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ウクライナ情勢-ロシア軍八月毎日平均死傷者数1187名とクラクフーブ近郊機械化部隊攻撃実施とその失敗

2024-09-07 07:00:21 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 自衛隊は来年度予算に退役装備品の保管を開始しますが装備が枯渇したままの軍隊の現状をロシアが示しています。

 ロシア軍の平均死傷者数は1187名に増加している、イギリス国防省9月5日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍参謀本部発表による2024年8月の一日あたりのロシア軍平均死傷者数は1187名と前月より増加しており、これにより2022年2月のロシアウクライナ戦争開戦以来のロシア軍死傷者数は合計で61万名を超えたものとみられています。

 クルスク戦線とポクロウシク攻略、イギリス国防省の分析ではロシア軍の死傷者が増大した背景には、新しい攻略目標としてのポクロウシクへの攻撃圧力増大とともに、ウクライナ軍が実施したロシア本土クルスク州への逆攻撃が背景にあると分析、またイギリス国防省は今後一ヶ月間は戦線全体へのロシア軍圧力、そして高い死傷者数が続くと分析します。

 ロシア軍は現在、戦車や装甲車などの装備品が極端に不足した状態となっており、しかしこの状況でも人員という物量に依存している状況で、その代償は人員の犠牲とともに一部地域での前進を実現したとしても、そこから戦果拡張という戦術的成果に結びつけることは不可能であろう、とイギリス国防省は分析しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 機械化装備が枯渇している為に十両単位の装甲車両による攻撃も稀有となっていますがウクライナ軍も弾薬が枯渇した状況のままです。

 ロシア軍はクラクフーブ近郊において機械化部隊による攻撃を実施し失敗した。ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告9月4日付情報によれば、ウクライナ軍はドネツク市西方のクラクフーブ近郊においてロシア軍が3方向から合計10両の装甲車両により攻撃を加えてきたと発表しています。ウクライナ軍は無人機及び小火器で防御を行いました。

 クラクフーブへの機械化部隊攻撃に対して防御戦闘が行われた結果、10両のうち6両を破壊もしくは損傷させ、また別の1両が防御陣地前の地雷により損傷、ロシア軍の攻撃は撃破されたとのこと。ロシア軍の装甲車両などの機械化装備はこれまでの損耗により著しく不足しており、この規模の攻撃も希有な状況となっている事を示しています。

 戦況全般ではISWの報告では同日、ポクロウシク近郊のノヴォロディフカ南方とムイコラーイフカ西方において前進したとともに、ヴフレダール西方のプレチシュティフカでも前進が確認されています。いっぽうウクライナ軍もドネツク市西方で反撃に成功しており、マクシミリャフカ東方においてロシア軍陣地を攻撃、奪還したのことでした。

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