
大地の恵みの象徴、大豆の霊力を借りて、神様への願いを届けようと思いを託すのだろうか。
七輪に火をおこし、ザラザラザラザラと時間をかけて豆を炒るのは、長年続く婆さまの楽しみと言える。炒りあがる頃、匂いがたっぷり充満した頃に、子どもたちが学校から帰宅していた。そんな生活が絶えて久しいが、今年は「鬼はーそと・福はーうち」、高らかな声に、幼子のかわいい声が混じる。
金棒片手に唸り声をあげて、やっと!赤鬼と青鬼が登場。
心配した「午後から雨」の予報通り、傘が手放せなくなったが、ストーブに当たりながら、時折雨の中に飛び出しては退屈を紛らわせ、「鬼さんまだ?」「鬼さんまだ?」と待ちかねた。……はずだったのに!
悲鳴ともいえる泣き声に終始してしまう。「こわいよー・こわいよー」
諸手を挙げて近づいて来る赤鬼に、Jessieの顔はひきつるばかり。カメラの前で構えてくれても、“逆上”ぶりは収まることがない。かわいそうに、よほど恐ろしかったのだろう。
家を出る間際の母娘の会話。母親が頭をどこかにガッツーン!!「痛ーい!こぶができたわ」。すると、ふっくらしたほっぺをおさえ、「鬼さんに取ってもらえば?」

狛犬ならぬ狛いのししがある。和気清麻呂公を祭神とする、別名?いのしし神社。
追い払わねばならぬのに、やられてしまった。完璧ペースダウン。テンションは下がりっぱなし。後ろを振り返り振り返り帰りを急ぐ、小さな胸の内。脅かし過ぎちゃったかしらね。
冬と春との境の日に一年の息災を祈り、小さなJessieの胸に小さな幸せの種を撒けているであろうことを夢みたい。
まかぬ種は生えないのだから、この際なんでも未来に夢を託しましょう~