■C550-CAVOUR
飛行甲板を眺めると海上自衛隊の全通彦甲板型護衛艦との根本的な違いが顕著だ。
カブール、艦載機を満載しています、ハリアー攻撃機とF-35B戦闘機ですね。ハリアー攻撃機は、イギリスのホーカーシドレー社が1960年代のおわりに開発へ成功した、世界初の垂直離着陸攻撃機です、いや実現しなかった試作機ならば数多くあったが。
ハリアーはもともと、野戦飛行場において通常の攻撃機が滑走路を破壊されるなどした場合でも分散運用により粘り強い航空阻止任務に当たる航空機ではあったのですが、これを艦載機として運用することに着眼したのも同じイギリスでして。
シーハリアーという、イギリスが海軍向け開発したのはレーダーを強化したものでしたが、ファントムまで搭載した正規空母を廃止したイギリスにとって対潜巡洋艦として建造したインヴィンシブル級軽空母に搭載したハリアーはフォークランド紛争で活躍した。
しらね型護衛艦を建造する当時、8300t型対潜巡洋艦というヘリコプター巡洋艦型の護衛艦とともに8700t型航空機搭載護衛艦、全通飛行甲板を有する護衛艦を検討していまして、ここに艦載機としてハリアーを搭載する可能性が検討されていたという歴史が。
U-36訓練支援機のような標的曳航機としてハリアーを導入する検討も為された時代があり、訓練支援艦にハリアーを2機程度搭載する案もあった。困ったときは標的曳航機というわけではないのだけれども、何度も検討されたハリアーは結局、導入されていない。
サイドワインダーミサイル、ハリアーの能力が限定された背景にはAMRAAMのような視程外空対空ミサイルの運用能力が付与されたのは冷戦後、それまではサイドワインダーミサイルの運用しかハリアーには能力が付与されておらず、性能が限定的であった。
バックファイア超音速爆撃機、海上自衛隊がハリアーを必要と検討した背景には、シーレーン防衛を任務とする海上自衛隊には数十機のバックファイアが射程の長いキッチンミサイルを大量に撃ち込む飽和攻撃を日本の船団に行うのが危惧されていたといい。
シーレーン防衛の天敵は潜水艦とともに航空攻撃であり、ハリアーを艦載機として配備できたならば、バックファイア爆撃機がミサイルを発射する前にサイドワインダーミサイルを発射することで発射を妨害することが出来るのではないか、という。
オペレーションリサーチとして海上自衛隊が想定していたのはバックファイア爆撃機60機による波状攻撃といわれています。現実問題として貴重なバックファイアをそこまで日本の船団に集中するのかという疑問はありますが、当時ソ連は過大評価されていて。
ハリアーだけでは迎撃が難しい、海上自衛隊は無理にハリアーを導入したにしても、想定されるバックファイアを迎撃するには難しく、いっそP-3C哨戒機に大量のフェニックス空対空ミサイルを搭載する空中巡洋艦構想など、違う方向に検討は進んでゆく。
ロシアウクライナ戦争、黒海でのバックファイアミサイル攻撃は、とにかく当たらないとともに無関係な商船に命中して、あの狭い黒海でもあんなに運用できないのであれば、ハリアーでも迎撃出来たようにも思えてしまうのだけれども。
イージス艦、海上自衛隊がバックファイア爆撃機に対抗する手段として着眼したのはイージスシステムとなっていて、護衛隊群に2隻のイージス艦が配備されているならば60機のバックファイア爆撃機の攻撃は第一波で75%、第二波でも60%が生き残るという。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
飛行甲板を眺めると海上自衛隊の全通彦甲板型護衛艦との根本的な違いが顕著だ。
カブール、艦載機を満載しています、ハリアー攻撃機とF-35B戦闘機ですね。ハリアー攻撃機は、イギリスのホーカーシドレー社が1960年代のおわりに開発へ成功した、世界初の垂直離着陸攻撃機です、いや実現しなかった試作機ならば数多くあったが。
ハリアーはもともと、野戦飛行場において通常の攻撃機が滑走路を破壊されるなどした場合でも分散運用により粘り強い航空阻止任務に当たる航空機ではあったのですが、これを艦載機として運用することに着眼したのも同じイギリスでして。
シーハリアーという、イギリスが海軍向け開発したのはレーダーを強化したものでしたが、ファントムまで搭載した正規空母を廃止したイギリスにとって対潜巡洋艦として建造したインヴィンシブル級軽空母に搭載したハリアーはフォークランド紛争で活躍した。
しらね型護衛艦を建造する当時、8300t型対潜巡洋艦というヘリコプター巡洋艦型の護衛艦とともに8700t型航空機搭載護衛艦、全通飛行甲板を有する護衛艦を検討していまして、ここに艦載機としてハリアーを搭載する可能性が検討されていたという歴史が。
U-36訓練支援機のような標的曳航機としてハリアーを導入する検討も為された時代があり、訓練支援艦にハリアーを2機程度搭載する案もあった。困ったときは標的曳航機というわけではないのだけれども、何度も検討されたハリアーは結局、導入されていない。
サイドワインダーミサイル、ハリアーの能力が限定された背景にはAMRAAMのような視程外空対空ミサイルの運用能力が付与されたのは冷戦後、それまではサイドワインダーミサイルの運用しかハリアーには能力が付与されておらず、性能が限定的であった。
バックファイア超音速爆撃機、海上自衛隊がハリアーを必要と検討した背景には、シーレーン防衛を任務とする海上自衛隊には数十機のバックファイアが射程の長いキッチンミサイルを大量に撃ち込む飽和攻撃を日本の船団に行うのが危惧されていたといい。
シーレーン防衛の天敵は潜水艦とともに航空攻撃であり、ハリアーを艦載機として配備できたならば、バックファイア爆撃機がミサイルを発射する前にサイドワインダーミサイルを発射することで発射を妨害することが出来るのではないか、という。
オペレーションリサーチとして海上自衛隊が想定していたのはバックファイア爆撃機60機による波状攻撃といわれています。現実問題として貴重なバックファイアをそこまで日本の船団に集中するのかという疑問はありますが、当時ソ連は過大評価されていて。
ハリアーだけでは迎撃が難しい、海上自衛隊は無理にハリアーを導入したにしても、想定されるバックファイアを迎撃するには難しく、いっそP-3C哨戒機に大量のフェニックス空対空ミサイルを搭載する空中巡洋艦構想など、違う方向に検討は進んでゆく。
ロシアウクライナ戦争、黒海でのバックファイアミサイル攻撃は、とにかく当たらないとともに無関係な商船に命中して、あの狭い黒海でもあんなに運用できないのであれば、ハリアーでも迎撃出来たようにも思えてしまうのだけれども。
イージス艦、海上自衛隊がバックファイア爆撃機に対抗する手段として着眼したのはイージスシステムとなっていて、護衛隊群に2隻のイージス艦が配備されているならば60機のバックファイア爆撃機の攻撃は第一波で75%、第二波でも60%が生き残るという。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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