■臨時情報-ウクライナ情勢
現状を維持するにはあらゆる装備を全て叩きつける事が唯一の選択肢というのに弾薬を節約しろというのか、"レッドストーム作戦発動"という小説でのソ連軍を前にしたNATO司令官の苦悩の台詞でしたが。
アメリカがウクライナに大量の弾薬や各種誘導装備を供与していますが、その備蓄がそろそろ懸念すべき水準となっているのではないか、これはアメリカのCSIS国際戦略問題研究所のマークキャンシアン研究員が、ウクライナへ供与された弾薬規模とアメリカの生産能力から、米軍所要の弾薬を除いた供与用の余剰備蓄について、枯渇の懸念を示したもの。
HIMARS用GMLRS精密誘導ロケット弾だけでアメリカが備蓄している弾薬は2万4000発から3万発程度とされまして、この内で対外供与できるものは3分の1程度、ウクライナへ供与できるロケット弾は8000発から1万発となります。対して年間のGMLRS弾薬生産能力は5000発程度といいますので、その補填には2年前後を要する事となるのです。
ジャベリン対戦車ミサイルは緒戦の威力が大きく、我が国財務省も自衛隊にはジャベリンさえあれば戦車等は不要ではないかと報告書を公表する事となったのは記憶に新しいのですが、アメリカがウクライナに供与したジャベリンミサイルは8500発、対して精密誘導弾であるジャベリンの年間生産能力は1000発程度といい補填に10年近くを要する事になる。
弾薬備蓄、問題は日本の防衛についてです。有事の際には米軍弾薬の緊急供与などを見込み、橋本内閣時代に日米新ガイドラインを締結しているのですが、例えば自衛隊にはGMLRSを発射可能なMLRSが91両導入され、かなり削減されましたが60両程度が維持されています、するとGMLRS弾薬だけで1万発以上の備蓄が必要である事を意味します。
ジャベリンミサイルも財務省の太鼓判が有るとはいえ、8500発を投じて尚現状なのですから、国産の01式軽対戦車誘導弾で代替するにしても戦時備蓄というものをそうとう真剣に考え、消費できない弾薬が生じる無駄を呑むか、有事の際に足りなくなり凄惨な本土決戦の懸念を受忍するかですが、主権国家として後者は選びえない為、備蓄の必要があります。
余剰弾薬についてもう一つの問題として、例えばウクライナ以外の情勢、日本周辺ですと沖縄県の南側などに思い浮かぶ地域がありますが、こうした地域で緊張が増大した際に、アメリカが供与する弾薬が限られてくるという問題があり、米軍が弾薬を供与不要、その事実が今後数年間に渡り地域安全保障における大きな不確定要素となるのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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現状を維持するにはあらゆる装備を全て叩きつける事が唯一の選択肢というのに弾薬を節約しろというのか、"レッドストーム作戦発動"という小説でのソ連軍を前にしたNATO司令官の苦悩の台詞でしたが。
アメリカがウクライナに大量の弾薬や各種誘導装備を供与していますが、その備蓄がそろそろ懸念すべき水準となっているのではないか、これはアメリカのCSIS国際戦略問題研究所のマークキャンシアン研究員が、ウクライナへ供与された弾薬規模とアメリカの生産能力から、米軍所要の弾薬を除いた供与用の余剰備蓄について、枯渇の懸念を示したもの。
HIMARS用GMLRS精密誘導ロケット弾だけでアメリカが備蓄している弾薬は2万4000発から3万発程度とされまして、この内で対外供与できるものは3分の1程度、ウクライナへ供与できるロケット弾は8000発から1万発となります。対して年間のGMLRS弾薬生産能力は5000発程度といいますので、その補填には2年前後を要する事となるのです。
ジャベリン対戦車ミサイルは緒戦の威力が大きく、我が国財務省も自衛隊にはジャベリンさえあれば戦車等は不要ではないかと報告書を公表する事となったのは記憶に新しいのですが、アメリカがウクライナに供与したジャベリンミサイルは8500発、対して精密誘導弾であるジャベリンの年間生産能力は1000発程度といい補填に10年近くを要する事になる。
弾薬備蓄、問題は日本の防衛についてです。有事の際には米軍弾薬の緊急供与などを見込み、橋本内閣時代に日米新ガイドラインを締結しているのですが、例えば自衛隊にはGMLRSを発射可能なMLRSが91両導入され、かなり削減されましたが60両程度が維持されています、するとGMLRS弾薬だけで1万発以上の備蓄が必要である事を意味します。
ジャベリンミサイルも財務省の太鼓判が有るとはいえ、8500発を投じて尚現状なのですから、国産の01式軽対戦車誘導弾で代替するにしても戦時備蓄というものをそうとう真剣に考え、消費できない弾薬が生じる無駄を呑むか、有事の際に足りなくなり凄惨な本土決戦の懸念を受忍するかですが、主権国家として後者は選びえない為、備蓄の必要があります。
余剰弾薬についてもう一つの問題として、例えばウクライナ以外の情勢、日本周辺ですと沖縄県の南側などに思い浮かぶ地域がありますが、こうした地域で緊張が増大した際に、アメリカが供与する弾薬が限られてくるという問題があり、米軍が弾薬を供与不要、その事実が今後数年間に渡り地域安全保障における大きな不確定要素となるのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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