京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

美(うま)し国

2009年02月11日 | 日々の暮らしの中で

大和には 群山(むらやま)あれど 
とりよろふ 天(あめ)の香具山
登り立ち 国見をすれば
国原(くにはら)は煙(けぶり)立ち立つ
海原(うなはら)は鴎(かまめ)立ち立つ
美(うま)し国そ 蜻蛉島(あきつしま)大和の国は

なぜか思い出した国見の歌。
2月11日「建国を記念する日」。
その趣旨は、【国を愛する心を養う、国民の祝日】となるようだ。
かつては家の玄関先に日の丸を掲げているのをよく見かけた。旗を翻して走る車もよく目にした。今や、すっかりその陰を潜めてしまっている。

国際的に見ても、国が制定した建国の記念日を、政府自らが祝わないというのは異例なことと言わざるをえない。
― 将来の国のデザインを考えていかなければならない
― 国の成り立ちに思いをはせる日にしたい  (産経NEWSより)

小さな奈良盆地の世界を眼下にし、…「美し国」。
日々、炊飯の煙が立ち上る「美し国」。
「日本」を投影してみる。活力みなぎる「美し国」とは到底讃えかねる現在の暮らしぶりには、今日は単なる休日であって、祝意どころではないだろう。

何をもって「建国」とするのか……もあるが。
二十歳をもって成人への仲間入りだと祝うが、“国を愛する心を養おうとする国民の祝日”にあっては、どこからもそうした声を聞けない。何か変だ…と感じるけれど。

いつかしきりに聞いた“美しい日本”の構想のことばは、なんだったかな…。

幼い子が「べんきょうーする」と言ってコンピューターを開き塗り絵にいそしんでいる。Shall we play game? How lovely! の声に励まされて。
まっ、テキトーにべんきょうーしてネ。
「日本は大好き」、そんな言葉を20年後に聞けるだろうか。

☆冒頭、舒明天皇の国見の歌、解釈には諸説ありますことご了解願います。
コメント (3)
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