■特報:世界の防衛,最新論点
防衛情報の最新防衛及び時事情報についてお伝えします。

横須賀基地を初めて寄港したイギリス空母クイーンエリザベスを6日、岸防衛大臣が視察しました。クイーンエリザベスは5月にイギリスを出航、8月に日米英共同訓練を実施したのち、4日に横須賀入港、我が国では安倍政権時代より、自由で開かれたインド太平洋、その実現を進めており、日米やアジア諸国とともに欧州との防衛協力も重視しています。

岸防衛大臣は続いてオランダ海軍のミサイルフリゲイトエヴァーツェンを視察、一連の視察ののちに記者会見において、東シナ海や南シナ海で生じている"国際法によらない海洋秩序の変更"へ欧州諸国が関心を持ち、プレゼンスを発揮することは地域の安定に寄与するものだ、としてイギリスやオランダの艦艇訪日を行う意義と重要性を強調しました。

空母クイーンエリザベスは当初9日までの横須賀寄港の予定でしたが、8日に予定を早めて出航、その出航にはヘリコプター搭載護衛艦いせ、が先導するかたちをとり、ホストシップの役割を担っているような航行序列をとり、また観音崎付近でのアメリカ海軍イージス艦と並びフォトミッションを実施、日英と日米の防衛協力の新しい時代を強調しました。
■時事:中国潜鹿児島接続水域へ
中国のものとみられる潜水艦が先行したまま鹿児島県御接続海域へ侵入しました。

中国海軍の潜水艦が9月10日、沖縄県の我が国領海接続水域を先行し航行した、防衛省が発表しました。防衛省によれば事案が発生したのは鹿児島県の奄美大島東方の太平洋上で、潜水艦周辺には中国海軍艦艇が随伴していたとのこと。潜水艦は10日午前中に確認されていますが12日までに接続水域を出たとしています。海上自衛隊は警戒を続けている。

潜水艦の型式や浮上航行時の写真などは公表されていません。潜水艦を含む鑑定には他国領海においても無害通航権をゆうしていますが、この場合は浮上し軍艦旗など国籍を示す必要があります。一方、接続水域についてはその限りではありませんが、奄美渡島東方海域は太平洋に面し国際海峡でも無く、特段潜航し接続水域を航行する目的は不可解です。
■時事:台湾沖に中国機19機
空母クイーンエリザベスは極東地域の安定へ展開しましたが現状は杞憂とは真逆の緊張下にあります。

台湾国防部は9月5日の発表で、中国軍機19機が台湾防空識別圏に相次いで侵入したと発表しました。台湾空軍は戦闘機などを緊急発進させ対応したとのこと。多数の中国機が侵入したのは5日、東沙諸島北方海域上空で戦闘機14機とH-6爆撃機4機および対潜哨戒機1機、台湾空軍は戦闘機を発進させると共に地対空ミサイルを展開させ防空を強化した。

中国から台湾への多数航空機防空識別圏侵入は6月15日の28機連続侵入以来で、台湾では昨年に常識を越えた規模の防空識別圏侵入により空軍戦闘機が過剰運用を強いられ、機材に墜落を含む損耗が生じたため、一時的に戦闘機緊急発進を制限し地対空ミサイルと無線通信による警告で代替する非常措置が執られていましたが、今回の規模は異例でした。
■時事:アフガン内戦の懸念
空母クイーンエリザベスが一時アフガン転進の可能性も指摘されていましたが、最早手遅れではあるものの懸念する事案が。

アフガニスタンではタリバーンの全土掌握間近の中、マスード将軍の墓所がタリバーンにより一部破壊され問題となっています。マスード将軍はアフガニスタン政府要人でソ連のアフガン侵攻に際しては卓越した指揮官として知られ、タリバーン台頭後は北部同盟を率いた将軍ですが、2001年の同時多発テロ直前にタリバーンにより暗殺されています。

米軍撤退後、アフガニスタンの全土掌握を目前としたタリバーンは様々な部族との協調国家運営を叫んではいますが、マスード将軍の実子がアフガニスタン軍残存部隊を率いてパンジシール州の一部で戦闘を続けています。こうした中でのマスード将軍墓所破壊はタリバーンの提唱する国家運営が現実とはかけ離れ、将来の内戦へ懸念を広げるものと云える。

奇しくも同時多発テロから20年を迎えるなか、マスード将軍暗殺からも20年を迎えるアフガニスタンでは、9月11日をアメリカ同時多発テロの日である事を知る国民は少なく、アフガニスタン国民にとり、テロとの戦いの二十年間という苦悩と、アメリカの支援下とはいえ一時的に手にした自由がタリバーン復権により霧散した絶望的な状況となっています。
■時事:建国73周年軍事パレード
中国と並ぶ極東地域もう一つの緊張要素である北朝鮮情勢について。

北朝鮮は建国73周年軍事パレードを実施しました。北朝鮮は9月9日を建国記念日と位置づけており例年、首都平壌の金日成広場において大規模な軍事パレードを実施しています。北朝鮮による軍事パレードはAFP通信によれば過去一年間で三回行われているとのこと。しかし、今回の73周年軍事パレードは平和的という意味で異例なものとなりました。

建国73周年軍事パレードでは過去のような核ミサイルの展示などは無く社会安全軍の消防自動車や共同農場用のトラクターなどが展示されるにとどまっています。軍事パレードは周辺国への軍事圧力に用いられる一方、大量の燃料を必要とし、またアメリカを始め周辺国を大きく刺激します。核開発経済制裁の影響が燃料に響いているとも、いえましょう。
■時事:北朝鮮新型ミサイル
北朝鮮新型ミサイルが発射されたと9月13日に報道がありました。

北朝鮮労働新聞は北朝鮮が新型巡航ミサイル発射試験に成功したと発表しました。新型巡航ミサイルは極めて射程が長いものとされていますが、日米のミサイル防衛システムは感知していません、この点について北朝鮮当局は、巡航ミサイル実験を国内上空において実施していると発表しており、移動発射装置からミサイル発射の様子を発表しています。

新型巡航ミサイルは北朝鮮本土上空を楕円形と八の字状に飛行し、飛行時間は二時間に及んだとの事で、この八の字に飛行し領域外に影響を及ぼさない巡航ミサイル実験は過去、韓国が実施した方式とおなじもの。仮にこれが亜音速で飛行した場合は射程は1500kmから2000km、韓国全土は勿論、我が国東京首都圏まで到達する射程といえるでしょう。

ミサイルの形状は主翼を展開させる亜音速型、移動発射器から複数発発射可能です。北朝鮮は巡航ミサイルの着弾地域を発表しておらず、防衛省は現在情報を収集中との事ですが、北朝鮮情勢については今週中にも日本とアメリカに韓国を加えた北朝鮮非核化に向けた協議が行われる予定となており、この動向を睨んでの巡航ミサイル実験とも考えられます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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横須賀基地を初めて寄港したイギリス空母クイーンエリザベスを6日、岸防衛大臣が視察しました。クイーンエリザベスは5月にイギリスを出航、8月に日米英共同訓練を実施したのち、4日に横須賀入港、我が国では安倍政権時代より、自由で開かれたインド太平洋、その実現を進めており、日米やアジア諸国とともに欧州との防衛協力も重視しています。

岸防衛大臣は続いてオランダ海軍のミサイルフリゲイトエヴァーツェンを視察、一連の視察ののちに記者会見において、東シナ海や南シナ海で生じている"国際法によらない海洋秩序の変更"へ欧州諸国が関心を持ち、プレゼンスを発揮することは地域の安定に寄与するものだ、としてイギリスやオランダの艦艇訪日を行う意義と重要性を強調しました。

空母クイーンエリザベスは当初9日までの横須賀寄港の予定でしたが、8日に予定を早めて出航、その出航にはヘリコプター搭載護衛艦いせ、が先導するかたちをとり、ホストシップの役割を担っているような航行序列をとり、また観音崎付近でのアメリカ海軍イージス艦と並びフォトミッションを実施、日英と日米の防衛協力の新しい時代を強調しました。
■時事:中国潜鹿児島接続水域へ
中国のものとみられる潜水艦が先行したまま鹿児島県御接続海域へ侵入しました。

中国海軍の潜水艦が9月10日、沖縄県の我が国領海接続水域を先行し航行した、防衛省が発表しました。防衛省によれば事案が発生したのは鹿児島県の奄美大島東方の太平洋上で、潜水艦周辺には中国海軍艦艇が随伴していたとのこと。潜水艦は10日午前中に確認されていますが12日までに接続水域を出たとしています。海上自衛隊は警戒を続けている。

潜水艦の型式や浮上航行時の写真などは公表されていません。潜水艦を含む鑑定には他国領海においても無害通航権をゆうしていますが、この場合は浮上し軍艦旗など国籍を示す必要があります。一方、接続水域についてはその限りではありませんが、奄美渡島東方海域は太平洋に面し国際海峡でも無く、特段潜航し接続水域を航行する目的は不可解です。
■時事:台湾沖に中国機19機
空母クイーンエリザベスは極東地域の安定へ展開しましたが現状は杞憂とは真逆の緊張下にあります。

台湾国防部は9月5日の発表で、中国軍機19機が台湾防空識別圏に相次いで侵入したと発表しました。台湾空軍は戦闘機などを緊急発進させ対応したとのこと。多数の中国機が侵入したのは5日、東沙諸島北方海域上空で戦闘機14機とH-6爆撃機4機および対潜哨戒機1機、台湾空軍は戦闘機を発進させると共に地対空ミサイルを展開させ防空を強化した。

中国から台湾への多数航空機防空識別圏侵入は6月15日の28機連続侵入以来で、台湾では昨年に常識を越えた規模の防空識別圏侵入により空軍戦闘機が過剰運用を強いられ、機材に墜落を含む損耗が生じたため、一時的に戦闘機緊急発進を制限し地対空ミサイルと無線通信による警告で代替する非常措置が執られていましたが、今回の規模は異例でした。
■時事:アフガン内戦の懸念
空母クイーンエリザベスが一時アフガン転進の可能性も指摘されていましたが、最早手遅れではあるものの懸念する事案が。

アフガニスタンではタリバーンの全土掌握間近の中、マスード将軍の墓所がタリバーンにより一部破壊され問題となっています。マスード将軍はアフガニスタン政府要人でソ連のアフガン侵攻に際しては卓越した指揮官として知られ、タリバーン台頭後は北部同盟を率いた将軍ですが、2001年の同時多発テロ直前にタリバーンにより暗殺されています。

米軍撤退後、アフガニスタンの全土掌握を目前としたタリバーンは様々な部族との協調国家運営を叫んではいますが、マスード将軍の実子がアフガニスタン軍残存部隊を率いてパンジシール州の一部で戦闘を続けています。こうした中でのマスード将軍墓所破壊はタリバーンの提唱する国家運営が現実とはかけ離れ、将来の内戦へ懸念を広げるものと云える。

奇しくも同時多発テロから20年を迎えるなか、マスード将軍暗殺からも20年を迎えるアフガニスタンでは、9月11日をアメリカ同時多発テロの日である事を知る国民は少なく、アフガニスタン国民にとり、テロとの戦いの二十年間という苦悩と、アメリカの支援下とはいえ一時的に手にした自由がタリバーン復権により霧散した絶望的な状況となっています。
■時事:建国73周年軍事パレード
中国と並ぶ極東地域もう一つの緊張要素である北朝鮮情勢について。

北朝鮮は建国73周年軍事パレードを実施しました。北朝鮮は9月9日を建国記念日と位置づけており例年、首都平壌の金日成広場において大規模な軍事パレードを実施しています。北朝鮮による軍事パレードはAFP通信によれば過去一年間で三回行われているとのこと。しかし、今回の73周年軍事パレードは平和的という意味で異例なものとなりました。

建国73周年軍事パレードでは過去のような核ミサイルの展示などは無く社会安全軍の消防自動車や共同農場用のトラクターなどが展示されるにとどまっています。軍事パレードは周辺国への軍事圧力に用いられる一方、大量の燃料を必要とし、またアメリカを始め周辺国を大きく刺激します。核開発経済制裁の影響が燃料に響いているとも、いえましょう。
■時事:北朝鮮新型ミサイル
北朝鮮新型ミサイルが発射されたと9月13日に報道がありました。

北朝鮮労働新聞は北朝鮮が新型巡航ミサイル発射試験に成功したと発表しました。新型巡航ミサイルは極めて射程が長いものとされていますが、日米のミサイル防衛システムは感知していません、この点について北朝鮮当局は、巡航ミサイル実験を国内上空において実施していると発表しており、移動発射装置からミサイル発射の様子を発表しています。

新型巡航ミサイルは北朝鮮本土上空を楕円形と八の字状に飛行し、飛行時間は二時間に及んだとの事で、この八の字に飛行し領域外に影響を及ぼさない巡航ミサイル実験は過去、韓国が実施した方式とおなじもの。仮にこれが亜音速で飛行した場合は射程は1500kmから2000km、韓国全土は勿論、我が国東京首都圏まで到達する射程といえるでしょう。

ミサイルの形状は主翼を展開させる亜音速型、移動発射器から複数発発射可能です。北朝鮮は巡航ミサイルの着弾地域を発表しておらず、防衛省は現在情報を収集中との事ですが、北朝鮮情勢については今週中にも日本とアメリカに韓国を加えた北朝鮮非核化に向けた協議が行われる予定となており、この動向を睨んでの巡航ミサイル実験とも考えられます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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