物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

佐高信の「面々授受」

2007-01-04 18:54:45 | 本と雑誌

佐高信さんの「面々授受」を年末に読んだ。久野収さんと佐高さんとの交流とか久野さんの言行録というか生涯をある程度述べたものであるが、久野さんの伝記を意図はしていないという。

ただ、いろいろな市民運動に久野さんが係わってきたので、それについてはかなり記述がある。久しぶりに興奮してこの本を読んだ。武谷三男との交流の一端も出てくる。鶴見俊輔さんから聞いていたので、真下さんとのことも出ているかと思ったが、その話はまったく出てこなかった。

世界文化の件で久野さんが捕まったときに久野さんは拷問に耐えかねて真下さんの名前を話してしまったらしい。それで久野さんは戦後真下さんの住んでいる名古屋へは行けなかったのだという風に聞いた。

そのくらいに気に病んでいたということは久野さんの真摯な人柄を推測できる。その他科学者京都会議にも久野さんは出席をしたと思うが、それについても何も触れられてはいなかった。伝記ではないという風に断っていることの理由が分かるような気がする。