■特報:世界の防衛,最新論点
今回は世界の防衛と銘打ったうえで世界の中に役割を担う我が国防衛に関する最新情報と時事情報を視てみましょう。
防衛省は8月末にも開示される防衛省来年度予算概算要求について、過去最大となる5兆4000億円規模での調整を進める、8月19日に時事通信などが報じました。防衛省では長らく防衛費を国民総生産GNI/GNPの1%以内とする方針が示され、これまでGDP国内総生産1%以内という防衛費が事実上守られていますが、来年度はこれを超える可能性が。
5兆4000億円規模の防衛予算は、日本周辺の緊迫した安全保障情勢への各種装備品調達の必要性が高まっていると共に、特に世界でも厳しい安全保障環境が西太平洋地域に集中している事と、同盟国アメリカがNATO北大西洋条約機構加盟国やオーストラリアとニュージーランド等の同盟国へ相応の負担が求められ、日本も例外ではない形でしょう。
GDP国内総生産1%以内という防衛費の制約は、日本が安定成長時代に世界第二いいとしての経済力を有していた時代には、巨大な経済力の1%でも充分な防衛力が整備できましたが、現在の日本経済力の規模では安全保障へ相応の負担が求められる形です。なお、増額が要請されている在日米軍関連費用について防衛予算に縛られない事項要求となるもよう。
■ミサイル防衛専用艦導入延期
イージスアショア代替計画となるミサイル防衛専用艦、いわゆるMD専用艦の建造は大幅に遅れる公算です。
防衛省はミサイル防衛専用艦の来年度予算盛り込みを断念しました。ミサイル防衛専用艦は、当初の山口県及び秋田県に設置される計画であったイージスアショア陸上配備型ミサイル防衛システムの代替として検討が進められていたものですが、レーダーシステムを既に陸上型としてアメリカへ発注しており、護衛艦への配置の難しさが指摘されています。
SPY-7として防衛省が配備を計画していたものは、レーダー素子などの部品に日本製部品が採用され、日本への還元が在る点も評価されていますが、元々はアメリカ空軍が数基をアラスカ州に配備する陸上配備型であり、海上自衛隊が将来導入するであろうアメリカ海軍へ大量配備されるSPY-6レーダーとは別物を陸上ではなく護衛艦に搭載する計画でした。
ミサイル防衛専用艦は、SPY-7レーダーを搭載する際、例えば海上リグ方式や大型貨物船などの安定した大型構造物へ設置するものではなく、護衛艦へ搭載するとしたため、海水による腐食防止改修、陸上型では想定されない波浪による振動影響防振改修が未知数であり、コストが管理不能という状況となっていました。なお当初案は2023年に完成予定です。
■鹿児島県馬毛島防衛省施設
この飛行場は航空自衛隊にとり久々の新設飛行場となるのかもしれません。
防衛省は8月6日、鹿児島県馬毛島に建設する防衛省施設についてのイメージ図を公開しました。馬毛島は南西諸島中央部に位置し、当初は山口県の岩国航空基地へ神奈川県の厚木基地寄り移転したアメリカ海軍空母航空団による陸上空母発着訓練を行う無人島として注目されていましたが、九州に深刻な脅威を及ぼす中国への前線基地として期待される。
馬毛島への防衛省施設は、滑走路を建設すると共に馬毛島東部に桟橋を新たに三カ所仮設する方針で、防衛省によれば満載排水量27000tの護衛艦、海上自衛隊最大の護衛艦いずも型が接岸できる規模とされています。無人島ではありますが従来陸上空母発着訓練にも散られた硫黄島の様な孤島ではなく種子島に近く、運貨船等が配備されれば往来も可能です。
空母航空団による陸上空母発着訓練は、通常2000mの滑走路にて運用を行う戦闘機を330m規模の空母飛行甲板において運用するには絶対必要な資格を維持する為に必要ではありますが、夜間着陸訓練と呼ばれる夜間の訓練にはかつて厚木基地で深刻な騒音問題を引き起こしていました。馬毛島では航空自衛隊F-35B訓練も行われると考えられています。
■無人僚機の導入を計画
自衛隊は無人機導入こそ比較的葉や方のですが大規模運用などへの変革への挑戦は明らかに遅れている。
防衛省は次期戦闘機と並行して無人僚機の導入を計画している、8月11日に発表しました。次期戦闘機はF-2戦闘機の後継機として2030年代半ばにF-2戦闘機の代替を開始する航空機構想で、F-35戦闘機の様な第五世代戦闘機ではなく、別の運用特性を有する第六世代戦闘機として、来年度予算概算要求その開発が本格化する予算が要求される予定です。
無人僚機とは、有人戦闘機を掩護する自立操縦型の無人航空機で、基本的に人工知能AIにより飛行、空中戦などには対応しませんが、戦闘機を支援する用途に用いられ、RQ-4グローバルホークやMQ-9リーパーのような長時間の滞空能力は有しませんが、戦闘機に随伴する高速運航飛行が可能であるとともに、一定程度は戦闘機の機動性に随伴可能とされる。
無人僚機はオーストラリアがボーイングと協同でフライングウイングマンを開発、アメリカ海軍もMQ-25無人機を無人僚機として運用します。空中給油や電子妨害支援、レーダーを搭載し敵に伝播を感知される危険を冒した索敵支援を行い、万一の際には高価な戦闘機の囮として機能し、取得費用は第五世代戦闘機の十分の一強と抑えている点が特徴です。
■時事:アフガン脱出支援の難航
カブール騒擾は史上最も困難な脱出計画という表現も為されているようですね。
アフガニスタン政府崩壊によるカブールの混乱は空路脱出に課題を突き付けています。AFP通信は22日付報道において、欧州連合EUの見解として、カブール国際空港が維持されている期間内にアフガニスタン出国ビザを有する避難民全員の出国が困難である可能性を警告しました。既に大統領国外逃亡から六日間を経ており、状況の深刻度は増している。
カブール国際空港は現在アメリカ軍が管理していますが、空港周辺には殺到した避難民が猛暑と食料や飲料水不足に曝されており既に死者も出ているといい、またカブール市内の通行を武装勢力タリバーンが遮断した事で出国予定者が空港に到着できない状況も生じており、アメリカ始め自力での空港への移動を求める姿勢の現実無視が指摘されています。
■時事:カブール市内情勢悪化
タリバーンによる政権崩壊を契機にアフガン情勢が世界の耳目を一手に集めている状況は続きます。
アメリカ国防総省はアフガニスタンでの自国民救出について、ヘリコプターによる非戦闘員救出を実施していると発表しました。これはアメリカ大使館からの大使館関係者移動とは別の自国市民救出の一環として行われており、8月20日に国防総省が発表したところによれば169名がヘリコプターにてカブール市内からカブール国際空港へ移動したという。
ヘリコプターによる非戦闘員救出へは陸軍のCH-47輸送ヘリコプター3機が投入されていると国防総省は発表しています、アメリカ軍は空港にアメリカ軍数千名を派遣し、空港周辺に展開するタリバーン第一線部隊指揮官と連絡体制を構築していますが、地上部隊を空港の外に出す事は偶発的な戦闘の危険があるとして、車両投入などは慎重に避けています。
■空母クイーンエリザベス動向
クイーンエリザベス空母戦闘群の特に空母は日本にはこのまま寄港しないのでしょうか。
イギリス海の補給艦フォートヴィクトリアが21日、横須賀基地へ寄港しました。8月7日には23型フリゲイトのリッチモンドが佐世保に入港しています。クイーンエリザベス空母戦闘群は空母クイーンエリザベスが14日に補給へ寄港したグアムのアプラ軍港を出航していますが、イギリス議会にはクイーンエリザベス空母戦闘群の中東回航の声が在ります。
クイーンエリザベス空母戦闘群の中東回航を求める声には、アフガニスタン政府崩壊による混乱がりイギリスは既にC-17輸送機を中心に空挺部隊など600名をカブールへ緊急展開させました。クイーンエリザベス艦載機のF-35Bではアラビア海から内陸のカブールまで航続距離が不足しますが、WAH-64戦闘ヘリコプターは輸送機に載せ代え展開が可能です。
■時事:NTASテロ警戒情報
アメリカの同盟国である日本でも警戒が必要となるでしょう。
アメリカの国土安全保障省は8月13日、NTAS国家テロ警報システムの警戒情報を一段上げ警戒を呼びかけました。これは9月11日に同時多発テロ発生20年を迎えるアメリカにおいて新たなテロ攻撃が懸念しており、具体的テロ計画が進んでいる事を示唆している訳ではありません。ただSNS等が過激思想や暴力助長に利用されていると指摘しています。
NTAS国家テロ警報システムでは、COVID-19新型変異株出現により国内各地での公衆衛生上の規制措置再導入の可能性がテロ攻撃実施の時機と捉えて利用する可能性がある、と警告しています。9月11日に同時多発テロ発生20年を迎えるアメリカでは人種間の対立等を利用した暴力行為やフェイクニュースによる暴動扇動等の危険が指摘されています。
9.11同時多発テロ発生から間もなく20年を迎えるアメリカですが、奇しくもNTAS国家テロ警報システムが変更された二日後に、アフガニスタンでは武装勢力タリバーンが全土制圧を宣言しており、タリバーンが9.11の際に首謀者であるアルカイーダへ軍事運連などの聖域を提供したような、20年前と同じアメリカへのテロの脅威増大も懸念されています。
■時事:コロナへ病院船派遣要請
COVID-19の感染拡大状況は依然としてアメリカで深刻なようです。
アメリカのミシシッピ州政府は、COVID-19変異株の急激な感染拡大を受け海軍病院船派遣を連邦政府に要請しました。アメリカではワクチン接種が進むもののワクチン懐疑派も多く、懐疑派の多くは州単位で集住する懐疑派地域を形成していることから、この地域へ変異株ウィルスが入り込む事で爆発的且つ深刻で急速な感染拡大を引き起こしています。
海軍病院船と云うのはアメリカ海軍が2隻を保有するマーシー級病院船で満載排水量は8万9360t、手術室12室と病床1000床を備え必要に応じ計2000床の収容が可能です、ただ、戦闘等による外科患者の大量受け入れを想定しており、感染症対処には必ずしも適した設計ではなく、2020年にはニューヨークに出動するも、逆にクラスター感染を起こしました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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今回は世界の防衛と銘打ったうえで世界の中に役割を担う我が国防衛に関する最新情報と時事情報を視てみましょう。
防衛省は8月末にも開示される防衛省来年度予算概算要求について、過去最大となる5兆4000億円規模での調整を進める、8月19日に時事通信などが報じました。防衛省では長らく防衛費を国民総生産GNI/GNPの1%以内とする方針が示され、これまでGDP国内総生産1%以内という防衛費が事実上守られていますが、来年度はこれを超える可能性が。
5兆4000億円規模の防衛予算は、日本周辺の緊迫した安全保障情勢への各種装備品調達の必要性が高まっていると共に、特に世界でも厳しい安全保障環境が西太平洋地域に集中している事と、同盟国アメリカがNATO北大西洋条約機構加盟国やオーストラリアとニュージーランド等の同盟国へ相応の負担が求められ、日本も例外ではない形でしょう。
GDP国内総生産1%以内という防衛費の制約は、日本が安定成長時代に世界第二いいとしての経済力を有していた時代には、巨大な経済力の1%でも充分な防衛力が整備できましたが、現在の日本経済力の規模では安全保障へ相応の負担が求められる形です。なお、増額が要請されている在日米軍関連費用について防衛予算に縛られない事項要求となるもよう。
■ミサイル防衛専用艦導入延期
イージスアショア代替計画となるミサイル防衛専用艦、いわゆるMD専用艦の建造は大幅に遅れる公算です。
防衛省はミサイル防衛専用艦の来年度予算盛り込みを断念しました。ミサイル防衛専用艦は、当初の山口県及び秋田県に設置される計画であったイージスアショア陸上配備型ミサイル防衛システムの代替として検討が進められていたものですが、レーダーシステムを既に陸上型としてアメリカへ発注しており、護衛艦への配置の難しさが指摘されています。
SPY-7として防衛省が配備を計画していたものは、レーダー素子などの部品に日本製部品が採用され、日本への還元が在る点も評価されていますが、元々はアメリカ空軍が数基をアラスカ州に配備する陸上配備型であり、海上自衛隊が将来導入するであろうアメリカ海軍へ大量配備されるSPY-6レーダーとは別物を陸上ではなく護衛艦に搭載する計画でした。
ミサイル防衛専用艦は、SPY-7レーダーを搭載する際、例えば海上リグ方式や大型貨物船などの安定した大型構造物へ設置するものではなく、護衛艦へ搭載するとしたため、海水による腐食防止改修、陸上型では想定されない波浪による振動影響防振改修が未知数であり、コストが管理不能という状況となっていました。なお当初案は2023年に完成予定です。
■鹿児島県馬毛島防衛省施設
この飛行場は航空自衛隊にとり久々の新設飛行場となるのかもしれません。
防衛省は8月6日、鹿児島県馬毛島に建設する防衛省施設についてのイメージ図を公開しました。馬毛島は南西諸島中央部に位置し、当初は山口県の岩国航空基地へ神奈川県の厚木基地寄り移転したアメリカ海軍空母航空団による陸上空母発着訓練を行う無人島として注目されていましたが、九州に深刻な脅威を及ぼす中国への前線基地として期待される。
馬毛島への防衛省施設は、滑走路を建設すると共に馬毛島東部に桟橋を新たに三カ所仮設する方針で、防衛省によれば満載排水量27000tの護衛艦、海上自衛隊最大の護衛艦いずも型が接岸できる規模とされています。無人島ではありますが従来陸上空母発着訓練にも散られた硫黄島の様な孤島ではなく種子島に近く、運貨船等が配備されれば往来も可能です。
空母航空団による陸上空母発着訓練は、通常2000mの滑走路にて運用を行う戦闘機を330m規模の空母飛行甲板において運用するには絶対必要な資格を維持する為に必要ではありますが、夜間着陸訓練と呼ばれる夜間の訓練にはかつて厚木基地で深刻な騒音問題を引き起こしていました。馬毛島では航空自衛隊F-35B訓練も行われると考えられています。
■無人僚機の導入を計画
自衛隊は無人機導入こそ比較的葉や方のですが大規模運用などへの変革への挑戦は明らかに遅れている。
防衛省は次期戦闘機と並行して無人僚機の導入を計画している、8月11日に発表しました。次期戦闘機はF-2戦闘機の後継機として2030年代半ばにF-2戦闘機の代替を開始する航空機構想で、F-35戦闘機の様な第五世代戦闘機ではなく、別の運用特性を有する第六世代戦闘機として、来年度予算概算要求その開発が本格化する予算が要求される予定です。
無人僚機とは、有人戦闘機を掩護する自立操縦型の無人航空機で、基本的に人工知能AIにより飛行、空中戦などには対応しませんが、戦闘機を支援する用途に用いられ、RQ-4グローバルホークやMQ-9リーパーのような長時間の滞空能力は有しませんが、戦闘機に随伴する高速運航飛行が可能であるとともに、一定程度は戦闘機の機動性に随伴可能とされる。
無人僚機はオーストラリアがボーイングと協同でフライングウイングマンを開発、アメリカ海軍もMQ-25無人機を無人僚機として運用します。空中給油や電子妨害支援、レーダーを搭載し敵に伝播を感知される危険を冒した索敵支援を行い、万一の際には高価な戦闘機の囮として機能し、取得費用は第五世代戦闘機の十分の一強と抑えている点が特徴です。
■時事:アフガン脱出支援の難航
カブール騒擾は史上最も困難な脱出計画という表現も為されているようですね。
アフガニスタン政府崩壊によるカブールの混乱は空路脱出に課題を突き付けています。AFP通信は22日付報道において、欧州連合EUの見解として、カブール国際空港が維持されている期間内にアフガニスタン出国ビザを有する避難民全員の出国が困難である可能性を警告しました。既に大統領国外逃亡から六日間を経ており、状況の深刻度は増している。
カブール国際空港は現在アメリカ軍が管理していますが、空港周辺には殺到した避難民が猛暑と食料や飲料水不足に曝されており既に死者も出ているといい、またカブール市内の通行を武装勢力タリバーンが遮断した事で出国予定者が空港に到着できない状況も生じており、アメリカ始め自力での空港への移動を求める姿勢の現実無視が指摘されています。
■時事:カブール市内情勢悪化
タリバーンによる政権崩壊を契機にアフガン情勢が世界の耳目を一手に集めている状況は続きます。
アメリカ国防総省はアフガニスタンでの自国民救出について、ヘリコプターによる非戦闘員救出を実施していると発表しました。これはアメリカ大使館からの大使館関係者移動とは別の自国市民救出の一環として行われており、8月20日に国防総省が発表したところによれば169名がヘリコプターにてカブール市内からカブール国際空港へ移動したという。
ヘリコプターによる非戦闘員救出へは陸軍のCH-47輸送ヘリコプター3機が投入されていると国防総省は発表しています、アメリカ軍は空港にアメリカ軍数千名を派遣し、空港周辺に展開するタリバーン第一線部隊指揮官と連絡体制を構築していますが、地上部隊を空港の外に出す事は偶発的な戦闘の危険があるとして、車両投入などは慎重に避けています。
■空母クイーンエリザベス動向
クイーンエリザベス空母戦闘群の特に空母は日本にはこのまま寄港しないのでしょうか。
イギリス海の補給艦フォートヴィクトリアが21日、横須賀基地へ寄港しました。8月7日には23型フリゲイトのリッチモンドが佐世保に入港しています。クイーンエリザベス空母戦闘群は空母クイーンエリザベスが14日に補給へ寄港したグアムのアプラ軍港を出航していますが、イギリス議会にはクイーンエリザベス空母戦闘群の中東回航の声が在ります。
クイーンエリザベス空母戦闘群の中東回航を求める声には、アフガニスタン政府崩壊による混乱がりイギリスは既にC-17輸送機を中心に空挺部隊など600名をカブールへ緊急展開させました。クイーンエリザベス艦載機のF-35Bではアラビア海から内陸のカブールまで航続距離が不足しますが、WAH-64戦闘ヘリコプターは輸送機に載せ代え展開が可能です。
■時事:NTASテロ警戒情報
アメリカの同盟国である日本でも警戒が必要となるでしょう。
アメリカの国土安全保障省は8月13日、NTAS国家テロ警報システムの警戒情報を一段上げ警戒を呼びかけました。これは9月11日に同時多発テロ発生20年を迎えるアメリカにおいて新たなテロ攻撃が懸念しており、具体的テロ計画が進んでいる事を示唆している訳ではありません。ただSNS等が過激思想や暴力助長に利用されていると指摘しています。
NTAS国家テロ警報システムでは、COVID-19新型変異株出現により国内各地での公衆衛生上の規制措置再導入の可能性がテロ攻撃実施の時機と捉えて利用する可能性がある、と警告しています。9月11日に同時多発テロ発生20年を迎えるアメリカでは人種間の対立等を利用した暴力行為やフェイクニュースによる暴動扇動等の危険が指摘されています。
9.11同時多発テロ発生から間もなく20年を迎えるアメリカですが、奇しくもNTAS国家テロ警報システムが変更された二日後に、アフガニスタンでは武装勢力タリバーンが全土制圧を宣言しており、タリバーンが9.11の際に首謀者であるアルカイーダへ軍事運連などの聖域を提供したような、20年前と同じアメリカへのテロの脅威増大も懸念されています。
■時事:コロナへ病院船派遣要請
COVID-19の感染拡大状況は依然としてアメリカで深刻なようです。
アメリカのミシシッピ州政府は、COVID-19変異株の急激な感染拡大を受け海軍病院船派遣を連邦政府に要請しました。アメリカではワクチン接種が進むもののワクチン懐疑派も多く、懐疑派の多くは州単位で集住する懐疑派地域を形成していることから、この地域へ変異株ウィルスが入り込む事で爆発的且つ深刻で急速な感染拡大を引き起こしています。
海軍病院船と云うのはアメリカ海軍が2隻を保有するマーシー級病院船で満載排水量は8万9360t、手術室12室と病床1000床を備え必要に応じ計2000床の収容が可能です、ただ、戦闘等による外科患者の大量受け入れを想定しており、感染症対処には必ずしも適した設計ではなく、2020年にはニューヨークに出動するも、逆にクラスター感染を起こしました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)