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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

緊急特集-Twitter問題:イーロンマスク氏改革はテスラモーター車にガソリンエンジンを積むような無理の在るもの

2023-07-02 20:15:52 | 北大路機関 広報
■閲覧上限と外部閲覧遮断
 自衛隊観艦式特集を本日は日曜特集として掲載する予定でしたが、急遽内容を変更して時事問題についてです。

 米中軍事衝突の際やロシアと欧米の全面戦争が現実となった場合、先ず中国軍やロシア軍は海底光ファイヴァー通信ケーブルを切断することで各国間の情報通信を遮断するであろう、現代社会は情報通信により様々な基盤を構成しており、指揮通信は勿論経済金融と文化や報道と個人的な情報交換まで、遮断される事は現在社会の破たんを意味します。

 7月1日深夜、これが部分的にシミュレートさせる事態が発生しました、もちろん現代社会が破綻した訳ではないのですが、突如、これは社会インフラの一部と云って過言ではないTwitterが大規模な障害を引き起したのです。いや、Twitterそのものの障害は日常的に発生しているのですが、閲覧できなくなるなど障害は長期化、対策がなかなか講じられない。

 Twitter、しかし障害では無くそれが仕様であったということが明らかになります、Twitterの前最高経営責任者で筆頭株主である実業家のイーロンマスク氏が、“サービス向上”というものを目的としてアカウント当たりの閲覧数を制限したのです。有料ユーザーである認定アカウントは6000、一般アカウントは600、新規アカウントは300まで一日当たり、と。

 使いにくくなった、イーロンマスク氏は緊急措置であるとしていますが、非常に使いにくなった、いや、使いやすくなったと考える方を一人でも見ていません。すると、膨大なユーザー数とともにユーザー一人一人が使い方を模索し構築されたサービス、その膨大なユーザーが参加している事にこそ意味があるのに、此処を突き崩す事に何か意味があるのか。

 ログインしなければ閲覧不能となった。これもTwitterの急な変更でした。ただ、このTwitterはログインしなくとも閲覧できる事が、アカウントを持たない閲覧者を増やしている事に繋がり、この開かれたTwitterというサービスが企業アカウント、広告収入というようなものを増やす裾野となりました。裾野を狭めれば広告料、運営の背景を抑えてしまう。

 過疎化する要因を創ってしまうと、膨大なユーザー数により膨大な情報が集まる、という特性が失われる。変な喩えですが、入り口をがちがちに固めたMIXIがほぼ忘れられたように、規約を厳しくして収益を確立しようとしたニコニコ動画がYOUYTUBEに市場を喪失したように、流砂の川底から砂金を個々人が探すようなTwitterが失われてしまうのです。

 第52北大路機関、Weblog北大路機関では旧OCNブログとして創設されたこのgooブログの北大路機関、そして予備ブログとして創設したFC2ブログの第二北大路機関に加え別のSNSで運用している部内用の北大路機関とともに2019年よりTwitterによる第52北大路機関を運用していまして、Twitterを活用しているところです。交流に情報収集など。

 600、しかし閲覧の定義はスクロールにより流し読みするというものも含めますしトレンドラインに載ったものや、そしてフォロワーツイートなどもその600ツイートの閲覧制限に含まれるものであり、フォロワー数が数百という方、いや数千をフォローしている方は極めて短時間の内にその600の閲覧上限に達してしまいます、これでは事実上使えない。

 600という数字は、掲示板などを閲覧される方は理解頂けるでしょう、ふたばちゃんねる等匿名掲示板の書き込みとTwitterトレンドラインに並ぶツイートの形式は良く似ているものですが、スレッド当たりの書き込み上限は1000ですから、目的のコメントを探していますと、例えば2009年の北大路機関が掲載した横須賀写真など、直ぐに600に達してしまう。

 Twitterというサービスは元々閲覧数の上限を想定して発達したものではありませんので、例えば現時点で放映しているテレビ番組、NHK大河ドラマやBS211で放映されているfate/strenge-fakeなど、実況掲示板の様にTwitterでのツイートを活用することで伸びてきました、バルスショックのように天空の城ラピュタなどでは昔Twitterが落ちていますが。

 利用者と利便性こそがTwitterの伸びた背景ではあるのでしょう、Twitterのサービス開始当時は限られた文字数のみを掲載できる、率直な印象ではWeblogのような一定の文章量を必要とする持論展開や議論には向かないものですし、YOUYUBEのように動画を広く共有できるものではなく、伝える情報を以下に詰め込むかが難しいメディアと感じました。

 普及したのは、短文投稿サイトという事で入口を幅広くした事でしょうか、いや特に“短文投稿サイトであるから投稿しやすい”という今回上限規制された閲覧数とは真逆の要素で、多数の情報を気軽に投稿できる、長い文章を想定しない投稿様式故に、数が多く集まった、一人あたりの投稿数が増えた、リツイート機能とあわせ普及したのだと考える。

 採算性の問題が在ったという事は指摘されています、この為にイーロンマスク氏はトライアンドエラー方式で様々な方式を考えていますが、何れも巧く行きません、いや、もとよりTwitterというサービスがトライアンドエラーのなかで生き残ったサービスであり、Twitterのような多数のユーザー数を一点突破でビジネスモデル構築などはできません。

 Twitterの強みはユーザー数の多さであり、言い換えればユーザー数はサービスが必要性に適合し集まった結果であり、そのサービスとは膨大なユーザー数に支えられている、行列が有れば並ぶ群集心理が、一定数を超えた段階での普及を支えたともいえる。サービスが優れていたものがユーザー数を掴むのではなく、実はその真逆でユーザー数こそが肝要だ。

 公共財としてのTwitterについて。世界中にSNSは数多あります、しかし個人情報の登録が必須であり使い難いFacebook,instagramと比べますとTwitterはだれでも見る事が出来るとして、公的機関や防災情報共有に大きな意味を見い出しました。実際、防災情報は公的機関のWebサイトでも配信されますが、共有の迅速性ではTwitterの役割は実際大きい。

 地震速報や被災地情報などにTwitterが活用されていますが、これにたいしてFacebook,instagramにはTwitter程の速報性がありません、やはり、短文投稿サイトならではの使い方との違いがあるのでしょうか、ここが事実上遮断された事には、もちろん緊急的な措置とイーロンマスク氏は説明しているのですが、朝令暮改が多すぎます。

 Facebook,instagramについて、サービスが改正されるか、もしくはメタがFacebook,instagramとは別のTwitter方式のサービスを開発しているとは言われるのですが、Twitterほど、世界中の公的機関がアカウント登録する、というような広いユーザーを獲得できるかは未知数、なにしろTwitterの成功と同様サービスの不成功の分水嶺は不明だ。

 完成したものを当初最も評価された利点を省いて改良する事は難しい、それはテスラモーターの自動車にガソリンエンジンを搭載するようなもので、航続距離や給油/充電の補給時間短縮などで完成度が高くなったとしてもユーザーが離れてゆくでしょう、Twitterの改善という今回の一連の施策は実際のところ、テスラ車に内燃機関を積むような改善に思えてならないのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)

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