武器輸出三原則見直し撤回から見る政権維持が自己目的化した菅内閣

2010-12-10 09:51:29 | Weblog

 北沢防衛相が国際共同開発に参加して技術力を維持する、国内の防衛産業を育成し、防衛技術の向上・維持を図るといった名目で見直しの方針を示していた武器輸出三原則に関してその見直し方針を撤回することになった。

 最初に断っておくが、私自身は見直しには反対である。一旦見直すと際限もない開発欲求の底なし沼に引きずり込まれることになるし、国の安全保障は総合力で他国と立ち向かうべきだと思うからである。軍事力のみが安全保障を保証するものではない。

 経済力、文化力、政治力、外交力等々のバランスのよい向上・維持の総合がよりよい国の安全保障の力となり得るはずである。

 だが、経済は20年来低迷、文化力もアニメやオタク文化、寿司等の日本食文化が一部外国で持て囃されているといっても、観光客の大幅な出超を見ても分かるように文化の発信となると、総合的には他国に引けを取る。

 特に日本の政治力、外交技術は自立(自律)的な力を持ち得ていない。軍事力を拡大させたとしても、アメリカ追従は変わらないだろうし、対中に対する尖閣諸島問題の解決、対ロに対する北方四島問題の解決に役立つ程の政治力、外交技術を持ち合わせているとは思えない。対北朝鮮問題でも韓国と北朝鮮が軍事衝突した場合、日米韓が総合して対処すればいいことだし、軍事力の拡大よりも政治力、外交技術を磨くことが重要であろう。拉致問題の交渉にも役立つはずだ。

 北沢防衛相は10月10日、ベトナム訪問中に見直しについて次のように言っていた。《「武器輸出三原則」見直しを検討 北沢防衛相が表明》asahi.com/2010年10月11日1時35分)

 北沢防衛相「国際的には共同開発が主流になってくる中で、身動きのとれないような形で(日本の)生産基盤や技術基盤が劣化していくのを手をこまねいてみているわけにはいかない」

 日本の優れた宇宙開発技術は防衛産業が関わっていたとしても、外国との共同開発ではなく、その殆んどは独自開発であるはずなのだから、北沢防衛相の「国際的には共同開発が主流になってくる」は意味を失う。

 経済力をつけ、政治力、外交力をつけることで、相対的に軍事力をカバーできるはずだ。

 記事は武器輸出三原則の成り立ちと経緯を解説している。

 〈武器輸出三原則は、1967年に佐藤内閣が、

 (1)共産圏諸国
 (2)国連決議で禁止された国
 (3)国際紛争当事国または恐れのある国――への武器輸出を認めない方針を表明。76年に三木内閣が原則禁止に適用を拡大した。83年に中曽根内閣が米国に対する技術供与を認め、04年には小泉内閣がミサイル防衛の日米共同開発・生産に限り、厳格な管理を条件に例外としている。 〉――

 次第次第になし崩し的に適用除外が増加し、原則が原則の体裁を成さなくなっていく。

 「手をこまねいてみているわけにはいかない」と見直しに積極的だった北沢防衛相だったが、その態度を急変させる。
 
 《防衛相“社民党配慮も重要”》NHK/10年12月7日 12時35分)

 北沢防衛相「防衛省としては、自衛隊装備の調達の円滑化やコストの低減に向け、ほぼ1年かけて研究してきた。内閣として、今の情勢の変化に基づいて対応することは重要であり、武器輸出三原則の見直しに向けた、わたし自身の方針は変わらないが、来年の通常国会に向け、内閣の基盤を強化するため、菅総理大臣と社民党の福島党首が会談をした。こうしたなかで、政策として進めてきたことと、政局として進めることの調和はこれからだ。わたしは閣僚の一員であると同時に、民主党の古い党員でもあるので、せっかく成し遂げた政権交代をおろそかにすることもできない」

 本人の見直しの方針に変化はないが、「内閣の基盤を強化」し、政権を維持するために「政局」を優先させるとしている。

 「政策として進めてきたことと、政局として進めることの調和はこれからだ」とは言っているが、政策に政局が付き物だとしても、異質の要素である「政局」を三原則の見直しを進めていた過程で入れることになったのだから、既にこの時点で政局を優先させたことになる。政権維持のために政策を犠牲にするということだろう。

 実際に菅首相は7日(2010年11月)に防衛大綱への武器輸出三原則緩和の明記を見送っている。政局優先・政権維持優先のキッカケは北沢防衛相が指摘しているように菅総理大臣と社民党福島党首の会談なのは断るまでもない。かつて連立を組んでいた社民党との協力を取り付けて、ねじれ状況の参院で否決された法案を衆院に戻して再採決させて成立させる条件としての衆議院議員3分の2を確保する狙いからだと言われている。

 防衛大綱への明記見送りによって菅首相は武器輸出三原則見直しの政策を捨て、政権維持の交換条件としたわけである。いわば政策に対してではなく、政局に菅首相の指導力は発揮された。

 そうだとしても、今後の展開はどういう目が出るかは今後の問題である。

 現在衆議院は民主党、国民新党、その他で312議席確保している。社民党の6議席入れて、318議席。全480議席の3分の2は320議席。2議席不足する。それでも320議席に少しでも近づきたい気持があったのかもしれない。

 6日の会談後、菅首相は記者団に発言している。《菅直人政権、社民党と協力へ》BTimes/2010年12月7日 12時57分)

 菅首相「社民党、すでに連立している国民新党との関係をより緊密、かつ戦略的にとらえて共闘していきたい」
 
 記事も衆議院3分の2確保の必要上の措置だと解説している。だが、〈社民党は今年5月、米軍普天間基地異説問題をめぐり福島党首が大臣を罷免されたことから、連立を離脱していた。〉と触れているが、例え武器輸出三原則をクリアできたとしても、社民党が普天間問題では県外、もしくは国外移設を党の「一丁目一番地」としている以上、早晩、そう遠くないうちに菅内閣の日米合意推進と衝突することは予定スケジュールとしなければならないはずだが、どう話し合ったのだろうか、調べた限り、扱っているのは武器輸出三原則見直しの見送りばかりである。

 まさか何ら話し合わなかったことはあるまい。このことを解くカギとなる文言を記事の中に見つけることができる。〈ただ社民党と連立政権を組むことは協議していないという。〉

 社民党の協力を取り付けるについてはどういった形式にするか話し合わなければならないはずだから、連立に関する協議なしはおかしい。都合上の協議なしであろう。

 連立政権を組んだ場合、普天間の移設問題で社民党が現在の姿勢を変更しない限り、変更したら、存在理由を失って、支持者の殆んどは離れていきかねず、解党を強いられる危険を抱えることも予想されるが、鳩山前政権時と同じ閣内対立、もしくは連立与党内対立を引き起こす可能性は目に見えている。

 このことを避ける措置としての最初からの連立政権は組まないの合意だったに違いない。

 いわば社民党側も菅政権側から武器輸出三原則の見直し撤回の実を取る交換条件として連立を組まないという合意と共にその合意の中に政権への協力の見返りに普天間問題で取引しないというもう一つの合意を含んでいたのではないだろうか。

 あるいは逆かもしれない。武器輸出三原則では取引しても、普天間問題では取引しない。そのためには連立を組まないが双方の党存続のための最善の保証だとする総合的な合意に達した。

 それぞれが交換条件を出し合った結果、このような合意が双方に都合のいい着地点だということなのだろう。連立を組まないことによって、菅政権は日米合意に向けた立場を自由に取れるし、社民党も自らの反対の姿勢を貫くことができる。その上で擬似連立与党の役目も果たすことができる。

 しかし社民党が普天間問移設題を党の「一丁目一番地」としていることは決して譲ることはできないとする決意の言い替えであるはずである。あらゆる手段を使って何としてでも阻止する努力をしなければ「一丁目一番地」に顔向けできないと思うが、それぞれに任せることとし、他の政策では協力するというのは結果として「一丁目一番地」の放棄、党の主体性の放棄とならないだろうか。

 そもそもからして福島党首は武器輸出三原則の見直し問題では来年度の本予算案、その他の政策と絡めていたのである。当然、普天間移設問題でも絡めて然るべきだが、絡めている報道は見当たらない。

 《武器輸出三原則:首相、見直し巡り苦悩 福島党首と会談へ》毎日jp/2010年12月5日 21時04分)

 12月2日の発言。

 福島党首「(武器輸出三原則を)見直すなら来年の本予算を含め、距離を置かざるを得ない」

 だが、「距離を置く」置かないから普天間問題を抜かしている。抜かしたまま、社民党は民主党、国民新党と共に早速一昨日8日に11年度予算編成に関する協議を首相官邸で開催している。

 菅首相は武器輸出三原則見直しの政策を引っ込めることで社民党協力という実を取った。社民党は表向きは普天間の辺野古移設反対の政策は掲げながらも、菅内閣に直接向けた反対はしないことによって自らの政策を実質的には引っ込めることで三原則見直しを引っ込めさせたことに加えて与党に擬似的に連立を形成する実を取ったといったところが実態なのでないだろうか。

 確かに数を確保すれば、自らの政策を推し進めることができる。だが、数の確保の過程でときどきに妥協や取引を迫られ、武器輸出三原則の見直し撤回を社民党との取引のカードとしたように推し進めていく政策自体の変質、もしくは転向を迫られる代償を支払わなければならない。

 その問題があとに残ることになる。

 また、政策をどう変質させ、どう転向させようとも、数は法案成立の力となり得ても、党内、閣内で、あるいは野党の間で色々な意見のある政策を統一的な内容に仕上げて法案の形にするまで発揮しなければならない指導力は数は単純には力となり得ない。

 例え数の力で法案を成立させることができたとしても、政策を法案の形に纏め上げる過程で指導力は国会議員だけではなく、国民の目に常に曝されることになる。決して隠しようのない指導力である。

 数を獲得したとしても、合理的判断能力を欠いた菅首相がこの点をどうクリアするかである。

 菅首相が「わたし自身どこまで頑張りきれるか分からないが、物事が進んでいる限りは石にかじりあついても頑張りたい」と言っていたことの具体化の一つが衆議院3分の2確保に向けた社民党からの協力の取付けだろうが、政策を犠牲にした取引である点を見ると、「石にかじりついても」が政権維持が自己目的化した無節操を厭わないなり振り構わない姿勢に見えて仕方ない。

 無節操は指導力に最も遠い資質であろう。


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NHK「クローズアップ現代 ワクチンが打てない」から見る子供の生命(いのち)の軽視(1)

2010-12-09 12:44:49 | Weblog

 12月6日(2010年)放送のNHK「クローズアップ現代 ワクチンが打てない~遅れる日本の予防接種~」を視た。NHKのWEBサイトの当該ページには次のように紹介している。

 〈海外では全ての子どもに無料で打つのが当たり前のワクチンが日本では使えない、数万円の費用が壁となり接種率が上がらない、など、日本の予防接種は他の先進国より20年遅れていると言われている。このためポリオにかかって手足がマヒしたり、肺炎球菌やヒブに髄膜を侵され命を失う子ども達が後を絶たない。かつてはワクチンを積極的に接種していた日本が、なぜ「遅れた国」と言われるまでになったのか?背景には、副作用問題に揺れてきた過去やワクチンの効果を検証する体制の不備があるとみられている。社会の将来を担う子ども達を大切に育てるには、今、何が求められているのか?事実上の義務化を進める欧米の事情も取材し、ワクチン問題解決の方策をさぐる。〉――

 日本を「ワクチン後進国」だと名称づけている。それも「20年遅れ」だと。

 あんまりではないか。今年度中にその座を中国に譲ると言われているが(既に抜かれたという報道もある)、長年築いてきた世界第2位の経済大国ニッポンが20年遅れの「ワクチン後進国」だとはどのような逆説で成り立たせた「ワクチン後進国」なのだろうか。

 世界第2位の経済大国という勲章に実体が伴って初めてその資格の有効性が証明され、その資格を誇ることができる。だが、これまで長年世界第2位の経済大国であることを誇ってきた。戦争で国土を破壊され、国の富を失い、多くの国民の命を落としながら、戦後からたったの23年、1968年に西ドイツを抜いて世界第2位の経済大国に躍り出て以来、21世紀の今日まで約40年間、「世界第2位」の勲章をほしいままにしてきた。

 世界第2位の経済大国の実体とは勿論のこと、世界第2位の経済大国にふさわしい国民の生活を言う。世界第2位の経済大国でありながら、世界第2位の経済大国にふさわしい国民の生活を実体としなければ、世界第2位の経済大国という勲章はいささかメッキ臭くなる。

 何が本質的原因を成している20年遅れの「ワクチン後進国」の勲章なのだろうか。

 番組を大まかに振り返ってみて、答を見い出してみたいと思う。

 ワクチンとは弱くした病原体などを注入することで身体に抵抗力を持たせる役目のクスリで、それを接種することで一人ひとりの病気を防ぎ、社会に病気が広がることを防ぐことを目的としているという。

 しかし根本に置かなければならない思想は子供一人ひとりの生命(いのち)を守るということであろう。生命(いのち)とは生きて在る肉体だけのことを言うのではなく、喜怒哀楽の感情、視・聴・味・嗅・触の五感等々が障害なく十全に発露できる自由な精神を一体とさせて生命(いのち)と言うはずである。

 いわば自由な肉体が保障されてこそ、自由な精神が発揮可能となり、自由な精神が保障されてこそ、自由な肉体は意義づけられる逆もまた真なりの関係にあると言える。

 思想・信教の自由や表現の自由等の基本的人権の保障も、それらを個人の権利として保障することで初めて自由な精神を備えた十全な生きて在る生命(いのち)とすることができるからだろう。

 生きて在る肉体だけの生命(いのち)の保障であるなら、国民の生活という実体を伴わない世界第2位の経済大国という勲章と同じく、そこに精神の空洞を置くことになる。

 自由な肉体を守ると同時に自由な精神を守ることによって生命(いのち)を保障すると言えるワクチンが日本ではなかなか接種できない状況にあるという。海外では広く承認されているワクチンが日本では未承認であったり、値段が高いために普及が遅れている。当然、その弊害が現れているゆえに20年遅れの「ワクチン後進国」の栄誉・勲章を受けることとなっているのだろう。

 ここでアメリカと日本で無料で受けることができるワクチンを列挙している。

 日本の無料のワクチン。

 はしか・破傷風・ジフテリア・百日咳・風疹の5種類。

 アメリカの無料のワクチン。

 A型肝炎・B型肝炎・肺炎球菌・ビブ・子宮頸がん・インフルエンザ・おたふく風邪・水疱瘡・不活性ポリオ・ロタウイルス・髄膜炎球菌の11種類。

 ビブワクチンとは「小児に於ける髄膜炎、肺炎、喉頭蓋炎、敗血症などの全身感染症の原因となるインフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b=Hib)に対する細菌ワクチン」で、「Hib 全身感染症は特に5歳未満の乳幼児でみられ、疾患としては予後不良率が高い細菌性髄膜炎が最も多く、各国に於いて重要な公衆衛生上の問題となって」いて、「海外ではヒブワクチンの接種による予防が積極的に行われており、患者数は減少してきて」いるという。HPさとうファミリークリニック

 〈ロタウイルス(Rotavirus)とは、レオウイルス科の一種のウイルスで1973年に見つかった。2層のタンパク質の殻に覆われた2本鎖RNA(double-strand RNA)ウイルス。 一般に乳児下痢症・嘔吐下痢症の原因としても知られている。アメリカ合衆国では年間50 万人以上が主に下痢症状で受診し、特に小児は重篤な下痢を起こし易く、罹患患者の10 %は入院となる。地域差があると考えられるが世界で毎年約70 万人程度が亡くなっていると考えられている。〉(Wikipedia

 ワクチン接種思想が子供一人ひとりの自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守ることにあるなら、アメリカと日本のこの差は国、あるいは行政の子供の生命(いのち)に対する重視・軽視の差ということになる。

 このことは後出の行政側の発言が証明してくれる。

 B型肝炎などの有料のワクチン接種は数千円から数万円の費用がかかるという。この高額な費用が重い病気に苦しむ子供が跡を絶たない状況をつくり出しているそうだ。

 但し20年程前までは最新のワクチンの多くを無料で打つことが義務付けられていたと言うが、なぜ義務化をやめたのだろうか。

 20年前までの義務化はそれまでは自由な肉体と自由な精神を一体とさせた子供の生命(いのち)を尊重する思想にあったことになるが、こういった思想は伝統とし、文化として受け継がれるはずだが、それが今の日本で失われたとするのは矛盾することことになる。明治維新で西洋の仲間入りを果たすために西洋の法律・学問・芸術・技術等の文物を盛んに取り入れたように単に先進国の一員であることを装うための条件として無料接種を取り入れたのではないだろうか。そうすることによって伝統・文化とし得なかったことに整合性を与えることができる。

 子供の生命(いのち)を自由な肉体と自由な精神を一体とさせて守るという思想からの無料接種でなかったからこそ、今日まで20年間も、さらに将来につなげて「ワクチン後進国」の栄誉・勲章という世界第2位の経済大国の実体にそぐわない冠を頭に戴くことになったはずである。

 島根県出雲市の小児科医及川馨院長「ヒブと肺炎球菌と二つやると、8割から9割くらいの(細菌性)髄膜炎が防げる」

 だが、ヒブワクチンは1回7千円、肺炎球菌ワクチンは1回1万円で、最も多い場合でそれぞれ4回ずつ接種する必要があり、総額で7万円近くの出費となる。

 及川医院を訪れていた若い母親が診察室で幼い子どもを胸に抱き、「ちょっと厳しいかなと思います。やっぱり実費ということがあるので、お財布と相談して考えようかと思います」

 及川院長は親の収入格差が子供の健康格差につながっているのではないかと心配しているという。例えば地元の島根県では肺炎球菌ワクチンの普及率は約7%で、全国で下から6番目、最も普及率の高い東京都の4分の1。島根県以下は岩手→山形→秋田→佐賀→沖縄と続いている。都市と地方の経済格差がほぼワクチン普及格差に重なっているのではないだろうか。そして親の収入格差が子供の健康格差と重なり、教育格差にもつながっているという世界第2位の経済大国の勲章・栄誉の実体。

 及川院長「おカネがあれば、接種して(病気に)かからずに済む。おカネがないと接種できないから、(病気に)かかってしまう」

 こうした劣悪・貧困な「ワクチン後進国」状況の改善を迫られたからだろう、政府は先月11月26日(2010年)、ヒブ・肺炎球菌・子宮頸がんの3種類のワクチン接種費用を、国と市区町村が折半して、今年と来年に限り無料にすることを決定した。 

 再来年以降まで見据えた子供の生命(いのち)を自由な肉体と自由な精神を一体とさせて守る思想の決定となっていない。「次代の社会を担う子どもの健やかな育ちを社会全体で応援する」という民主党政権の子ども手当の趣旨はワクチン接種制度には生かされていない。

 政府は国と市区町村折半と決めたが、財政難に喘ぐ自治体からワクチン関連の予算を倍増させなければならないために悲鳴が上がっていると番組は紹介している。

 中・低所得層の親には負担となる高額なワクチン接種額なのだから、財政難の地方都市に於いても同様の負担が反映されることを政府は予見しなければならないはずだが、政府の子供の生命(いのち)を自由な肉体と自由な精神を一体とさせて守る思想自体が貧困で、欧米先進国と比較したワクチン接種状況の遅れを単に少しでも取り戻す必要上からの機械的な決定に過ぎないから、今年と来年のみの当座しのぎの見据えとなったのではないのか。

 出雲市役所健康増進課・課長「今まで2億から2億4千万円のところを、それの倍ぐらい支出しなくてはいけないので、厳しい」

 予算を出せない自治体が相次ぎ、全国市長会では地域間格差が生じてしまうと懸念を表明したという。既に生じていた島根県のワクチン普及率が東京都の4分の1という地域間格差、親の収入に応じた子供の健康格差をそのまま引き継ぐ、あるいはそれ以上の差を生じさせる地域間格差であろう。

 番組は言う。「こうした地域格差や親の収入格差は他の先進国では問題になっていません」

 先進各国の2009年のヒブワクチンの接種状況

 アメリカ(無料) ――93%(2007年)
 イギリス(無料)――93%
 イタリア(無料)――98%(2008年)
 ドイツ (無料) ――94%
 フランス(無料)――97%
 日 本 (有料)――データなし

 何という世界第2位の経済大国なのだろう。子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想を存在させていない世界第2位の経済大国の勲章・栄誉となっている。

 及川院長「ヒブができないのは日本か北朝鮮ぐらいだというふうに言われるように(失笑しながら)そういうふうに他の国は殆んどやっている。日本は財政的にも遅れることになると思う」

 国民を飢餓・餓死に陥れながら将軍様を名乗っている独裁者金正日の北朝鮮と比較され、肩を並べているとされたのだから、これまた勲章・栄誉となる輝かしい評価である。

 共通項は北朝鮮程ではないが、国民の生命(いのち)の軽視なのは言うまでもない。

 NHK「クローズアップ現代 ワクチンが打てない」から見る子供の生命(いのち)の軽視(2)に続く



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NHK「クローズアップ現代 ワクチンが打てない」から見る子供の生命(いのち)の軽視(2)

2010-12-09 11:31:20 | Weblog

 日本では最新のワクチンが使えず、従来からのワクチンを接種したために稀に重い障害に陥る例として日本で唯一使えるポリオ生ワクチンを挙げている。生きた病原体を使うため、効き目は強いが数十万人から数百万人に一人の確率でポリオを発症する危険があるという。

 しかも現在この生ワクチンの使用は日本以外ではポリオが流行している一部の発展途上国のみだというから、これまた有り難いばかりの栄誉・勲章となる肩を並べた医療事情ということになる。

 先進国での使用は化学処理等で死んだ病原体を使う、ポリオを発症することのない不活化ワクチンだそうで、現在最新のワクチンとされているという。

 生ワクチンの接種で身体の様々な箇所が麻痺してしまうポリオを発症させた4歳の男児の若い母親の声を伝えている。

 若い母親「予防するためのもので病気になったなら意味がないですよね」

 母子手帳を見せたが、ポリオを発症して以来、危険が殆んどない、高い効果が期待できる他のワクチンでも、接種する気になれないからと接種の記録がなく、空白のままとなっている。

 若い母親「健康な身体なのに、却って健康被害に遭って、さらに悪くなったら、とてもじゃないと・・・・」

 癒えない悔しさを顔の表情にもまざまざと見せていた。

 最新のポリオワクチンが接種できない理由の一つは新しいワクチンが承認されるまでに海外と比較して非常に長い時間がかかることにあるという。不活化ポリオの場合はアメリカでは2年で承認されたものもあるが、治験から承認に至る中途過程での審査の担当官が少ないといった国の体制の不備を挙げて、日本では10年以上前から治験が始まっているにも関わらず、未だ一つも承認されていないと状況を説明しているが、体制不備といったこの“後進性”も子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想の希薄さが根本原因として横たわっていて、そのことが招いている後進性であろう。

 子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想の希薄さが招いている“後進性”であるからこそ、外国製の優れたワクチンの存在にも関わらず、国が国内メーカーの開発に拘って、外国製ワクチンさえも承認しない姿勢となって現れているに違いない。

 厚労省健康局・外山千也局長「国民の命に関わる問題ですから。一方でやっぱり安定供給ということを考えると、国内、まあ、薬業の振興ということもないわけじゃありませんけども、安定的供給と危機管理を考えれば、国内を優先すること、それはどこの国でも、あの、当たり前と思いますけど」

 なぜ報道機関は言わせっ放しにするのだろうか。

 最初に持ってくるべきは「国民の命」であって、「国民の命」の前に如何なる障害を置くべきではないにも関わらず、「国民の命に関わる問題ですから」と言いながら、「薬業の振興ということもないわけじゃありませんけども」と、10年以上前からの治験にも関わらず一つも承認されていない状況からしたら「国民の命」に障害となっていると断言できる「薬業の振興」を介在させる矛盾を矛盾と思わずに理由として挙げている。

 また、「安定的供給と危機管理」を理由として“国産優先”を言っているが、「安定供給」を言うなら国に承認されたワクチンをいくつか抱えてから言うべきで、これも10年以上前からの治験にも関わらず一つも承認されていない状況で「安定供給」を言う資格はなく、さらに外国産のワクチンが安全に使用されている状況からしたら「危機管理」も理由を失う。

 「安定的供給と危機管理を考え」ている間にも子供は病気に罹っている。子供の病気は何年かかるか分からない「安定的供給と危機管理」の充実を待たない。

 にも関わらず“国産優先”に拘っているのは子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想を欠いているからとしか言いようがない。

 番組は先進国の中で日本のワクチンが遅れを取っている間にも現在も新たな患者を発生させていると解説しているが、そういった待ってくれない状況にあるにも関わらず、日本の行政は「安定的供給と危機管理」を言い募り、「薬業の振興」を言って、待たせる状況をつくっている。

 何という恥知らずな生命(いのち)の軽視なのだろうか。

 大人のポリオ患者「ワクチン行政50年経っても、変わっていない。未だに私と同じような被害者が毎年出続けているということに関して、私は、それはおかしいだろうって、防げるはずのものを防がない、国の責任は大きいと思います」

 ゲストの神谷齊(国立病院機構三重病院 名誉院長)が解説している。

 神谷齊名誉委員長「一つは日本は非常に潔癖主義と言いますか、非常に綺麗なワクチンを特別に使おうという気持が強くて、審査基準が少し厳しい。これも決して悪いことではないが、外国のワクチンが既に外国で使っているものを入れていくときには、人間が使って安全だということが分かっているわけだから、もう少し遣り方を考えてもいいと思うが、そこが一つの大きな原因となっている」

 毎年患者が出続けているというのに、「潔癖主義」も何もない。潔癖主義を優先させて国民の命を疎かにしたら何の意味もない。

 経済的な地域格差や親の収入格差が子供の健康格差に影響を与えていることについて。

 神谷齊「それは本当にその通りだと思います。ですから、ワクチンを他の国がやっているように無料化することが非常に大事なんですね。これは厚生省がやっているだけでは、もう財政当局から締められると終わりになってしまうから、やはり国が予防接種の必要なものは必ず国がやるということを決めてかからないとできない」

 森本健成アナウンサー「日本では無料のものと有料のものが今の段階であります」

 神谷齊「その基準が予防接種法という法律で有料と無料のものが分けられている。ここの隔てを外さないことには日本は必要な予防接種はどんどん打てるような格好にはならない」

 アナウンサー「その分け隔てを取っ払って全部無料にすべきだという」

 神谷齊「全部と言っても、中には色々個人を守るだけのものであるが、ほぼ全体のワクチン、ワクチンで予防のできるものは無料にするのが基本だと思います」

 アナウンサー「先月の国会でヒブ、肺炎球菌、子宮頸がんについては無料化を目指すということになりましたが、それに関しては」

 神谷齊「それはもう大変いいことで、画期的な手続きではあるが、ただそれは定期接種にすることがきちっと決まったわけではなくて」

 森本アナウンサー「定期接種と――」

 神谷齊「無料にするということで2年に限って,今年と来年の分だけは無料にするということになりましたけども、今後についてはしっかり話がされていない。このことはきちっとやってもらわないと困る。折角三つを入れたということは評価する。他に小児科領域では前から必要だと言われている水疱瘡のワクチンとおたふく風邪のワクチン、ポリオのワクチンの不活化もそうだが、そういうものをきちっと今後もやっていくということが保証されないと。これ三つだけ決められただけでは、大きな改善になったとは言えないところもあるから、ここを今後頑張って欲しいと思う」

 日本が新たなワクチンの無料化に消極的になったのは20年前からで、その辺の事情を最前線の小児科医として国の姿勢に疑問を抱いていてきた山本光興小児科医に聞いている。

 難聴や脳炎になる子供が跡を絶たない、現在有料のおたふく風邪ワクチンは20年前は無料で接種できたという。

 山本小児科医「かなり感染力が強い疾患の一つですから、無料化して欲しいという要望を出しているが、現実はなっていない」

 はしか・風疹のワクチンと組み合わせた混合ワクチンとして約8割の子供が接種していたが、その副作用が数多く報告されて、1993年、国は使用を当面中止する。しかし海外では副作用の少ないワクチンが新たに開発され、各国政府の後押しを受けて普及したが、日本ではおたふく風邪のワクチンで国の承認を受けたものはなかった。

 山本小児科医「復活して欲しいと思うけど、やはり一度ダメになったものはなかなか再復活するのは無理だね」

 肉体も精神も一体的に十全な状態で育てる観点に立った子供の生命(いのち)を守る思想に駆られていたなら、些かの躊躇も許されないはずだが、日本の新たなワクチンに慎重な姿勢はおたふく風邪に限ったことではなく、この20年間に世界各国では様々なワクチンが開発され、無料化されてきたが、1993年におたふく風邪の無料混合ワクチンが一時中止となって以来、新たに無料化されたワクチンは一つもないという。

 フランスの無料化の例を挙げている。

 1995年――B型肝炎
 2006年――肺炎球菌
 2007年――子宮頸がん
 2010年――C型肝炎

 この日本の“後進性”の背景(=子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想の欠如の背景)を、宿命的ともいえる副作用を巡って揺れ動いた行政の姿に置いている。

 1992年、副作用被害を問う集団訴訟で国が敗訴。副作用事故は回避できたはずで、責任は国にあるとされた。

 厚労省健康局・外山局長「必ずやれば副作用が出ると。やらなければ、『何だ』ということなので、ジレンマをどうしても回避できない」

 羹に懲りて膾を吹く。副作用に懲りて、子供の生命(いのち)を疎かにする。「国民の命に関わる問題ですから」と言いながら、子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想を体現していないことを暴露・証明している。口先だけで言っている「国民の命」の言葉に過ぎない。

 判決の2年後、国は予防接種法を見直す。それまで国民の義務と位置づけてきた8種類の無料ワクチンを努力義務に緩和。国は一歩引いて親の自己責任に任せることにしたという。

 いわば8種類の無料ワクチン接種も当初から子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想に立った制度ではなかったということである。もしそうであるなら、副作用というどのような困難も乗り越えて、副作用の少ない国産の開発か、外国産の承認を心がけて、肉体・精神共に十全な状態を維持した状態で子供の生命(いのち)を少しでも守る方向に向けた努力を払うはずだからだ。

  厚労省健康局・外山局長「(親の)自己決定権の立場に立つという、そういう立場での改正はあったけれども、予防接種の体系という根本が『義務接種』から、『勧奨接種』へと移行したということが大きな改定なんで」

 子供の生命(いのち)を守る思想の一かけらもない発言となっている。

 ワクチンの接種を義務づけている国の一つであるフランスでは感染症から子供たちを守るのは行政の責任だとしているという。

 このワクチンの義務づけ、行政の責任姿勢は子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想を背景としてある体制であろう。

 ポリオやジフテリアなどのワクチンを接種していなければ公立小学校への入学を認めないとする厳しいルールまで設けて義務づけているという。

 フランスでは保健所で医師が接種を行っている。

 保健所女性医師「子供たちのワクチン接種は重要です。その子供を守るためだけではありません。みんなが接種することで、子供全体が守れるのです」

 「子供を守る」とは子供の生命(いのち)を守ることに他ならない。肉体と精神を守ることに他ならない。

 フランスの強力なワクチン政策を支えている要因は徹底的なデーターの収拾と管理だそうだ。いつ、どこで、何のワクチンを接種したのか病気の発生をどれだけ抑えられたか。さらにどんな副作用が、どんな頻度で発生しているのか、すべてのデータを集めて、ワクチンのメリットとデメリットを客観的に比較し、その結果を国民すべてに情報公開することで高い接種率を確保しているという。

 日本では副作用を恐れて20年遅れの「ワクチン後進国」の汚名に甘んじている。子供の生命(いのち)を守る覚悟がないから、副作用の前に逡巡することになっているのだろう。守る思想を元々欠いているから守る覚悟も出てこない。

 国立保険監視研究所――

 ジャン・ポール・キュットマン氏「副作用について、国民一人ひとりが積極的に知るべきです。そうすれば、副作用のリスクよりもワクチンを打つ価値の方が大きいということが自ずと理解できるのです」

 この発言を可能としているのは副作用の限りなく少ないワクチン開発の実績を背景としているからだろう。

 森本アナ「萎縮する日本と自信を持ってワクチンを義務づけているフランスと対照的ですよね。フランスのデータは凄いと思ったんですが、これ欧米では常識なんでしょうか。」

 神谷齊当名誉院長「ワクチンを打ってから、その後の調査をしっかりやると言うことは欧米の常識ですね。これはフランスだけではなくて、アメリカでもイギリスでも、同様なことをきちっとやっています。そのデータを如何に、今、どういうことが起こっているかということを全部オープンにして、全員に知らせて、国民がみんなそれぞれが知る権利があるし、それを知って、ワクチンを打っていこうという気持にならせるところが、やっぱり外国は上手にやっていますね」

 森本アナ「日本では、私も子供がいるんですが、一度も(データの公表について)聞かれたことはないですよね」

 神谷齊「日本は調査はゼロではない。新しいワクチンをやりますと、メーカーが責任を負って、3千例ぐらいの、後(あと)調査をやっているが、その調査で、その後のことはあまり分かりませんし、それがはっきりとオープンにされていませんので、そこが一番外国と違うところでしょうかね」

 こういう発言を聞くと、日本人は劣る人種ではないかと思ってしまう。

 神谷名誉院長は日本が「ワクチン後進国」を脱するためには、10年後には日本はこうすべきだとする先のことを厳格に考えた組織作りが必要だと指摘しているが、何よりも必要なのは子供の自由な肉体と自由な精神を一体とさせた生命(いのち)を守る思想を持つことであって、この思想の支えがなけれが、どのような組織をつくろうとも義務的意識が伴って、魂入れずの組織になってしまう恐れが出てくる。

 肉体・精神共に一体的に子供の生命(いのち)を守る思想を誰もが、特に行政が切実なものとしていたなら、国産、外国産の拘りもなく、当然、「20年遅れ」といった後進性を見せることはなかったろう。

 すべては子供の生命(いのち)への軽視から始まっている「ワクチン後進国」と言わざるを得ない。



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MY Twitterから最新記事(12月3日~12月6日)

2010-12-08 09:34:19 | Weblog

  《リンクできない記事があり、直しておきました。謝罪します。

 みなさんには見えなかったでしょうが、ちゃんと起立して、深々と頭を下げておきました。日本の謝罪慣習だからといって、腹の中で舌をペロッと出すようなことはしませんでした。

 新聞記事は何日か経過すると、アクセス不能になるかもしれません。ご了承を。》


 2010年12月07日(火) 5 tweets

北方領土で空港整備へ 「ロシアの土地だ」プーチン首相 http://t.asahi.com/ty4これは前原外相の4日の北方四島機上視察に対する仁義上の挨拶にしては強烈に過ぎる。この強烈なパンチに対して菅首相、前原外相はどう応酬するのか。まさかだんまりを決め込むわけではあるまい。(posted at 17:33:57)

防衛相“社民党配慮も重要”北沢防衛相は武器輸出三原則見直しの撤回は「折角成し遂げた政権交代を疎かにすることもできない」の言い回しで社民党を仲間に引き入れて政権を維持するためだと言っている。菅首相の「石にかじりついてでも」の周知徹底か。(posted at 16:10:41)

岡田幹事長、首脳級と会う目途立たず訪中延期とasahi.com。菅首相は胡錦涛主席との日中首脳会談後、「地域に領土問題は存在しないという基本的立場を明確に伝え」、「改めて私の就任時の6月に戻すという、そういうことを実現することができた」と請合っていた関係改善は我田引水の自画自賛?(posted at 11:16:42)

福島党首、首相に「私がぶち切れないように」 YOMIURI ONLINE(読売新聞)菅首相にしたら、民主党の安全保障政策を社民党に売り渡してでも、政権を「石にかじりついても」維持したい気持。それがすべて。(posted at 10:10:50)

ブログ更新《前原外相「北方四島はロシアによる不法占拠」の歌を忘れたカナリア》#goo_goo21(posted at 09:40:59)

2010年12月06日(月) 14 tweets

全国の支持者らから菅直人首相の写真入りポスターの撤去を求められたため、「年末年始の張り替え用」として首相の写真がない新ポスターを作製したとMSN産経。首相降しの歴史はポスターの写真降しから始まる。菅首相は農業の自立と開国の両立といっていたが、新しい首相への開国が始まる。(posted at 18:59:27)

②仙谷長官、この件を全面否定しているが、自民丸山議員が船長釈放前に仙谷長官に「法律に従って粛々とやることになるんでしょうか」と電話したとき、「そんなことをしたら、APECが吹っ飛んでしまうぞ」と答えたと国会で暴露したことと、本人は否定していても、話の展開としては見事と符合する。(posted at 18:10:31)

①毎日報道の、レアアース問題、フジタ4人拘束に続く中国側の「APECに胡錦濤国家主席が来ても、このままでは菅首相との首脳会談はできない」の通告が釈放の決め手とさせ、那覇地検が中国人船長釈放発表する前に仙谷官房長官が在中国大使館公使に「今日、釈放されます」と電話したとしている件。(posted at 18:09:41)

②ところが今日の社民福島党首と会談では「社民党と協議しながらやっていきたい」と見直し反対の同党へ配慮。これが政局次第でどうとでも変わる菅首相が唱え「熟議」のレベル。談合に近いのではないのか。(posted at 16:29:38)

①菅首相は11月16日の安保会議で武器輸出三原則について「国会で答弁できるようなものにしてほしい」(asahi.com)と発言している。いわば見直し容認の方向で答弁しても下手に追及されて立ち往生しないような理由を考えてくれとの指示だろうから、見直し容認の姿勢でいたということ。(posted at 16:28:26)

CNN.co.jp:サイの角にGPS、密猟食い止めへ 南アフリカ サイの角にGPSから亭主のパンツに超極小GPS取付けを学習する世の奥さん方も出てくるかもしれない。

菅首相、社民・福島党首に政権運営への協力要請 (読売新聞) 民主・社民統一会派結成、あるいは社民連立復帰は社民党が普天間問題「一丁目一番地」を「十丁目十番地」としたとき。何でもアリの日本の政界。(posted at 12:53:47)
グーグル向けサイバー攻撃が中国の思想・宣伝担当政治局常務委員が自分の名前をグーグルで検索したところ自身への批判的な検索結果が現れたことが理由だとすると、一党独裁の統治慣れが麻痺させた批判する者、批判を許す者は誰でも屈服させようとする独裁権力の私的独占による恣意的行使ではないか。(posted at 08:50:09)

豪で75年ぶりにバッタ大発生 農作物を食い荒らし収穫が本格的開始の小麦などへの被害拡大が懸念されているという。小麦粉が値上がりするのか、小麦が値上がりすれば、パンも値上がりすると貧乏人はこういった記事に敏感にならざるを得ない。(posted at 08:06:18)

Reading:NHKニュース “統一選で支持基盤固めを” 岡田幹事長、来春の統一地方選で結果を出して「名実ともに民主党の時代をつくっていきたい」。投票動向はほぼ内閣支持率と政党支持率に準ずる。ならば菅首相を選挙の顔から外す以外にない。(posted at 07:54:30)

Reading:NHKニュース 地方議会解散請求“要件緩和を” 解散請求の要件緩和も必要かもしれないが、地方議員の報酬決定には住民の承認を必要とする法改正を行うべきではないだろうか。(posted at 07:47:08)

国会質疑。菅首相(委員長に)「少しヤジを止めて貰えませんか」。委員長「止めても止まりませんから」。菅首相、思わず失笑。「ヤジ」を「支持率」に選手交代させると。菅首相「少し支持率が下がるのを止めて貰えませんか」。委員長「下がるのを止めても止まりませんから」 。さて菅首相、どう出る。(posted at 04:53:40)

政治資金からキャバクラ代 自民・今村議員の管理団体 支援者をキャバクラに接待することが議員への支援行為の一環?それともJR九州出身だから、国会議員のJRフリーパスをキャバクラ入店フリーパスにまで拡大の政治を話題にしたとでも言うのか。(posted at 04:47:04)

2010年12月05日(日) 7 tweets

「儚い」は「果無い」とも書く。果実なし?結果なし?(posted at 17:48:18)

『メキシコで14歳「殺し屋」拘束、麻薬摂取し4人殺害』とCNN。「同国の子供の権利保護活動を行っている団体が誰もが推定無罪である権利を持っているとして、14歳少年が拘束後、テレビ局や新聞のカメラにさらされたことを許した当局の措置を批判」と記事は書いている。(posted at 17:41:32)

宮崎県警宮崎南署から業務委託を受けて警備員として街頭を巡回していた男が勤務中にデパートで万引きして窃盗容疑で逮捕される。まさか最近の万引き警察官現象の影響を受けて、ついつい万引きに走ってしまったわけではあるまい。警察官の痴漢現象というのもある。くれぐれも影響を受けないように。(posted at 17:28:05)

民主、横内氏支持を決定 知事選 - 山梨日日新聞 みるじゃん 相乗りこそが菅政権が知事選で敗北しないための唯一絶対の条件。菅首相は選挙応援に行かなくても批判されないし、枕を高くして眠ることができるというもの。(posted at 16:46:56)

昨秋急死の中川元大臣、妻・郁子さんが後継意欲 後援会から出馬を促されるうちに自殺した亭主を長いこと傍らに眺めていて、この程度なら私でも政治家をやっていける思った記憶を甦らせ、意欲を見せ始めたのかも。(posted at 16:29:10)

福岡国際マラソンの黒人ペースメーカー、制限の30キロまで後続ランナーを引っ張るというよりも振り切って走るような独走状態でトップのまま走り通す。ペースメーカでありながらトップでゴールする仰天シーンを見てみたかったが、規則が許さなかった。本人もゴールまで走りたかったのかもしれない。(posted at 15:37:51)

ブログ更新《首相が言う「発信力が足りなかった」は偉大にして愚かな勘違い》 #goo_goo21ht(posted at 07:44:27)

2010年12月04日(土) 19 tweets

CNN.co.jp:北が再度攻撃なら空爆で対抗と表明、韓国の次期国防相 例え国内世論対策だとしても、この態度表明が全面戦争への足枷とならない保証はない。ちょっとした偶然の狂いとそこに過剰反応が加わったら…。(posted at 18:26:12)

日米共同声明見直さねば、連立復帰ない…福島氏 何てたって沖縄基地問題は社民党の「一丁目一番地」、沖縄県知事選では日米合意反対、国外移設の伊波候補を推薦していたのだから、連立復帰となったら、節操を疑われる。(posted at 18:20:08)

地域主権3法案不成立に「強い不満」知事の9割 この9割の不満が菅内閣非支持率と重なる日はそう遠くあるまい。それでも「1%になっても辞めない」と友人の激励を自分の言葉にして鳩山前首相に話している。(posted at 18:04:52)

前原外相は日本の領土でありながら、ロシア大統領の国後に実際に降り立って二本足で立った直接的な訪問と飛行機で距離を置いた上空からの視察とでは大違いであることの悔しさを感じていただろうか。そこまで期待できる政治家ではないか。あー、あれが国後で、こちらが色丹と感心していたかも。(posted at 17:50:18)

苦しまず、ぽっくり逝きたい 高齢者の祈願ツアー人気 なっかまに入ろう。(posted at 17:46:40)

プレステ3でスパコン製作 米空軍研究所、費用格安 科学の向上にはこの手の発想が不可欠で、このような発想の大人から子供への伝達が子供の科学への関心を高める条件となると思うのだが。(posted at 17:28:51)

米軍用無人シャトル 実験成功 中国が宇宙空間から攻撃可能のこの技術を開発しないうちに宇宙空間から中国を攻撃して壊滅しなければならない――といった秘密計画とそれを阻止する闘いを描いたアメリカ映画がそのうち製作されるかもしれない。(posted at 17:17:11)

“問責 通常国会で効力疑問” 菅・仙谷「熟議の国会」が与党の政権維持にのみメリットある制度なら、野党の存在意義を失う。野党は野党なりの政策を持ち、政権を獲得して自らの政治を行う使命を担うからだ。自分たちに都合がいい話をしているに過ぎない。(posted at 17:07:58)

ノーベル財団理事長「独裁者とは相いれぬ」 「(財団と)独裁者とは今後とも相いれない関係は続くだろう」。菅首相は文学賞受賞者劉氏が釈放されることが望ましいと願望を述べたが、釈放すべきと抗議を示さなかったことによって逆に中国の人権抑圧を助けた。(posted at 16:43:13)

@tokunagamichio 菅首相に投票したのは間違いだったと懺悔したくても、その責任がそれぞれに降りかかってきて取り返しもつかないから、表立っては何も言えない自縄自縛状態の金縛りにあって茫然自失の傍観状態にあるのでは?(posted at 16:28:07)

北方領土、前原外相が空から視察 ロシアは静観方針 前原外相の視察が北方四島の着々としたロシア領土化に何ら影響を与える動きではなく、菅内閣の努力を見せる単なる一過性のアリバイ作りだと見ているからだろう。事実その通りになりかねない。(posted at 16:20:54)

②メドベージェフ露大統領の国後訪問を掴み切れなかった駐ロ日本大使館員は幅広く情報収集活動をすることはせず、国のカネで高級ワイン付きの優雅なロシア生活でも送っていたのか。(posted at 16:09:11)

中国、外交公電暴露にピリピリ タブーの北朝鮮批判流出 ①記事は書いている。ウィキリークスによって〈流出した公電からは米国などの大使館員や領事館員らが中国内で幅広く情報収集活動をしていた実態が明らかになった。〉(posted at 16:07:57)

解散話②次の総選挙は民主党は前の選挙の取り過ぎた議席の反動を受けて議席を減らすバランス力学が働くと言われていることと今の菅内閣低支持率と政党支持率が予測する民主党新人議員に集中する受難話は地元に戻っても厳しい話ばかり聞かされて刻一刻と現実味を帯びてくるに違いない。(posted at 15:50:46)

解散話①民主党代表選の新人議員囲い込みの新人対話集会で菅首相が自信を持って請合った「 自分としては3年後の衆参ダブル選挙まで解散しないつもりだ」を信じて菅首相に投票した新人議員のうち、3年を持たないここのところの解散話、総選挙予想に祝い気分で年を越えせるのは何人ぐらいいるだろう。(posted at 15:50:02)

中国の新幹線、時速486キロを記録 営業用の世界最高 日本が欧米の技術をマネして(よく言うと、学んで)、それを改良によって乗り越えてきた同じ道を中国が今歩んでいる。日本が日本の技術は優秀だと油断していた間に。(posted at 11:14:12)

独立法人の予算査定、贈賄側が担当 事業費用1.7倍に 親が子供の小遣いの金額(=予算)を子ども自身に決めさせていたようなもの。学校教師がテストの採点を生徒にやらせていたようなもの。すべてあり得ないことがあり得た。(posted at 10:30:35)

CNN.co.jp:オバマ大統領がアフガニスタンを電撃訪問 オバマの成功を祈る!(posted at 10:03:26)

ブログ更新《入間航友会会長の基地祭挨拶に端を発した防衛省通達は表現の自由の侵害に当たるのか》 #goo_goo21ht (posted at 09:50:15)

2010年12月03日(金) 14 tweets

@sugisawariku 「今日は、大荒れの天気なのです・・・><風が強くて飛ばされちゃいそう><!! 」。大荒れの天気でも、心さえ飛ばされなければ、丈夫に元気よく前向きに生きていけます。既に分かっていることでしょうが。(posted at 17:41:21)

②自民党離党後数で苦労してきた小沢前代表はそのことを弁えていた。菅首相は参院選で数を失った自身の責任を誤魔化すために「熟議の民主主義」を持ち出したが、政治は政策の闘いと政権争奪の場でもあるから、ご覧のとおり役に立たなかった。(posted at 17:35:12)

@NakamuraTetsuji① 「参議院でねじれると国会の運営が非常に難しくなることをもっと理解してもらいたいものだ」。民主党は政権交代前は「非常に難しくなる」状況を自民党に強いて得点を挙げた。このことを弁えて参院選に臨む前以ての危機管理が菅首相にはなかった。(posted at 17:34:05)

今年の流行語大賞トップテンに菅首相が進めた「脱小沢」が入る。菅首相「流行語は国民の皆さんのいろんな思いで判断されるものだ。そういうものかなと受け止めている」(スポニチ)。二、三ヶ月もすれば、「脱菅」となる。本人が予感していなくても、無意識が覚悟の予感を示していることもある。(posted at 16:13:40)

普天間移設問題の決着、首相「期限は切らない」 政権にしがみつくとなれば、先延ばし先延ばしでいかなければならない。指導力なき事勿れ主義者の菅首相が唯一選択可能なイバラ一本生えていない無難な道。(posted at 11:22:48)

農協改革腰砕け 首相肝いりの会議、検討課題から削除 日本の政治が中央を頂点とした中央集権体制を採っているように日本の農業に於いても農水省と結託した農協を頂点とした中央集権体制となっている。「下におろー、下におろー」の封建時代のまま。(posted at 11:05:01)

『小沢氏弁護団が発足「ぜひ無罪にしたい」 土地取引事件』(asahi.com)「ぜひ無罪にしたい」ではなく、「ああ、これは無罪案件です」と言うべきだろう。「無罪にならなければ、どこかで間違いが生じていることになる」と。(posted at 10:53:36)

②前原外相の四島視察は最初から形式的デモンストレーションに過ぎないと思っていたが、これで「我々の」を「我々の」ままとする視察で終わることとなる。飛行機で四島上空を飛行、スカイダイビングの専門家に抱えられて降り立つのも形式では終わらない衝撃的デモンストレーションになると思うが。(posted at 10:44:40)

①日本からの北方領土視察、ロシア外務省「反対しない」 ロシア外務省のサゾノフ情報局次長「日本の政治家が遠く自らの領土から、我々の素晴らしい風景美に見とれることには何ら反対しない」。(posted at 10:39:16)

②だが、自身が自民党所属時代の問責可決を受けた額賀防衛庁長官は「悪うございました」で済まず辞任。いい加減なことを言う男だ。(posted at 10:31:20)

①嵐の前触れ? 小沢氏と与謝野氏、19日に囲碁対局 与謝野(30日BSフジで)「憲法上の規定にない。問責はお前ダメじゃないかと責めを問うもので、悪うございましたといえば済む話だ」(posted at 10:30:38)

@tensanclu封建時代の年貢米徴収の代官は相当アコギなワイロを百姓に要求、ワイロで稼いだカネで役職を買って出世していったそうです。武士と何らかの利害で結びついていない封建時代の百姓は武士を信用などしていなかったでしょうね。(posted at 09:50:12)

ブログ更新《菅首相、仲井真沖縄県知事と怪談、民意・公約への裏切りを要求する怪談が飛び出した》 #goo_goo21ht (posted at 09:30:44)

@aritayoshifu (皇族に「早く座れよと」ヤジを飛ばしたとされる中井民主党議員を背後にいて、事実ではないと擁護する議員がいたとしていることに対しての質問)基本的質問ですが、「すぐ後ろにいた議員たち」は何党の「議員たち」ですか。人間、党次第で党利害で動く傾向にあることはご存知だと思います。 犯罪の場合も夫に対する妻、妻に対する夫等の近親者の証言は証言と看做されないはずです。(posted at 03:32:20)




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前原外相「北方四島はロシアによる不法占拠」の歌を忘れたカナリア

2010-12-07 08:25:56 | Weblog

 11月1日(2010年)のロシアのメドベージェフ大統領国後島訪問に危機感を抱いた北方四島の元島民たちが政府に対して早期返還に向けた強力な外交交渉を求める中、我が日本政界のホープ、大店の若旦那こと前原誠司外相が海上保安庁の航空機で就任後初の上空からの北方領土視察を行った。《外相 北方領土問題早期解決を》NHK/10年12月4日 20時53分)

 前原外相(記者団に)「北方領土問題をぜひとも解決したい。政治関係がしっかりしないと領土交渉ができないので、政治を安定させて、ロシアと交渉したい」

 金賢姫の遊覧飛行紛いではないと思うが、機上視察後、根室市の納沙布岬を訪れて元島民らおよそ40人と共に約7キロ離れた歯舞群島や国後島を額に手をかざしてかどうかわからないが、そこから北方四島を臨み見たという。そして元島民らと意見交換。元島民が早期解決のための外交交渉の要求。

 前原外相「ねばり強い交渉も必要であると同時に、65年かかって、まだ解決しない問題を、あまりダラダラ長くやっているのもいかがなものかと強く思っている」

 これは素晴らしい発言である。卓越した創造力なくして口にし得ない言葉であろう。「あまりダラダラ長くやっているのもいかがなものか」と当たり前のことを当たり前のようにいっている。

 メドベージェフ大統領の国後島訪問とその後の言動、ロシア側の反応がさも北方四島をロシア領土であるが如く振舞っている様相に危機感・焦燥感を抱いている元島民たちにとっては極々当たり前過ぎることであって、「あまりダラダラ長くやっているのもいかがなものか」であるなら、言うべき言葉は「ダラダラ長く」かからない早期返還に向けた成算あるアイデアであろう。

 いわば「あまりダラダラ長くやっているのもいかがなものか」と時間だけがかかっていることに疑義を示しながら、「ダラダラ長く」かからない方策を何ら口にしなかった。少なくともNHK記事ではそうなっている。記事の扱いが正しいことなのか後で見てみる。

 一連の日程を終えて記者会見。

 前原外相「経済が交渉のカードになり得たときもあったが、ロシアは非常に豊かになり、問題解決のために考えなくてはいけない視点が変化している。新しい戦略を外務省で作っている最中で、先月、横浜でラブロフ外相と領土交渉について、意見を交わした。できるだけ早くモスクワに行き、第2ラウンドを行いたい」――
 
 この発言の前半は国会答弁等の機会で何度も喋っていることの繰返しに過ぎない。「新しい戦略を外務省で作っている最中」だと言っている。それが「ダラダラ長く」かからない方策だというなら、そのことをこそ元島民に話して希望を持たせるべきだったろう。

 もし外務省が作っている最中という「新しい戦略」を元島民に話しているとしたら、「あまりダラダラ長くやっているのもいかがなものかと強く思っている」は全く以って不必要な言葉となる。直截に「新しい戦略」について話せば済むことだからだ。

 但しである、「新しい戦略を外務省で作っている最中」だと言っているが、政権交代から1年2ヶ月、前原外相が国交相時代海上視察したのが昨年10月17日で、これも1年上経過している。さらに日本が議長国として横浜で11月13、14日の両日にAPECが開催され、その機会に各国首脳と会談することは前の年から分かっていたことであり、尚且つ開催約2週間前に当たる11月1日にメドベージェフ大統領が国後島を訪問している。これらを併せ考えると、「最中」は遅すぎる。訪問があってから慌てて「新しい戦略」に取り掛かった遅すぎる印象を受けたので、NHK記事の動画を覗いてみた。次のような発言となっている。

 前原外相「新しい戦略を今、アー、外務省の中で、エー、もう作って、ま、その一環で、この間ラブロフ外相と2時間の、領土交渉を行って、できるだけに2ラウンド目に早くやって、私の役割をしっかり果たしていきたい――」(NHK動画

 外務省の「新しい戦略」は既に完成していて、その「新しい戦略」の一環として行った「ラブロフ外相と2時間の領土交渉」が「新しい戦略」に則った第一ラウンドがであり、次の第2ラウンド目に早急に取り掛かりたいとしていると言っていることになる。

 NHK記事自体の「新しい戦略を外務省で作っている最中で」と、動画の「もう作って」とでは意味が全然違ってくる。

 前原外相が「できるだけに2ラウンド目に早くやって」と言い、尚且つ「私の役割をしっかり果たしていきたい」と言っている以上、第1ラウンドの「ラブロフ外相と2時間の領土交渉」が「新しい戦略」として描いたシナリオの最初の部分どおりに最低限一定以上の成果を上げていなければならない。

 そうでなければ第2ラウンドに進むことができないばかりか、最初からつまずいたとなれば、「新しい戦略」の全体そのものの練り直しが迫られる。「あまりダラダラ長くやっているのもいかがなものか」どころでなくなる。多分、「ラブロフ外相と2時間の領土交渉」の第1ラウンドが一定以上の成果を上げたから、「あまりダラダラ長くやっているのもいかがなものか」と言えたのだろう。

 だとしたら、やはり「あまりダラダラ長くやっているのもいかがなものか」云々は言わずもがなの発言となる。第1ラウンドの成果のみを伝えれば、元島民に希望を持たせることができるからだ。

 当然、第1ラウンドの成果が「新しい戦略」の今後の成果をも占うことになる。と言うことは第1ラウンドの成果を窺えば、「新しい戦略」全体の将来的可能性を窺うことができる。あるいは前途有望であるかどうかを教えてくれる。

 だが、この可能性、前途有望か否かをこの記事が最後に打ち砕いている。

 〈前原外務大臣が北海道を訪れて北方領土を視察したことについて、ロシア大統領府の当局者はイタルタス通信に対して、「美しいロシアの自然を堪能することは、日本の政治家を含めて誰も禁じられていない」と述べて、北方領土がロシアの領土であるとする立場を改めて強調しました。〉――

 「新しい戦略」に則った第1ラウンドの「ラブロフ外相と2時間の領土交渉」が一定以上の成果を上げ、次に「新しい戦略」が描いている第2ラウンドに進むことができる状況にあるとするなら、ロシア大統領府当局者の北方四島がロシア領土であることを既定事実とした「美しいロシアの自然を堪能することは」云々なる発言は存在するはずもない。だが事実としてこの発言は存在した。

 この第1ラウンドの一定以上の成果は日ロ外相会議ばかりではなく、同じ11月13日開催の菅・メドベージェフの日ロ首脳会談も同じでなければならないはずだ。別々の「戦略」ということはないはずだからだ。

 その成果は日ロ首脳会談後一方の出席者であるメドベージェフ大統領からすぐにも明らかにされることになった。日本側は菅首相がメドベージェフ大統領の国後島訪問は日本の立場や日本国民の感情から受け入れることはできないと抗議したと伝えるのみで、具体的な内容は一切明らかにしなかったが、明らかにしないこと自体が成果がなかったことを既に暗示しているのだが、メドベージェフ大統領が行った同じ13日の「日本の首相に会い、解決できない論争より経済協力の方が有益だと伝えた」のツイッターへの書き込みは日本側が菅首相は伝えたとしているメドベージェフ大統領の国後島訪問は日本の立場や日本国民の感情から受け入れられないの抗議が何ら効果を見なかったことを直接的に示している。

 日本側が明らかにしなかったこの発言に関して、《【APEC】菅外交総括、成果なく隠蔽ばかり 鳩山以下との声まで… 》MSN産経/2010.11.15 23:19)が内幕を暴露している。

 記事題名の「鳩山以下との声まで… 」はわざわざ話すまでもなく、鳩山前首相以下の首相だという意味である。

 〈首相は8日、「北方四島がわが国固有の領土であるという主張は明確に伝える」と強調した。だが、大統領との会談では北方領土訪問には抗議したものの、「わが国固有の領土」という表現は避けた。〉――

 そして、メドベージェフ大統領の「日本の首相に会い、解決できない論争より経済協力の方が有益だと伝えた」のツイッター発言が明らかになってから、否定したら却っておかしくなるからだろう、首脳会談に同席していた福山官房副長官が11月15日のNHK番組で次のように発言したと記事は書いている。

 福山官房副長官「大統領は『自分が北方領土に行くのが悪いことなのか。当然のことだ』という言い方をした」――

 さらに11月20日付の「NHK」記事――《“歯舞・色丹の引き渡しも困難”》(2010年11月20日 4時14分)が菅・メドベージェフ日ロ首脳会談の詳細を伝えている。

 菅首相の「日本の立場、国民感情から受け入れられない」の抗議に対する返事。

 メドベージェフ大統領「日本とロシアは平和条約の締結を目指しているが、まだ締結されておらずロシアは日本に対し、いかなる義務も負っていない。ロシアの公的な人間がこれまでも訪問している以上、大統領としても訪問しなければならない」

 この発言が福山副官房長官が後付で明らかにした「大統領は『自分が北方領土に行くのが悪いことなのか。当然のことだ』という言い方をした」に対応する大統領の発言であろう。

 さらにトドメとなる発言を行っている。

 メドベージェフ大統領「現在のお互いの活動レベルからいって、日本にすべての島、またはその一部を引き渡す用意があるロシアの指導者を想定することは実に難しい。大部分のロシア国民や政治家は日ロ間に領土問題はないと考えている」

 北方四島ロシア領土宣言である。

 このロシア領土宣言に対して菅首相は何ら有効な反論を述べることができなかった。述べていたなら、会談の詳細を隠すことはなかったろう。野党や国民の批判、その結果としての支持率の低下を恐れて隠した。

 記事は最後に、「現在のお互いの活動レベルからいって」の発言を根拠にしているのだろうが、〈今回のメドベージェフ大統領の発言は、日本側から前向きな提案がなされない現状に不満を示し、交渉の主導権を握ろうというねらいがあるものとみられます。〉と解説しているが、四島を返還しない方向の「交渉の主導権」、ロシア側の「活動レベル」でもあるロシア領土化に向けた「交渉の主導権」を握る狙いであって、返還に向けた交渉の「主導権を握ろうというねらい」はロシア側による急ピッチな開発と併せて逆説化する。

 「新しい戦略」がこういった状況に見舞われていながら、この状況に反して前原外相は何を以てして第1ラウンドの「ラブロフ外相と2時間の領土交渉」に一定の成果を上げたと暗に意義づけ、さらなる成果を求めて第2ラウンド目に進もうと思い描いているのか、全く以って理解不能となる。

 この理解不能が前原外相が地元民との協議で「ダラダラ長く」かからない方策を何ら口にしなかったことが証明できる。

 前原外相の同じ四島上空視察を扱った「テレビ朝日」記事――《「新戦略で領土交渉へ」前原大臣早期訪ロに意欲》(2010/12/05 00:24)は「新戦略」の内容について推測を加えている。

 〈この新戦略について、前原大臣は「ロシアは環境や省エネに関心がある」と述べ、日本の高い技術力を交渉の材料にする方針を示唆しました。そのうえで、「できる限り早くラブロフ外相と会談したい」と述べ、来年2月にもモスクワを訪問し、首脳会談に向けた地ならしを行う考えを示しました。ただ、元島民からは早期の解決を強く求められたもののロシア側の姿勢は硬く、領土交渉を立て直すには、なお時間がかかりそうです。〉――

 だが、最初のNHK記事で、「経済が交渉のカードになり得たときもあったが、ロシアは非常に豊かになり」と自ら発言しているのである。ロシアはソ連時代から北方四島に散々経済援助や経済支援を行わせ、取るだけ取って結局は何も返さなかった。果して日本の環境や省エネの高い技術力がこれまでの経済支援や経済援助とは違って有効なカードとなり得ると本気で思っているのだろうか。

 メドベージェフ大統領は日ロ首脳会談が行われたのと同じ11月13日に日本の三菱重工業と大手商社の双日、中国の建設会社三社のロシアでの大規模な化学肥料工場建設調印式に出席し、調印に立ち会っている。建設される工場は廃液や排煙、あるいはエネルギー消費、さらに化学肥料製造に関して建設側が持つ環境や省エネ、その他の技術力を駆使して可能な限り環境と省エネ、製造の簡略化・機械化等に配慮するはずである。

 いわばロシアへの企業進出であってもロシアでの工場建設であっても、環境や省エネ、その他の技術力を伴う形で常時実行される。またロシア政府が必要とする環境や省エネの高い技術力持った日本の企業に提携や技術輸出を求めた場合、企業は自らの利益のためにロシア政府の要求に応じる動きを見せるだろう。問題は資金であるが、前原外相は「ロシアは非常に豊かになり」と言っている。

 となると、日本の環境や省エネの高い技術力がかつての返還カードだった日本経済力のカードと同じ運命を辿らない保証はない。

 現在のところロシアをして返還の意思を持たせるに至っていないところをみると、「新戦略」の実効性自体が疑わしいばかりか、何を以て「新戦略」と言っているのかさえ不明と言わざるを得ない。

 前原外相の今回の視察では、《前原外相が北方領土視察、元島民と対話》釧路新聞/2010年12月05日)によると、〈自民党政権時代を含め、同領土を視察した外相としては10人目(政務視察の中曽根弘文氏含む)となる前原外相は「ロシア側の変化に対応した新しい戦略で望みたい」との決意を述べ、早い時期の外相会談実現と、その後の菅直人総理の日ロ首脳会談につなげたい意向を示した。北方担当大臣として来根した昨年10月の「(北方四島は)ロシアの不法占拠」発言は最後まで口にしなかった。〉と伝えている。

 以前のブログにも同じようなことを書いたが、北方四島が日本固有の領土であるを確固とした事実としているなら、北方四島のロシアによる不法占拠も確固とした事実としなければならないはずである。ロシアによる単なる実効支配とした場合、あるいは前原外相が国会で答弁していたように「管轄権を事実上行使できない状況」とした場合、「北方四島は日本固有の領土である」の領有権意志を自ら弱めることになる。逆に「北方四島は日本固有の領土である」を国内・国外に強調・誇示するためにはこのことと表裏一体をなしている「ロシアによる不法占拠」を同じく強調・誇示して初めてバランスを保ち得るはずである。

 「日本にすべての島、またはその一部を引き渡す用意があるロシアの指導者を想定することは実に難しい。大部分のロシア国民や政治家は日ロ間に領土問題はないと考えている」とし、そのような状況を背景に北方四島を着々と開発して領土化意志を露骨化させている以上、それを無効とする対抗ワードは「不法占拠」以外にない。また「不法占拠」という言葉自体がそのまま日本の領土であるとする強い意味を含み、その意志を常に全面に出すことになって、逆に四島のロシア領土化を少なくとも心理的には弱める働きをするはずである。

 だが、前原外相は国交相時代に四島を海上から視察した際、「ロシア側に不法占拠と言い続け、四島返還を求めていかなければならない」と言いながら、ロシアの反発に遭うとたちまち自らの発言を自ら封じ、それ以来口にしていない。

 歌を忘れたカナリアと化した。「ロシアによる不法占拠」と表裏一体をなしているにも関わらず、片方の「北方四島は日本固有の領土である」だけを歌うこととなって、抗議のエネルギー、抗議の激しさ自体を弱めてしまった。

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首相が言う「発信力が足りなかった」は偉大にして愚かな勘違い

2010-12-05 07:01:37 | Weblog

 ――見事な、いや、見事過ぎる発信力を発揮した事例が2つある――

 《首相 国民への発信に努力を》NHK/10年12月4日 18時49分)

 臨時国会が一昨日3日(2010年12月)に終了、国会質疑の針のムシロから解放された安堵感からか、低支持率の深刻な状況も忘れたにこやかな顔で昨4日、千葉県の農業組合法人の施設とかを訪問、特殊な製法で糖度を高めめることに成功したという小ぶりのトマトを試食、頬張って見せ、日本の農業の競争力強化に向けた取り組みとして農業に従事する若者の育成支援の考えを示したという。

 菅首相「なかなかにぎやかな6か月だったが、私としては、かなりいろいろなことが前に進んだと考えている。日本とアメリカの間でいわゆるオープンスカイ協定が結ばれたし、インドやペルーとの間でEPA=経済連携協定の締結で合意できた。さらには、ベトナムでの原子力発電所の建設を受注し、レアアースの共同開発も合意した。待機児童ゼロに向けた取り組みもかなりのことが進んでいると思う」

 菅首相「ただ、現在進んでいることや、進める準備をしていることを国民の皆さんに伝える発信力が足りなかったかなと考えている。『もう少し肉声で語れ』などといろいろと言われているので、今後は、いろいろな機会に国民の皆さんに積極的に私の考え方を伝えていきたい」

 既にここで大いなる勘違いを犯している。日本の農業の第一番の問題点は高齢化、耕作地放棄が最も集中している分野である米作等の穀物栽培にあるはずである。

 平成22年11月5日農林水産省公表の「農業経営統計調査・平成21年個別経営の営農類型別経営統計(経営収支)」によると、平成21年の水田作経営(全国)の1経営体当たり農業粗収益は210万円、前年比1.7%減少、農業経営費175万円、0.6%増加、差引き農業所得は35万円、12.0%減少となっている(都府県は33万円で8.7%の増加、北海道は386万円で7.3%の増加)状況に対して菅首相が訪問した千葉県の農業組合法人のような平成21年の施設野菜作経営(全国)の1経営体当たり農業粗収益は1,022万円、前年比2.0%増加、農業経営費640万円、0.5%増、差引き農業所得は382万円、4.7%増加となっている。

 1経営体当たり施設野菜作経営農業粗利益1,022万円-1経営体当たり水田作経営農業粗収益210万円=812万円
 1経営体当たり施設野菜作経営農業農業所得382万円-1経営体当たり水田作経営農業粗収益35万=347万円

 施設野菜作経営でも大中規模経営と小零細規模経営との格差があるだろうから、菅首相が訪問した千葉県の農業組合法人と跡継ぎもなく過疎地高齢農家の少人数家族経営の施設野菜作経営とでは収入の違いは大きいはずで、大中規模経営では1000万やそれ以上の所得を上げていると考えることができる。

 いわば野菜経営と米作とでは農業に於ける光と影の関係と形容できる。影の分野を訪問してその影を取り払う理念ある具体的方策を語るべきがより光が射している分野を訪問して全体的な進むべき将来的方向を語るならまだしも、若者の育成といった個別的問題で全体を取り繕う楽な道を選んでいる。

 しかも水田作経営の所得が減少しているのに対して施設野菜作経営の所得は増加を示している。このことは現在の状況のままでの将来性を示している増減でもあろうから、施設野菜作経営に関しては何も首相訪問という要素を特別に加えなくても経営が成り立つ分野とも言える。

 このようなミスマッチを犯すのは発信力を単細胞にも殊更に国民の目に見える場所に立って発言すること、いわば“肉声で語る”ことと把えているからだろう。効果的発信となると、将来性の点でより明るい場所が得点を稼ぎやすい。結果的に千葉県の農業組合法人を訪問し、小ぶりのトマトを頬張った姿をテレビカメラに映させて、「国民の皆さんに伝える発信力が足りなかったかなと考えている」などとトンチンカンなことを言うことになる。

 菅首相は野党時代から、いやそれ以前の自民党時代から、特に厚生相の時代、言葉、政策、その全体的存在性を常に発信してきた。新聞、テレビ、雑誌、特に現在ではインターネットを通じて国民はその発信を受け、良し悪しの評価を下してきた。いわば常に国民の目に見える場所に立っていたのである。国会質疑に於ける答弁、首相官邸での記者会見、選挙のときの遊説、外国訪問時、あるいは国内訪問時の現地での記者会見等々、常に発信し、その発信を国民は受け止めてきた。決して「発信力が足りなかった」わけではない。

 だが、首相の発信を受けた国民の首相に対する現在の評価は内閣支持率で30%を切っている。それは発信力が単に国民の目に見える場所に立って目に見える形で発言することではなく、政策や諸問題に対する的確・迅速な対応こそが有効・有力な発信力となり得るからであって、的確・迅速な対応が全般的に国民の目に届いていないことの反映値としてある現在の内閣支持率であるはずである。

 特に国民は尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件での領土問題とそれ以後の対中外交姿勢、さらにメドベージェフロシア大統領の国後島訪問に端を発した対ロ外交姿勢に関して的確・迅速な対応を自らの発信力とし得なかったことが響いた世論調査の結果値であろう。

 肝心要の領土問題等の国益に特に重要な場面場面で、あるいは消費税増税問題や子ども手当の支給方法、朝鮮学校の無償化問題といった国民生活に特に重要な場面場面で内閣総理大臣としての的確・迅速な対応を演じることができなかったことをこそ省みるべきを、そのことは棚に上げて、「なかなかにぎやかな6か月だった」と自らの任期を振り返る批評感覚は的確・迅速な対応という観点に鈍感だから発揮できる批評と言わざるを得ない。

 あるいは「農業の再生と開国の両立」を盛んに言うが、単にスローガンとしているだけで、具体的にどういう道筋を取って両立の姿を取るのかの将来図を未だ国民に示していない状況、あるいは「熟議の国会」と自分で言い出したのだから、自らの政治指導力で実現を果たすべきを臨時国会の開催中は何ら実現することができずスローガンのままとしている無残な結末にしても、的確・迅速な対応を自らの政治姿勢の要諦としていないということにとどまらず、その結果としてそのような姿を取り得ていなかったことの証明であろう。

 こういった肝心なことを他処に置いて、オープンスカイ協定、インドやペルーとの間でEPA=経済連携協定の締結合意、ベトナムとの間の原子力発電所建設受注とレアアースの共同開発合意等、内閣の責任者である菅首相の的確・迅速な対応を特に必要とする範疇には入らない政策課題を取り上げて、「かなりいろいろなことが前に進んだ」とする自己評価、ある自画自賛する姿勢にも首相の発信力がどこに発揮されるべきかを何ら理解していないことを示している。

 最後に挙げた進展しているとしている待機児童ゼロに向けた取り組みは特に的確・迅速な対応を必要とする政策ではあるが、順調な進展とは程遠い、未だ道半ばの課題となっていて、決して的確・迅速な対応を取ったことにはならないはずで、国民に対して強力な発信力につながる問題とはなっていないにも関わらず、自身の内閣の成果の一つに入れることも偉大にして愚かな勘違いとすることができる。

 発信力が的確・迅速な対応を取ることによって示し得る能力であるなら、的確・迅速な対応を取れなかった場合はマイナスの発信力となる。

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件での領土問題とそれ以後の対中外交姿勢、さらにメドベージェフロシア大統領の国後島訪問に端を発した対ロ外交姿勢に関しては菅首相は国民の目に見事なまでの発信力を示したのである。これが見事な、いや、見事過ぎる発信力を発揮した2つの事例である。但し国民の目にはマイナスと映る発信力であった。

 いわば「発信力が足りなかった」と言っているが、実際は十分過ぎる発信力を常に発揮してきた。その結果としての世論調査に現れた内閣支持率である。本人の偉大にして愚かな勘違いから、「発信力が足りなかった」と思い込んでいるに過ぎない。

 このようにも合理的判断能力を全く欠いた政治家を我々は日本の首相としている。


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入間航友会会長の基地祭挨拶に端を発した防衛省通達は表現の自由の侵害に当たるのか

2010-12-04 08:44:21 | Weblog

 埼玉県狭山市航空自衛隊入間基地支援民間団体「入間航友会」会長の同基地航空祭(11月3日)での挨拶の内容に端を発した11月10日付(2010年)防衛事務次官通達を野党が憲法で保障された『表現の自由』に反すると批判、国会で追及したところ政府は反していないの答弁を貫いた。
 
 この問題は当ブログ《防衛省事務次官名通達は言論統制に当たるのか - 『ニッポン情報解読』by手代木恕之》で一度取り上げたが、以下の記事に触れて、再度取り上げてみることにした。

 政府国会答弁に納得しなかったからだろう、あるいは諦め切れなかったのか、自民党の馳浩衆議院議員と木村太郎衆議院議員が内閣に対してこの件に関して質問趣意書を提出、内閣が答弁書を閣議決定したと、《政府 防衛省通達“問題ない”》”(NHK/2010年12月3日 16時44分)が伝えている。

 質問趣意書「政治的発言の規制を民間人にまで広げるもので、憲法で保障された『表現の自由』に反する。…今回の通達で、自衛隊員の士気が低下するのではないか」

 答弁書「通達は、自衛隊員が法律で禁止されている政治的行為を行ったという誤解を招くことがないよう留意すべきことを示したものだ。従って一般の国民の行為を規制しようとするものではなく、『表現の自由』との関係で問題はない。今回の通達で自衛隊員の士気が低下しているとは考えていない」
 
「答弁書」は「自衛隊員が法律で禁止されている政治的行為を行ったという誤解を招くことがないよう留意すべき」と言ってるが、問題とした「政治的行為」(=挨拶)を行ったのは入間航友会会長であって自衛隊員ではない。

 前のブログに重なるが、11月10日付防衛事務次官通達でもこのことに触れている

 〈▽当該団体に対し隊員の政治的行為の制限を周知するとともに、隊員が政治的行為をしているとの誤解を招くことがないよう要請する。

 ▽当該団体の行為で、隊員が政治的行為をしているとの誤解を招く恐れがあるときは当該団体の参加を控えてもらう。〉――

 この指摘に関しては前のブログで次のように書いた。

 〈この通達が妥当な内容、あるいは妥当な要請だとしても、基地航空祭に招かれた「入間航友会」会長が、式典で「一刻も早く菅内閣をぶっつぶして――。・・・民主党政権では国が持たない」と発言したとしても、これは会長自身の政治的発言であって、隊員自身の「政治的行為」でも何でもなく、例えその発言に共鳴する隊員がいたとしても、それは職務とは関係しない普段の個人的な政治信条に反応した共鳴であって、何ら不当なことはなく、職務上の「政治的中立性」に本人の自覚によって阻害を来たさなければ問題はないはずである。〉――

 要するに菅内閣が政治的行為だとした「入間航友会」会長の挨拶(=発言)を以ってして「隊員が政治的行為をしているとの誤解を招く」行為だとする同一線上に置くすり替えを行って、自衛隊員には関係ない民間団体の発言を、少なくとも抑えようとしている。

 入間航友会会長が具体的にどのような挨拶を行ったかインターネットを探してみたところ、以下の記事を見つけた。 
 
 《表現の自由と入間基地での航友会会長あいさつ》イザ/2010/11/17 18:38)
 
 防衛省が作成した発言概要を参考までにここで掲載します。みなさんで読んで判断してみてください。

 《入間基地航空祭おめでとうございます。また、普段国防の任に当たられている自衛隊の皆さん、いつも大変ご苦労さまです。祝賀会の主催者として、一言ご挨拶申し上げます。本日は、極めて天気もよく絶好の航空祭日和となりました。これも國分基地指令の日頃の行いのなせるものだと思います。

 私も、随分昔から、入間基地航空祭には、参加をさせて戴いておりますが、このように天気がいいのは、あまり記憶にありません。本当に良かったと思います。

 さて、現在の日本は、大変な状況になっていると思います。尖閣諸島などの問題を思うとき私は、非常に不安になるわけであります。自衛隊は、遭難救難や災害救助が仕事だと思っている世代が増えてきています。早く日本をなんとかしないといけない。民主党には、もっとしっかりしてもらわないといけない。

 他方で、戦後から日本の経済的繁栄などを思うとき、これらが先人の努力・犠牲によってなされたことを思い起こすべきであります。そのように考える時に、靖国神社に参拝するなどは当たり前のことだと思います。靖国神社には、日本人の魂が宿っている。菅内閣は誰一人参拝していない。これでは、日本の防衛を任せられない。

 自衛隊の最高指揮官が誰か皆さんご存知ですか。そうです内閣総理大臣です。その自衛隊の最高指揮官である菅総理は、靖国神社に参拝していません。国のために命を捧げた、英霊に敬意を表さないのは、一国の総理大臣として、適当でない。菅総理は、自衛隊の最高指揮官であるが、このような指揮官の下で誰が一生懸命働けるんですか。自衛隊員は、身を挺して任務にあたれない。皆さん、どう思われますか。

 領土問題がこじれたのは、民主党の責任である。政権は冷静だと言われているが、何もしないだけである。柳腰外交、中国になめられている等の現状に対する対応がなされていない。このままでは、尖閣諸島と北方領土が危ない。こんな内閣は間違っている。まだ、自民党政権の内閣の方がまともだった。現政権の顔ぶれは、左翼ばかりである。みんなで、一刻も早く菅政権をぶっつぶして、昔の自民党政権に戻しましょう。皆さんそうでしょう。民主党政権では国がもたない。

 (以下については、会長の声が聞き取れなかったため、挨拶内容を確認できなかった。)

 まだ、話したいことは沢山ありますが、あまり長くお話ししてもこの後、ブルーインパルスの飛行がありますのでこれで終わります。ありがとうございました。》

 会長としてこの考え、この主張を自らの事実としているということである。但し7月11日(2010年)の参院選前後から以降の、特に尖閣諸島沖中国漁船衝突事件以降の菅内閣の急激な支持率低下からすると、会長が事実とするこの考え、この主張は多くの国民が共有している考えであり、主張としている事実であるはずだ。

 さらに言うなら、この手の情報は、煽動発言の範疇に入れることもできるかもしれないが、インターネット上にいくらでも転がっている。より過激な情報もアクセスしようと意図したなら、ゴマンと手に入れることができる。自衛隊員がこれらの情報にどう触れようと、憲法が保障する表現の自由(思想・信条の自由)の観点から全面的な許容行為となる。

 また現在の過剰な情報社会では、「お国のために死ね」とか「天皇陛下のために命を捧げろ」といいたふうに国家権力に都合がいいばかりの情報で自衛隊員それぞれの考え、主張を縛り、統制することはできない。情報によって人権意識が高まり、それぞれが権利を主張するようになっている。

 このような時代的影響を受けて自身の考え、主張とインターネット上の相響き合う考え、主張と相互影響し合った考え、主張に立って国政選挙の機会に選挙権行使によってどの政党を政権党として選択しようと自由である。現在の政権党と対立する政党を選択することも許される。

 要は政権党が自身の選択に反した政党であっても、職務上は自衛隊員としての政治的中立性を厳格に守り、その内閣のシビリアンコントロールに忠実に従う職務態度を示すことができるかどうかにかかっているはずである。前のブログにも書いたことだが、自衛員の政治的中立性とはあくまでも職務上の制約だからだ。

 職務上の制約として政治的中立性を厳密に守らせるためには自己責任を伴わせた自己判断能力に恃(たの)むしかない。あくまでも自衛隊員自身の判断能力、良識にかかっている問題であり、第三者がどう発言するかの問題ではないと言うことである。メディアと言う情報媒体を通じた第三者は無数にどこにでも存在し、何も交流団体だけではない。

 だが、防衛省次官通達は自衛隊員それぞれの判断能力に恃むのではなく、遠ざけることはできもしない情報を自衛隊と交流のある団体からの情報に限って遠ざける狭い範囲の姑息な対症療法を目指すものとなっているに過ぎない。

 自らが意図したなら、意図した情報はインターネットからもテレビ・ラジオ、雑誌その他のメディアから好きなだけ入手可能だからだ。また入手したとしても、既に触れたように職務上、政治的中立性に立った行動に徹すれば問題とすることはできない。

 だが、次官通達は問題とすべき点を職務上の政治的中立性や職務態度としなければならないにも関わらず、それらとは無関係に交流団体が発する情報に触れることを以って、同種の情報を他の手段によっていくらでも入手可能であることを無視して、「隊員が政治的行為をしているとの誤解を招く」としている。

 このことは逆に交流団体が発する情報に触れることを「隊員が政治的行為をしているとの誤解を招く」とすることで隊員の政治的中立性に影響を与えると規定していることになる。

 いわば自衛隊員それぞれの自己責任を伴わせた自己判断能力を間に置かない次官通達であり、当然、自衛隊員それぞれの自己責任を伴わせた自己判断能力に信頼を置いていないという意味で、自衛隊員に対する情報統制――表現の自由(思想・信条の自由)の侵害と言うことができる。

 いわば国家権力、あるいは自衛隊上層部が無害と認める情報のみを伝えることになる情報統制――表現の自由(思想・信条の自由)の侵害に当たる。

 前のブログでは、〈問題が発生した経緯を見ると、民主党政権の批判は許さないとことから発した通達といったところだろう。いわが政権批判は許さないという方向からの「隊員が政治的行為をしているとの誤解を招くことがないよう」にを口実とした言論統制と言える。〉と結論づけたが、交流団体の政権に都合の悪い発言・情報を自衛隊員に対して遠ざける情報の遮断は同時に情報の発信と情報の受け手の中間に置いて任せるべき自衛隊員の自己責任を伴わせた自己判断能力を遠ざける排除に相当することにもなり、自衛隊員と交流団体双方に対する情報を知らしめないという意味での菅内閣による表現の自由(思想・信条の自由)の侵害を意味するはずで、そのことに終わらず、情報処理自体はそれぞれの情報の受け手の自己責任を持たせた自己判断能力に任せるべきである以上、交流団体の自衛隊員に対する情報の遮断にしても、情報の内容がどうであれ、情報の受け手としての自衛隊員が遠ざけられる点で、表現の自由(思想・信条の自由)の侵害に当たるはずである。

 情報の受け手の自衛隊員を情報の発信に対する受け手として置くとしたら、情報の発信側は通達に従って自身の情報に制約を加えなければならない点も、表現の自由(思想・信条の自由)の侵害に相当することになる。

 情報の相互通行に於いて、この異常に発達した情報社会では温室で農産物を生産するように情報を遮断した純粋培養は不可能な時代状況となっている。であるなら、逆に情報処理の判断能力を育み、本人の処理能力に恃むしか道は残されていないはずだ。

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菅首相、仲井真沖縄県知事と怪談、民意・公約への裏切りを要求する怪談が飛び出した

2010-12-03 08:48:33 | Weblog

 昨2日(2010年12月)菅首相と仲井真沖縄県知事と首相官邸で怪談した。会談ではない、怪談。

 菅首相の口から怪談が飛び出した。

 今回の沖縄知事選は普天間基地の移転先を占う重要な選挙だった。辺野古移設容認派の現職仲井真知事と国外移設強硬派の宜野湾市長伊波洋一氏とが早くから立候補の噂が立ち、最大公約数の沖縄県民の「国外・県外」の願いを受けて当初伊波氏がリードしていたが、これでは選挙に勝てないと見たからだろう、9月28日の沖縄県議会で「県外移設」を表明して転向、辺野古移設を決めた日米合意の見直しを求める立場に立った。

 仲井真氏はその立場で就任後初めて沖縄県を視察した馬淵沖縄担当相と10月2日県庁で会談、「普天間飛行場の移設に関して日米共同発表を見直し、県外移設に取り組むよう要望」(asahi.com)している。

 この転向が功を奏したのだろう、少なくとも基地移設問題では対立候補の伊波洋一氏と優劣殆んど差のない位置を取ることとなった。11月11日告示、11月28日投開票まで僅かリードのほぼ横一線の戦況を保ち、仲井真氏335708票、伊波氏297082票、約4万票近い差をつけて当選。

 当選後の会見。《仲井真氏「県外」貫く 知事再選で会見》沖縄タイムズ/2010年11月30日 09時32分)

 仲井真知事それ(県外移設の公約)で当選した。県内はない。辺野古は何十年もかければできるかもしれないが、ヤマト(本土)を探した方が早い。県内はもうあきらめた方がいい」

 政府から基地建設のための公有水面埋め立て許可を求められた場合の対応について。

 仲井真知事「辺野古案が現実性を持たない以上、やれないものを持ってきても対象にならない。実行不可能に近いものは考えないようにしている」

 政府が辺野古移設を仲井真氏との協議に期待を寄せていることについて――

 仲井真知事「極めて遺憾で実行不可能に近いと申し上げている状況で、期待しているのであれば全然話にならない」

 政府が沖縄振興策と辺野古移設をリンクさせた場合の対応について。

 仲井真知事「蛇口を閉めてもいいが、どうやってもできない。取引で沖縄に押し込めるという話ではない」――

 「それ(県外移設の公約)で当選した」・・・・

 この発言を記事は、〈2014年までの任期中、県外で)貫く方針を示した。〉としている。

 県外移設を当選の担保として沖縄県民に差し出した。差し出したとおりに支払いを果たさなければならないとの決意であろう。いや、支払いを果たさなければ、公約上、当選は無効となる。公約上は当選を無効としながら、いわば県民に対する裏切りを行いながら、菅政権が公約上は国民を裏切り、政権担当の正当性を無効としながら国政に居座り続けているように県政に居座り続けるかどうかである。

 いずれにしても仲井真知事は県外移設の公約をその背中に背負った。11月28日に再選を決めてから4日後の昨12月2日、基地問題に関して県外の公約を背負って首相官邸に乗り込んだ。このことは記者団公開の冒頭発言が証明している。

 《首相“辺野古移設進めたい”》NHK/2010年12月2日 12時40分)
 
 仲井真知事「日米共同発表をぜひ見直して、県外移設の実現をお願いしたい。これが私の公約の大きな部分を占めている」

 菅首相「知事の公約はよく拝見してきた。公約とは違うかもしれないが、政府としては、5月28日の日米合意の中で基地負担の軽減に努力し、しっかりと意見交換して、何とか方向性を見いだしたい」――

 県外を公約として沖縄県民に審判を求め、最終的に民意の承認を受けた仲井真知事に対して当然僅か4日にして、「公約とは違うかもしれないが」と民意・公約への裏切りを要求した。自分たちがいくら公約破りの専門家で、民意・公約への裏切りに慣れているからといって、沖縄県民に対する公約変更までも要求するのは筋違いのまさしく怪談となる。

 当選した以上、わざわざ断るまでもなく、公約は県民の民意とイコールをなしたことを意味する。それを「公約とは違うかもしれないが」とすること自体、菅首相が公約を民意とイコールと見ていないからできる。「沖縄県民の負担の痛み」を言いながら、痛みなど理解もせず、口先だけで言っているということである。

 このことは相手を沖縄県民から日本国民に代えても同じで、口先だけの「国民のみなさん」だから菅政権はマニフェストを自由自在に「公約とは違う」ものにすることができる。
 
 「知事の公約はよく拝見してきた」と言うなら、「それ(県外移設の公約)で当選した」のだから、その公約の最大限の実現に向けた支援を行うのが国政を担当する者の県政を担う者に対する使命のはずだ。

 少なくとも戦前の沖縄戦から今日まで、沖縄には戦争、基地で極端・過重に強いてきた歴史的な負担のト-タルと全国土0・6%の沖縄県に米軍基地が75%も占めている今日の極端・加重なまま続いている基地負担を併せて和らげる政治的創造性を求められているはずである。

 菅首相が言う「基地負担の軽減」は沖縄の歴史的な負担のトータルをも含めた「軽減」ではなく、それを置き去りにした、単に基地を受け入れさせるための交換条件として掲げた機械的なプラスマイナスの軽減の発想しかない。

 最初に県内移設ありきだから、沖縄の負担の歴史を考えることもできず日本の安全保障のみを理由に基地負担の押付けができる。

 野党時代は沖縄に米軍基地は要らないと言っていながらの、シラッーとした顔でできる「公約とは違うかもしれないが」の政治的創造性も何もない基地押し付けの怪談であろう。

 もう一つの怪談。《普天間問題全国知事会 首相と出席知事の主なやりとり》asahi.com/2010年5月27日21時7分) 

 5月27日(2010年)開催の全国知事会議出の発言。たった半年前の発言。

 橋下徹大阪府知事「沖縄県などの犠牲の上に、大阪府民は安全をタダ乗りしている。普天間問題がクローズアップされ、チャンスだ。小学校の子どもですら、この問題を考えるようになった。ただ、自治体が動いても、米国からダメだと言われると動けない。2006年の米軍再編のロードマップを履行し、政府が第2段階の基地負担軽減というときに話を振ってもらえれば、できる限りのことはする。必要があれば、沖縄のみなさんにお願いをしに行き、大阪府民として申し訳ございませんと言いたい」

 関西空港を念頭に入れた発言である。

 《沖縄知事「辺野古移設は無理」…関空視察に意欲》YOMIURI ONLINE/2010年11月30日01時46分)

 11月29日(2010年)の那覇市内記者会見。

 仲井真知事「本土の方が(沖縄より)空間が広いのでむしろ可能性がある。橋下(徹・大阪府)知事が『関空はどうか』と言っているので一度見てきたい」

 《橋下知事また豹変「関空は受け皿にならぬ…神戸が良い」 普天間移設》MSN産経/2010.11.30 12:12)

 11月30日(2010年)の記者会見。

 橋下府知事「政治状況は日々刻々と変わっている。残念ながら関空が基地負担軽減の受け皿になることはない」

 橋下府知事「(関空と大阪空港(伊丹)の)経営統合が決まる前に政府から軍用の話をもちかけられていれば検討もありえたが、今はありえない」

 橋下府知事「(仲井真沖縄知事が関空を視察すると言っていることについて)視察するなら先行きが見えない神戸空港が良い。僕も一緒についていく」

 状況の変化を言うところは菅首相とそっくりである。

 神戸空港は大阪府とは管轄外の神戸市営空港である。自分のところは厭なら、厭だと一言言えば済むはずだが、他人所有物を紹介して、そっちの方へ行けと言う。しかも、「僕も一緒についていく」と。

 怪談以外の何ものでもない変節を見せている。

 記事が、〈関西での基地負担受け入れをめぐっては、橋下知事はちょうど1年前のこの日に「国から申し入れがあれば(議論を)受け入れる方向で考えたい」と語っていた。〉と解説しているが、ほぼ1年前の12月1日(2009年)、次のように発言している。

 《神戸市が橋下知事に抗議、普天間移設問題巡る発言で》YOMIURI ONLINE/2009年12月4日)

 橋下知事「関西空港に限らず、沖縄の基地負担軽減に資する空港は神戸空港だと思う」

 このときから既に神戸空港を道道連れにしようとしていた。他処は他処、それを無視して道連れにしようとすること自体、無責任でなければできない。記事題名にあるように神戸市から抗議、神戸市長から批判を受けている。

 神戸市幹部(府空港戦略室に電話があり)「他の自治体が管理運営する空港を、基地の移転先として例示するのはもってのほか」

 人間が無責任に出来上がっていなければできな「例示」であろう。

 矢田市長「神戸空港は市民の利便に資する、という考えで造った経緯がある。普天間の機能を引き受けるというのは議論する余地もない」――

 真夏の夜でもないのに二つの怪談を見る気がした。政治の世界では国、地方関係なしによくある怪談なのかもしれない。

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菅首相の「支持率1%になっても辞めない」の真偽

2010-12-02 05:55:22 | Weblog


当ブログに久々再登場小沢寅次郎




 12月1日夜、支持議員約40人と都内の中国料理店で懇談

 小沢一郎元代表「私は無職の風来坊だから、またいろんなところに呼んでいただいて、みんなと一緒に勉強したい」(47NEWS)

 菅首相と鳩山前首相が27日(2010年11月)都内の中華料理店で約1時間半会談、そのとき菅首相が「支持率1%になっても辞めない」と発言したと多くのマスコミが伝えていて、その発言を捉えて11月28日の当ブログに《菅首相発言、支持率「1%になっても辞めない」と「政府専用機を用意する」を読み解く》と題して記事にしたが、鳩山前首相が28日の茨城県守谷市の講演で、この発言を否定したという。

 《鳩山前首相が講演で「来年選挙かもしれない」「『1%でも辞めぬ』は首相の言葉ではない」》MSN産経/2010.11.28 23:02)

 鳩山前首相(政権運営話題)「このままいくと、来年選挙かもしれないという状況にもなりつつある」

 要するに来年には菅政権は追いつめられるかもしれないの言い替え発言であろう。菅首相では選挙は戦えない、顔を変えるべきだと菅降しが始まるに違いない。“選挙の顔”作戦は自民党の専売特許ではなく、民主党が政権交代前に既に演じているのだから、日本の政治の専売特許と形容すべきなのかもしれない。

 鳩山前首相「私や小沢一郎民主党元代表も役割があればがんばりたい」

 これは、〈鳩山、小沢両氏を要職に起用する「トロイカ体制」復活が挙党態勢構築には不可欠だとの考えを示した。〉ものだそうだ。

 鳩山前首相(菅首相が言ったとする報道について)「首相が言ったのではない。友達から『1%になっても辞めるな』と激励されたという話を首相から聞いた」

 そして次のように激励したという。

 鳩山前首相「私が首相のときに『0%になっても辞めないでくれ』と言ったのはあなたですよ」

 ではなぜ菅首相は鳩山前首相が小沢副代表と共に退陣を決意したとき、菅首相は引き止めなかったのだろう。要するに外交辞令に過ぎない「0%」だったということではないのか。

 友達が「1%になっても辞めるな」と激励が事実なら、ブログ記事を削除、謝罪の一文を書き込まなければならない。

 「1%」発言があったとしたのは27日の会食、ブログ記事に参考とした「毎日jp」記事は「2010年11月27日 21時36分」の夜中に近い時間にインターネット上に掲載されている。翌28日に新聞報道。テレビも報道したかもしれない。

 鳩山前首相自身による訂正は報道があった同じ28日だが、ここに参考引用した「MSN産経」WEB記事は「2010.11.28 23:02」の時間、「毎日jp」WEB記事は「2010年11月28日 19時07分」で夕方の時間となっている。新聞報道は翌29日となるが、テレビ報道は当日内にあったかもしれない。

 最初はWEB記事で27日の真夜中から、新聞・テレビで28日の朝から、訂正がWEB記事の28日夕方7時から、新聞・テレビで翌朝からの報道とすると、特にインターネットの世界では情報伝達は猛スピードで広範囲に瞬く間に広がる。例え1、2時間の間隔であっても、WEB記事やブログ、ツイッター等を通じた情報の共有と拡散は大多数の人間によって大量処理されたはずである。

 その殆んどが低支持率との兼ね合いで政権にしがみつくといったイメージで処理される可能性が高いことは否定できないだろうから、菅首相に対するイメージ悪化の追い撃ちとなって支持率になおさらの打撃となり、政権運営の障害となって立ちはだからないとも限らない。

 こういったことを防ぐためにも、なぜ菅首相自身が「支持率1%になっても辞めない」発言を否定しなかったのだろう。鳩山前首相の取り違いとした場合、現在以上に鳩山前首相を敵に回す恐れから、黙っていたということなのだろうか。

 だが、鳩山前首相を敵に回すことよりも世論の支持動向の方がより重要なはずである。高い支持率を獲得できたなら、参議院の数の劣勢も相当以上に相殺できるからだ。公明党の擦り寄りもより露骨なものとなって政権運営に有利となって働くに違いない。原口前総務相から、「信頼を国民から得られなければ改革は進まない」(asahi.com)と批判を受けている、政権運営の重要な原動力としなければならない支持率であろう。

 あるいはこう言ったはずだと鳩山前首相自身に直接抗議して、機会を見つけて訂正して欲しいと申し入れたのだろうか。

 そうだとすると、時間を置くことになり、「支持率1%になっても辞めない」のみが一人歩きして手のつけられない状態になることを放置したことになり、世論対策も重要であることからすると、政権運営の危機管理に問題が生じることになる。

 いずれにしても、首相自身が「1%になっても辞めない」と言ったのではなく、友達が菅首相に「1%になっても辞めるな」と激励したことを鳩山前首相に披露したのだろうか。

 しかし友達の激励言葉を何ら否定せずに鳩山前首相に紹介したとしたら、その激励を肯定していて自身の気持の中に入れていたことを意味するはずだ。

 もし「1%になっても辞めるな」の激励に対して、「いや、30%以下になると危険水域と言われていて既に30%を切っていてかなり逆風状態にある。もし20%を切るようなら、辞任圧力が増して耐えられるかどうか。1%はとてもとても」と言葉に表そうと心の中でそう思おうと否定していたなら、鳩山前首相に紹介することはなかったろう。

 紹介したとしても、否定的文脈で紹介したはずだ。だが、記事を読む限り、否定的な取扱いはどこからも窺うことはできない。

 鳩山前首相も否定しなかった。逆に「私が首相のときに『0%になっても辞めないでくれ』と言ったのはあなたですよ」と菅首相の友達と同等、あるいはそれ以上の激励を菅首相に与えている。いわば両者共に肯定的文脈で激励し合ったことになる。菅首相自身が「1%になっても辞めるな」を否定などせずに自分の気持としていたからだと看做さざるを得ない。

 この文脈でいくと、次のような会話は可能となる。

 菅首相「友達は1%になっても辞めるなと言っていたが、20%を切るようなら、辞めざるを得ないよ」

 鳩山前首相「私が首相のときに『0%になっても辞めないでくれ』と言ったのはあなたですよ。1%はゼロじゃないんだから」

 非現実的で不毛な会話に過ぎないが、菅首相の最初の発言は儀礼的否定で、相対的肯定。鳩山前首相の発言は全面的肯定となり、全体的に肯定的ニュアンスに支配されていて、この限りに於いて友達の激励だとする「1%になっても辞めるな」の言葉を挟んだ会話は成り立ち可能となる。

 「1%になっても辞めるな」を否定などせずに自分の気持としていたならば、菅首相自身がその基準に正当性を置いていたことになる。既にここで「1%になっても辞めない」と意味を同じくしていたと言える。

 「1%になっても辞めるな」の友達の意思を「1%になっても辞めない」の自身の意思に替えていたということである。そのような意思のもと、「友達から『1%になっても辞めるな』と激励された」を口にした。

 これは自身が「1%になっても辞めない」と言ったのとほぼ同じことであろう。

 私自身の解釈は以上のようになる。だから、《菅首相発言、支持率「1%になっても辞めない」と「政府専用機を用意する」を読み解く》のブログ記事を削除することも謝罪することもしない。

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菅首相の党首討論今国会見送り、支持率回復の芽を自ら摘み取る「私としてはやりたかった」

2010-12-01 08:44:54 | Weblog

 就任後初となる党首討論を菅首相が引き受けるということで、12月1日の開催に向けて与野党が協議したものの、問責決議可決を受けた仙谷官房長官の出席を拒否している野党に対して出席を求める与党の要求が折り合わず、今国会での党首討論は見送られることとなった。

 見送りを受けた昨30日(2010年11月)の菅首相の発言。《菅グループに内閣改造の声…「知らない」30日の菅首相》asahi.com/2010年11月30日21時47分)

 ――明日開催だった党首討論が見送られました。熟議の国会を目指しながらも、まだ一回も開かれていない状況ですが、今後とも野党に開催を呼びかけていくつもりでしょうか。

 「残念ですね。やりたかったのにね」

 ――今後のことについては。求めていくおつもりは。

 「いや、私としてはやりたかったんで、それにつきます」 ――

 記者が次の質問として、「今後のことについては。求めていくおつもりは」と今後の党首討論の予定を聞いたのに対して、「いや、私としてはやりたかったんで、それにつきます」と、中止になったことに対する最初の感想を再び繰返すだけしか能のない、合理的判断能力に深く関わる感覚は素晴らしいの一言に尽きる。

 記事題名の由来となっている質問と答は次のようになっている。
 
 ――きょうの菅グループの会合で出席者から外交安全保障分野で失敗が続いている、人心一新が必要だと、内閣改造や閣僚交代の必要を訴える声が上がった。総理に近い議員からこのような声が出ることについてはどう思うか、また、内閣改造や閣僚の一部を交代させる考えはあるか。

 「そういう話があったというのは聞いていません。私いま承知していません」

 ――内閣改造や閣僚の一部交代について現時点でのお考えをお聞かせいただけますか。

 「いや、ですから、そういう話があったこと自体を知りませんから」

 記者が二度目に内閣人事についての考えがあるかないかの質問に絞って再度尋ねた。それを最初の質問の答を繰返すだけのトンチンカンな答となっている。

 低支持率で面白くないから、依怙地になって真ともに答えまいとしているようにも見えるが、例えはぐらかしであっても、はぐらかすこと自体が国民の側の「知る権利」に対する政治を行う側の「知らしめる義務」に反することになるし、その上真ともな答となっていないことが浮き立ち、首相としての資質に疑問符がつくことになり、判断能力を欠いていると看做されないとも限らない。

 野党の党首討論仙谷官房長官出席拒否は首相の国会答弁でも仙谷官房長官の助けを借りることが多いことから、二人を引き離す分断作戦かもしれない。谷垣自民党総裁が発言の間、椅子に待機中の菅首相の隣か背後に座った仙谷官房長官があれこれと耳打ちのアドバイスをして菅首相の答弁の助けとするだろうから、それができなくなる。

 国会答弁で官房長官の助けを頻繁に借りなければ満足な答弁ができないこと自体が既に指導力欠如の証明となっているが、官房長官が影の総理大臣と言われていることは要するに菅首相の乳母日傘(おんばひがさ)のお守り役(おもりやく)となっているということで、お守り役が傍にいないというだけで菅首相としたら不安を感じるまでに過保護状態になっているのかもしれないからと、そこを狙った出席拒否と疑えないこともない。

 そうと解釈しないことには、菅首相自身は「いや、私としてはやりたかったんで、それにつきます」と言っていながら、仙谷官房長官の出席が与野党間で折り合いがつかなかったと言うだけのことで党首討論が今国会見送りとなった理由が釈然としなくなる。

 なぜなら党首討論は支持率回復のまたとないチャンスだからだ。何をしたいのか、国民の知る権利に応えることができる。

 自民党最後の政権の麻生首相と当時の小沢民主党代表の初の党首討論が2009年11月28日に行われた。それまでは「首相にふさわしい人」で麻生首相が小沢民主党代表を上回っていた。だが、このときの党首討論の出来栄えがターニングポイントとなった。

 《内閣支持率25・5%に急落 小沢氏、党首力で逆転》47NEWS/2008/12/07 16:49 【共同通信】))

 記事題名がすべてを語っている。共同通信社が党首討論から1週間後の12月6、7両日(2008年)実施の全国世論調査によると、麻生内閣の支持率は前回11月調査15・4ポイント急落の25・5%。不支持率11月前回19・1%おまけつきの61・3%。「どちらが首相にふさわしいか」で、小沢代表34・5%(+10・1ポイント)、麻生首相33・5%(-17・5ポイント)と初めて逆転。

 朝日新聞社が同じ2008年12月6、7の両日実施の全国世論調査(電話)でも同じ傾向が現れている。

 「どちらが首相にふさわしいか」 麻生首相30%(前回11月49%)、小沢代表35%(前回23%)。

 記事は書いている。〈「選挙の顔」としての首相の優位性は完全に失われ、発足2カ月余りですでに政権末期の様相だ。〉――

 そして2009年8月の政権交代。

 政権交代に向けて弾みをつけた党首討論だったのだから、この事実を菅首相は学習していないわけはない。実際に支持率回復につながらなかったとしても、試してみるべきチャンスだったはずだ。だが、菅首相は仙谷官房長官の出席が担保されないという理由のみで支持率回復の折角のチャンスの芽を自ら摘み取った。親離れできない子供のように。

 「私としてはやりたかった」と言っているが、それが事実なら、本来なら首相の立場として自分の方から無条件で受けて立つべき党首討論でもあるのだから、自らの指示で実現に向けた組み立てはできたはずである。だが、自分からは何もしなかったのだから、「私としてはやりたかった」は事実に反する儀礼語なのだろう。

 要するに自発的挑戦意欲が全然見えなてこない。10月(2010年)の北海道5区補選でも、民主党候補の形勢不利を少しでも和らげるために選挙区に乗り込んで、例え落選が分かっていても自らの応援演説に賭けてみるといった挑戦は見せず、落選を予定事項として見殺し、自身の保身のみを図った。

 この自発的挑戦意欲の欠如は指導力の欠如と相互対応する資質であろう。指導力とは自らが先頭に立って強い気持ちで自分から成し遂げようとする意欲を実際の形につなげてていく能力のことを言う。そのためには自発的挑戦意欲を欠かすことができない。

 「わたし自身どこまで頑張りきれるか分からないが、物事が進んでいる限りは石にかじりついても頑張りたい」と言う以上、自発的挑戦意欲も指導力も欠かすことができないはずだが、実際の行動ではその両者とも見受けることができないのは言葉のみでそう見せているに過ぎないからだろう。

 仙谷官房長官が党首討論で官房長官の出席拒否に拘った野党の姿勢を批判した。《党首討論の条件で野党を批判》NHK/10年11月30日 11時52分)

 仙谷官房長官「党首討論を行う場は、わたしが所管する委員会でも何でもない。単なる出席の問題であり、野党の皆さんも審議をしない理由を探さないほうがいいのではないかというのが率直な気分だ」

 菅首相自身が官房長官の出席か否かに拘らなければ済む問題である。私の弁舌は官房長官の出席を条件としないと。だが、そういった堂々とした姿勢を示すことができなかった。親離れできなかった。

 さらに各種の世論調査の内閣支持率低迷について発言している。

 仙谷官房長官「世論調査には一喜一憂せず、ひたすら日本が置かれた状況を改革するために職務に精励するのみだ。ただ、政策的にいろいろな改革を実行しているつもりだが、マスメディアにプラスの評価をいただいていない」――

 支持率低下をマスコミのマイナス評価に置いている。だが、上記「asahi.com」記事の中で、身内中の身内であるお膝元の菅グループの中から、「外交安全保障分野で失敗が続いている」というマイナス評価の発言が飛び出しているのである。

 この発言は世論調査に於ける支持率低下の最大の原因となっている菅首相の外交問題に対する評価に対応させた発言であろう。身内自体が「失敗」だと採点を下している。

 また、支持率低下が実際にマスコミのマイナス評価に原因があるとしたら、国民がそのマイナス評価に引きずられている、自身自身で判断できないということになって、最終的に国民をバカ扱いする発言となる。

 仙谷官房長官は日露戦争の講和条約締結のポーツマス会議日本全権の小村寿太郎や国際連盟脱退時の日本首席全権の松岡洋祐に対する時の世論を例に挙げて世論が間違うことの譬えとし、そのことを以って菅内閣の低支持率の擁護としているが、国家権力によって国民が右向け右と言われれば右を向き、左向け左と言われれば左を向いた戦前の情報統制された全体主義国家の時代と違い、情報が発達し自由に取捨選択することが可能となり、個人が自身の能力に従って自由に判断できて情報の解読に従って自身の権利を主張できる時代の世論調査――国民の判断・評価であることを無視しているのは、依然として情報未発達時代の戦前の国民と戦後の情報発達時代の国民を同等視しているからだろう。

 自分たちだけは違って、国民は戦前の国民と何も変わらないと看做しているということである。この劣悪な判断能力は菅首相の合理性を欠いた判断能力に対応した認識の相似性を示すものとなる。

 このような二人が内閣でタッグマッチを組んでいる。菅首相が仙谷官房長官の助けを借りなければ満足な答弁ができないもの無理はないことだし、党首討論で官房長官が出席できなけれ見送りとして、支持率回復のチャンスの芽を自ら摘んでしまうのも無理はない。

 自分たち自身はこのタッグマッチに満足していたとしても、国民が満足しているかどうかが問題となるが、二人とも裸の王様状態で決して気づこうとしない。


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