先日詳報を掲載した岐阜基地航空祭はあいにくの雨天であった。そこで、今回は昨年度、つまり2004年の岐阜基地航空祭の写真を掲載したい。
岐阜基地には、航空機の実験や運用試験を行う飛行開発実験団が所在し、その任務の特性上、航空自衛隊が運用するほぼ全ての航空機が配置されている。例えば、F-4EJ改、F-2、F-15Jといった第一線航空機が複数規模で配置されている。
無論、通常の実戦部隊のような単一機種による大編隊は数的に展示できないものの、この基地をみればほぼ全ての機体を観る事が出来る点が岐阜基地航空祭の魅力である。
また、今年度はスケジュールの関係上飛行展示を行わなかったが、例年はブルーインパルスによる飛行展示が行われる。写真はブルーインパルスのT-4列機横を通過する飛行開発実験団のF-2である。岐阜基地には初号機など試作段階のF-2が配置されており、実戦部隊の迷彩とは異なり、あたかもアクロバット機のような派手(機体の運動性能などを遠距離から視認する上で必要なため)なカラーリングが施されている。
写真は残念ながら一目して逆光である事がわかるが、地上展示機が並べられているエプロン地区は午後から逆光になる。従って、午後から行われるブルーインパルスや後述する多機種編隊飛行をエプロン地区から撮影すれば逆光は必至となってしまう。
これに対しては、エプロン地区、つまり滑走路北側ではなく滑走路南側が開放されているのでここに移動しての撮影が望ましい。ただし、地上展示機はないので、こちらを撮影するのであれば朝一番、開門と同時に撮影するくらいの行動力が必要となる。なお、徒歩では滑走路を横断できず、沿って迂回する必要があり時間が掛かるが、有料のバスが運行されておりこちらを利用すると良い。なお、売店もないので飲料水などは各自携行する必要がある。
前述のように基地の特性上多種多様な機体があり、地上展示機も豊富である。しかし、エプロンの面積の関係からあまり多くの機体を並べる事が出来ず、E-767(浜松基地)のような大型の機体が展示されることは非常に少ない。入間基地のようにエプロン前方に並べると格納庫群によって視界が妨げられてしまう為、こうした展示方法も行う事が出来ないのは残念である。
なお、飛行展示に関しては搭乗員が優秀であることと、周辺自治体との良好な関係から大いに期待できる。
この技量の真髄とも言うべき飛行展示は、写真の多機種編隊飛行である。航空自衛隊が保有する、速力や航続距離、機体規模といった性能が根本から異なる機体を組み合わせた編隊飛行は、間違いなく岐阜基地でしか見る事が出来ない“名物”である。写真は、C-1輸送機を中心にあたかもサンダーバードの如く飛行している。
なお、この編隊飛行は編隊を組み替えつつなんどか上空を飛行する為、撮影のチャンスも多い事が嬉しい。この写真も先の写真と同じく逆光であるが、航空専門誌等を観ると順光の写真が何枚も滑走路の南側から撮影され、掲載されており来年度こそは小生も滑走路南方に展開し撮影したいと思う。
このように、岐阜基地は晴天であれば多くの見所がある航空祭であるため、一度展開をお勧めしたい。
HARUNA