物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

湯浅誠氏の辞職

2010-03-15 16:09:07 | 日記・エッセイ・コラム

湯浅誠さんは一昨年の年末の年越し派遣村の村長だった人だが、昨年の11月かに菅直人氏に言われて内閣参与になった。ところが実際に参与として関係して派遣切りされた人たちの救済のために行政を動かそうとしたら、あちこちに壁があってにっちもさっちも行かないということで、内閣参与を辞めたと新聞で読んだ。

彼の落胆を実際に個人的に聞いたわけではないし、彼に密着取材したテレビの番組を見たわけでもないが、落胆ぶりが想像される。もちろん彼が何でもすぐに政権が変わったらうまく行くなどと思っていたとは思わないが、それでもその落胆振りは想像に難くない。

ではいまの政権が前の政権より悪いのかというとそれはそうでもないだろう。だが、それにしてもなんとか改善がなされるのではないかとの希望は誰でももったはずだ。

では、現在苦しんでいる人たちを「どうやって助けるのだ」の声が聞こえるようだ。確かにそうだ。現在苦しんでいる人をどうやって直ぐ救うか。これが政治の課題ではあろう。

だが、それが今までうまく行かなかったという事実があり、その事実はなんらか原因をもっている。その原因をとりのぞくことができないとどうしても前には進まない。またその原因は複数あったりして、複雑であるかもしれない。

こういう現在直面した困難に対する直接的な対策が必要であると同時に、その対策の実行を困難としている、その一つ奥の原因を取り除くことが必要であろう。そういうことの積み重ねでしか社会は改善されない。社会的には忍耐が必要であろう。だが、困っている個人に対する当面の応急措置はNPOとか篤志家に任せるしかないのだろうか。