北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

名古屋市消防出初式 消防関係車輌のパレード

2007-01-20 13:16:29 | コラム

■観閲行進

 消防出初式では、多種多様な消防関係車両の行進が見られ、しかも出初式以外では中々見られないものである(恒常的に観られるようになっては困る)。

Img_3044 小生を含め、友人の中にも消防車に詳しいものがいないため、おそらく誤謬誤記の多い記事となるやも知れないが、今回は消防車の特集を行いたい。

 消防出初式の流れは先日掲載したが、今回は特にその観閲行進に際して撮影した消防車輌群の写真から紹介を行うが、もし誤りがあった場合は、恐縮ながらご教授いただけると幸いである。

Img_4474  早速わかりにくい車輌群であるが、これらの各種雑多ともいえる車輌群は、消防団の車両である。

 消防団の車両は特に経済的な問題もあり、中古にて購入した様々な自動車をもとに消防車輌へ改修したものである。予防と初期消火には地域との密着した取り組みが必要であり、消防団とはその端的な防災意識の表れであるともいえよう。

Img_3017  消防団の車輌の後部に搭載された各種装備。

 金属製梯子やスコップ、金属性塵取あとは小型発電機のようなものが搭載されている。どれもホームセンターにて販売していそうなものであるが、破砕消防や初期火災に際して、先んじての展開迅速な展開が出来れば消防団のこうした装備も大きな威力を発揮しよう。また、山林火災にも威力を発揮しそうだ。

Img_4481 消防車。

 最も基幹的な装備というべき車輌で、広範に配備され、各種用途に用いられている。

 C.ジョニー氏のお話では、近年配備されているものはホースなどの消防関係機材が写真のようにシャッター内部に格納されているものが多いという。考えるにホースなどの脱落防止や火災による被災を防止する為であろうか。

Img_3022  消防任務に際して概して最も最初に現場に到着する車両で、レスキュー資格保持者も、最初はこの消防車により消防官としての資質を養う。

 しかし、消防の努力もむなしく、名古屋市長の訓示においては、昨年に名古屋市では51名の火災による市民の犠牲者が出たとのことで、こうした出初式を掲載すると共に、改めて読者の皆さんにも防火の取り組みを促したい。

Img_4492  詳細は不明ながら20㍍級と思われる梯子車。

 梯子車は、一般に連想される消防車として最も知られたカテゴリーの一つであろう。高所火災などに際しては地上よりも極力高いところに消化点を設定し消火作業を展開することが望ましいが、梯子車はこの他、人命救助などにも用いられる。写真からは日野自動車製であることが見て取れる。

Img_4497  先端屈折式梯子車。

 文字通り梯子の先端が屈折するものである。これは2001年3月7日に東京消防庁品川署へ第一号車が配備されたのを契機として、都市部を中心に配備が進んでいる。

 従来の梯子車が直線状にしか梯子を伸ばせなかったが、本車の導入によりよりきめ細かな運用が可能となった。

Img_4494  先端が屈折する利点として、従来の直線に延伸する形式では例えば都市部の電線が集中した地域や、また屋上やベランダの安全柵が障害となることが多かった。その点、屈折式であれば電線などを迂回し、若しくは柵越に救助を行うことが可能である。何分高所とは要救助者に恐怖を与えるものであり経空で直にベランダにつける従来型よりもそのまま乗り入れる新型の方が迅速に任務を遂行でき、且つ時間当たりの救助者数も多くなる。

Img_4511  10トン水槽車。

 単独でも放水可能で、水タンクはステンレス製であるから、飲用水を搭載すれば10000?の水を搭載した給水車としても運用でき、渇水期や上水道の故障の際にも運用が可能。

 恐らくハイパーレスキューの機動救急救援隊(Support Task Force)に配備されている車両と思われる。

Img_4508  不整地突破能力を有するウニモグ。

 用途は不詳ながら、東京消防庁には遠距離大量送水装置として、同型のものが配備されている(しかし、荷台が異なる)。ちなみに大量送水装置とは、ポンプ車とホース格納車で構成され毎分3.5㌧の水を2000㍍先まで送水するものだが、写真のものは不整地突破能力を活かした災害時の資材運搬に用いられるものかもしれない。

Img_4514  救急車。

 名古屋市消防局で運用される救急車は、全車高規格救急車となっている。しかし、様々な救命機材を搭載する高規格救急車であるが、医事法により救命救急の定義は著しく定義されており、この意地法ともいうべき法律により失われる命は少なくない。私見ながら准医師制度、若しくは機動医師制度などの構築により末端医療に裁量を持たせる必要はあるように思う。

Img_4522   名古屋市消防局の切り札というべき、ハイパーレスキュー(消防救助機動部隊)の機動救助隊(Rescue Task Force)。救助車、震災対策用救助車などにより構成されている。先頭を行くのは震災対策用救助車(恐らくⅢ型かⅣ型)。2㌧車をもとに画像探査機、音響探査機、電磁波人命探査装置などを搭載し、二台で1セットを構成。航空自衛隊のC-130H輸送機による輸送を前提として機内固定用ステーなどが車体下部に装備されている。

 後方には海上保安庁の消防艇“しらいと”が待機している。

Img_4524  ハイパーレスキュー機動特科隊(Special Task Force)に所属するクレーン車。地震などの大規模災害に際して道路障害除去などに活躍する。

 この他、機動特科隊には化学消防車なショベルカー、トラクターショベルやその輸送車、屈折消防車(先端が屈折し、屋上などから消火作業を実施することが出来る)などが配備されている。

Img_3037  最後に飛行した消防局のアエロスパシアルSA365N1ドーファンⅡ、飛行を行った五機のヘリコプターの内二機が名古屋市消防局のものであるが、こちらについては日を改めて掲載したい。

HARUNA

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