昨年度で大学での非常勤の講義もおしまいと思っていたら、思いもかけず今年も量子力学の講義をすることになった。もっとも半年だけで量子力学の講義の前半に当たる分である。
30数年量子力学を中心に教えてきたのだが、長年教えてきた工学部ではなくて今年は理学部の物理学科の学生である。昨日は演習を行った。問題をあてておいて黒板で解いてもらい、本人に説明をしてもらう。もっとも少し説明がいると思えば、まず質問をして問題点を明らかにし、本人が答えればそれでいいが、不十分なときは補足説明をする。
ありきたりの方法だが、やはり演習というのはやった方がいい。講義ではいえないようなことが教えられるからである。電気量の単位のCoulomb Cと電圧の単位のVolt Vをかけると仕事とかエネルギーの単位 Joule Jになることをある問題にあたった学生が知らなかった。力学でJouleがどういう単位であるかは知っていると思うが、電磁気の方との関連は知らなかったようである。
なんでも一つずつ記憶したり、身につけたりして行くのだ。そういうことはあるが、センスがよくて、工学部で教えていた時に感じたようないらいらするようなことは少なそうである。