flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

高井遺跡群白石遺跡

2016-07-29 00:00:00 | いにしえの人びと

(愛知県豊橋市石巻本町櫃割 1992年6月1日)
 豊川と神田川が形成した河岸段丘に位置する遺跡である。この石巻地域の台地上は全て遺跡であると言っても過言ではなく、至るところで遺物を散見することができる。白石遺跡は縄文時代中期から中世にかけての複合遺跡で、一昨年の平成2年に行われた発掘調査の跡がそのまま残っており、大量の弥生土器が散見していた。また、台地西側縁端付近では縄文時代の大量の石鏃やその加工途中品が散見しており、石鏃製作所としての性格が推定できる。縄文時代は石器の他、土器は主に縄文時代後期の蜆塚式(浜松市)、晩期後半の五貫森式(豊橋市大村町)、晩期末の水神平式(一宮町上長山)、そして弥生時代前期の遠賀川式(福岡県水巻町立屋敷遺跡)、後期前半の寄道式(豊橋市瓜郷遺跡)、後期末の欠山式(小坂井町)、古墳時代の王江式(高浜市)等がある。また、北西側の台地縁端付近では貝塚も確認されており、この遺跡の層の厚さを知ることができる。

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