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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-イギリス政府海底戦争へ本腰,ロシア工作船海底ケーブル破壊交戦規定を変更

2025-01-29 07:01:17 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 日本も海底ケーブル防衛など平時における海軍艦艇による破壊工作へのグレーゾーン事態対処の法整備を急がねばなりません。

 イギリス政府はロシア工作船による海底ケーブル破壊へ交戦規定を変更した、ロイター通信が1月22日に報じたところによれば、バルト海などで相次ぐ海底ケーブル切断を受け、特に切断された時間帯に当該海域を航行しているロシア海軍の工作船ヤンタルに対して、イギリス海軍が必要な措置を取れるよう議会を通じて交戦規定を変更したとのこと。

 イギリス海軍は情報収集艦プロメテウスとロシア海軍工作艦ヤンタルが対峙している写真を公開しています。従来の交戦規定では外国艦艇への平時における接近行動には厳しい制約がありましたが、海底ケーブルの破壊工作を受け、こうした破壊工作を事前に阻止できるよう、接近や監視活動に対する艦艇任務遂行の冗長性を確保したかたち。

 NATO全体でも、海底ケーブル防衛に案する措置は強化されており、フランス海軍とポーランド海軍、オランダ海軍など同時にこれは公海上において平時から実施される海軍艦艇に対する破壊工作に対して、その阻止を試みるという、日本でいうところのグレーゾーン事態に対するNATOの難しい取り組みというものを示したかたちとなっている。

 グレーゾーン事態、日本が緊張感を以て対応策を考えなければならない分野です、特に島国である日本には、海底ケーブル寸断という状況となれば、残念ながら衛星通信では日本国内と世界を結ぶ情報通信を維持する事はできず、この分野でのグレーゾーン事態発生の蓋然性が高まった場合への法整備、阻止や交戦規定を法整備しなければなりません。

 グレーゾーン事態への施策は既にある程度は整備されていますが、仮に海軍艦艇による平時における破壊工作が行われた場合、臨検を含む措置は取れるのか、自衛隊艦艇による破壊工作阻止活動は何処まで可能なのか、平時における海軍艦艇同士の戦闘の可能性を含め、平時の今、事態が起きる前であるからこそ、法整備しておかなければならないのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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