北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

レバノン邦人救出へ自衛隊機派遣命令!輸送機をギリシャ・ヨルダンへ前進-イスラエル地上侵攻迫る

2024-09-28 07:01:45 | 国際・政治
■自衛隊輸送機出動
 小牧基地航空祭を特集した際に邦人救出任務はいつ訓練が実任務に切り替わるかと解説しましたが。

 全面戦争の懸念から緊張度が増すレバノン、イスラエル軍による空爆が続き更に地上軍侵攻の懸念が高まっています。そのレバノン国内には数十名規模の邦人とその家族や関係者が取り残されています。この状況に対して、木原防衛大臣は27日、事態がこれ以上緊迫度を増した場合に備えて邦人輸送支援へ航空自衛隊輸送機部隊へ出動命令を発しました。

 邦人輸送任務、イスラエル軍による空爆が続く中すでに空路によるレバノンからの出国はほぼ不可能という状況です。首都ベイルートにはベイルートラフィクハリリ国際空港が空の玄関口として昨日していますが、9月25日の時点で運行されているのはイラン航空、イラク航空、中東航空の三社のみ、戦闘が停止するならばエジプト航空が再開予定、と。

 レバノン、イスラエル軍が2023年10月のガザ戦争勃発以降、レバノン国内のイラン革命防衛隊関連組織である武装勢力ヒズボラがロケット弾攻撃などを繰り返し、これに対してイスラエル軍は砲撃や限定空爆を実施していましたが、9月17日、イスラエル諜報機関が実施したと考えられるポケットベル爆破事件により一気に情勢が緊迫化してしまった。

 ヒズボラが連絡用に用いていた台湾ブランドのポケットベル数千個に小型爆弾が装着されていて遠隔操作により一斉に爆発、その数日後には日本製無線機に仕掛けられた爆薬の同時爆発も発生、指紋認証機や撮影機材やファックスなどが次々と爆発したことでヒズボラが報復宣言を行い、イスラエル政府も予備役2個旅団へ動員令を出すなど緊張は拡大へ。

 地上軍侵攻の懸念がある、それは2006年の南レバノン守りの壁作戦や1981年ガラリア平定作戦のような大規模な地上軍侵攻により市街戦となる懸念が生じているのです。欧州各国などは民間機に代えてチャーター機の準備を進めていますが、地上軍侵攻が開始された場合はチャーター機ではシカゴ条約だけでは安全の保証無く軍用輸送機が必要となる。

 自衛隊機による邦人輸送は過去8回行われていますが、たとえばアフガニスタンへの必要な状況では輸送機の展開が間に合わないなどの限界ありました。ただ、全壊の任務はイスラエル派遣で間に合いました。今回、先ず輸送機をレバノン周辺国のヨルダンとギリシャへ各1機派遣するとしており、防衛省では輸送機の準備ができ次第、派遣する方針です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 令和六年度九月期 陸海空自... | トップ | 【京都幕間旅情】榛名さんの... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際・政治」カテゴリの最新記事