◆国際航空宇宙展が賑わう名古屋を舞台に
日曜日、観艦式本番が行われている最中、当方は小牧基地航空祭へ行ってまいりました。
日曜日の北大路機関記事ではあたかも観艦式本番に行ったような記述ではありますが、写真は予行、と記したように流石に観艦式本番は行くことが出来ませんでした。土曜日は木更津駐屯地祭が昨年のAH-1S“ホブラ”に続き違う意味で盛況だったようでしたが、当方は四年に一度の国際航空宇宙展へ、そして日曜日は小牧へ行ったという事です。
今回の自衛隊観艦式2012はお気づきの方も多いd賞が航空自衛隊の輸送機は例年三機編隊で参加しているのですが、今回は参加していません。そして今年の小牧基地航空祭は中々規模が大きなものとなっていて、久々に派手な小牧、具体的には第五術科学校のT-1引退以来のものとなっていて、余り期待できなかった当方が度肝を抜かれたことを白状しておきましょう。
国際航空宇宙展が行われている名古屋と小牧基地は、写真のKC-767離陸を撮った背景に名駅高層ビル群が映っていることからも分かるように実はかなり近い距離にあり、小牧基地は県営名古屋空港、かつて中部国際空港が開港するまでは中京地区の空の玄関であった名古屋空港と滑走路を共有している飛行場です。
今回の航空祭はKC-767が頑張りました、本邦初となる航空祭での一般公開になるのか、その二機編隊での飛行展示を筆頭にC-130H輸送機と空中給油展示をしつつ基地上空を旋回機動飛行や、KC-767の大柄な機体を用いての傍目に見る方が手に汗握る迫力の機動飛行など、まさかそんな機動飛行は無理と思う会場多数の観客から歓声を一手に引き受けました。
そして飛行展示の高度が少し低い、という印象がかなりありました。低ければそれだけ同じ飛行展示を行うにも技術的に高いものが要求されるのですが、同時に地上から見上げる航空機は低い高度を飛び飛行展示を行う方が迫力を増すことは良いまでもありません。
救難飛行展示は午前と午後に二回実施され、小牧が誇る救難教育隊による固定翼回転翼混成大編隊の飛行展示は今年行われませんでしたが、国際航空宇宙展と掛け持ちの試みには有難い展示予定だったようです。なんとなれ、小牧基地は名鉄小牧線牛山駅から徒歩すぐ、そして小牧線は名古屋市営地下鉄環状の名城線から上飯田連絡線にて結ばれているからです。
昨年は、実は恥ずかしながら飛行展示の予定を完全に記憶せず、唯一の編隊飛行、とはいいつつも二機編隊でしたが、その時間帯に頭上を電線に遮られ、エプロン地区からはシャトルバスでしか移動できない資料館周辺に展開するという大失敗を犯しましたので、今年は万全の態勢で臨みました。
今回の目玉はブルーインパルスでしょう。小牧基地は周辺自治体からの要請によりブルーインパルスの飛行展示が、なんでも危険とかで実施できなかったのですが、国際航空宇宙展へ参加する機体の発進、という事でNAGOYAとブルーを一枚に収める貴重な機会となったことを挙げておきます。
ヘリコプターによる空中消火展示は入間ヘリコプター空輸隊によりCH-47Jが参加し行われたのですが、今年の小牧基地航空祭はこれに加えて消防小隊の航空機火災用消防車多数を同時に展開しての航空機火災想定消火訓練展示が行われ、これも迫力はなかなかのもの。
そして空中給油展示の際にKC-767に協力した飛行開発実験団所属のF-2支援戦闘機とF-15戦闘機による機動飛行の展示が行われています。もともと航空自衛隊の戦闘機はここ名古屋空港に隣接する三菱重工から巣立った戦闘機なのですから、故郷に錦を飾る、というところか。
C-130Hの離陸、迫力です。それにしても、国際航空宇宙展を県営名古屋空港で実施することは出来なかったのか、これは大きな疑問です。中部国際空港開港により激減した便数と利用者回復の起爆剤に、特に会場となる敷地は三菱重工小牧南工場を含め確保できるのですし。
撮った、この一枚、昨年失敗して待つこと文字通り一年、一年込めた、もとい一念込めた一枚。国際航空宇宙展ですが、名古屋空港で実施すればパブリックデイの二日間は小牧基地航空祭が家族公開日と本番で空は賑やかですし、東京から離れた名古屋では大手エアラインや政府との商談よりも地方空港に適合したビジネスジェットや防災ヘリに格安航空会社用旅客機などの商談機会はあったはず。
こうして来てよかった今年の小牧、と幾度か思いつつ最後まで撮影を続けました。この小牧基地航空祭ですが、来場者が航空祭の規模に対して、それほど多くないことから最前列付近でもゆとりを以て飛行展示や航空機の発着を見ることが出来ます。そういう意味では家族連れむきの航空祭と言えるやもしれません。
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