◆今年度二回目の潜水艦米国派遣訓練
1月11日の防衛省海上幕僚監部発表によれば平成24年度潜水艦米国派遣訓練が明日から開始されます。
平成24年度第二回米国潜水艦派遣訓練は潜水艦はくりゅう、が派遣され、米海軍の訓練施設を用いて日本では実施できない高度な水準の訓練を行う目的であり、平成24年度における訓練は二回目となります。この派遣訓練は1月15日から4月27日まで実施され、呉基地より潜水艦はくりゅう、が派遣されるとのこと。
はくりゅう、は潜水艦そうりゅう型で先行したままでの航続距離が大きなAIP潜水艦として知られており、所属は第一潜水隊群、指揮官吉田薫2佐以下80名が乗艦しています。はくりゅう、は二月上旬から三月上旬にかけハワイ方面における各種訓練を実施、グアムを経由し4月27日に呉基地へ帰国します。
現在海上自衛隊は、従来の防衛大綱における潜水艦定数16隻体制から22隻体制への拡大改編を実施中です。これは我が国には三菱と川重という二つの潜水艦造船所があり、二社が各二年間の建造期間を以て毎年一隻の潜水艦が建造され就役していることから、比較的若い16年で除籍させている現状から、運用期間を見直し22隻体制へと改めた結果進められているもの。
こうした事情の一方で、海上自衛隊は冷戦時代に北方脅威への対処から宗谷津軽対馬の三海峡への潜水艦による哨戒を実施してきたとされていますが、併せて南西諸島海域での潜水艦脅威の増大へ警戒を強化する必要が迫られ、潜水艦定数の増勢は耐用年数とともに任務の増大を見越したものであると考えられます。
ちなみに海上自衛隊の潜水艦米国派遣訓練は1963年より毎年実施されており、リムパック環太平洋合同演習への潜水艦派遣を加えた場合、今回の派遣は64回目となるようです。なお、本日から新連載を予定していましたが、諸般の事情で長電話となり、時間内の記事作成の余裕が無くなりましたのでまた別の機会としましょう。
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