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ウクライナ情勢-Su-34戦闘機3機喪失の南部戦線とクピャンスク周辺ロシア軍大規模攻勢再興準備

2024-01-16 07:00:40 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ軍の現状はアメリカからの軍事援助が停止したままの状況ではオスキル川まで撤退を強いられかねない状況があります。F-16供与の準備などは進んでいるようだが。

 Su-34戦闘機3機を一気に喪失したロシア空軍はウクライナ南部での航空作戦を完全に停止した、イギリス国防省ウクライナ戦況報告1月6日版によれば、ロシア軍はウクライナ南部地域にぽいて2023年12月22日、Su-34戦闘機を短期間で3機撃墜される事となりました。並列複座型戦闘爆撃機でロシア航空宇宙軍は開戦時150機程度を保有した。

 ウクライナ南部ではロシア軍第18諸兵科連合軍が昨年末にかけて攻勢に転じていたものの、結果的に失敗し作戦を中断しました。この背景にはSu-34がドニエプル川東岸地域における航空支援に大きな役割を担っていたため、この欠如が重大な結果を齎せた、とも解釈できます。1月以降航空作戦を再開したものの、その規模は小規模となっています。
■クピャンスク
 ウクライナ軍はクピャンスクを保持できるのか。

 クピャンスク周辺でロシア軍が次の大規模攻勢準備を完了しつつある可能性がある、ISWアメリカ戦争研究所1月5日付発表によれば、クピャンスク地区には第1親衛戦車軍と第6諸兵科連合軍から成る部隊が包囲を固めているものの、2022年から2023年春にかけての冬季攻勢以外では積極攻勢に使われず戦力をある程度回復させている可能性が、と。

 クピャンスクが戦略上の要衝である背景には、クピャンスクとボロヴァの二つの地域がロシア軍に占領される事で、ウクライナ軍は自動的にオスキル川まで撤退を強いられることを意味し、これはオスキル川東岸地区の全面放棄を意味しているとともに、ハリコフ州におけるウクライナ戦線の大規模な建て直しを強いられることにもなります。
■サキ空軍基地を攻撃
 ウクライナ軍はロシア軍の軍事リソースを分散させなければオスキル川までの交代を強いられかねない状況ですが。

 ウクライナ軍はロシア本土のサキ空軍基地レーダー施設等を攻撃した、ISWアメリカ戦争研究所1月6日付報告によれば、ウクライナ軍事情報総局からの情報としてサキ空軍基地の施設を破壊したほか、フリシネに所在する兵器貯蔵施設を攻撃したとしており、ウクライナ本土へのロシア軍攻撃増大に対する報復攻撃を着々と実施しているもようです。

 セバストポリ付近のロシア軍司令部、クリミアの防空中枢であるエフパトリア防空システムおよび通信センター、ペルヴォマイスケの弾薬庫なども攻撃したとしており、既に幾度かに分けて実施されているロシア黒海艦隊司令部への攻撃と併せ、クリミア半島への攻撃も強化しているもよう。ロシア軍の軍事圧力を分散させる効果などがかんがえられます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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