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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

陸上自衛隊明野駐屯地創立52周年記念行事 明野航空祭2007

2007-11-13 13:47:49 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■航空学校本校創立記念行事

 明野駐屯地には陸上自衛隊の航空科職種の教育を一手に担う航空学校本校があり、明野駐屯地祭は、ヘリコプターを中心とした明野航空祭という名称でも親しまれている。本日は、昨夜掲載できなかった明野駐屯地祭の速報記事を掲載したい。

Img_8965  陸上自衛隊航空学校には、教育や戦術研究、新装備の運用試験などを行う為に陸上自衛隊の各種新型航空機が配備され、本校が置かれている明野駐屯地、そして霞ヶ浦駐屯地と宇都宮駐屯地の分校がパイロット養成や整備教育などの任務にあたっている。

Img_8725_1  明野駐屯地には、航空学校の他、中部方面隊直轄の第5対戦車ヘリコプター隊、第10師団隷下の第10飛行隊と、飛行実験隊、中部方面管制気象隊第1派遣隊、第306基地通信中隊明野派遣隊、第114地区警務隊明野連絡班などの部隊が駐屯している。

Img_8755_1  11月11日は早朝から雨が降っていたが、小雨であり、国旗入場の瞬間、雲の切れ目から陽光がさすという一幕があり、天候は順調に回復していった。

Img_8766_1  指揮官による部隊巡閲。

 指揮官は航空学校長兼ねて明野駐屯地司令を務める鎌田陸将補。

 鎌田陸将補は、前任部隊が第1ヘリコプター団長という、ヘリボーンのエキスパートである。

Img_8792_1  式典において祝辞を述べる地元代議士。名前は失念。続いて三重県の野呂知事の祝辞を述べられた。

 非常に多忙ななかでの出席ということで、祝賀飛行の前に次の公務へと移動という過密スケジュール。

Img_8846_1  祝辞、祝電披露の後、観閲飛行準備の号令が掛かる。しかし、多種多様なヘリコプターを同時離陸させ編隊をkぅませるには調整が重要であり、その間に実施されたのが少年工科学校生徒隊によるライフルドリル。第304保安中隊ほどではないものの、重いM1小銃を自在に取り扱い、見事な演武に会場からは拍手が沸いた。

Img_8843  編隊離陸の開始。次々と離陸してゆく、写真にはこの中の一幕、7機の対戦車ヘリコプターAH-1Sコブラが写っている。

 滑走路にはAH-64D戦闘ヘリコプターアパッチロングボウを始め、離陸を待つヘリコプターが盛んにエンジンより轟音を上げている。

Img_8876_1  31機の編隊。離陸した編隊は伊勢湾上空で編隊を整え、明野駐屯地上空に大編隊で飛来する。先週撮影した八尾駐屯地祭では28機で、多用途ヘリコプターが中心の編隊であったが、放送によれば明野駐屯地祭では31機、対戦車ヘリコプターや戦闘ヘリを中心とした祝賀飛行であった。

Img_8979  祝賀飛行終了後、編隊を展示飛行部隊と分離し、続々と滑走路に戻ってくる。

 写真はその一枚で、機体は西から滑走路をフライパスし、旋回し東から会場正面に飛来。機種などが紹介される。上の三機は最新鋭のAH-64D,滑走路上を低空で飛ぶのはAH-1Sである。

Img_8919  AH-64Dは初号機、二号機と、ミリ波レーダーを搭載していない三号機が参加した。

 この他、地上展示機には五号機が参加。今回の明野駐屯地祭の目玉がこのAH-64D戦闘ヘリコプターである。しかし、4機もの数が参加したのは小生にも嬉しい誤算であった。

Img_8941  川崎重工により開発され、1996年に初飛行を果たした観測ヘリコプターOH-1。

 複合光学観測装置などを搭載、自衛用の空対空ミサイルなどを運用可能で、高い機動性を有する陸上自衛隊自慢のヘリコプターである。

Img_9117  臨時編成のアクロバット飛行部隊、明野レインボーによる飛行展示。

 明野レインボーはAH-1S,OH-1各1機とOH-6D観測ヘリ4機で編成されており、AH-1S,OH-1の機動飛行に続き、OH-6Dは編隊で小回りの利いたヘリコプターならではの飛行展示を披露した。

Img_9189  訓練展示は、模擬戦の展示であり、同じ三重県の久居駐屯地から第33普通科連隊、愛知県の春日井駐屯地から第10偵察隊が参加。UH-60JA多用途ヘリコプターから第33普通科連隊の隊員がリペリング降下、続いてヘリから仮設敵に対してドアガンから機銃掃射を実施。

Img_9160  迷彩1型を着込んだ仮設敵は重機関銃にて応戦。迷彩1型が100㍍以上の距離にて最大の迷彩効果を発揮できるようになっており、対機甲戦が重視された冷戦時代に使用されていた。車輌もジープの面影を残す旧型の73式小型トラックで、武装も教育用所要分を借りてきたのか64式小銃であった。

Img_9214  頑強な仮設敵の抵抗に、航空学校は装甲車の空中機動を決断。CH-47J/JA輸送ヘリコプターに軽装甲機動車を吊り下げて支援に飛来した。

 ヘリ機内にも車輌が搭載、多用途ヘリから降下した徒歩部隊はこの増援で、一気に立場が逆転した。

Img_9249  更にAH-64D戦闘ヘリが増援。8km先から必殺の対戦車ミサイルを発射可能な同機の支援により仮設敵はたまらず退却、しかし、空地一体となった我が方に追いつかれ降参。状況は終了となった。同じ航空部隊の駐屯地祭である八尾駐屯地祭では野砲や戦車が参加する野戦に多数のヘリが参加するという印象であったが、明野は軽装甲機動車の空中機動など、仮設敵以外の部隊は全てヘリにより展開しており、ヘリボーンそのものの展示という印象であった。

Img_9214_1  訓練展示終了後は、天候も青空となり、地上展示機ではAH-64Dの前に人垣が出来た。

 ただ、人口密度は航空自衛隊の航空祭ほどではなく、譲り合いの精神で思い思いの角度から最新鋭機を撮影。

 また一部の機体は機内も展示されており、終日賑わっていた。

Img_9279_1  AH-1Sの整備展示など格納庫でも催しが行われており、暗視ゴーグルの体験装着、航空教室に高機動車体験試乗、模擬店なども盛況であった。

 写真は整備展示に並べられたAH-1SのTOWミサイルやロケット弾、機関砲弾。

Img_9253_1  先着450名に地上滑走、抽選で体験飛行。0830時からの整理券配布には長蛇の列が出来、地上滑走では明野駐屯地滑走路に沿って低空飛行が体験できる。

 体験飛行では抽選に当たった幸運な方が伊勢湾眺望空の旅に参加することが出来た。

 明野駐屯地祭、速報は以上。詳細は詳報掲載を気長にお待ちいただきたい。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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