内世論を「51対49」の反対多数に譬えることは「民主的プロセスを踏んだ」と言っている言葉をウソにする矛盾そのものであろう。

 「民主的プロセスを踏んだ」賛成多数が正真正銘の決定なら、「51対49」といった反対派多数の譬えは出てこない。

 「民主的プロセス」と言いながら、それが真に「民主的プロセス」ではないことの潜在意識が言わせた「51対49の譬えではないかの疑いは民主党を離党した中後淳(ちゅうご あつし)新党きづな議員の2月23日(2012年)衆院予算委国会質問が証明してくれる。
  
 中後淳議員「国民の代弁者である党所属の国会議員、国会議員の意見を反映するということが政治主導を実現するということの大前提条件だったと思います。

 しかしですね、多数の意見を抑えて、政府提案がドンドン優先されて行くことを私は中で見てきました。これは官僚主導に乗っ取られたという思いであって、非常に残念な、非民主的手法であったというふうに考えております」

 野田首相「社会保障と税の一体改革の議論も成案をつくるまで半年間かかり、そのあと素案をつくるまでも、相当な時間を要しました。強硬に決めたつもりはありません。

 党内民主主義に基づいて熟議をやってまいりました。それは私はご批判に当たらないというふうに私は思っております」

 中後淳議員「私は中で議論していた人間の一人として、本当にこれ、民主党という名前の党なのかなあというふうに思っていました。例えば復興増税のときの、党の意見の集約の仕方、『ご一任いただけますか』という発言があると、拍手が起こって、『ありがとうございました』と言って、怒号の中でそれが決められていくというような、そんなやり方をしていて本当に民主主義かなーというふうに私は中で感じていました」

 中後議員はこの発言に対する答弁を求めずに野田首相が言っている「この日本に生まれてよかった」というビジョンへの質問に移っていく。

 野田首相は党内民主主義に基づいていると言っているが、基づいてはいないとは言えないからだろうが、「51対49」の反対派多数の譬えと併せ考えると、賛否の議論の収拾がつかなくなると、執行部の「ご一任いただけますか」の一言を合図に、反執行部反対派の怒号が巻き起こるが、それを無視、強引に一任取り付けの形を取って執行部の意向を押し通し、決定だとするのが野田首相の言う“党内民主主義に基づいた熟議”であり、「民主的プロセス」の実態ということのようだ。

 但し執行部と反執行部が立場を逆転しても同じ決定を慣習としているのではないだろうか。またこのことは民主党内だけのことではなく、自民党も似たような状況にあるから、下手なことは反論できなかったということもあるかもしれない。

 だとしても、「党内手続きを踏んだ」、あるいは「民主的プロセスを踏んだ」決定のあとに倒閣意志を表明したりの反対の声が上がっている「党議」を無意味化している様相は野田首相が党代表としても、内閣の最高責任者としても党及び内閣を統率も統一も満足にできていない別の矛盾した状況を示すもので、その指導力の欠如、説得力の欠如をあからさまに証明していることになる。

 谷垣総裁は、「民主的プロセスを踏み、党内手続きを踏んだ消費税増税の決定っだったということは百歩譲って認めましょう。にも関わらず無視できない数の反対派が反対の声を上げ、党内は分裂状況の様相を呈している。足許が乱れている。それを未だ抑え切れていないというのは野田さん、あたなが指導力を欠いているからではありませんか」といったことを言えばよかった。

 だが、谷垣総裁は「まあ、野田さんがそこまでおっしゃるならば、やっぱり党内をきちっと掌握されて、方向性をきちっと定められるのを私どもも固唾をのんで見守ってまいりたいと思います」と野田首相が言っていることの矛盾に気づかずにあっさりと引いてしま、慌てさせることもできなかった。

 野田首相にしたら、例え閣議決定した社会保障制度改革像を(と言っても、その像は確たる具体像を取っているわけではない。このことは後で証明する)野党に妥協してその姿を変質させることがあっても、与野党賛成の形に持っていくことで民主党内消費税増税反対派の数を上回って国会を通すことを狙っているのかもしれない。

 このことが民主党案に大きく違ったとしても、与野党で決めたという大義名分を獲得できる。

 いわば党内を纏めるよりも、纏めるだけの指導力がないからでもあるだろうが、自公、最低でも公明を取り入れる方向によりエネルギーを注いでいるといったところなのだろう。

 前原民主党政調会長が公明党案を丸呑みした郵政改革法案概要を新たに提示したのは消費税問題でも取り込むことを視野に入れた動きでもあるに違いない。

 昨日の党首討論で山口公明党代表が国会議員歳費2割削減を提案すると、その提案に早速賛成の意を示し、党首討論後の政府・民主三役会議でさっそく歳費削減の検討を指示したとマスコミが伝えていることも、消費税増税協力取り付けを視野に入れた公明党へのすり寄りに違いない。

 もう1箇所の大きな矛盾点を取り上げてみる。
 

 《【党首討論詳報】(2)首相「報道が間違いだ」》MSN産経/2012.2.29 17:40)と 《【党首討論詳報】(3)首相「一緒に消費税引き上げるために努力しよう」》MSN産経/2012.2.29 19:32)に跨っている。

 谷垣自民党総裁「(社会保障制度改革は)具体的には何も決まっていないのが現状ですね。社会保障制度の改革について、新年金制度ということも言っておられる。これは、来年度法案を出すということのようですが、あとの、被用者年金の一元化、それから、社会保険をパートの方たちへ拡大適用していくと。あるいは、後期高齢者制度の廃止。みんな掲げられているんですが、まったく内容がつまっていない。

 要するに、税制改正ということだけが先行して報道によりますと、それだけが先行して、国会提出されるという報道もあるんですね。これでは、一体改革という名前には私は値しないと思います。協議をしろということも、総理からも再三お呼びかけがございますが、中身があまりにもそれでは乏しいのではないか。要するに、相撲やって、ばんと立ち上がって、がっぷり四つに組もうと思ったら、野田総理から、かたすかしを食ってしまったような形になりはしないか。だから、私は今、この場で、そういう税財政の具体策、あるいは今申し上げたような社会保障関係の法案をお出しになるのかならないのか。いつお出しになるのか。このことをうかがいたい」

 野田首相「あの、まず私は、はたきこみとか、かたすかしは大嫌いです。がっぷり四つでいきたいと思うんです。そこで、一体改革ではないんではないかと。社会保障はどうなってるんだという今、ご指摘ですよね。

 税の方が先に出ている。そういう報道があるというお話でありました。報道が間違いです。社会保障と税の一体改革、これ大綱、閣議決定いたしました。

 よく読んでいただければと思うんですが、第2章、第3章で全体の方針、方向性出しています。その他、社会保障の改革については順次、実施すると書いてあるんですね(会場から笑い)。いやいや、笑う話ではないんです。順次実施する中で、まさに今国会中、法案を提出して実現をするもの、平成24年度以降に法案を出して実現をするもの。中長期的な検討。これは具体的に明記しています」(以下野田発言は略)

 谷垣自民党総裁「きちっとまとめて出していただけるわけですね。今総理、お答えにならなかった後期高齢者(医療)制度、廃止するというのはどうなりますか」


 谷垣総裁は消費税増税が先行していると追及したが、否定されると、「きちっとまとめて出していただけるわけですね」で片付けてしまっている。「まず私は、はたきこみとか、かたすかしは大嫌いです。がっぷり四つでいきたいと思うんです」といった言葉、「報道が間違いです」という強気の言葉に気圧されてしまったのかもしれない。

 だが、野田首相はここで消費税先行を証明する言葉を自ら発している。

 「第2章、第3章で全体の方針、方向性出しています。その他、社会保障の改革については順次、実施すると書いてあるんですね」

 笑いが起きるのは当然である。だが、谷垣総裁は気づかなかった。「全体の方針、方向性」を出した段階とは具体像が固まる前段階を言うはずである。具体像が固まっていなければ、「社会保障の改革については順次、実施する」こともできない。

 谷垣総裁は2月17日(2012年)に閣議決定した「社会保障・税一体改革大綱」を詳細に読んだのだろうか。谷垣総裁が指摘した「後期高齢者(医療)制度」を1箇所のみ「大綱」で触れている文言を取り上げてみる。

 社会保障・税一体改革大綱について(閣議決定/2012年〈平成24年〉2月17日)

(4)高齢者医療制度の見直し

○ 高齢者医療制度改革会議のとりまとめ等を踏まえ、高齢者医療制度の見直しを行う。
○ 高齢者医療の支援金を各被用者保険者の総報酬に応じた負担とする措置について検討す
  る。


(注)現在は、平成24 年度までの特例として、支援金の3分の1を総報酬に応じた負担とする措置が講じられるとともに、併せて、協会けんぽに対する国庫補助率を13%から16.4%とする措置が講じられている。

☆ 具体的内容について、関係者の理解を得た上で、平成24 年通常国会に後期高齢者医療制
  度廃止に向けた見直しのための法案を提出する。

○ 70 歳以上75 歳未満の方の患者負担について、世代間の公平を図る観点から、見直しを
  検討する。


(注)患者負担は、69 歳までは3 割、70 歳以上75 歳未満は2 割、75 歳以上は1 割と、年齢に応じた負担割合を設定しているが、70 歳以上75 歳未満については、毎年度、約2千億円の予算措置により1割負担に凍結されている。

☆ 平成24 年度は予算措置を継続するが、平成25 年度以降の取扱いは平成25年度の予算編
  成過程で検討する。


 文字に色を着けた箇所はすべて決定事項ではない。今後の決定に待つ未確定事項に過ぎない。「検討」、「見直し」の言葉はここだけではない。「素案」を一字一句違えずに「大綱」としたから、「素案」で数えても「大綱」の数となる。以前グログ記事にするために「素案」でさっくりとだが数えたところ、60箇所近くあった。

 今後の検討や見直しに待つという内容となっていながら、いわば改革の具体像が未だ固まっていないうちに、2014年4月に現行消費税5%に+3%の8%、2015年10月に8%+2%の計10%の消費税増税を決めている。

 これを消費税増税先行と言わずして、何と言ったらいいのだろうか。「報道が間違いです」は自己正当化のウソに等しい強弁に過ぎない。

 岡田副総理も2月1日(2012年)衆院予算委で小池百合子自民議員が私のざっくりとした計算と違って、「検討」箇所が81箇所もあるからと社会保障制度改革素案の未確定性を取り上げて追及したのに対して確定した具体像となっていないことを認めている。

 岡田副総理「確かに検討を残しているものはございます。我々が全部固めてしまってから協議するよりは、そういったところを残して一緒にご議論頂きたい」(要旨)

 要するに与野党協議の余地を残すために確定的な具体像とはしなかったと言っている。

 社会保障制度改革の具体像を確定してから、それを実現させるためには財源がどれだけ必要だという計算が初めて成り立ち可能となるはず。そのような段階を踏まずに逆の段階を取って、先に消費税増税率を決め、増税時期まで決めてしまった。

 野田首相の昨年8月29日(2011年)の民主党両院議員総会民主党代表選の演説。

 野田首相「ドジョウはドジョウの持ち味があります。金魚の真似をしてもいけません。赤いベベをした金魚にはなれません。(一段と声を挙げて)ドジョウですが、泥臭く国民のために汗をかいて働いて、政治を前進させる」

 朴訥に辛抱強く国民のために汗をかくと言っている。この自らあるべきだとした自身の姿に反する矛盾とウソに満ちた党首討論の発言となっているにも関わらず、谷垣総裁は追及し切れなかった。

コメント (2)
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