田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

フットパス in 礼文島 花巡りのみち

2017-06-21 20:29:38 | フットパスウォーク & トレッキング
 この日(6月17日)礼文島は残念ながら厚い海霧に覆われていた。景色が良いとされるスコトン岬、ゴロタ岬は霧の中…。しかし、この日の最大目的だったレブンアツモリソウのいかにも高貴そうな花を目撃することができた。 

               

 礼文島は“花の浮島”とも呼ばれ、数々の固有種があることで知られている。それらを愛でるためにいろいろなフットパスコースが用意されている。コースは◇桃岩展望台コース、◇礼文林道コース、◇礼文滝コース、◇岬めぐりコース、◇久種湖畔コース、◇8時間コース、◇礼文岳コース、と礼文岳登山を含めて7つのコースが用意されている。

 私は日本ウォーキング協会が「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選定されている「岬めぐりコース」、別称「花巡りのみち」(13km)を歩くことにした。
 朝いちばん(6時30分)の路線バスに乗り、バスに揺られること1時間(バス代1,220円)スタート地点の「スコトン岬」に降り立った。

               

               

 スコトン岬は厚い海霧に覆われて、何も見えない上、風も強かった。
 わずかに視界が効くスコトン岬の写真を撮った後、さっそくフットパスウォークを開始した。
前後に3~4人、同じコースを歩く人たちがいた。霧が濃く、少し離れると姿がおぼろになるほど霧の濃い中を進んだ。道端にはところどころに名前の分からない花が見られた。
 また、当地で江戸後期にロシアとの貿易が華々しい活躍を演じた「銭屋五兵衛記念碑」がちょうど見晴台のようなところに立っていたが、もちろん見晴らしはまったく効かなかった。

               
               ※ 少し前を行く二人連れが霧に霞むほど、霧は濃かった。

               
               ※ 礼文島の固有種であるレブンシオガマです。

               
               ※ これは調べても分かりませんでした。

               

 コースはそれまでの舗装路から、細い砂利道に変わった。
 この後、その辺りのちょっとした山であるゴロタ山(標高180m そこがゴロタ岬でもある)まで標高差110mを一気に登るコースである。周りは霧で何も見えないが、路の両脇には薄紫のチシマフウロが鮮やかに咲き誇っていた。
 本来ならゴロタ岬からはスコトン岬まで望めて、その眺望がすばらしいらしいのだが、残念ながら何も見えなかった…。

               

               

               
               
               
               ※ コース上でとても目立った薄紫の色が鮮やかなチシマフウロウです。
             
                    
               ※ こちらはセンダイハギです。
               
 一気に登ったゴロタ山を今度は一気に下って海岸線に出る。礼文島は細長い島であるが、その東側は比較的発展し、集落も多いが、西側は集落も少なく全島を巡る道路もないようだ。そのような西側の集落の一つ「鉄府」を目ざす。なるほど、道は作業道のような砂利道だった。この頃になると、霧が晴れて青空が顔を出し始めた。
 「鉄府」の集落も廃屋が目立ち、寂れた感は否めなかった。島の中心の「香深」からも遠いため人が移り住んでしまうのもしかたのないことか?
 「鉄府」の集落からは再び立派な舗装路に変わった。コースは島を横断する形でレブンアツモリソウの群生地を目ざす。

               

               

               
               ※ ヒメウギアヤメはやや盛りを過ぎていたのかもしれません。

               
               ※ 鉄府の集落にはこうした廃屋が目立ちました。
              
               
               ※ 鉄府の集落を小高い丘から撮ったところです。

 実は、前日礼文島に着いた時、フェリーターミナルで「レブンアツモリソウの群生地への立ち入りは6月16日で終了します」という告知が張り出されていた。それを見たとき、礼文岳登山とフットパスの日程を替えようかな?と頭をよぎったのだが、そうするとその他のスケジュール調整の必要も生じてくるので、「レブンアツモリソウを見ることができなくても仕方がない」と考え、予定通りに行動していた。

 群生地の管理事務所のところに着くと、やはり群生地への遊歩道の開放期間終了のお知らせが表示されていた。観光バスでやってきた多くの人たちも管理事務所の前から引き返しているのが見えた。
 さて、ここから私の粘り腰である。管理事務所を訪ねて、管理人に対して「遊歩道が閉まったことは知っています。遊歩道以外のところでレブンアツモリソウを観察できるところがあったら教えてくれませんか?」と問うた。すると、親切そうな管理人は事務所を出てきて、道路向かいの崖のところを指し、「あそこに2輪ほど咲いています」と教えてくれた。さらには「もう少し離れたところで咲いているところがありますよ」と言ってくれた。

               
               ※ レブンアツモリソウの群生地を巡る遊歩道は前日で公開が終わっていました。

 私は崖をよじ登り、しっかり咲いているレブンアツモリソウの優雅な姿をカメラに収めることができた。
 続いてもう一か所のところへ行ってみると、こちらは十数輪が固まって咲いている見事なレブンアツモリソウがあり、小躍りしながらそれをカメラの収めた私だった。

               
               ※ 崖をよじ登って撮った貴重な一枚です。

               
               ※ ところがその崖から少し離れたところに、こんなにたくさんのレブンアツモリソウが…。
               
 すっかり満足した私は、コースのゴールであり、帰り便のバス停がある浜中に向かった。
 バス停に着くと先客がいた。その方と話すうちに、「私は赤いレブンアツモリソウを見た。直ぐ近くだから見に行ったらよい」とアドバイスしてくれた。幸い、バス時間間で少し時間があったので、アドバイスに従った。
 7~8分も歩いただろうか、島の幹線である道路わきに見事に咲く数輪の赤紫のレブンアツモリソウを見ることができた!
               
               
               ※ 赤紫のレブンアツモリソウが!!と思ったのですが、どうやらホテイアツモリということのようです。

※ ところが、この赤紫のレブンアツモリソウのことをブログでレポしたところ、山野草に詳しい知人のsakagさんから「それはホテイアツモリではないか」との指摘があった。おそらくその指摘が正しいのだろうと思われる。というのも、礼文島のどの案内パンフを眺めても、赤紫のレブンアツモリソウのことは掲載されていないからである。

               
               ※ 2016年に廃校になったという浜中集落にあった神崎小学校です。島には最盛期は9校もあった小学校が、現在は3校だそうだ。

洞爺湖畔フットパス 昭和新山と有珠山山頂コース

2017-05-09 21:28:25 | フットパスウォーク & トレッキング
 二日間の洞爺湖畔フットパスウォークの最後の最後にロングコースが待っていた。コースマップには6キロとしか出ていないが、それはワンウェイでの距離。ワンウェイだから当然そこは往復しなければならない。ロングコースの上に、45度の急角度で登る階段登行もあって、それまで3コースを踏破した疲労も蓄積していて、かなり辛い最後のフットパスとなった。 

           

 5月4日(木・祝)朝、「洞爺湖展望と果樹園コース」を終えた私は、壮瞥町から洞爺湖畔に移動し、「昭和新山と有珠山山頂コース」のスタート地点である「かわなみ前公共駐車場」に向かった。

               
               ※ 洞爺湖に面して造られている「かわなみ前公共駐車場」です。ここがスタート地点。

 午前10時20分、かわなみ前公共駐車場をスタートした。天候は依然として快晴、気温も高かった。
 スタート後、いきなり湖畔を離れ、坂道を上がっていく。まもなく後ろを振り返ると洞爺湖の全貌が視界に入ってきた。
  
               
               ※ スタート地点から真っすぐに山裾を上り、振り返ると洞爺湖の全貌が望めました。

               
               ※ コースの傍には珍しい馬の放牧場が…。道産子?それともサラブレット?

 そこから坂道が上下する退屈な道路を往く。その途中に、「1977年火山遺構公園」という案内があった。コースから外れて横道にそれる道だったが、寄ってみることにした。
 遺構公園には、火山活動によって病院の建物が被害に遭った様子がそのまま保存されていた。

               
               ※ 1977年の有珠山噴火の遺構です。病院跡だそうです。記憶に新しい2000年の噴火ではありません。

 再びコースに戻り、退屈な道を往く。好天、高温のため、徐々に体力も奪われていく。コース上で出会う人もいない。
 そうするうちに、湖畔から伊達市に繋がる道々703号線と合流した。703号線は昭和新山に向かう道でもある。この道路と合流したとたん、車の交通量が激増した。昭和新山に向かう観光客の車のようだ。
 車だとどうということもないが、歩く身になると、けっこうな坂道である。休む回数が増えていった。

               
               ※ コースの途上には、こうした案内板がところどころに掲げられていました。

               
               ※ 昭和新山に通ずる道路は、車がひっきりなしに行き交っていました。

 坂道との格闘がどれくらい続いたろうか?やや坂道が緩くなり、ふと左側を見たら昭和新山の赤い岩肌が間近に迫っていた。
 間もなく、昭和新山の山裾に設けられている有珠山ロープウェイ駅に着いた。

               
               ※ ご存じの昭和新山です。

               
               ※ 有珠山ロープウェイの山麓駅周辺です。想像したいたよりたくさんの店が出店していました。

 ロープウェイ駅からは、洞爺湖の遊覧船同様、ひと時観光客に変身である。多くの観光客と共にロープウェイで山頂駅に向かった。(ロープウェイ往復1,500円 割引有)
 山頂駅からのパノラマ写真を一枚撮って、さっそく「有珠外輪山遊歩道」に向かう。

               

          
          ※ 有珠山ロープウェイ山頂駅の展望台からパノラマ撮影してみました。

 山頂駅から「有珠山火口展望台」まで5分ほど階段を上って到達する。ここまではほとんどの観光客が訪れるが、遊歩道はここからがスタートである。
 有珠山火口展望台から約600段といわれる階段で真下へ向かって下っていく。そして上り返すところがこの遊歩道フットパスのハイライトである。

               
               ※ 観光客の方は、ここまでは皆さん上って火口を見物するようです。

               
               ※ その火口展望台から先が「外輪山遊歩道」の始まりです。

               
               ※ 遊歩道名物(?)の斜度45度の木造階段です。上りも下りも大変です。

               
               ※ その階段を少し離れたところから撮るとこんな感じです。

 この階段の下り上りを終えると、比較的平坦な外輪山トレッキングとなる。右手に銀沼火口群を見ながら、左手には遠く内浦湾を望みながら、伊達や虻田の街並みが見える中を往く。

               
               ※ 典型的な外輪山遊歩道の様子です。遊歩道の右手も左手も切り立った崖になっています。               
               
          
          ※ 遊歩道の右手は「銀沼火口群」が広がっています。

               
               ※ 左手には遠く内浦湾、陸地の方は伊達市の街並みだと思われます。

 やがて「火口原展望台」に到達した。ここには東屋やトイレの設備があり、私も休憩を取り行動食を口にした。
 目的の「外輪山展望台」まではもう一息だったが、ここからはまた上り道となる。火口原展望台から約20分、外輪山遊歩道の終着点「外輪山展望台」に到達した。

               

 「外輪山展望台」の一角は整備されてたくさんの人たちが憩えるような広場となっていた。そこから望む火口原内では1977年の噴火でできた「有珠新山」の麓から噴煙が出ていたが、その他のところからは特に噴煙などは確認できなかった。
 私は有珠の外輪山を歩くのは2度目なのだが、以前歩いたときは(2014年?)外輪山展望台に至る途中にあった「伊達の善光寺奥の院」が外輪山展望台の一角に移されていた。(イラストマップは私の記憶と同じだから、移設されたのは最近のことかもしれない?)

               
               ※ 行き止まりとなっている「外輪山展望台」の一帯は大きな広場になっていました。

               

               
               ※ 有珠新山の麓からは細い噴煙が上がっていました。若い火山の証拠ということでしょう。

               
               ※ どこから見ても羊蹄山は絵になります。まるで河口湖から見た富士山のよう、といったら言い過ぎですか?

               
               ※ 伊達市の善光寺奥の院は移設されたようです。

 「外輪山展望台」からの折り返しは、疲労もあってひたすらゴール地点を目ざすトレッキングだった。帰りの600段の階段は、何度も何度も立ち止まりながらの登行となった。

 ロープウェイで有珠山山麓まで下りてからは、路線バスで車のところまで還ろうと思ったのだが、時間が合わず、結局全コースウォーキングとなり、午後2時30分にゴールの「かわなみ前公共駐車場」に着くことができた。

 3日、4日と二日で洞爺湖畔フットパスコース4コースを予定どおり踏破することができた。ところが私の中では思っていたより疲労感が残った。二日間で歩いた距離は、マップ上では合計わずか33キロである。順調に年齢を加え、身体の老化も進んでいるということなのだろうか? 少々寂しい思いをしながら二日間を振り返っている私である…。


洞爺湖畔フットパス 洞爺湖展望と果樹園コース

2017-05-08 16:16:52 | フットパスウォーク & トレッキング
 二日目の洞爺湖畔フットパスの最初は、洞爺湖畔から少し離れた壮瞥町本町の名所(?)を巡るコースだった。朝から気温が高い中、いきなりの急坂登行に苦労したが、その先には素晴らしい景色が待っていた!

          

 5月4日、壮瞥町の道の駅「そうべつ情報館i(アイ)」の駐車場で車中泊したが、この「洞爺湖展望と果樹園コース」はスタート&ゴールが、その道の駅だった。

               
               ※ フットパスコース「洞爺湖展望と果樹園コース」のスタート&ゴールとなった道の駅「そうべつ情報館i(アイ)」の建物です。

 朝7時40分、朝から快晴の中、スタートした。
 まずは道の駅から壮瞥町の中心部に向かっていく。中心部とはいっても市街地らしい商店街などはなく、住宅が並んでいるだけである。
 そんな中、三角形のとんがり屋根をいただいた周りの不釣り合いな建物が目に入った。何だろうかと近づいたところ壮瞥小学校の建物だった。続いて隣には壮瞥中学校も建っていた。

               
               ※ 壮瞥の市街地といってもご覧のように閑散としています。このあたりも過疎化が進行しているようです。

               
               ※ 一風変わった建物で何かな?と思いましたが壮瞥小学校の建物でした。

 コースは、伊達方面と洞爺湖畔方面に分かれる十字路に差し掛かるが、洞爺湖方面に向かう道路の横に壮瞥川に沿った町道があり、そこを進む。

               
               ※ 壮瞥川の静かな流れです。この上流に激しく落ちる滝があるとは…。

 町道を進むと間もなく「壮瞥滝」の案内板が目に入る。「壮瞥滝」はコースに入っていないが、せっかくなので寄り道をすることにした。7~8分も進むと結構な水量を落とす「壮瞥滝」があった。イラストマップによると水は洞爺湖から流れ出ているようだ。

                    
                    ※ 「壮瞥滝」を落下する豪快(?)水の流れです。レンズが水煙で曇ってる?


 元に戻ってコース上を往く。コースは山の上にある「壮瞥公園」に向かっての急な上りに差し掛かった。とても直登できる坂ではなく、大きく左右に蛇行しながらジグザグに上っていく。陽射しに照らされながらの登行は一気に汗が噴き出る羽目となった。
 坂の途中には小さな像がたくさん立っており、「○○王子」という表示がされていた。36童子があるという。

               
               ※ このような急坂を陽射しを浴びながら20分近く登らされました。汗だくだくです。

               
               ※ 山道のそこかしこにはご覧のような王子像が立っていました。

 息せき切って山頂まで上がると、そこに大きな「不道明像」が立っていた。
 そして、そこからは洞爺湖を見下ろす素晴らしい景色が目に入った。遠くには羊蹄山もくっきりと映り、なかなかの絶景であった。
 後で知ったことが、壮瞥公園は梅林が立派な公園として知られているということだったが、私が訪れたときはまだ早かった?

               
               ※ 不道明像の御尊顔は逆光のために残念ながら見えませんね。

               
               ※ 「壮瞥公園」からの見事な眺めです。手前の樹が梅林のようです。

 そこからのコースははっきりいって面白いものではなかった。いわゆる洞爺湖の外輪山にあたる山道を歩くコースだった。舗装された味気のないコースで、見るべきものも特にないという退屈なコースである。

               
               ※ 壮瞥公園からのコースはご覧のような退屈な道が続きました。

                
               ※ 外輪山の上を行くコースですから、片や洞爺湖、片や送別の街が眺められました。写真はもちろん壮瞥の街の上から見たところです。             

 そうした道を3~40分歩かされた後、外輪山上の山道と別れ、スタート地点を目ざして坂道を下った。坂道を下ったところにはリンゴやサクランボ、あるいはブドウの樹が一面に広がっていた。一帯はたくさんの果樹園が集まっているようだ。(約20戸の果樹園があるとか)
   ※ なぜか果樹畑の写真を一枚も撮っていませんでした。まだ絵になる前の光景だったからでしょうね。

 国道に出て、10分ほど歩くとスタートした道の駅「そうべつ情報館i(アイ)」に到着した。ゴールしたのは9時35分だったが、道の駅には早くも観光客がたくさん押しかけ、ソフトクリームなどを頬張っていた。

               
               ※ 壮瞥町が有珠山や昭和新山の街であることを改めて教えられるように直ぐ近くに二つの山が見えました。(ゴール地点からの写真です)

 コース総距離6.6キロ、寄り道をしたり、坂道がきつかったりしたためおよそ2時間かけてのフットパスとなった。

洞爺湖畔フットパス 中島一周探検コース

2017-05-07 21:22:44 | フットパスウォーク & トレッキング
 周囲9.6キロの大島(4つある中島の中で最大の島)をおよそ3/4周するコースである。ちょっとした軽登山と、島の外周を巡る長いコースだった。途中風倒木に悩まされたが、それがまたコース名の「探検」に相応しいものとなった。 

               

 5月3日、「財田・田園と湖畔を巡るコース」に続いて、洞爺湖に浮かぶ「中島一周探検コース」(7.6キロ)を歩いた。
 中島に渡るには遊覧船を利用しなければならない。(往復1,420円 割引制度有)私はひと時観光客の一人になったが、一人だけウォーキングスタイルのために周りから浮いたような存在だった。

               
               ※ 洞爺湖遊覧船で有名な西洋の城を模したような「エスポワール号」です。私は帰りの便で乗りました。

               
               ※ 遊覧船上から見た羊蹄山です。羊蹄山はどこから見ても存在感十分で、まさに「蝦夷富士」の名がぴったりです。

 ところで、私は今回の洞爺湖畔フットパスを実施するにあたって、洞爺湖町役場の観光課に問い合わせていた。一部のコースが「夏期のみ利用可(5月~10月)」となっていたので5月早々では若干の不安があったからだ。
 すると担当のスタッフから「中島コースは風倒木があるため一周できません」との回答だった。そこで私は昨年の「四十山コース」での体験を持ち出し、「倒木を避けるようにすると進めるのではないか?」と問うた。すると「担当としては歩くことができますとは言えません」ということで、そこにある種のニュアンスを感じ取った。
 そこで、私の出した結論はけっして褒められるものではないが、昨年の体験もあり大丈夫と判断し、一周に挑むことにしてスタートしたのだった。
               
               ※ 中島の桟橋を降りたらすぐにある「森林博物館」です。私は時間がなくて訪問できませんでした。

 中島の桟橋に着くと、すぐ目の前に「森林博物館」や売店の建物が建てられた小さな広場が広がっていた。森林博物館はフットパスを終えた後、時間があったら訪れることにして直ぐにフットパスのスタートを切った。
 コースの入口には何故かゲートが取り付けられていた。シカ対策のためだと思われるのだが、今一つその目的を私は理解できなかった。

               
               ※ 森林博物館のすぐそばに「ゲート入口」があり、そのゲートを開けて遊歩道に入ります。

 ゲートの中に入ると、ウッドチップが敷き詰められた立派な遊歩道が広がっていた。遊歩道の周りはエゾマツ、トドマツの類が林立する空間で、時折りカラマツも散見された。
 「あれっ?」と思ったことがあった。それは林間にまったく緑が見えなかったことだ。普通は春を迎えると、林間には一斉に雑草が芽生えるはずなのだが…。
 そう思いながらさらに登っていくと、鮮やかな緑が一面に広がっている光景に出会った。「フッキソウ(富貴草)」の群落である。よく観察すると、フッキソウは林間の中で陽が当たるところに密生していた。しかし、その他の雑草類は一切目にすることがなかった。

               
               ※ スタート直後の遊歩道ですが、マツの木以外の下草などの雑草が見当たりません。

               
               ※ そんな中、日当たりの良いところにフッキソウが生えていて、ちょうど白い花を付けていました。

               
               ※ そして日当たりの良いところではご覧のようにフッキソウが繁茂していました。
               
 洞爺湖の中島は、エゾシカが異常繁殖して島内の雑草だけではなく、木々の皮までがエゾシカの被害に遭っていると聞いていた。確かに遊歩道の周りはエゾシカの食害で寒々とした光景が広がっていたが、それだけにフッキソウの青々とした光景は異常に映った。調べてみると、どうやらエゾシカはフッキソウを苦手としているらしかった。

               
               ※ 遊歩道の両側、フッキソウ以外の山野草は見当たりません。

 上り道は続いた。中島には東山、西山、北山と三つの山があるようだが、遊歩道はその三つの山を縫うように造られていた。上り道を上り詰めたところに「大平原」と称して木がまったく生えていない広場のようなところに出た。以前は木々が生えていたようだが、何らかの理由で木々が枯れてしまい大きな平原になったという。

               
               ※ 山を上り詰めたところに、このような平原が広がっていました。

               
               ※ 遊歩道上では風倒木の整理がされているようです。木の切り口を見ると、明らかに今年になってからチェンソーで切られた跡です。

 さらに遊歩道を上がる続けたところに、突然「この先立ち入り禁止」という表示があり、ロープが張られていた。
 そして遊歩道から少し目を上方に向けると、洞爺湖の中島の御神木と崇められたアカエゾマツが倒れているのが目に入った。
 傍へ行ってみると、立て看板があり、そこには

 巨木「洞爺湖・中島のアカエゾマツ」は、樹高31メートル、幹周399センチメートルを有し、推定樹齢350~400年、威風堂々たるその姿から洞爺湖中島の御神木として、古くから地元の人たちに親しまれ、敬われてきました。
 2000年(平成12年)、このアカエゾマツは、国有林野の代表的な巨樹・巨木「森の巨人たち100選」の1つとして選ばれ、洞爺湖中島のシンボルとしてその勇壮な姿を見せてくれましたが、2004年(平成16年)9月8日、台風18号の強風により倒れました。
 2005年(平成17年)9月、巨木アカエゾマツの再生を願い、「北海道巨樹・巨木サミット」を開催し、このアカエゾマツのクローン木を植栽しました。
 

ということが説明書きされていた。

               
               ※ ちょっと大木には見えませんが、横たわっているのがアカエゾマツの倒木です。

                    
                    ※ その倒木の傍に、クローンのアカエゾマツが網に囲われて育成されていました。

 さあ、ここからは私自身の責任ということでロープを跨がせていただき、さらにその先へと歩を進めた。
 コースはそこから湖岸に向かって下り道となった。これまでのように遊歩道にウッドチップが敷かれていることもなく、登山道のような道が続いていた。
 途中、何か所か倒木が道を塞いでいるところがあったが、特に問題なく倒木を避けながら通ることができた。

               
               ※ 申し訳ありません。このロープを跨いで前へ進ませていただきました。

               
               ※ この程度の倒木は想定の範囲内だったのですが…。

 そしてちょうど遊覧船を降りた地点とはまったく反対側の、島の北東湖岸に出た。そこは午前中に歩いた洞爺湖町の財田地区に面するところでもあった。だから、またまた水上バイクにもお目にかかることにもなった。
 
 ここからは遊覧船を降りた桟橋があるところに向かって湖岸をひたすら歩くウォーキングが始まった。そのコースは島と湖の境目ギリギリに造られた遊歩道で、昨秋落ちた枯葉が一面を覆いつくす道だった。
 イラストマップでも特別の説明はなく、エゾシカのイラストが描かれてはいたのだが、一頭にエゾシカにも出会うことなく単調なウォークが続いた。

               
               ※ 湖岸に出てからの遊歩道です。

               
               ※ 湖岸の遊歩道もさまざまな表情を見せ、ご覧のような厳しいところもありました。

 このままゴールできるのかな?と思い始めたとき、この日の最難関が待っていた。
 これまでは倒木といっても1~2本の倒木が道を塞ぐくらいで難なく通過できていたのだが、ここで出会った倒木は5~6本が束になって倒れていた。しかも、行く手の右手は険しい崖、左手は直接湖に落ち込んでいて、避けるところがない。まったく向こう側も見えないくらいに倒木やその枝が行く手を遮っていた。
 はてどうしようかと思ったが、ここまで来て引き返すという選択はない。私は木の枝が空いているところをかき分けながら進むことにした。いやはや大変な難行苦行であった。これだと役場担当者が「一周はできません」というのも分かる気がした。

               
               ※ いやはや、まさに想定外です。右にも左にも避けることができません。私はこの倒木と格闘しながらなんとか抜けることができました。

               
               ※ 倒木との戦いを終えて、振り返って撮った一枚です。

 なんとか難所を潜り抜け、ゴールを目ざした。
 ゴールにかなり近づいたときだった。右手の林の中に網で囲まれた一角があった。どうやらエゾシカの食害調査をしているエリアのようだった。囲いの中を見ると、そこには木と共に、クマザサが茂り、雑草が生えていた。ということは、エゾシカはあの固いクマザサまで食料として食べ尽してしまったということのようだ。

               
               ※ 網で囲んでエゾシカの食害調査をしているところだと思われます。

               
               ※ 囲いの中はご覧のようにクマザサや雑草が育っていました。

 結局、この日私は中島のエゾシカに逢いたいと思っていたのだが、逢えずじまいだった。食料が少なくなった中島でエゾシカたちはどこで生き延びているのだろうか?

 所要時間2時間20分を要して、中島一周探検コースの探検を終えたのだった。

洞爺湖畔フットパス 財田・田園と湖畔を巡るコース

2017-05-05 18:54:37 | フットパスウォーク & トレッキング
 裏洞爺という呼称は聞いたことがないが、よく知られている洞爺湖温泉街とはちょうど対岸に位置する旧洞爺村の一帯を巡るコースである。洞爺湖を眺めながらののどかなコースだったのだが…。 

        

 洞爺湖畔の周辺には合計6つのフットパスコースが設定されている。私は昨年11月に、その中の2つのコースを踏破していた。(金毘羅山コースと四十三山コース)
 そこで残り4つのコースを踏破しようと3~4日に洞爺湖畔へ出かけたのだ。

 3日に最初に訪れたのが「財田(たからだ)・田園と湖畔を巡る」コースだった。
 スタート&ゴールは、「洞爺水の駅」に設定されていた。マップによると全長6.6キロとそれほど長いコースではない。

               
               ※ 「水の駅」とは珍しいが、食事処、物販、そしてイン補メーションセンターなど機能を果たしている施設のようだ。

 10時ちょうど、湖畔近くにある「洞爺水の駅」をスタートした。コンデションは快晴、絶好のフットパス日和である。
 スタート直後、湖畔を離れ、住宅街を抜けて小高い丘の方に導かれる。
 小高い丘を登りきると、眼下には旧洞爺村(現在は洞爺湖町財田地区)の市街地や洞爺湖が望まれ、遠くの丘の上には独特の形をしたウィンザーホテルも望見された。

               
               ※ コース上にはこのようなフットパスの案内標が立てられていたが、ところどころ欠損していたのが残念だった。

               
               ※ 小高い丘からは財田地区の市街地が一望できました。

               
               ※ そして遠くには独特の台形の形をしたウィンザーホテルが望見できました。
 
 道は砂利道、豊かな木々に囲まれ、時折り別荘風の建物が散見されるのどかな風景の中を往く。
 砂利道をしばらく行くと、丘の道から湖畔へ続く道に導かれる。イラストマップでは「財田の田園風景に心が落ち着きます」とある。確かに豊かな田園風景が広がっている。まだ田んぼには水が張られていなかったが、水が入るとまた趣が違ってくるかもしれない。

               
               ※ こうした砂利道を往くのがフットパスに相応しいコースのように思えます。

               
               ※ 丘の上の湖が望めるところにはあちこちに別荘風の建物が散見されました。

               
               ※ 財田地区の田園風景です。手前のビニール畑はトウモロコシのように思えました。遠くは水を張る前の水田です。

 そしてコースは洞爺湖畔へと繋がっていた。湖畔沿いには遊歩道が造られていた。何という素材なのかは分からないが、弾力のあるふわふわとした遊歩道は脚に優しく、観光客には人気の遊歩道だと思われる。何組かの親子が散歩を楽しんでいたが、微笑ましい光景である。

               
               ※ 素材は不明ですが脚に優しい遊歩道です。遠くに親子連れの姿が見えます。

               
               ※ 湖水沿いの木道も脚に優しい遊歩道でした。

 湖水を間近にしながらフットパスウォークを続けていると、インディアンカヌーを操る人たちがいた。湖上で話す声が聞こえるほど静かな雰囲気が素晴らしい。
 湖水の反対側に目をやると、きれいに整地された財田キャンプ場にテントを張る人たちの姿も見えた。まだ、キャンプシーズンには少し早いかな?という時期に思われるがキャンプが大好きな人たちにとっては、キャンプシーズン到来らしい。

               
               ※ インディアンカヌーが佇む湖水の風景は、まさにいっぷくの絵という感じです。

               
               ※ この日の午後に歩いた中島を裏洞爺(?)から見た図です。

               
               ※ 財田キャンプ場にはあちこちにテントが立っていました。

 ところがそこからしばらく行くと、そうしたのどかな風景が一変する光景に出会った。
 水上バイクがあげる爆音である。しかも1台や2台ではない。数を数えたわけではないが、相当数の水上バイクが爆音を上げながら湖上を疾走していた。
 さらには休憩をし、湖上に駐留している水上バイクもかなり数である。
 その傍には、巨大なテントを建てて、大宴会(?)があちこち始まろうとしていた。

               
               ※ 水上を疾走するバイクを撮り損ねました。駐留している水上バイクです。
 
 きっと、洞爺湖の中でも水上バイクができるところを限定して許可されているものと思われる。札幌からも比較的近い洞爺湖は、愛好家たちにとって水上バイクのメッカの一つになっているのかもしれない。
 彼らの楽しみに対して、私があれこれ言って物議を醸す気持ちはさらさらない。ただ、あの裏洞爺の静かな雰囲気を壊してしまうような爆音はどうなんだろう?と率直に思ったのだが…。

               
               ※ たった一羽、シベリアへ帰りそびれた白鳥です。さかんに羽のあたりを嘴で突いていたところを見ると、どこか怪我をして飛び立てなかったのかもしれません。

 私にとってはちょっと残念な思いをしながら終えた、この日の第一のフットパスウォークだった。


※ 昨日の投稿で一度寝てから投稿をなどと書きましたが、爆睡でした。

洞爺湖畔フットパス

2017-05-03 18:00:16 | フットパスウォーク & トレッキング


洞爺湖畔に来ています。
今日と明日、洞爺湖畔に設定されている4つのフットパスコースを巡ろうと計画しました。

その4つとは、①財田・田園と湖畔を巡るコース、②中島一周探検コース、③壮瞥公園と果樹園コース、④昭和新山と有珠山山頂コースの4つです。
今日、快晴の絶好のコンディションの中、計画どおり①、②のコースを踏破しました。中島一周探検コースは2つめだったこともあり、けっこうタフでした。
明日は残りの2つのコースを踏破して帰宅の予定です。

宿泊は今年初めての車中泊です。
実は昨年暮れに車を入れ替えてワゴンタイプのものにしました。(ワゴンではないのですが)そのため、セダンタイプよりかなり居住性はアップしたのではないかと思っています。
その辺の感想も帰宅後にレポしたいと思っています。

笑い話しを一つ。
二つのコースのフットパスコース終え、今日の宿泊予定の壮瞥町の道に駅に向かったとき、壮瞥町の公共温泉(名前を忘れました)で汗を流そうとタオル一枚持って入館しました。
とってもいいお湯でした、
さて身体を洗おうという段になって、シャンプーも石鹸もおいていないことに気付きました。私はそうした類いのものは当然用意されている思い込んでいました。
あまり公共温泉を利用したことのない故の無知でした。どうりで料金が420円と安かったですもね。
これからはシャンプー、石鹸持参で利用しなくては…。

今日はけっこう疲労しました。明日に備えて早寝します。

添付した写真は、中島に行くために乗船した遊覧船の上からまだ雪をかぶっている羊蹄山を望んだところです。

洞爺湖畔フットパス 四十三山コース

2016-11-13 16:55:43 | フットパスウォーク & トレッキング
 このコースは洞爺湖温泉と壮瞥温泉の間に位置する「四十三山(よそみやま)」、別称「明治新山」とも称される小さな山を登りながら周囲を周回する軽登山コースだった。本来は洞爺湖を眼下に望めるコースなのだが、降雪のために眺望は効かず退屈な軽登山となった。 

     

 この日(11月9日)、朝一番に「金毘羅山コース」を巡った私は、続いて洞爺湖温泉街の外れにある公共駐車場がスタート&ゴール地点となっている「四十三山コース」を歩くことにした。

               
               ※ このようにコース閉鎖の表示が出ていたのですが…。

 ところが!スタート地点に立ってみると、「平成28年8月31日の台風による倒木被害のためコースを閉鎖します」と表示が出ているではないか!
 「ここまで来て、それはないでしょ」という気分だった。そこで注意を促してくれている方には大変申し訳ないけれど、私自身の責任において、倒木のところまで行ってみて、そこを越えられないようであれば引き返して来ようと考え、コースに入らせてもらうことにした。スンマセン(m(._.)m)

               

 スタート地点直後は写真のように流路工沿いの緩い傾斜を上がっていくが、やがて流路工沿いを離れ、本格的な階段登行となる。この階段が丸い自然石を並べた階段になっていた。
 この「四十三山コース」では、ある程度の斜度がついているところのほとんどに自然石が使われていた。30cm前後の丸い自然石をよく集め、そして運んだものだと感心した。

               
               ※ 写真のような自然石を並べた階段が延々と続いていました。

 斜度が緩くなったところでコース閉鎖の理由となった倒木がコースを塞いでいた。しかし、それほど酷い倒木ではなく、難なく倒木の横をすり抜けることができた。
 その後のところどころで小さな倒木がコースを塞いでいるところがあったが、特に問題はないと思いながら進んでいたところ、コース最大の難関が待ち構えていた。太い倒木3~4本コースを大きく塞いでいた。倒木の横をすり抜ける隙間も見つからなかった。そこで横たわった倒木の上に乗って、そこを乗り越えた。以前、冬に豊平峡ダムを目ざした時の倒木と比べるとそれほど難しいとは思われなかった。

               
               ※ 最初に現れた倒木ですが、こちらは難なく脇を通り抜けることができました。

               
               ※ こちらは大木が二重、三重に折り重なって、なかなか大変でした。

 コースの道標で気付くことがあった。それは「金毘羅山コース」との共通性がなかったことだ。こちらの「四十三山コース」の道標の方が新しいと思えたのだが、現在地が表示されていないのはどうしたことか? マップの表示と、現地の道標とを見比べて現在地を確認するウォーカーが多いと思われる。そこへの配慮がほしいなぁ、という思いだった。

               
               ※ 立派な標識なのですが、現在地を知る手がかりを得ることができませんでした。

 そうするうちに四十三山の山頂に到達した。山頂には展望台が建てられていた。本来であれば展望台からは眼下に洞爺湖の眺望が広がっているはずだか、厚い雪に阻まれて何も見えなかった。

               

               
               ※ 展望台からはごらんのように何も見えませんでした。

 このコースには、私が取り寄せたマップには表示されていなかった「噴気口コース」というのが併設されていた。そのため少々迷うところもあったが、なんとか正規のコースを辿ることができた。
 その中で、現地の標識の案内で、近くに一つの噴気口があると知って寄ってみた。
 四十三山(明治新山)が明治43年の噴火活動によって形成された山という証の一つなのだろう。

               
               ※ 噴気が出ている孔の周辺だけは緑色が鮮やかです。

 四十三山からの下山コースも、階段のところには丸い自然石が並べられていたが、雪が乗って滑りやすい状態だったので慎重に下山した。
 下山口のところには旧火山観測所の廃屋がたたずんでいた。
 そこを過ぎると、壮瞥温泉の端に出て、国道をスタート地点まで戻った。

               
               ※ 下山コースもご覧のように丸い自然石が敷き詰められた階段でした。

               
               ※ 旧火山観測所の廃屋です。

 時間としてはもう一つくらいフットパスコースをウォークする時間はあったが、二つのコースを巡り、雪の覆われたモノトーンの世界は今一つ魅力に乏しく、さらには時折り激しく雪が降り続くコンディションのために断念した。
 やはりフットパスウォークが似合うのは、緑の季節が相応しいということだろう。他日を期したいと思い、この日は終了することにした。

               
               ※ 洞爺湖畔の駐車場から灰色に煙る洞爺湖を撮りました。

洞爺湖畔フットパス 金毘羅山コース

2016-11-11 20:23:43 | フットパスウォーク & トレッキング
 時折り雪が激しく降る中でのフットパスウォークだったが、2000年の有珠山噴火の爪痕が残る興味深いコースだった。ただ雪が舞い、隆起したり、分断された様子を見る(トレッキングする)には、必ずしも適切な季節ではなかったようだ。 

         
               
 前日、「秘境小幌モニターツアー」に参加した私は、そのまま帰るのも芸がないと考え、洞爺湖畔に一泊し、翌日洞爺湖畔に設置されたフットパスコースを2~3巡ってから帰ろうと計画を立てた。

 洞爺湖畔のフットパスコースは、私が取り寄せたガイドブックでは6つのコースがあった。その中から、私がまず選んだのは、2000年の有珠山噴火の爪痕が残る「金毘羅山コース」だった。スタート地点が宿泊したホテルのすぐ前だったことも選んだ原因の一つである。それはマップの表記とは正反対のスタート地点である「洞爺湖町火山資料展示室」という旧消防庁舎前からの出発だった。

               

 スタート地点の旧消防庁舎は、ちょうど洞爺湖畔のホテル街から小山を一つ越えたところにあり、コースは湖畔との間にある金毘羅山の裾を回って湖畔まで行き、折り返す往復コースだった。(距離にして往復4.5キロ)
旧消防庁舎の裏側は噴火によって大きく陥没し、今は水を湛えた大きな沼になっていた。

               

 そこから金毘羅山へ向かっての緩やかな上りが続く。途中にはこれも噴火によって廃墟となってしまった旧ゴミ焼却場の高い煙突が物悲しく立っていた。

               

 コース脇に立てられていた説明板には、辺りが噴火活動によって土地が隆起したということだが、噴火から15年以上経過したこともあるのだろうか、凹凸は認められるものの雑草が生い茂っていて、写真に撮るには相応しいと思えず、一枚も撮ることがなかった。

 金毘羅山の裾のピークを過ぎ、洞爺湖畔が視野に入ってくると、さまざまな噴火の爪痕を見ることができた。
 まず目に飛び込んできたのが、金毘羅山の山肌が大きく崩落し、草木も生えていない茶褐色の山肌だった。
 また、その沢の部分には砂防ダム(泥流ダム?)が設置されているのが見えた。

               

               

 続いて、2000年にできた噴火口の跡に水が溜まった二つの噴火口が現れた。その二つの噴火口には、「有くん火口」、「珠ちゃん火口」と、ちょっとお茶目な名前が付けられていた。
 この命名は、有珠山噴火を予知するなど、有珠山噴火に対して人的被害を未然に防いだ岡田弘北大名誉教授ではないかと思われるのだが、はたして真相は?

               
               ※ 青い水をたたえた「有くん火口」です。

               
               ※ こちらはノーマルな水の色の「珠ちゃん火口」です。

 二つの火口からやや下ったところに大きな断層が見えてきた。近くにあった説明板によると、「木の実の沢の火山性活断層」とあった。

               

 その後、湖畔に向かってどんどん高度を下げていったが、湖畔に入る直前に大きな壁が周りを覆っていた。その向こうには、噴火の被害を受けて廃墟となった4階建ての町営住宅が建っていた。
 果たして大きな壁は噴火前からあったものだろうか、それとも後なのか?私には判断がつかなかった。

               
               ※ 目の前に大きな壁があり、壁の向こうに廃墟となった町営住宅が見えます。

               
               ※ この写真は町営住宅側から壁を見たところです。 

               

 町営住宅のところまで行くと、スタートの標識が立っていたことと、雪の降りが激しくなっていたこともあり、マップ上のスタート地点である「洞爺湖ビジターセンター」には寄らずに折り返した。

 紅葉が終わり、その上雪が降っていたこともあり、すっきりして光景とはいかず、写真としてはつまらないものとなってしまったのが残念だった。

               
               ※ コース上には写真のような標識が立てられていた。標識に意味は、上からコースの
                レベル(軽登山レベル)、現在位置(T8)、ウォークの方向(右方向)を表します。

秘境小幌モニターツアー 後編

2016-11-10 20:56:25 | フットパスウォーク & トレッキング
 秘境駅ランキングで全国第1位の「小幌(こぼろ)駅」は、三方を山に囲まれ、前面は海、およそ人など住めないようなところにあった。ガイドさんによると、小幌駅は人の乗降が目的で造られた駅ではなかったという??? 

               

 小幌駅は海に向かった前方が急峻な崖、背後は高い山、そして左右はトンネルと、まったく人を寄せ付けないようなところにあった。
いったい何のための駅?といぶかる向きがあるかもしれないが、それもそのはず、ガイドさんによると小幌駅が設置された理由は以下のような事情だった。

               

 室蘭本線の豊浦-長万部間は海岸線に急峻に山々が連なっている。鉄道を敷く場合、当然のようにトンネルが多くなったという。トンネルが長すぎると蒸気機関車の煙をどこかで抜く必要性が出てきたという。(その部分を鉄道用語では「明かり部分」と称するらしい)
 また、室蘭線は当時単線だったために、上下線の列車が交差する場所を必要としていたという。(室蘭本線は現在函館から伊達までは複線になっているという)そのため小幌駅のホームのところを複線にして上下線を交差する造りにしていたという。
 そのための小幌駅だった、とガイドさんは説明してくれた。

               
               ※ 上り普通列車が新礼文華山トンネルから出てきました。

 現在は蒸気機関車ではない。その上、豊浦-長万部間は複線となっている。客の乗降がない小幌駅を置いておく理由がJRにはまったくない。そこで廃駅を豊浦町に提案したようだが、秘境駅№1として有名になった小幌駅を地域の観光の目玉としてなんとか残したい町は管理費用やホームの改修費用を町が負担する方向で検討することで、当面の廃駅を延期できているようだ。

               
               ※ その列車が新辺加牛トンネルに消えていきました。

 そうした事情もあり、豊浦町としてはこれまで以上に小幌駅の観光価値を高める必要が出てきたために、今回のようなモニターツアーを企画したようだ。
 豊浦町としては、今回私が参加した「秘境小幌ツアー」ばかりでなく、さまざまな企画を立案し、ツアーとして成り立つかどうか、モニターツアーを実施しているようだ。
 今回のモニターツアーには、「地域おこし協力隊」の若い女性2名もスタッフとして加わっていた。

               
               ※ 特急列車が新辺加牛トンネルから出て、あっという間に目の前を通り過ぎていきました。

 モニターツアーの最後に、当然ではあるが、参加者にはアンケートへの記入を要請された。
その中で、私たちが参加した「秘境小幌ツアー」を豊浦町としてはツアー参加費4,950円に設定して売り出したいがどうか?という質問項目があった。
 その問いに対して、私は概略次のように回答した。
「コースはいかにも秘境を訪ねるというワイルド感があり面白いと思う。ただし、お年寄りや体の弱い人などには参加にあたって注意を促す必要がありそうだ。料金的にはバス代、ガイド料、列車乗車代、温泉入浴料などを加味すると妥当なところだろうか?ただし、個人的には時間が少し短く感じた。(コース全体で4時間、行動時間が計約1時間だった)一日費やすようなコースもあると老若男女の要望に応えられると思います」と書いて提出した。

               
               ※ 15時44分発の東室蘭行きの下り普通列車を待つツアー参加者たちです。
 
 豊浦町には「礼文華山古道」(5.9キロ)というトレッキングコースもあるとスタッフの方から伺った。それもちょっと魅力だなぁ、と思いながら「天然豊浦温泉しおさい」の湯船に浸かったのだった。

秘境小幌モニターツアー 前編

2016-11-09 20:13:34 | フットパスウォーク & トレッキング
 久しぶりのワイルドなトレッキングだった。なまっていた私の体が覚醒した思いだった。なるほど小幌は秘境の名に相応しく、人が近づくのを拒否しているかのような険しい谷間に位置していた。時間はそれほど長くなかったが、秘境小幌を満喫した。 

 11月8日(火)午後、豊幌町が主催する「豊浦町の観光体験プログラム 体験モニターツアー」の「秘境小幌ツアー」に参加した。

               

               

 行程は次のようになっていた。
 豊浦町の市街地にある「天然豊浦温泉しおさい」に12時30分に集合し、トレッキングのスタート地点となる林道入り口にバスで約30分間かけて移動した。林道入り口となるところは国道37号線沿いではあるが、豊浦町から長万部にかけての国道37号線はトンネル、またトンネルといった非常に険しい峠を越えていく道路である。私たちが降ろされたところもトンネルを出たところの山の中だった。
 そこからトレッキングを開始して、約30分間かけて沢沿いを下り、海辺に出た。そこに「小幌洞窟」とういう大きな岩穴があった。

               
               ※ ガイドの河合さんはバスの中から今回のコースについてのレクチャーをしてくれた。

 小幌洞窟からは山登りだった。これもおよそ30分間くらいだったろうか?少し平坦になったなと思ったとき、鉄路の長いトンネルが少しだけ途切れた谷間に「小幌駅」があった。
 そこから列車に乗って豊浦駅まで戻り、スタート地点の豊浦温泉に戻り、解散というコースだった。

               

 この日はあいにくの雨だった。それほどひどい降りではない、ということで主催者は実施を決めたようだ。私は上下レインウェアを着込んだうえ、雨傘を差すという万全な体制でトレッキングを開始した。
 国道は海面よりかなり高いところを通っているらしい。私たちは沢沿いをどんどん下っていった。雨のためにコースのところどころはぬかるんでいた。さらに石は滑りやすくなっていた。参加者に気を付けるようにと指示を出していた女性のスタッフが私の目の前で大きな石のところで滑って尻を打ってしまった。バツの悪い思いをしたことだろう。

               
               ※ 団体行動の上、傘を差していたので行動中に写真を撮ることができずコースの険しさを写すことができなかった。

 沢を降り切ったところが「小幌洞窟」だった。
 小幌洞窟を訪れた最初の和人は全国を行脚していた僧、円空であったという。円空は1666年に洞窟を訪れ、5体の仏像を作り洞窟内に納めたと言い伝えられているそうだ。
 洞窟はかなりの大きさで、人間なら3~40人くらいは入れそうなほどの大きさだった。我々一行25人はゆうに雨宿りができた。
 洞窟の奥には「岩屋観音堂」が設置され、そこに仏像が安置されていたと伝えられている。

               

               

               

               

 ここでスタッフが持参した温かい飲み物が提供された。その飲み物とは、地元産のロロンというカボチャを使ったポタージュだった。地元のレストランのシェフの手によるものということだったが、非常にとろみの強い濃厚な味が冷えた体に美味しかった。
 さらに、豊浦町特産のイチゴを材料としたキャンデーも配布された。

               

 小幌洞窟を後にすると、険しい登りが待っていた。海岸から崖の上へよじ登るようなコースだった。とは言っても、登山のように長くはなかったし、ガイドもゆっくりと歩を進めてくれたので、それほど辛さは感じずに済んだ。

               

 崖を登りきると、噴火湾を林越しに眺めることができた。
 この登りも30分くらいだったろうか?ちょっと平坦になってきたかな、と思ったところ最終目的地の「小幌駅(こぼろえき)」だった。トンネルとトンネルの間が200mもあるだろうか?まったく人家はなく、ホームと駅名だけの簡素な駅である。小さな建物はあったが、それは駅舎ではないとのことで、駅舎のない駅だった。

                            

※ 長くなりそうなので今日はここまでにして、後編で小幌駅周辺の描写と、このモニターツアーについて考察してみたい。
※ なお、私は今日(11月9日)雪の中で、洞爺湖畔の二つのフットパスコースを歩いてきた。それも追ってレポしたいと思います。