ノース・ジャム・セッションの後半の3組は、いわばこのセッションの主役たちでしょう。それぞれが興味深いステージを繰り広げてくれました。
4) 大黒摩季 with TOKU
大黒摩季はご存知のようにロックシンガーとして確固たる地位を築いている一人です。
その彼女が一緒に演奏するTOKUの勧めもあってジャズに挑戦したということです。彼女が札幌出身だということも今回の挑戦の一因かもしれません。
結論的にいえばあまり成功した挑戦とはいえないなぁ、というのが私の率直な感想です。というのは、彼女のどことなく自信なさげな様子がステージから垣間見えてしまったということです。それは彼女の正直な人柄の証しなのかもしれませんが・・・。
ラストの彼女のヒット曲「ラララ」も会場全体がどこか乗り切れないまま終わってしまった感が拭えませんでした。
5) エディ・パルミエリ/ブライアン・リンチ ジャズ・クァルテット
(Eddie Palmieri/Brian Lynch Jazz Quartet)
エディ・パルミエリは私にとって未知のミュージシャンでしたが、経歴をみるとグラミー賞を何度も受賞したラテンジャズ界の大御所ということです。
彼のピアノは確かに老練な上手さを出していましたが、いかんせんブライアン・リンチのペットの音が前に出すぎていて、ピアノが消されてしまった感がありました。私の耳にはトランペットの高い音ばかりが残りました。
そんなことも災いして、せっかくの大御所の音を心から楽しむというわけにはいきませんでした。
6) 上原ひろみ (Hiromi's Sonic Bloom)
上原ひろみの超絶技巧には会場全体が度肝を抜かれたようでした。
人間技とは思えない超高速のキータッチはバークレイ音楽院を主席で卒業し、ニューヨークジャズ界を席巻しているということですが、そのことに深く納得させられた演奏テクニックであり、パワーでした。
ところが、それほど素晴らしい演奏であったにもかかわらず、そこには素直に反応していない自分がいました。
それは偏に私自身の中にその素晴らしさを感ずるものが備わっていなかったということに尽きるように思います。
少しくどくはなりますが、今回のセッションの感想を私なりにまとめてみたいと思います。
まず野外ライブの魅力です。
前回の投稿でも触れましたが、野外では雨、風、気温などによってライブの環境は刻々と変わります。
しかし、それがまた魅力なのだと思います。
雨で体が濡れることも、風の音とステージの音が混じることも、気温が変化することも、それら全てを楽しみと感じながら参加するのが野外ライブの魅力なのでしょう。今回はさらに会場内に漂う焼き鳥の匂いも一役かっていました。(室蘭名物?の焼き鳥が出店していたのです)
ですから野外ライブを心から楽しむには・・・、やはり登場するミュージシャンをCDなどでじっくり聴いて、その魅力を十分に感じ取っていることが前提なのだと思います。(当たり前のことですね)
CDやホールコンサートとは違った魅力を発見し、楽しむのが野外ライブなのではと感じさせてくれた今回のNorth JAM SESSI0N でした。
そうしたこを教えてくれるのも、気軽に参加することができる札幌に住んでいることの良さの一つですね。