物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

フーコーの振子2

2010-03-23 17:01:52 | 物理学

先日、長崎に行ったとき、ホテルの近くにフーコー振子のあるお寺があったので,行ってみた。

済福寺というお寺で外から見たら大きな観音像が建っていた。ああ、あの中にフーコー振子があるのだなと見当をつけたが、その通りであった。

もっともフーコー振子を200円の入場料を払って見たいというような奇特な人はほとんどいないと見え、案内をしてくれた老齢の元住職夫人はそういう現状にとてもお冠であった。

それでも、いつもは動かしていないフーコーの振子を動かして見せてくれた。理科で習っただろうと言われたが、「そんなことは理科では習わない」というと「それだからとか」何とか言っていた。

私の知っているフーコー振り子は上野の科学技術博物館にあるが、愛媛大学の教育学部の玄関にも以前は動いていたが、いまは動いていない。振り子が減衰して止まるので、電磁気的に動かしているのだと説明をしてくれた。

このお寺は日本一の振り子だとパンフレットに書いていたが、いまではサントリーのどこかの施設で日本一の長さの振り子が動いていると言っていた。

ここのフーコー振り子は島津製作所に頼んでつくってもらったらしいが、いまではその保守にお金がかかるので普段は動かしていないという。

理科の先生はフーコーの振り子の意味を知っているだろうが、世の中の大多数の人はフーコーの名も知らないだろう。

(2011.4.6 付記) フーコー振子がどういう意義を科学史上でもつかは理科の先生なら知っているだろうが、以前の私のブログ「フーコーの振り子1」でも触れたように

「地球が自転していることを実験室的に証明した」

ことにある。このフーコー振子の物理的な説明を私も大学の力学の講義で聞いたが、その意義を知らなかった。

力学の先生はその歴史的な意義を話してくれたのかもしれないが、少なくとも私の頭に記憶が残らなかった。

その後4年生になって聞いた相対論の講義で「地球の自転をどうやって証明したのだ」とS教授に聞かれて26,7名いた物理学科の学生(4年生)が誰も答えられなかったのを鮮明に覚えている。これは1962年のことである。

その後、地球物理学者の竹内均さんが彼の生前に、NHKのテレビ高校物理か地学の講座でフーコー振子のミニチュアの実験装置での実験とその意義を話されているのを見た。