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ウクライナ情勢-ロシア大統領府は軍間地位剥奪,プーチン大統領政令署名で軍管区司令部海空軍統合運用終了決定

2025-02-10 07:00:48 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
隣国ロシアで軍の再編に大きな動き。

ロシア大統領府は軍管区司令部から海空軍の統合運用終了を決定した、これはISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告2月5日付発表によるもので、プーチン大統領が5日に署名した政令によるものです。従来の軍管区司令部は陸軍に加え海軍と海軍歩兵、航空宇宙軍を統括し、大統領府直轄の空挺軍や親衛軍を除く統合運用体制にありました。

軍間地位剥奪とも呼ばれるこの措置は、軍管区司令部の統合戦略司令部、つまり独立した地域軍という位置づけから地域陸軍総局に置換えるもので、これにより軍管区の各部隊に配置されていた航空宇宙軍部隊と海軍部隊をロシア海軍司令官およびロシア航空宇宙軍司令官の管理下に集約するという方針が執られる事になりました。

地域陸軍総局への再編は、統合作戦応力を喪失するために、必要な空軍からの航空支援や海軍部隊の支援を受けられない事にもなりますが、実質的に現在ロシア軍は陸軍と空軍一つとって有意義な連携体制は取れておらず、特に近接航空支援の様な運用を行えていない事から、統合運用の意義そのものが喪失しているといえるのかもしれません。

戦況全般を見ますと、チャシブヤール中心部がいよいよ陥落の危機にあるようです。ウクライナ軍ルハンスク軍集団報道官のザポロジェツ中佐の発言によれば、ロシア軍はチャシブヤール北部のアバンハルド競技場付近まで進出していて、チャシブヤール中心部まで一歩手前の段階とのこと。攻撃頻度も昨年12月と比して97%増大とのこと。

チャシブヤールを巡る戦いはロシア軍は市販車やオートバイとオフロードカーを用いた、損耗を度外視した攻撃を実施しているとの事でした。一方、焦点の一つと云われたクピャンスク正面では訓練を受けていない動員兵や囚人部隊を多用、クラホヴェ戦域では装甲車両を使う例が少なくなり、状況は切迫しているがロシア軍損耗を強いているもよう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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