京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 “もやし”から、大輪の花に乗り換えよう…

2009年06月06日 | 日々の暮らしの中で
   

 ピンと背筋を伸ばした細身の体と、気高い色香
     女性らしい、優雅さ・気品が漂う
(残念ながら、どこぞの女性の形容ではありません)

「いずれアヤメかカキツバタ」―、控えめな強さを隠し持ったかのような直立の姿で、これまた今の主役を張る花菖蒲……。昨日は平安神宮の神苑の無料開放日。雨に濡れて、さぞやしっとりと美しい花菖蒲だったことだろう。

いっぽう、今夏の最大の楽しみともなるはずだった朝顔の成長。
密封容器で保存したまま十七か月。蒔き忘れられた、亡き弟につながる朝顔のたね。閉じ込められて、どんな夢を見ていたことだろう。
  
五月中旬、十粒を三日間水に漬け、光も考慮して、慣れぬ仕事に神経を使って二十数粒をまいた。六日ほどで、頭をもたげてくるものが見えた!やがて5粒ほどが足並み揃える。水に浸したたねが早い。ほどなく残りもあとを追うように、結局二十一粒が芽を出した。好調だ? 茎がのびる。双葉だけを先っぽにつけてヒョロヒョロ・ヒョロヒョロ、どんどん伸びる。色あせたような薄黄緑色の双葉に、まるで“もやし”の茎。何なの!? モーツァルトも声かけも、まるで功を奏さない。だめだ。

花ことばを拾ってみた。「愛情のきずな」「はかない恋」「愛着」「固い約束」などとある。姉と弟、やはりその縁は薄く短くで終わってしまっていたのだろうか。
移植どころの話ではなく、本日、丁重に記念撮影。

「奔放」「しっかり者」「素直」そんな花言葉がふさわしい三つの花が咲き誇っている。弟が遺した作品。手塩にかけたひと花、ふた花・み花を咲かせ、金屏風バックに新婦の脇で、嬉し涙の一つも流す日がきただろうに……。思い出につながるたねに未練など残さず、彼女たちに乗り換えよう。ピンと背筋を伸ばし、気高い色香を放ちながら、幸せな日々を送ることだろう。見守り続けることだけは、弟よ、あなたに固く約束できますよ。

この先どうなるか……、
やはり“三枚目”になるのを待ってみるか、もやしっ子。

            (もやしっ子の朝顔、 双葉だけ!)
コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする