北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

JGSDF,Aviation School AH-64D Apache Longbow

2007-11-11 22:07:58 | 先端軍事テクノロジー

■陸上自衛隊航空学校AH-64D戦闘ヘリコプター

 本日、陸上自衛隊航空学校の駐屯する三重県の明野駐屯地が創立52周年を迎えた。本来ならば速報記事を作成するのだが、今回は特に最新鋭装備AH-64Dに焦点を置き、掲載したい。

Img_9015  AH-64Dは、2006年2月に富士重工より初号機が陸上自衛隊に納入された最新鋭の戦闘ヘリコプターである。富士重工においてライセンス生産を実施しているもので、統合システム管理、自動化、センサーを複合的に運用することでデジタル戦域情報を最大限に活用し、最も効率的な任務遂行を実施可能である。

Img_9208_1  現在、陸上自衛隊には五個対戦車ヘリコプター隊が各方面隊において運用され、即応性の高い空中打撃能力を付与しているが、現在運用されているAH-1S対戦車ヘリコプターでは、発展著しい対空火器の脅威や、デジタル化された戦域情報の処理機材を搭載する余裕などの面で限界がある。このことから、対戦車任務ではなく、情報収集、対地支援、対戦車戦闘といった戦闘全般に対応できる機体として、AH-64Dの導入が開始された。

Img_9281  AH-64DとAH-1Sについて、能力を列挙すると、AH-64D一個飛行隊12機は、AH-1S一個飛行隊16機に対して、火力任務遂行で76目標(AH-1Sは38目標)に対処でき、AH-1Sでは不可能な950km先への戦略運用に対応、400km先の戦術運用で160目標/日(50目標/日)、200km先への対処でも160目標/日(76目標/日)として優位している。

Img_8855  また、AH-1Sでは、対ヘリコプター対処では20㍉機関砲(一応、メーカー資料では低速のヘリに対してTOW対戦車ミサイルが有効、とあるが)だけであり、戦闘機動性では耐G性が欠如しているが、AH-64Dでは空対空ミサイルを有しており、機動性も高い。更にAH-1Sでは制約のある精密自律航法、全天候運用性、C3Iデジタル通信能力が付与されている。

Img_8877_1  明野駐屯地祭における祝賀飛行。日本にもこれだけのヘリが、と思わせられる、なかなかの迫力である。八尾駐屯地祭では28機編隊であったが、明野駐屯地祭では31機編隊飛行、と規模が大きくなっている。航空学校ということで、多種多様な機体が参加しているが、例年に比べUH-1多用途ヘリが少なかった、とのこと(八尾ではUH-1が多数参加)。

Img_8898_1  AH-64Dは三機が祝賀飛行に参加。この他、地上展示機に1機が参加しており、明野駐屯地には4機のAH-64Dが参加した。祝賀飛行では航過が一度だけであるので、この瞬間に回りでは一斉にシャッターを切り、その音が続く、小気味良いシャッター音とともに小生のその中に加わる。

Img_9019  祝賀飛行の大編隊を終え、式典会場正面を飛行し、機体を披露する。ちなみに、陸上自衛隊ではAH-64Dの導入決定まで時間が掛かった為、ライセンス生産に必要なブラックボックス部分の生産が、ボーイング社の生産ラインの生産終了により供給不可能となる。一応、後継のブラックボックスが開発されるはずなのだが、現行のAH-64Dの生産は遠からず終了するとのことである。

Img_8928  ロングボウレーダーを搭載していない機体。一時はC型を区分したが、ややこしいので今日はD型と呼称が統合されている。

 速報、詳報ともに後日掲載予定。とりあえず、機体性能も程ほどに写真だけを並べてみた次第。最後になりましたが、本日、現地でお世話になりましたC.ジョニー様ご一行、MAD様ご一行の皆々様、ありがとうございました。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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