北大路機関

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最新鋭護衛艦すずつき建造中 あきづき型三番艦を三菱重工長崎造船所にて撮影

2013-01-13 22:56:56 | 先端軍事テクノロジー

◆あきづき型護衛艦三番艦現在建造中

 長崎にて最新鋭護衛艦建造中の様子を撮影しましたので、本日はこちらをお伝えしましょう。

Eimg_3520 護衛艦すずつき、平成21年度計画艦2246号艦として建造が進められる最新鋭護衛艦で、あきづき型護衛艦三番艦として昨年10月17日に進水式を迎えたばかり、隣に入渠しているのはイージス艦あしがら。すずつき、は現在来年三月の就役に向け艤装員長恒益俊春2佐以下艤装員が三菱重工長崎工場の社員と共に鋭意建造を進めています。

Eimg_3536 グラバー園から撮影した写真ですが、長崎市のグラバー園は、その頂に三菱財閥の創始者岩崎弥太郎の築いた保養所施設が名所旧跡として一般に公開され今に至ります、そしてそのグラバー園はかつて幕末から明治維新にかけ我が国が切望した黒船、現代でいうところの大型水上戦闘艦の国産化を実現した新しい時代の日本を俯瞰することも出来る場所となりました。

Eimg_3569 すずつき、は護衛艦あきづき型ですが、初代の秋月は旧帝国海軍防空駆逐艦秋月で、長砲身10センチ連装砲を多数備えた優秀艦として完成しています。護衛艦あきづき型は二代目にあたり、本型は国産多機能レーダーFCS-3,イージスシステムのような同時多目標対処が可能で、超長距離の目標は索敵できませんが、一方イージスシステムが苦手とする超低空小型目標捕捉能力が高い帯域のレーダーを用いて防空を担うシステム艦です。

Eimg_3494 一番艦あきづき、は2012年に就役し観艦式でもその雄姿を示し、二番艦てるづき、は本年三月にここ長崎にて就役予定、三番艦は上記の通りで、最終艦となる四番艦ふゆづき、は岡山県の三井造船玉井事業所にて昨年8月に進水式を迎え、現在建造中です。満載排水量は7000t、汎用護衛艦としては空前の規模となり、その能力と抑止力が期待される護衛艦と言えるでしょう。

Eimg_3709 あきづき型は、当初計画で19DD、四隻が弾道ミサイル防衛に当たる四隻のミサイル護衛艦こんごう型の支援を念頭に建造されており、FCS-3に加え射程50kmともいわれる艦対空ミサイルESSMにより天頂を警戒するイージス艦の死角を狙う対艦ミサイルや攻撃機から僚艦防空を行うことが任務というもの。

Eimg_3706 海上自衛隊では、あきづき型に加え、FCS-3か簡略型のOPS-50を搭載し、対空兵装を個艦防空に徹しつつ対潜哨戒能力を大幅に向上させた25DDという新型護衛艦の建造に移行します。財政難下ではありますが、着実に防衛力の維持向上に努めようとする姿について、そのものが一つの抑止力になるといえるやもしれません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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